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2024年5月27日 (月)

音楽備忘録1746 杜撰流不景気対策➌

必要な物を買うのは当たり前しかもなるべく早く手にしたい、誰だってそう思うだろうしそれだけなら間違ってない。
でも本当に「必要に足りてるか」が問題で、惜しいのを買っちまったら早期の買い直しがやって来ちゃうんだ。

っと言いつつ毎度の杜撰ぶりから失敗も少なくねえんだが、単用途だけの想定でミスると潰しが利かんくて困るん。
既に使用体験が一定を超えてれば大巾な想定外は起こり難いが、1〜数回程度の体験じゃ中々そいつの全貌が
把握し切れないのもあるんだ。

先ずは打者の選球眼の如く選択スキルに磨きを掛けるのが一番だが、打者よりゃ遥かにマシでも打率10割になんてこっち分野でだって到底望めねんだ。
その際役立つのが複数用途想定で、寧ろ3つ以上の用途に叶いそうじゃなきゃ買うのを保留にするって手もあるんだ。

例えばMicで汎用だったら何処かに適合する可能性が残るが、専用ので外したら売って買い替えるしかない。
そうなると資産自体が僅かでも目減りするのが必定で、そのせいで次の候補の選択肢に新たな制限が生じる。

んだけど人間心理の事情でついこれ位安いなら、万一ドブに捨てる事になってもなんて思っちゃって誘惑に負けたりすんのよね。
その際助力になる発想が↑で、例えコスパは少し劣っても何かの足しになるかざます。

要するに基本は一発ドデカイのを狙う迄は一緒だが、三振はせず最悪でも犠牲フライにしようってね。
面白いもんで少し謙虚になれると、判断の確率は上がるし思考が柔軟になるんすよ。

丁度この「気分は高揚させつつも何処かに冷静さを残す」のって、元々盛り上がる音楽を演るには必須なスキルなんだよね。
手前味噌の一例として球コンデンサMic購入の経緯を晒せば、幾ら球好きでもそのコストにはかなり逡巡したんだ。

何しろ同一ブランド比で、石なら半分以下の価格で同等品が出てたからさ。
けど候補1を石にして駄目で少し高額の候補2の石に買い替えて、それでもアカンかったら結局…ってなるやんか。

しかも耐音圧では石の最高のと球のでは10dB以上の差があって、過去述の如く専用電源から高圧供給を受けられる球に対してどうしたって石のは不利なんすよ。(現在耐圧50V以上で適したFETがディスコンになって久しい)
流石に自称爆音自慢でもそこ迄必要そうじゃないんだけど、万一ヘッドマージン不足が何処かで出たらそれには使えなくなる。

因みに現代での球コンデンサのニーズって非爆音の生楽器や歌唱が多いが、¥1万を割込むなら未だしもそれでデカい音には使えないとなるとコスパ・汎用性が悪過ぎるぜよ。
例えば¥2万で歌やアコギにしか使えないのだとRockのDrumは当然無理だとしても、最悪は剛腕が弾くGrand Pianoなんかも駄目かも知んない。

尤も宅みたいに録音Studioもやってたりすると絶対数が要るんで、そっちも考えなきゃなんないから理想通りには中々行かなかったけどな。
ので先ずは必要最低限の本数を揃えるしかなかったが、取敢えず耐音圧が理由で用途制限が掛かるのだけは回避したよ。

実際には音色や周波数帯域の都合で全部汎用でも無いんだけど、一応どんな想定外な楽器を持込まれても困る心配はそれで無くなせたよ。
こんなのは元来不景気対策では無いんだが、今迄は考慮してなくて苦境迎えたんだったら誰にでも必要となって来るんだ。

=つづく=

2024年5月23日 (木)

音楽備忘録1742 杜撰流不景気対策➋

世情に拘らず経費圧縮には無駄な出費をしないのが鉄板だが、何を無駄と考えるのかは変動するのだ。
あまりに保守的になっては必要な変革が遅れたりするし、かと言って流行を追い過ぎても想定より早期終息すると無駄になる。

これの解消には手持ちで流行に乗る知恵がものを言い、そもそも流行の発端をどうやって作ったかを考察してみると良いんだ。
流行後であればそれ用が色々売られる様になるが、誰か1番乗りした時点では○○用なんてまだ未出なんすよ。

ので殆どの場合始祖は使い方の工夫で編み出してて、ツールが新しいから出来た訳じゃねえんだ

因みにボーカロイドに関して、今では恐らく忘れられた情報を参考に披露しませう。

電子技術的には音声合成半導体が出発点となってて、杜撰大王がそのテクを最初に知ったのは1980年代中頃でPC師匠からだった。
当時師匠はまだ俺が逃げた代わりに紹介した音響の会社に在籍してて、業界内速報でYAMAHAでそんなのが出来上がったってのだった。

それから制御部や価格等で難儀してたのか次が聞えたのは2000年代になってからで、名称が単なる音声合成LSIからPCソフトのボーカロイドに変わってたんだ。
それでも当時試聴してこんな不自然じゃ使えるかよと感じたから、所謂ボカロPが台頭する迄杜撰君内ではずっとお蔵入り情報になってたんだ。

新技術の使い熟しには早期新機器の導入が有利ではあるけど、音楽での実用上は必ずしも成功する保証の無いギャンブルでもあるんだ。
だから趣味として失敗しても学費だと思えるなら良いけど、必須ツールが揃わぬ内にホイホイと触手を伸ばすのはどっちらけなんすわ。

俺の場合音楽を趣味としたPC師匠とコンビを組んでたのは幸運で、師匠の方にしても実用性は俺の状況からと相互に知己を得てたんだ。
何でも直接自身で試せないと気の済まない性分にはこれは厳しいが、全数を賄おうとするのは一面で無理がある。

楽器パート事情にしても当初自身ではGuitar・Bassだけ専門で、鍵盤や太鼓等他のは「パートの違う親しい人」から知恵その他を導入してたんだ。
ロクに弾けなかった鍵盤や叩けなかった太鼓等、仮に所持してたってその時点では充分には試せないやんか。

とは言え周囲の誰かが先に購入すりゃ、羨んだりと葛藤は今も常にあるがね。
でも誘惑に弱過ぎるといけないのは何でも同じで、只音楽関係固有のでは難聴とか腱鞘炎とか被害が他のに比べりゃ軽いんだけどさ。

が少なくとも確実に懐には影響してて、それが赤貧ででもないと自覚し辛いだけなんだよ。
初心の内は何が必要か間違えて、杜撰君なんかロスは多い方だったかも知れない。

ミスは悔しいが仕方無い授業料と諦めて、その後に似た様な失敗をしないのが肝心でっせ。
けど芸術関係は気分に左右され易く、如何に別観点を醸成して行けるかが案外簡単じゃないんだよなぁ。

=つづく=

2024年5月19日 (日)

音楽備忘録1738 杜撰流不景気対策➊

資金難は俺みたいな貧程大打撃には違いないが、世界から遅れをとって30年ともなると金満氏にだって影響が避けられてないんだよ。
ってな事って長年に蓄積された、ノウハウみたいなのを紹介する趣旨でありんす。

但し健康を害する様では医療費その他の増加を招くし、音が露骨に劣化すりゃその分上がりが減っちまう。
ので唯単にケチりゃ良いってもんじゃなく、長期トータルコストって概念が必要なんだ。

最新半導体のデジタル機器は今や完全回避等論外だが、進化・変貌の早さと短寿命若しくは少し古くなると途端に修理不可になるのは忘れちゃ駄目よ。
その上1980年代と違って海外依存率が飛躍的に高まってるから、だらしない円安是正が進まぬ内はとってもコスパが悪いんだ。

とは言え今や出来ればPC・最低でもスマホの力を借りないと、作品アップロードやSNSでの告知もままならない。
だが基本的なデジタル音響規格に原理的革新が訪れない内は、やれハイレゾだ何だと言った処で飛躍的な音質向上は期待すべきじゃない。

それに対し完全打込み以外は微量でも残存する旧来のアナログ箇所等は、より当分は大変革の見込みは薄い。
って事ぁそれだけ機器寿命(ここでは壊れなかったら使用に堪えるかの意)は長い訳で、この部分への投資は一時的なのとは違う考え方をするのが相応しいんじゃないかな。

又楽器等を使うとメンテや弦・皮等を含む消耗の問題が必ず付いて回るが、対処の仕方次第で末はかなり色々な差が生じる。
比較的入手性の良い物なら多少外しても被害が軽いが、本来なら10年以上交換不要な箇所だとダメージは快適性と費用対効果のダブルで打ちのめされる。

ので杜撰君今では弦や皮等の消耗品は殆どスピキン用ビータ以外は、最廉価品かそれに次ぐ程度のに何時の間にかなってもうた。
無論あまりに粗悪品だとGuitar系のフレットや、太鼓胴のエッジの消耗を早めたりするからご法度だけどね。

過去体験では確かに良い弦・皮のご利益は捨て難かったが、酷く劣化すると多くは最廉価の新品とどっこいどっこい位迄性能低下する。
使用頻度が低く消耗し難い使い方なら未だしも、遠慮なくガンガン演れば如何に負荷の掛らぬ奏で方をしようと相応の劣化は避けられない。

↑の奏法の件は後で纏めて綴るとして、心理的に惜しい物程状態が悪化しても使用を引き延ばす傾向があるよね。
加えて消耗品だと品質が若干劣るのが多くて、儲け率が低きゃメーカだってコストカットに邁進するのは当然だ。

ならばと最高級グレードを選択した処で、価格に見合うだけ信頼性が上がる事は滅多に無い。
無論限度のあるのは言わずもがなだが、最も困窮させられるのは予備の欠乏でんがな。

無い袖は振れぬ同様、無い弦は弾けんし無い皮は叩けないからね。
処がそんな時に限って奏力向上期だったり、新規アイデアを試す意欲が最高潮だったりすんのよ。

それを単なる巡り合わせとして済ます人も居ようが、客観分析すればある傾向のあるケースの方が多いんだ。
練習等が熱を帯びてて自身の感覚では普段通りのつもりでも、消耗品のそれこそ消耗が大抵は増加してるんだよ。

一般論としては気分より状況を優先すべきかも知れないけど、殊芸術方面の修練には気分の影響は絶大なものがある。
場合に依っちゃ気分が乗れないで無理に続けてると、思わぬ悪癖が付く事だってあるんだよ。

=つづく=

2024年5月 7日 (火)

音楽備忘録1726 今時真空管の得失⓱

この項も終盤を迎えるに際し、「今だからこそ球」のメリットを綴っとこう。
その筆頭は録音のデジタル化で、音を作る必要の無い箇所で変容される心配をしなくて良くなった処。

オールアナログ録音の体験値が一定以上無いと実感が湧かないかもだが、兎に角オーアナの昔はノイズ低減に皆躍起になって腐心してたのよ。
本音では音色的にAを使いたくても、そうしちまうとノイジーになるから仕方なくBで行くなんて葛藤も含めてさ。

それから配布メディアがCD(つまりデジタル)へ移行期にも、○○サウンドみたいな絶対的定評があったの以外は皆が翻弄され迷走気味になったんだ。
きっと購買者はデジタルになったんだからと大きな期待もしてるだろうから、アナログ時代のとはなるべく明確な差を持たせようなんて思ってね。

本来デジタル化の意義は変容の縮小なので、アナログ時代より弄る必要は減る筈だったんだけどさ。
デジタル録音黎明期にオールデジタルはほぼ不可能(Mixer卓が遅れてた)だったりしたし、CD出現当時の国内販売価格がレコードより¥500高い設定でな。

現場としちゃ売行きが落ちたら敵わんから、何とか「値上がりしただけの事はある音」になる様迫られてた訳さ。
ほんで辛うじて健全だったメジャーにそっちへ振られると、ウチみたいなウルトラマイナーでカセットでのリリースでも全く前と変わらんってんじゃ厳しくなった。

でも機材はほぼオーアナ時代のまま、せいぜいデジリバを導入出来たら御の字ってな状態。
となると必然的に以前にも増してノイズ退治とか、歪み低減に躍起になるしかなかったんだ。

これでもウチは極限迄抵抗した方で、他所様の殆どでは折角持ってた球機器やヴィンテージ系石機器を惜しげもなく手放したりしてたよ。
私的に最も惜しい失敗と思ったのはリアルの鉄板Reverbで、場所塞ぎとかメンテ事情があったのは分かるけどね。

俺等は最早奇特ヲタかも知れんが、今頃になってわざわざ「階段バーブ」なんてのをやり出してるケースもあるでよ。
これの採用が可能化したのも、アナログ当時より録音音質が上がった事実は外せねんだ。

デジタル率の高くなった今だから天然より明瞭な不自然さが問題化した訳で、オーアナ時代のそれも貧じゃバネ使おうとチャンバ使おうと最終段階では違いが分かったかどうかですがな。
何しろ音源も残響音も唯の1回録るだけで、盛大に劣化・変容するんだもの。

ので今ならよっぽとノイジーな機器じゃない限り、少なくとも試してみる位の余裕がやっと出て来たん。
試て聴いてみてノイズレベルが許容範囲内だったら、今はそこから殆ど劣化しなくなったから使える様になってるんだよ。

機器選択の本道たる「好みに従って選ぶ」が漸くほぼ無条件で可能化した訳で、過去みたいな選び方をするのはもう古くなってましてん。
最新機器の方が低ノイズってのも確かに「単体ではそう」なんだが、実使用時は必ずしも維持出来ずそれを次回に。

-つづくぅ-

2024年4月29日 (月)

音楽備忘録1718 今時真空管の得失⓯

今回の話題も性懲りもなく逆説的だが、球プリ管(電圧増幅管)の雑音の実態を綴っとこう。
俺自身昔は石→高集積度半導体となるにつれ、後発の方がローノイズだと誤認してたが…。

音楽で爆音を常用したり録音の経験値が重なってくと、案外進歩なんかしてなかったのが露呈したん。
普通の人が普通に体験出来る雑音の多少っつうと極最近は未だしも、やはりスピーカから聴こえて来る音だろう。

ではスピーカにはどの様な変遷があったかったら、一番変わったのは嘘みたいだが低能率化なんだ。(太古の昔よりは高いが)
尤もその理由は能率を無視した訳じゃなく、より音質(ワイドレンジ)や小型化を重要視したからなんだ。

現行のスピーカ方式では周波数特性と能率は、残念乍ら未だトレードオフな関係にある。
それに対し駆動Ampの方は石系の登場・進化に及んで、比較的簡単に欲しいだけの出力が獲得可能になったん。

その結果スピーカさんに求められる仕事が、能率より広い周波数特性に変わったんだ。
でその今昔平均能率差は凡そ10dB位あるんだが、それだけ変わると駆動Ampの静的雑音の聴こえもかなり影響を受けるだよ。

具体的にはかつてギリで聴こえた程度の雑音が聴き取れなくなるんだが、最新のD級パワーAmpで古典スピーカを駆動するのなんてあっても極稀やんか。
だから恰も劇的にノイズレベルが下がった様に感じられてるが、大出力PAで無音状態のスピーカへ耳を近付けると未だ立派にサーっと言ってまんねん。

それ以外の殆どは旧式のは旧式・現代的なのは現代的同士ので組んでんで、正確な比較を曖昧化させてんのよ。
そしてここ数回ちょくちょく漏らした如く、一般流通の多い球回路は負帰還量がどれもかなり少ない。

結果的に仮に音色は好ましくても「球はノイジー」の自然自動印象操作となってて、殆どの皆が誤認されられてるのさ。
自然自動なんて現行メーカに遠慮した言い草は俺の本音じゃ無く、杜撰思考の心の底では意図的不都合隠蔽と信じてる位だ。

現に大出力Bass Ampでは大抵石の方が静的ノイズが気になってて、Guitar Ampですらハッキリ石はローノイズと感じられたことは金輪際一度たりともねえでやんすよ。
更にはコンデンサMicのノイズについてコンデンサタイプだからダイナミックタイプより静的雑音があるのはどれも一緒だが、実際球だとノイジーって事は一切無いざます。

楽器AmpやコンデンサMicのヘッドアンプは、音質や音色の都合で最新の凝った複雑な回路は用い難い。
尚且つ球でもハイエンドオーディオの音に触れる機会が、一部ヲタ以外は普段は途絶してっからねえ。(かつてはオーディオショップの試聴室で比較的誰でも耳にするのが可能だった)

真実は回路方式や使用量が無制限だったら突き詰めてくと石の方が勝れるが、残念乍らそんなにすると音楽的には実用に耐えうる音にはならんのどす。
ホントに石で意義があるのは測定機器の高精度化等と、消費電力と究極の小型化には貢献してるがね。

ので少なくとも上手に使えたなら、球だからノイジーになったなんてのは都市伝説でしか無いんで御座居。
そもそも石系は電流増幅が球は電圧増幅が得意な性質で、近年進境著しいMOS-FETの登場で電圧増幅時の雑音性能がやっとこさ比較対象の範囲に入った位なんだ。

色々なコスト・サイズ・重量に大部差があるから石をデフォとしてただけで(それも大問題ではあるが)、全てで凌駕したからって訳じゃないんだ。

-つづく-

2024年4月25日 (木)

音楽備忘録1714 今時真空管の得失⓮

前回の流れから今回は敢えて石コンプ・リミッタの進展について触れるが、何時迄も単純動作のばかりなのはコストや調整がネックになってるんだろうか。
デジタルバーチャルのも普及して早10以上は経ってるってのに、何故か必要な進歩は止まってるんだよねえ。

杜撰大王的なその理由は「向いてない」からで、ゆがみは未だしも音色歪みから完全回避されられないからなんじゃないかな。
入力ソースに特定の傾向とかあったらそれなりの対応策もあるんだが、音色タイプ別にコンプ・リミッタも別のが要るなんて受入れ難いだろうしねえ。

今迄大抵は最少数の使い回しで賄って来てるし、マルチEffectorみたいに多用途には使えないしさ。
これ等が枷になるのは各パラメータのプリセット設定を難しめてるのと、随時マニュアル設定ではそのパラメータが大量になってしまう事。

こう云う件では過去にLEXICONのデジリバPCM45で、敢えてプリセットしか無い仕様にしてたとかがあった。
Reverbの方ではデジリバ以前のって「響かせる箇所」の都合から、どれも大して音色自体は変えられなかったから功を奏したのかな。

正直言うとコンプ・リミッタの設定は下手すりゃリバーヴに負けん位素人にはハードルが高いんだけど、大昔から自由に弄れるのが出ちゃってたからねえ。
結果現況ではプリセットが容認されるのはFairchild660・670位で、実際俺も音が分からないプリセット仕様は候補から外してたな。

しかしこの業界での体験が膨大になった後の今では、適切なプリセットだったら相当使えるのが分かったよ。
エレキGuitarの歪み系でMarshallがかなり一択化してるが如く、どれでもスイートスポットはそんなに多種多様じゃないんだ。(無論例外はあるがそんなのは普段使いには縁遠い)

百戦錬磨の技師が選択・設定すれば設定の自由度より、基本的な回路構成の方が重大な意味を持つんですわ。
こんだけサチュレーションやコンプ・リミッタの需要は増えてるってのに、球のパワーコンプレッションを誰も活用してみようとしないのは残念無念やがな。

自分も含めもう少しパワーコンプがリミッタに最適なのを、早期に大勢が気が付きゃ良かったんだげどさ。
グズクズしてる内にアナログ帯域用高圧トランスが、ニーズは減りぃの生産縮小で高騰&一層入手難になっちまった。

但し云十万以上の高額機種を作るなら、アナログフォトカプラと併せ何処か一社位は作って維持して欲しい。
ある程度の台数が出回って使って何年か経たん事にゃ、エレキAmp以外でのパワーコンプレッションってのの具体像が皆に見えやしない。

今劣化本邦で若者にバブル期のゴージャスさは年寄りのノスタルジーと誤認されるのも、当時の実体の紹介をマスメディアが意図的に避けてるからだ。
杜撰大王は悲しいかなバブルとは縁遠くて、周囲の隆盛と自分の貧とのコントラストが一寸キツかったけどな。

事実を隠蔽すると進化が鈍化するのは何でも一緒、百害あって一利無しですぜ旦那。

-つづく-

2024年4月21日 (日)

音楽備忘録1710 今時真空管の得失⓭

前回は出力管を使ってるコンプ・リミッタを2つ提示したが、それだけで本当にパワーコンプレッションを利用してるとは言い切れない。
って何の事ぁ御座んせん、少々証拠を書き漏らしてまつたのスマソ。

自動録音レベル調整のだけ妙に自信ありげに書いたのは、スピーカからの音が割れる寸前で効き始めてたからなんだ。
ある意味正統派のリミッタで、それが歪まん限りは人が決めたレベルを弄らない設定というものなんざます。

今の音楽録音関係だとコンプとの相違が曖昧化してるけど日本の自動車のスピードリミッタは、例え速度違反でドライバーが捕まろうと180kmになる迄は知らんぷりだ。
近年の安全装備じゃ設定次第で、捕まらん速度迄に制限してくれるのが
あるか知らんがね。

もっと言えば電灯線のブレーカ(昔はFUSE)とか、言わば安全の為の最後の砦としてしか働かない。(漏電ブレーカを除く)
正直Fairchildの振舞いがどうなってるかは分からんが、あっちも元はラジオ送信での音割れ防護だから目的は同じだ。

但し音楽の場合レベルオーバーだけ防ぐんじゃ駄目で、音の流れを阻害せず音色もなるべく維持しなきゃなんないから面倒だ。
これを実現するのに音量を弄るだけでは役不足で、リアル楽器の音色変化の仕方が恰好のサンプルになったりするん。

生楽器でも飽和状態になると聴感歪みが少し検知されるが、そればかりか過去述フルートアンサンブルみたいに楽器単体では歪んでなくても混変調歪みを起こす事もある。
ので歪みを全て禁則事項とするのは行き過ぎなのと、論理歪みには音波波形の「ゆがみ」も含まれてる点に着目。

ゆがみだって過度になりゃ音色を改変しちゃうけど、純粋に歪み音色になるよりは遥かにマシだ。
これは一般音響理論には反してるが、それはオーディオでは音源に意図しない歪みは無い前提としてるからだ。

だが現実には制作過程では格闘が常で、そうなると歪みレスでゆがめられる方策を探る事となる。
処がこれが難題で何しろHi-Fiとは対極なんだから、現行音響装置の中から見つけるなんざ無理な注文だ。

その上これから使うとなると雨降りみたいに静的ノイズが多いとアカンし、となればある程度以上の出力のある出力管位しか候補にすらならないんだ。
では何故ある程度以上の出力のなのかってば、出力が大きい程静的雑音との落差が取れる可能性が高くなるからだ。

オペアンプICがローノイズに感じられるのは殆どの場合膨大な負帰還を掛けてるからで、裸特性だと増幅率こそ立派だが実は露骨にノイジーなのよ。
その面で低増幅率・高コスト故必要最低本数のが多い球回路は、実用上はかなり雑音面でも優れものなんだ。

負帰還量を増やそうにも増幅率が足りなくなるんで、雑音やリニアリティだけに忖度なんか出来ない。
確かに石よりゃノイジーだけど、そんな理想には遠い状況であの程度で済んでるんすよ。

音が不自然に硬くなるのを嫌って石でも低負帰還にすれば、素子単体ではチープなのが多いだけに球より劣っちゃうケースの方が多いんだ。
又人耳に対応させるには結構複雑なゆがみ変化の仕方が求められ、デジタルバーチャルではそこそこシミュレート可能な筈だが何故か誰も何処もやってない。

-つづくー-

2024年4月17日 (水)

音楽備忘録1706 今時真空管の得失⓬

更なる余談の嵐で暴走しちまうが、意図的にパワーコンプを得る方法で1つ温めてる知遇があるんだ。
それが前回末筆の自動録音レベル調整(メーカ称ソニオマチック)で、良く考えてみたらFairchildのコンプ・リミッタと原理がほぼ同じだったんだ。

そこ迄分かってて何故まだ実現出来てないかってば、諸事情から部品が不揃いなんだよ。
取敢えずここ迄の顛末をまんまに綴ってみたいが、件の機種は1965年頃SONYから出てたTC-357だ。

後年電子回路部だけトランジスタ化され番号の後にAが付いたが、そっちは
強いて言やUrei 1176(Universal Audio)に似てるかな。
わ兎も角当時のカタログではご家庭用の上から2番目の位置付けで、世相を反映して所謂専用のリミッタ回路なんて採用されてねんだ。

高度成長期真っ只中の日本だと言っても、実際庶民はまだまだ貧しかったん。
って皆がそうだから当時全く実感は無かったが、家庭で冷房があるのは金持ちの応接間だけだったからね。(親父がまだ3等重役になる前なので当然我が家には未設)

って何か死語連発になってるが、専用回路を使わないでリミッタ動作させようと思うとそんな方法しか無かったんだ。
それは普通のテレコだからスピーカもその駆動Ampも内臓してて、出力トランスの2次側(出力側)で規定値を超えたら入力段の増幅率を下げるって仕組みでねえ。

因みに殆どどんなコンプ・リミッタでも音声出力は交流で増幅率制御には直流が要るが、当時コンデンサやダイオードが今とは比較にならない程高価だったから交直流変換が問題になってん。
結果どちらさんでも初期にはトランス次にアナログフォトカプラなんかを利用してて、専用のトランスなんぞコスト的に到底奢れんから元から付いてた出力トランスを利用してやんの。

因みにⅡで本家はスピーカを駆動しないのにトランスを使ってたのは、球の出力がハイインピーダンスでそれだけじゃ録音業界デフォのローインピ(600Ω平衡)に整合させられなかったから。
これ等には何れもキーワードとして球とトランスが遡上に上るが、世間の大半は出力管の事を忘れてるんだよ。

コレに着目したほぼ唯一の存在としてVOXのマルチEffectorがあったが、他社に波及しないのをみると球がパワー管じゃ無くて今一効果が弱かったのかな。(回路自体は電力増幅だがパワー不要だからと電圧増幅管で代用、当然コスト都合も)
何れにしてももっとこの部分に着目せん事にゃ、今以上の進展はリアルだろうとバーチャルだろうと難しいと思うな。

わ兎も角宅には1台しか無いからステレオ(2ch)で使えないが、伯母が偶然同一機を持ってて貰える事になった時はシメタと思ったんだ。
が製造ロットが違い出力トランスの仕様が違ってて、無残にも儚き夢と散っただよ。

未だ決して諦めちゃいねんだが、ある程度以上の性能と機能のトランスを買う予算が無くてさ。
ある程度以上の周波数特性と別巻き線が必須になるんだが、仕様は違えど提示2機にはどっちにもそれがあったんだ。

スピーカって当時もインピーダンスはもう8Ωが標準になってたから、そこからそのまま失敬すると電流は大量に余るが電圧がどうにも足りない。
電力=電圧×電流だから同じパワーなら、片方が増えりゃもう一方が減る。

そこで出力インピーダンス600Ωの別巻き線が追加されてて、そこから制御電圧を得てたんだ。
具体的な相違はその出力に倍の差があり、小さい方のリミッタの深さも半減してましてん。😢

-づづぐ-

2024年4月13日 (土)

音楽備忘録1702 今時真空管の得失⓫

今日はかなり大回りになっちまうが、音楽での人間の感覚について触れとこう。
オーディオがリニアに拘った源泉は、演奏されたままを再現しようとしたからだったよねえ。

それがかつては色々とあまりに足りなかったから、先ず物理的な損失を減らせば良くなるんじゃと考えたと。
実際途中迄はそれで行けてたんだが、一寸「機械だけの立場」に引き籠っちまったかな。

一定段階を超えたら従前より実在空間での音の振舞いとか、人耳の性質や感覚にももっと目を向けなきゃ意味無かったんだわさ。
処が人体や人間の感覚の研究がオーディオより遅れたか商魂に走った結果か、一体であるべきものが分離独立して勝手な進化をし出しちまった。

結果杜撰流論法では巷の人々が爆音御免で難聴も恐れないか、所謂○○警察ばりに昼間の幼稚園の子供の声さえやたら迷惑がる様なのに2極化しとる様だ。
この現象言わば爆音カルトに毒されたのと神経カルトに毒されたのの不毛の争いみたいなもんで、現イスラエル政権のパレスチナ侵略案件と同じで理由を誤認したままにしてるから何時迄も解決しねんだよ。

世界情勢の方はこないだ注文付けたばかりだからここでは割愛するが、私的には音の感覚的リニアと物理的リニアがかなりかけ離れてるのの周知が足りないからなんじゃねっと。
そこで肉声と電子音等の大体中間層として、生楽器の実態を挙げとこう。

人が操作はするが生楽器には機械的部分もあるから、人感覚とは少し違う反応をしてしまう。
なるべく近付けようとはしたものの、楽器種毎にどうにもならない部分ってのが残ってる。

けれどその不完全さが却って人間に似てもいるので、我儘な美人さんとどうにか仲良くなろうとする様な状況となる。
その際最もネックとなるのが、アベレージで奏でてる時の反応だ。

相手がリアルの人間なら懇意になれた後には、些細な失態はスルーしてくれたりもあるだろう。
この観点からするとあまりにバカ正直なのは扱い辛く、さりとてどう奏でても同じ音しか出て来ない程一点安定ってのも又同じ位困る。

つまり人だったら普段は大目にみてくれていざって時は叱ってくれるとか、楽器でもそんな程度が実用上は最もバディとして相応しいん。
基本そんなので音楽は構築されてるとなるとそれを再生する側も、過敏でも鈍感でも不都合が生じるんすよ。

人耳って可聴限界近くでは小さい方も大きい方も程度が分かり難くなってて、個人差こそあれどんなに訓練してもその性質を完全に克服するのは不可能だ。
のでそんな領域で物理リニアにした処で殆どご利益が無く、特に大きい方で過大になっても認識し辛いのが耳破壊の危惧に繋がってんだ。

極マゾ君だと危険に晒され乍らこのアタックは凄いなんて、悦に入る悪趣味な人も居るかも知れんがね。
個人の自己満としてはアリだとしても感覚が鈍ってるから、耐え忍んだ処で実際の程度をちゃんとは判別出来ねんだ。

これに対し球のパワーコンプレッションが何故最有効かったら、俺に言わせりゃハイパーインテリジェントリミッタ的役割をしてくれるからだ。
動作だけなら今や少しはシミュレートも可能だろうが、リアルだろうとバーチャルのだろうと殆どのコンプ・リミッタには球の電力増幅回路が実装されてない。

実はあのFairchildのコンプ・リミッタにはスピーカを駆動する意図も必要も無いのに電力増幅回路があって、殆ど語られてないが俺はそこがものを言うのではと睨んでんだ。
これには細やか乍ら一応根拠があって、かつて球オープンリールレコーダに搭載されてた自動録音レベル調整の音がこれ迄の人生で耳にした中じゃ一番似てたんだよ。

-つぅづぅくぅ-

2024年4月 9日 (火)

音楽備忘録1698 今時真空管の得失➓

球のパワーコンプレッション第3段は、実際の具合でごんす。
これがかなり弱いのも強いのもあるんで、理解周知の妨げになってるかも知れない。

一般傾向としてはオーディオ用のハイエンドのになる程出難くしてあり、楽器用でフルドライヴを売りにしてるの程強い傾向がある。
為に聴感上の歪みを伴わずコンプってるのが分かり難く、体験機種が適切じゃないと都市伝説と誤解されたりするんだわ。

この問題の一助となりそうなのが球の基本動作実態で、端的には石リニア・球非リニアだが実際はもうちょい複雑なのだ。
最初に指摘しときたいのは球にだって実用上は、全く問題にならないほぼリニアな領域を持ってる点だ。

確かに物理的基本特性は球を曲線とすれば石は直線的で、ほぼリニアな領域は石と比べりゃ球は半分以下だ。
但し石でもアナログで歪み率等全ての要素を含めると、完全にリニアな領域なんて未だ存在しない。

ヨタ余談として今ではとってもレアになっちまったが、貰い物Guitar石Ampの中に出力段が歪んで良いなら強烈なパワーコンプの掛かるのが1つだけあってん。
ほれ大昔述でとっても「みみっちい音」がして、3分と持たず疲労で堪えられなくなると綴ったアレだ。

これが典型的石のスッピンの性質で、実は石も少しはパワーコンプの掛かる領域を持ってんだ。
しかしその境界域がコンプ・リミッタで言えば超ハードニー特性で、突然掛かり始めたら後はずっとほぼ一定に強烈に叩き潰してくれる。

普段球の100Wフルドライヴでへっちゃらな杜撰君が、たかだか30Wしか出てないのにそうなるんだから尋常じゃないのよ。
石のこれは程度の酷さもあるが一番辛いのは、人耳の性質と全然合ってないからなん。

個人差もかなりありそうだがウルサイと感じ始める位から、徐々にパワーコンプが増えてくと人間様にはとっても好都合なのだ。
日常爆音家の感覚的に耳感度が全開になると、その先は僅かなピークでも「ウっ」っとなって来る。

そんな場合だけ少し前よりお手柔らかになってくれるのが、疲労を軽減して有難いし極端に感じが変わらないから冷静さも維持出来るんだ。
すると奏者や調整技師の立場にあると、より良い微調整が可能になるだよ。

と言うからには球のだと知らん間に何時の間にか掛かり出すのと、掛かり始めより音量を出せばもっと強く掛かるん。
そして石と球のこの件での最大差はパワコと聴感歪みの関係で、石はほぼ同時だが球は聴感歪みが最終段階近くになる迄来ない処。

それじゃあ歪み率の話しと一見矛盾してる様だが、電気物理的歪み率には相対的に音楽には比較的無害な「ゆがみ」も含まれてるんだ。
拍手が揉み手みたいな音(実際にはあまり音が出ないけど💧)になったらアウトだが、他音にマスクされる程じゃなかったら多少マイルドになったって実用上は問題にならない。

が音色的な歪みは、元音がクリアなのだったらご法度だよね。
これ等からアナログ回路の石で求めるのが非実用的となり、球のそれも電力増幅管(パワー管)固有のメリットなんざます。

今の技術水準を持ってすればデジタルバーチャルでも行けそうと考えがちだが、そもそもパワーコンプレッションの徹底分析があまりされてないしデータ不足のままなんだ。
或は密かにやってはみたものの石の悪癖が邪魔して挫折ったか、リアルより高価になって頓挫したのかも分からんがね。

-つづくで-

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