PA

2023年11月30日 (木)

音楽備忘録1567 オーディオ等のスペック偏重に潜む罠⑪

さてPAではオーディオより大胆にマージンを取れなんて言っといて、ウチも従兄宅も現実はそうなってない。
さりとて↑に嘘は無いと一体この矛盾はどうなってんだを、失敗例と兼ねて言及しとこう。😅

いきなりぶっちゃければ貧と狭隘からの妥協で、その扱いは少々面倒な事になっている。
先に圧倒的に数の多い制約から記せば
 ①再生可能な周波数帯域を使い切れて無い
 ②リミッタ・グライコの併用必須でそのセッティングも理想から大部掛離れている
 ③Ampの最大出力を出し切れない(従兄宅のみ)
 ④ステレオ再生不可(宅のみ)
と中々散々な状況だ。

過去述だが要点だけ再掲しとくと、そもそも従兄宅のは古の!?Livehouse時代からの流用だ。
しかも当時時点から誤選択(納入業者の推奨に依る💢)で、一寸ミスれば「必ずスピーカが飛ぶ」状況が続いている。

実際に損壊が続いたんで従兄は一旦スピーカを変更したんだが、CD等のソース再生に併せてドラムを叩くには低域不足になる新たな欠点が生じちまった。
その時の彼の選択ミスが正にスペック誤読で、グラフより数字の方で判断しちゃってたんだよん。😢

現用の初号機はElectro-Voice S-200で使用停止の弐号機は後継のSX200と、後継と言うからには普通なら大体同等に使える。(書いてから公開する間に初号機が故障撤退!!!)
だが単なる新旧だけじゃなく少し性格を変えてて、弐号機の方では兎に角高域を沢山出せるのを優先してたんだ。

つまり弐号機の方がローエンドが急峻な落込みになってて、生ドラム演奏時にソース内のBassパートをモニタするには全然足りなくなってたんよ。
尚且つ高域をわざと凸らせてるもんだから、普通のグライコの増減量では足りなくなってやんの。

のが初号機の方では時代背景も関係したか従兄宅には無かったが、当初から専用EQも併売されてて能率が少し犠牲になっても構わなきゃ低域拡張させた使用法が想定されてたんすよ。
のでSX時代よりゃ敢えて一時代前へ戻して改善したんだけど、従兄叩きではBassが辛うじて聴こえても俺みたいなのが叩くとまだアジャパ―だったんだ。

宅の方のは杜撰大王でも専門家の端くれなんでそんな事態は起きて無いものの、赤貧+激狭隘+足りるだけ低域が出せるサイズのスピーカ=1つしか無理→大昔のVocal Ampじゃあるまいしモノラルだなんてに…。
けど叩いててCD等内のBassパートを聴こえさせるには、それしか無くてさ。

でどっちもかなり際どい使い方になるんで、先ずボヤっとしてても飛ばない状況になる様に常時リミッティング。
これぞ正にリミッタの王道使用法なんだけど、今時そんな事してる処は他所では全然訊かなくなっとるわい。💦

してEQの方は専用なんて用意する金が無いから、近年お暇気味となったグライコを転用しててね。
のでⅡで理想補正特性は得られて無いが、どうせ耐入力余裕もほぼ無いからそれで妥協しつつリミッタ共々綿密なセッティングをする羽目に。

それでも聴こえないよりゃマシだから苦しい魔用をしてんだけど、当初からこうなるかもと知ってたらきっと色々別の策を講じられてたんじゃないかと思うんだ。
宅の場合はもう1個追加(多分Ampにもテコ入れ必須)なので頂上が見えん程壁が高いが、従兄は後からわざわざ不適合なSXを買っちゃった訳だから勿体無い。

=つづく=

2023年11月26日 (日)

音楽備忘録1563 オーディオ等のスペック偏重に潜む罠⑩

過去に楽器の実際音については散発的には綴ってるが、今回は基音主体・倍音主体・音程感希薄とグループ分けして行こう。
それプラス真空管利用での歪みや、歪ませに依るf特の変容も。

1.基音主体楽器
心理的に安心感が強く刺激少な目なグループで、PAを使うような環境下では目立ち難いのが難点だ。

2.倍音主体楽器
ここが多数派ではあるが、低音程域だけこっちに入るのもある。
こちらは目立つのは良いが、代わりに音程感が若干喪失し易いので注意が要る。

3.音程希薄楽器
音程不要若しくはそれに近いのでその点は楽な反面、らしさを司ってる帯域等を発見し難い。

ほんで1については大抵は倍音を少し盛る事になるんだけど、やり過ぎると音程感やらしさが損われちゃうんだ。
原音と違っちゃっても良いなら少し気楽にはなるものの、そんなのレアケースなんで加工度を高く出来ない。

2は1,3に比べれば制約は緩くなるが、目立つ倍音の帯域が輻輳し易い。
のでトータルEQで攻めた盛りは出来ないのと、ウッカリしてると音程感が希薄になってる事がままあるんだ。

ほんでⅡでどれも単体なら今のPA水準ならどうって事ぁねえんだが、色んなのが混ざって来るから厄介になって来んの。
ってのも源音に1は倍音が2は基音が最低限しか入ってねえんで、それが減ったり相対的にそうなると正体不明になっちまうんよ。

で真空管の歪みに依る音色変質は当然倍音が増加するが、基音を殆ど損ねずに積み上がって行く特質がある。
だからこそ電気楽器等で積極活用されてるんだが、今やほぼ石(半導体)が100%のPAではその恩恵に浴せない。

ここで紛らわしい存在なのが石の楽器Ampで、それ等の印象が無用に強いとPAでも少し位歪んだって行けそうな気になっちまう。
がそれ等は言わばバーチャル球の性質をわざわざ付与した結果に過ぎんので、一部例外を除き破損防止も含め現代PAで目指すべきはゼロ歪みなのだ。

そもそも爆音で無歪みにするのは中々大変で、音響機器自体が無事でもハコやそこに置いてある物体が振動で雑音を発したりする。
この手の異音・雑音は本来は音響機器とは無関係だが、音の大きさ次第で増減すれば楽音に乗せたも同然だ。

して爆音下では異音と歪みの判別困難と来りゃマージンを大きく取るのが安全で、スピーカユニットの歪み率も公表されてると助かったんだけどなぁ。
最近は過去よりゃ歪まなくなったからか或は幾らも進歩してないからか、希少となってしまったのは残念だ。

幾ら低歪みになったユニットとて、原理的に極小音量時や耐入力に近付けば歪み率が悪化(増加)するのは避けられない。
それが唯ゆがむだけなら未だしも、大抵は倍音構成に変化を及ぼすからね。

のでPA用途の場合rms:Peakの比率が2倍表示になってるのなんかは、「普通の音」で鳴ってくれるのはPeakの⅓とか¼と推定しとくのが安全圏なのだ。(滅多にカタログや取説には明記されてない)
一方Mastering済みのを再生するなら、マトモなMasteringが施されてる物については大凡額面通りに扱って差し支えない。

=つづく=

2023年11月22日 (水)

音楽備忘録1559 オーディオ等のスペック偏重に潜む罠⑨

前回補遺に続きスペック読解力の意義へと進むが、こんなん言うからには杜撰大王は過去に散々騙された経験があるんだ。(全部が相手側のせいとは言えないが…)
正確には幻惑と言うべきそれ等は、やはり悪質のそしりを受けて然るべきものだった。

さて如何に歪ませてたってもrmsで350Wもあるヤツへ130W程度しか入れなかったのに、なして不具合を起こしたかだ。
一言で言えばフルレンジじゃなくウーハだったからで、高域を扱う設計になって無かいらだ。

こんな些細なのが影響するなんて屁理屈寸前だが、正直に用途を示してるだけマシでもあるんだよ。
名称をスペックに入れるのには賛否があろうが、かつて’70年代中盤迄は何処でも転用・応用も珍しく無かったんだ。

絶対的生産量が少ないと、特定用途特化製品なんて元が取れないじゃん。
そもそも楽器とかLM(ライトミュージックと言いつつ実態は爆音だが💧)のPA専用のなんて殆ど無くて、製品の元の表記上にシールを貼ってなんてのがかなり多数派だったよ。(今はネタバレもしてるしせいぜいスピーカブランドを楽器Ampメーカで上書きする程度且つノーマルとは少し特性を変えてるのも)

そんな時代に基礎常識を養ってたもんだから、年寄り程こんな失敗はし易いかも知れない。
近年ではウッカリさん以外はそんな不始末は無いものの、今度はf特(周波数特性)や能率等だけから算定して失敗する可能性は上がってる。

荒唐無稽だが「音や人体自体をデジタル化」出来ればどうか知らんが、そんな残存どアナログ部分は数値より実音を聴いてみる方が全然現実的なままだ。
のでf特的に充分でも音質が全く不向きとか、能率が充分でも肝心な帯域では思ったより低能率だったとかがあるんだ。

それ故杜撰大王は数値よりグラフを見ろなんだが、本気で取組んでる海外ブランドではオモチャ以外は公表されてるのが多い。
して大まかなグラフの読み方としては、高能率の領域と何処に高低差多目の凹凸があるかだ。

数値では良好でもその時各自の欲しい領域で、実際はかなり落ち込んでるのも少なくないん。
汎用オーディオじゃ無くてもPAではなるべくフラットなのが理想だが、色んな音源の目立つ倍音の最混雑領域が他より弱いと聴き取りが悪くなる。

私感としては800~2kHzと4k~8kHzに注視してて、逆に邪魔になり易いのが150~350Hzと2k~10kHz位の不要な突出だ。
お邪魔組の前者は主に他者の音程感阻害を後者は硬さキツさの元凶となり易く、そこがデカ過ぎると要る方のの侵食が最も大きいのよ。

実際単純聴きではお邪魔組は良く目立つし良さげな感じがするだろうが、どれだけ傍迷惑になってるか注意すると多過ぎちゃ駄目なんだ。
これには単音単音源だとその心配が無くなるんで、元々が多目になってるのが多いっつう裏も。

せやさかいそんなのを更に盛っちまうと、ロクな事にならんのどす。
それプラス各楽器の聴感と実際のf特には結構隔たりがあるもんで、次回は一寸横道に逸れるがそれを綴っときまひょ。

=つづく=

2023年11月18日 (土)

音楽備忘録1555 オーディオ等のスペック偏重に潜む罠⑧

PAのだけ妙に深掘りになってスマソだが、体験的にはそれが他のより厳しいし実情把握には向いてんだ。
っつう事で遠慮無く続けちまうが、マトモに計算するならdBってのをマスターしなきゃなりまへん。

これ数学的には対数計算になってて、俺みたいな理系ですら少々面倒臭いっす。
しかも電圧と電力で↑に掛ける数が違ってるんで、時々間違えておっとっとなんてのもあるでよお。😵

そっちの数式や計算方法は長大になるんで敢えて他記事やwiki頼みとして、こっちでは具体的マージンの方を行かせて頂きやす。
さて前回Peakがrmsの2倍じゃ足りないケースが多々と書いたのは、EQ加工等に依って聴感より盛大にアタック成分が増し盛りされてたりするからなんだ。

最近はデジタルMixer卓も増えたから、その段階でのPeak値はインジケータ等の信用度が上がってるがね。
けど測定器では無いんで、検出時間の設定が完璧では無いんざんす。

あまりにシビアにしちまうと実聴感と掛離れ過ぎたりするんで、過去機等との整合性も含めて多数派はわざと少し鈍感にしてあるん。
珍妙比喩ればドイツ車じゃなくアメ車って感覚で、私過去体験のドイツのってホントに僅かでも無理させると忽ち壊れる仕様なんだわ。

こないだのどっかの不正等を除くとカタログに100馬力って書いてあったらそれは必ず出るんだが、ピンチ且つ調子の良い日には103馬力出るなんてのが全く無い。
でこう云うのがPAの方では多少親切!?にも、rmsとPeakの公称値から少しは想像可能なんだ。

それが例えば100Wrms/300WPeakなんてので、人情的にゃPeakでそれだけ入れられるならrmsをもちっと頑張っとくれよなんてつい思っちゃうんだけどさ。
実運用上は↑もありゃ目でヤバいと思って手で下げる僅かなタイムラグの間に、お逝きになんて事があるのよ。

何しろ電気ってなかなり高速なんで、アッと思ってパッと下げても大抵は間に合わねんだ。
もう何万回冷や汗をかいたり覚悟させられた事か…、って皆が皆そうでは無いだろうけど。

ほんでクド吠えになるがスピーカの耐入力が、Amp最大出力と近似では何時でも逝っちゃう覚悟が要るんですわ。
Ampだって過大入力はヤバいんだが、機種次第でかなり差はあるものの少しの内は「歪むだけ」。

のが楽器用以外のスピーカの方は無歪み想定しかしてないんで、許容入力以下でもツィータ等のユニットが飛んじゃう場合があるんすよ。
dB計算等レスで安全圏となるとrmsで1.5倍、Peakでは3~4倍で程度が必要じゃないかな。

一例として昔のPeaveyの楽器・PA兼用ウーハ1502ってのは、公称値350Wrms/700WPeakのを100Wクラスのベーアンにも平気で搭載されてた。
一見オーバースペック過ぎる気もしたが過去に宅で実際真似して、Guitarでずっと歪ませてたらボイスコイルボビンとウーハコーンの泣き別れって有り難くない実績が…。😢

選択理由は価格も然る事乍ら当時のとしてローエンドと共存の高能率だったんだが、平均より性能の良いのはF1レーシングカーみたいな性格になり易い様だ。
晴れのレースでならかなり無理が効くも、大雨になったら下手すりゃ軽トラより滑って走らんみたいな。

=つづく=

2023年11月14日 (火)

音楽備忘録1551 オーディオ等のスペック偏重に潜む罠⑦

PAスピーカのスペックの続きざますが、爆音系ではマージンを取り難い・取れない場合が多いので汎用とは打って変わって要注意なのだ。
かつてはオーディオや楽器Ampでも余裕が無かったり、組合せがご勝手にだったから常に最低限だけは誰だって気を付けてたんだけどさ。

加えてPAの方では高価希少な高性能リミッタを使うのなんて贅沢の極みだったから、火薬並に慎重に扱わざるを得なかったのよ。
更にはAmp出力の「内容」が是又曲者で、僅かな歪みが聴感上許せても機器の方は1mmたりとも許さずなんてケースもあってな。

それが近年実感し辛いのは、本当は既にアウトでも数多の保護回路なんかが人知れず働いてくれてるからだ。
自動車のABS(アンチロック・ブレーキ・システム)等がその嚆矢で、本来は作動させたらいけないものなんだで。

エアバッグと違って何度でも使えるからついそっちに気を取られるけど、車がもう限界超えましたと訴えてる訳だからね。
あっでも僅かでもヤバそうな雰囲気がしたら、無遠慮にドンっと踏み付けなきゃ駄目よ。

自転車でも徒歩でも同じで、唯でさえ感知出来なくて突っ込む事だってあるんだから。
無事な際は大袈裟になって悪目立ちするかもだが、痛くない恥ならどんどんかく位で良いのさ。

って位古のPAには扱い辛い面があって、だからこそなるべくスペックから読み取れる弱点は事前に抑えとく必要があったんだ。
ここで厄介なのが但し書きレスor不足のヤツで、単に100Wと言ったって条件はかなり色々あるんすわ。

それが所謂rmsとかPeakとかで、和意訳すりゃ前者は平均・実効・連続等で後者は最大出力等だ。
この時点でもう一々「
等」等と付け足してるのは、それすらメーカ独自基準のもあったりするからなんだ。

尤も近似表記のが倍以上違う事は稀なんで、歪みを除くと受け側が出すのの倍以上あれば先ず安全だ。
処で「PAで歪み」だなんて太古の昔のボロいのじゃあるまいし、普通はわざわざ楽器みたいに歪ませようとは全く思って無いよね。

処が余程出力に余裕が無いと、実運用では結構知らん間に歪ませちゃってんだ。
それも昔みたいにまあまあ素の音だったら未だしも、Line収音したり大胆EQとか今は大抵色々加工してるからねえ。

思いの外Peak成分が増えてたりするんで、昔より保護回路等が充実したっても相殺する位かも知れねんだ。
実際Peakより連続の方が過大入力には強いが、ぼーっと安心迄はして居られんのどす。

楽器用やPAのでも今昔不問で一流のは、オーディオとは違ってPeak耐入力がrmsの倍より大きく取ってあるのはそんな事情からなんざます。
rmsで十二分に余裕があればそんなに心配しなくてもいいけど、キッチリ倍と公表されてるのだったら公称値100Wrmsとあっても実用上は割り引いて算定しといた方が安全ね。

=つづく=

2023年11月13日 (月)

音楽備忘録1550 デジタル音楽録音でのレイテンシ謎:補遺➐

〆ようと思って後から想い出してダラダラ続けるのは悪い癖だが、折角一介の音響技師なので技術的側面からしっかり掘っとこう。
利便性等で一般思考では明らかにデジダルの方が有利なんだが、その多くはコストについてだけになってるんだ。

例えば纏めて数曲録る際、各曲に合わせてMixer卓のパラメータを事前にプリセットしとければ楽だ。
そう云うのはデジタル制御のお家芸だが、今はほぼ廃れたが一時期はデジアナハイブリッドってのがMixerにもあったんよ。

これは放送や照明等オペレータ数が録音より少な目になりがちな分野ではもっと前から存在してて、具体的にはサーボモーターでフェーダを動かしたりしてたんだ。(当初は制御もアナログだったが)
この技術は現代ではかなり少数化してるものの、エアコンのフラップ(古くは整風板と称す:意味は今より分かり易かった!?)等では寧ろ欠かせなくなってるぞ。

一般にはSyntheなら誰でも訊いた事のある、Sequential CircuitsのProphet-5みたいに知名度は得られなかったがね。
その訳は業務録音ってニッチな分野だったのと、かなりのお値段だったのが災いしててで。

その上Syntheの方で想像が付く様に、設定しとけるパラメータに限定もあったしさ。
だから操作性等を優先すると、現実的にはハイブリッドが選択肢に入れられる人は少なかったんだ。

技術レベルだけに絞れば実際コストは大問題には違いねえが、デジタルだから出来る様になったってのは皆が想像してるよりかなり少ないのよ。
例えばⅡで幾ら利便性は上げられても、録音では第1関門となるPreampの性能。

電源電圧等言うなればフォーマット原理的に、デジタルで特にローコストを狙うと圧倒的に不利なんだぜ。
それの端的表れがPCのATX電源にあって、低電圧・大電流駆動が現行半導体の主流なのだ。

が微弱なMic出力をLineレベル迄昇圧させるとかは、敢えて増幅と言わず昇圧と書いた如く電源電圧余裕は大きな鍵を握ったままなんすわ。
リニア伝送が苦手なB級Push-Pull回路や差動増幅回路を利用しても、最大出力は電源電圧のやっと2倍が理論限界。

因みに+25dBu(+4dBでのPeak上限値)って、交流電圧に翻訳すると14V程度になる。
故に電圧増幅が主要任務となると、電源電圧を高くしとくのが最重要なんざます。

けど殆どがデジタル回路で構成されてると他では要らんので、アナログPre部だけの為に高圧出力を用意すればそれだけで電源が凄く高コストになっちまうんだ。
因みにこれは超爆音タイプのヘッドホンでも同様で、インナーイヤーやスピーカと比べると電圧は欲しいが電流は殆ど要らんとデジタル用電源とは真逆で非常に相性がよろしくないのだ。

つまりは録音と云う特殊分野では、スマホ持っててエレキを演る人みたいに別物として捉える必要があるんすよ。
万一これに異議を唱えるってんなら、スマホは最新型欲しがっても決して球Ampやストンプは欲しがるなって言ってる様なもんよ。

+一旦終了+

2023年11月12日 (日)

音楽備忘録1549 音楽に必要な高音質➑

又もや毒愚痴がエキサイト気味だが、世の中モノに依っちゃ体感しないと分からないのもあるんだよ。
適切な柔らかさや真空管等はその典型の1つで、只厄介なのは一定以上に典型的なのに触れられないと分かり難い処だ。

加えてその人にとって決定的な印象だったら、たった1度で遥かに昔のでも平気なんだけどさ。
そこ迄に至らないのだと、逐次そうじゃないのと比較可能な状況にないと相違が希薄になるんよ。

残念も仕方無い事にこれ等要素には、スペック等として表記する定量的な値が未存在だからね。
僅かにスピーカのダンピングファクタってのがかすってる程度で、けれど例えば楽曲内のBassの聴き取り度だけで比較試聴したらそれも本来の意味が埋没しちまう。

更に厄介Ⅱなのが、元々の録り音が悪かったら駄目だったりする処だ。
流行や嗜好もあるから一概には断言し辛いが、今劣化本邦最近のはどうもどれもBassの音がチープ寄りでいけねえ。

その多くは基本Fender系サウンドで、機種的にはJazz Bassみたいだね。
どんなジャンルに使っても全然OKではあるんだが、元の設計設定がプレべならCountry・ジャズベはJazzに最適化された物なんだ。

なのでそれ等ジャンルの王道トーンからかけ離れたサウンドにする時ゃ、かなり用心しないと致命的欠陥の残る物になり易いんですよ。
具体的には決定的な低音バランス不足がそれに値し、なしてったら他のよりか断然「Ampで低音を盛る設計」だからなんだ。

でFenderでも今はAmpだけ量販モデルでは一般的な性質となっちまったんで、オリジナルを継承してるモデルじゃないと↑を体感し辛くなっとるのよ。
恐らく俺等世代がこれを大体知ってる最後の世代で、その頃だったら知りたく無くても何処かで思い知らされる位だったんだけどさ。

加えてもう1つの厄介はアクティブタイプのが増えた事で、そこで事前盛りしてあるのに気付かないのもあるのかねえ。
アクティブ全部がそうなってりゃ知らなくても良いが、機種や主用途次第で盛って無いのもあんねん。

ので全数比較すりゃ流石に気付けるだろうが、まさかそうなってたとは知らなかったらこんなもんなのかなで過ぎちゃうやろ。
今時は多様化の副作用で他でもこんなのが五万とあるから、意識的に歴史を学ばないときっと厳しいよ。

若い人には可哀想だけどデジタル化以降長く大きな変革が見られないので、俺等世代みたいに受け身なだけでもある程度は知れて来るって期待はしない方が良い。
音源の方でこんな調子なんでどの世代にも同じ様に認められてるのを基準にしないと、再生装置の可否判断だって相当結果に相違が出て来ちゃうんだわ。

そうなると音源の最有力候補は最も有名なBeatles辺りが相応しいが、完全に自分の生まれる前の作品だと独自の苦労をしなきゃなんないよね。
しかも今となっては汎用サンプルには一寸狭帯域な気もするし、本人達の残党以外はそんな録音を続けるのも困難だし。

けれど確実性で現状これに勝るものは皆無に等しいんで、他に新しいのを用意するとしても外すのは危険よ。
スマンが録音デジタル化以降のでは、少なくともムードの面では雛形に値するのが全く見つからん。(良く言えば必死に1つのムードをこしらえなくてもそこそこ行ける音環境になった…が)

=つづく=

2023年11月10日 (金)

音楽備忘録1547 オーディオ等のスペック偏重に潜む罠⑥

今回は再生側に絞るんで、過去記事重複部分は最低限しか書かないよっと。
その代り書き漏らしの危惧や、多分今迄ちゃんとは触れて無かった箇所はそれなりに掘りまっせ。

さてと再生でも周波数特性に関しては収音の方と然程差は無く、下限上限の値がシビアに実用限界なのもあるのに注意すれば程度だ。
少しでも帯域を広く確保するのに大部無理してるのなんかだと、一寸枠を外れたらもうバッサリなんてのがさ。

典型例の内これ等は無理ってよりゃ方式原理由来だが、スピーカの箱(エンクロージャ)がバスレフ式のやホーン式のは他のより言うなればピーキーな性質になる。
ので普通の使用法なら気付かなくても、色んな魔用で拡張しようとすると急にその弱点が顔を見せたりするんだ。

大昔述TANNOYの最安小型CPA-5っつうのに無理くりEQを施したら、音として鳴るよりウーハが底突きする方が先だったなんてのが…。
JBL等と比べりゃ一昔前迄のTANNOYは確かに貧弱だったが、この機種に限ってはバスレフポート(低音増強穴)がライバルの倍位になってたのが主原因だ。

実は取説に不要な際は2穴の内1つを塞いでと書かれてて、そうすれば十中八九底突きはしなくなるだろう。(杜撰大王ですから未実験😠)
けどそれだと低くないボトムエンドが倍程度に上昇しちまうんで、無理くりEQの回路限界や実施時の能率低下で宅ニーズから完全に外れちまう。

当初本命は柔らかく癖の弱いTANNOYの方で、耐入力も能率もJBL Control 1 Plusの丁度倍あったしね。(必要出力音圧が同じなら倍盛れる可能性があった)
ローエンドさえ何とか出来りゃこっちで行きたかったんだけど、2穴仕様が仇になって頓挫ですわ。

因みにウーハユニット自体の最低共振周波数を拡張可能なのはバスレフの方なんで、密閉箱でもDIYで主用途バスレフ設計のウーハだったりしたら無理くりEQでも幾らも拡張出来ない。
の裏読みすると箱のせいで制限が掛ってる、最適値より小容量等なら無理くりEQ(そんなに無理じゃない場合もあり)で飛躍的な拡張の可能性大でっせ。

尤も汎用オーディオのでは各ユニットの裸特性迄公表されてるのは少ないんで、同一ユニットで「箱違い」のなんかがあったらそこから逆算推定する位がスペックだけで知れる範囲だ。
但しある程度以上の業務用クラスの海外メーカには、エントリークラスを除くPA用のみたいに公表されてるのもあるでよ。

これって深読みするとそれだけシビアにフラットにして使われる想定もされてるって事で、流石に本業務用は違いますな。(今は各段に減ったが昔の業務現場ではこんな補正も常套手段だった)
でPA用となると例えアマの宅用のでも、条件設定を1段シビアにしないと危なくなるん。

元々能率最優先で汎用オーディオより狭帯域なんで、ホントに聴こえるか聴こえないかの差になって帰って来るんざます。
多分再出私愚痴になるが従兄レッスン室のモニターが下が足りなくて、従兄にはギリギリ足りても俺のヤンチャ脚でバスドラ踏むとBassがマスクされちゃって困るんだよ。

=つづく=

2023年11月 9日 (木)

音楽備忘録1546 デジタル音楽録音でのレイテンシ謎:補遺➏

どうせクドくなるし失念も避けらんないが、稀に役立つかもって事でデジタルミキサの適合箇所を掘っとこう。
ここまでの検証から生音との混在やリアルタイムに難があるのは分かったが、それ等が含まれないのはどんな場合なのか。

私的にはadat HD24の動作反応がヒントになってて、既に全部記録されてるデータを再生するのには無問題だ。
非常に稚拙な発想だが音が出だすと同時に、「ハイ今始めました」と言えば良いのだ。

って実際には機械君がそんな反応をするから、言い遅れる心配も無い。
その裏には全作業で最遅なのはどれでどの位かが分かるからで、要するに一番遅い奴に歩調を合わせてる訳よ。

只それには最遅値が常に判然としてなくては駄目で、その上なるべくなら固定なのが望ましい。
この条件を満たすのに最悪なのが、俺言い「タイミングの曖昧なリアルタイム音」だ。

ソフト的には気紛れな集団がアイコンタクトでテンポを弄り捲るなんてのもあるが、ここではそれよりエレキ等でデジタルEffectorを随時On/Offする様なのだ。
当然生耳時点で僅かなタイミングズレは既に起きてるが、慣れてる人ならある程度は人力補填をしてるだろう。

だがその結果がギリギリだったりすると、そこから更にタイミングを弄られてはボロが出てまう。
わコアな1例に過ぎないが、劣化は無くてもアナログより対応力に劣るのは確かな処。

これを踏まえて再考して欲しいのが、特に限られたトラック数での録音の場合だ。
24ch以上ともなるとchあたりの雑音も強大化するが、1桁程度だったら増加量はタカが知れてんだ。

それも録り時は最低でもBuffer 1段位はアナログ回路を経由させる事が多いんで、実はデジタルミキサを使ったって完全デジタルになんか全然なって無いんすよ。
真オールデジタル録りが成立するのは、1度も音になんかしないでデジタルDataのまま記録出来る場合のみなんだ。

つまりデジタルData出力の付いた電子楽器等を使用して、更に録音機のDataフォーマットとそれ等のが一致してるのが望ましい。
であればDataの変換すら無しに、そのまんま記録されるからね。

ほいで何とも珍妙な発想だがその場合に「モニタしなきゃ」、変換レイテンシがそもそも存在しなくなるんだよね。
将来は不明も現時点でそんな奇怪なスタイルで録れる奴なんて先ず居らんと、要するにそれだけ多重録音には全く向いてねえってか相性最悪なんすよ。

これは単なる技術レベルってよりゃ現行のデジタル音声規格が、一面で多重録音の要望が満たせない規格になってるとも言えるんだな。
人にも依ろうが未だ究極のMicが球のNeumann U47であったりするのと同じ様に、「録る迄の部分」ではデジタルは殆ど貢献が無いんざます。

因みにダメ押しで付記しとくとデジタルでのGainアップ、正直にやったらノイズも一緒に下駄履かせちゃってるからな。
確かにアナログディスクリートで単素子で増幅率が足りなかったら、素子数を増やすからその分のノイズは増えるがね。

けど多くの場合「
1段で無理させる」のを止してて、各素子の比較的低ノイズな領域を組合わせて回路が組まれてんだ。
のでコスト厭わずなら素子数や回路段数だけで、雑音が増えるとは限らないんですよ。(但し鮮度は落ちる)

+一旦終了+

2023年11月 8日 (水)

音楽備忘録1545 音楽に必要な高音質➐

過去述別項でも本件でも今残されてる活路は、柔らかさ等近年全く手付かずの領域に再検討の余地が多いのは論を待たない。
そして世界的潮流もあるにせよ、今劣化本邦では用途別という概念が死滅してるのが本当に残念&悔しくて堪らんのだ。

環境面で厳しい事の多いポータブルやミニコンポ(もしや死語け?)なら明瞭度最優先も分かるが、そうじゃ無いの迄超高級機以外が無駄に硬くしてるのは解せないしアホや。
自動車から白物家電その他に至っても同傾向が強烈で、特に用途が限定的な代わりリーズナブルってのが国産では壊滅状態だ。(人件費の高騰で廉価量産が困難なのは承知してるが…)

商業経済としちゃ利益率や販量に執着するのは当然だが、大企業の皆は2重の過ちに気付かない内に内部留保でしか残存出来なくなった様だな。
この時点で真のプライド(誇り)が残ってりゃ直ちに方向転換するんだが、グズグズしてる間に折角長年掛って築き上げたブランド力もとうとう水泡に来したか。

そうなっては高額商品の価値も失墜し、八方破れの挙句誰にも興味の薄い変なので自己満の凄いキャンペーンをやるしかなくて見苦しい。
そういや私事だが最近鉄道関連のYoutubeに迄、偽愛国主義(ナショナリズム)のが混在しててウザいったらねえわ。

俺だって日本人だからニッポン凄いだけなら悪い気はしねえが、一々不要他国比較を添えて相手をディスる事でこっちを持上げてるのが情けない。
もしかしたらうぷ主自身が真の凄さを理解不足で、不安払拭で保険でも掛けたつもりなのだろうか。

杜撰大王視点だと音楽もそれ以外も、先ず比較対象の誤りが目に付くんだ。
その次に上げ下げの仕方が又稚拙で、最上級に祀り上げたいのならあんなに凄いのよりもっとってしなくちゃ駄目じゃん


○○よりゃマシを訴えたいならビリじゃないのが分りゃ良いが、真のNo.1にはカスに勝った位じゃ役不足なんだよ。
一方音楽ではその特殊性(比較芸術)から、他曲に勝つより自曲内で主役がちゃんと成立してるかが先なんだよね。

何かの競技等ではルール周知以外に、定量的スペックみたいなのも参加必要資格とされたりする。
のが音楽にはそんなのほぼ皆無なんで、自曲内で矛盾は無いかがその代りをしてるんですよ。

取敢えず素人でも過負担にならず聴ける・聴き取れるから始まり、もう1回聴いても良いかなと思えるのが最低必要条件な。
勿論聴き手がアブノーマルで△△アレルギー等あるとシャットダウンされたりもするが、平均的一般人に1回目の途中で退席とかされない程度は要るっしょ。

味方にせよ敵のにせよ通しで聴いて貰えなきゃ比較もヘッタクレも無い訳で、今劣化本邦メジャー系限定だったらどれも全然駄目だから少なくとも負けこそ付く心配はねえがな。😵
けれど海外や過去作を無作為抽出して比べたら、勝負にもなってないのがつぶさにバレるでよ。

万一そう感じないとしたら超変態か既に毒されてる証拠で、ってこれ程吠えといてディス意図は皆無だけどよくよく検査してみた方が良か。
生れてこの方無自覚でも偏寄したのばかりしか聴いてないと、不自然さっつうのが分からなくて当然だ。

その上今だと真の達人の生音には滅多にありつけないし、皆が楽器の達人でも無いからねえ。
三つ子の魂百までよろしく基準となるサンプルが悪いと、そこから訂正・修正しないと正常な感性は得られんのどす。

+つづく+

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