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2025年5月17日 (土)

音楽備忘録2099 音プロの音楽の聴き方㉑

周波数7回目の今回は「中域の増減」について綴ってくが、これに限っちゃ機器性能等の事情でオーディオと音楽(楽器)が近似傾向にある。
そして又々私感だが欧テイストを好む人の方が、調整が大胆且つ秀逸に感じるのは気のせいかな。

だばアナログオンリー当時の方から参るが、今比で周波数特性は概ね全てが狭帯域だった。
その上一々どの段階でも高域を中心にローエンドも損失が避けらんなかったから、最終段階から逆算もしといて下と上を盛っとくのが定石だった。

ので中域観点では余ってるのを削るのが主体で、もし増やすとしたら量は僅かでピンポイント的じゃないとなんなかった。
のがデジタルの普及と歩調を合わせる様にどんどんドンシャリサウンド嗜好も強まった挙句、近年ではうっかりしてると所謂周波数帯での「中抜け」現象が起きてんだ。

から今度は削るより盛る機会が増えたんだが、中域固有の用心をしないと単にナローな感じになるんすよ。
その訳は音程聴き取りが最も容易い事にヒントがあり、誰にも良く聴こえる音なだけに盛り過ぎると他の帯域を埋もらせ兼ねねんですよ。

低域過多は物理的に高域過多は特に大音量時に聴神経を麻痺させるんだけど、中域ではそんな言わばドS側面が無いだけに油断し易いんだ。
別観点なら「大体何時も聴こえるのが当たり前の音」なんで、聴こえなくなったらおやっとなるが実際は中域過多でも低高域が不足してると誤認し易いん。

もしかしたら今劣化本邦の汚Mixは標準再生音量を低く見積もり過ぎてて、作品に不似合な想定以上のドンシャリにしちまってるのかも知れないねえ。
加えて経済的には合理的だが音的には不適切なデジタル化・バーチャル化も中域の質にはマイナスで、周波数特性より平均音圧やトランジェントを害し出してんだ。(意外な事に物理的に良過ぎると不自然になる)

上記での前者は共鳴ポイントが不要に平準化しちゃったとか、後者では一定以上の音圧になる時間が減ったりする事でな。(リアル生演奏では必ず楽器・音源と耳の間の空気の存在に要注意)
楽器毎に音色に癖を持ってるの自体は功罪相半ばだが、らしく聴こえるのには必須条件。

平均が下がってピークの音圧が上昇した方がダイナミックレンジとしてはワイドになるが、音程や固有音色を司ってる箇所が不安定になると決して聴き易くはねんですよ。
大昔に吠えた如く闇雲に斬新さやHi-Fiを求めると、上記みたいなのの失念を発症するんだ。

ここでは本題から逸れるんでここ迄に留めとくが、本質的には周波数以外の質低下をEQのみで補うの自体に無理がある。
ので周波数特性だけでの大胆な補填は、改善よか他部位を悪化・劣化させるケースの方が多いん。

ほいで仕方無くあった方がリッチで良い低・高域を、必要最小限にダイエットすれば過不足は何とか収まる。
が何の変哲・個性も無い凡庸なサウンドとなりがちで、けれど自然に近く聴き慣れてるからそう感じられる側面もあるんだ。

そんなアピールポイント不足のサウンドでは商売的には売り物にならんが、奇特ならどんなに不自然でも売れるってもんじゃないよね。
それ故中域は盛るにしても削るにしても、ピンポイント(狭隘周波数帯)で微量の増減から色々試みなきゃ危ねんだ。

その意味ではMic等は単なる物理的高性能より、中域がなるべく自然な感じor好感に拾えるのを選んでみるのも一利あたりだ。
未だに骨董NEUMANN等の評判が衰え知らずなのはココの為で、意外と聴感性能を上げるのに皆腐心してんですよ。

-続く-

2025年5月16日 (金)

音楽備忘録2098 爆音歌唱に纏わる色々⓫

子音の明瞭さ2回目は理論的解析で…って実際はとてもシンプルな原理で、声量が増す程・共鳴度が上がる程相対的に子音は小さ目になる件ざんす。
そのヒントはひそひそ会話にあり、あんな小さく喋る時だって口・舌の発音動作は普段と殆ど変わらんでしょ。

寧ろ喉由来の音程制御がミニマムかレスになるんで、イントネーションも子音側に含めれば発音自体は平時より増強したりしてるよね。
そこで子音発音メカニズムに注目すると、あれは出てる音(通過する空気)へ物理的な抵抗を与えて音色変化させてるん。

それが人の場合口や舌等小さく脆弱なパーツしか使えんのだから、そんなに強力な加工なんて施せなくても当り前なんすわ。
それ故個人差はあれどある程度迄なら兎も角、それを超えると声量の増加分に子音発音の増加が付いて行けなくなるんすよ。

加えて言語の影響もあり英語:日本語だと後者はかなり不利で、Rockのみならずかつて洋楽系で英単語が頻繁に登場してたのにかなり関係があるんだ。
確かに横文字なだけで格好良いと思われた時期だってあったけど、その頃のは万人が理解可能な例えば電灯をLightとする程度。

なのに少数しか理解されないのも使いだしたのは、イントネーションとかサウンドの都合があったんだ。
令和ではもうほぼ昔人だけの感覚になってるが、非お下品な日本語の発音では平時強くなる箇所があったら不味い。

のに対し英語は典型的なQueen’s Englishでさえ、強部が存在する。
それが95%以上実は決して平坦じゃないポピュラー系の伴奏に乗せようとしたら、英語圏では起らなかった諸問題を噴出したんすよ。

ここで必須のお断りを入れとくが聴感でポピュラー系は極端な大小はClassic等より皆無だが、実際には弱くなる方が極端に少ないだけなんだ。
最小音量での再生時に聴き取れ率が高いんで勘違いし易いが、それって隙間がかなり少ない裏返しでもあるんすわ。

だから伴奏の大人しい箇所で歌って歌の無い箇所でにぎにぎしい伴奏にするとかあまり出来なくて、この手法にしたって歌バックの伴奏は割り切って犠牲にするやり方なんだよね。
そんでも主役に絶対的スターを擁すれば、雑魚供の伴奏なんか聴こえんくても構わんかも知れん。

しかしそう云う組合せでしか成立しなくなり、1人1人は2流でもグループとしては超1流なんてのが不可になる。
聴いて最良の物を多く求めるには、どんな形態かが限定されるのは望ましくないって訳。

わ兎も角日本語でRockするのに構造的な弱点があるからって、安易な方法で補填してたんじゃ何時迄経ってもお子ちゃまのままだ。
取敢えずは最善策が未発見でも、自分達の弱点を熟知しとくのが先決なんじゃないかな。

日本語に拘るとグローバルではマイナーだが、それだけが原因で井の中の蛙に甘んじてると思い込むのはどうかと考えている。
容姿とかヲタ文化って大きなオプションを装備してたからって、それだけでBABYMETALが一定の成果を得られた訳じゃ無いんだよ。

真の声量は不明乍らも新しい学校のリーダーズ等、米で評価を得られたのに「聴こえたから」は外せない。
そう云や過去の残念私体験にわざとちゃんと聴こえない様に歌ったのが2~3あったが、その1つは伴奏への過剰忖度でもう1つは歌詞未完での作為的行為だった。

が後者は完成してる箇所だけでもしっかり歌や良かったのに、そのせいでアホ観客からBassを下げろと要望されてホトホト困ったよ。
Guitarの3ピースBandなんだから、どれか1つ抜けても音がおかしくなるのにそれはスルーするのかよってさ。

=つづく=

2025年5月13日 (火)

音楽備忘録2095 音プロの音楽の聴き方⑳

周波数6回目は音楽ではきっと永遠に根幹を司る中域の核心に迫ってみるが、オーディオ的観点ではあまり含まれない重要素が幾つかあるんだ。
1つ目は音程感で、万人が即座に認識可能な範囲は低域や高域には及んでねんですよ。

杜撰大王みたいにベテランBassistだと無意識下に訓練されてんで、悪環境じゃなきゃ大まかになら割とすぐに分かるんだけどさ。
そんでも微妙なチューニングのズレなんかはホントは中域のより把握し辛く、和声全体の響きから推察する事の方が多い。

前述Piano88鍵最高音程以上ともなれば↑の方法を駆使しても中々厳しくて、聴き取り難いからと音量を上げりゃけたたましさが増してもっと訳が分かんなくなる。
2つ目は低音楽器の低次倍音が高域に到達してない件で、こればっかりは自然現象だからどうしようもない。

私的にはあんま好かんが不慣れな者に基音だけで音程分かれってのも無理な相談で、エレキBassの4弦の音程感は通常2次倍音以上で判別して貰ってる。
飽く迄私推察に過ぎんがフレット付けただけでLeo Fender先生はPrecisionと命名したんじゃなく、従来のコンバスよりエレキ化の御利益で倍音が豊富且つ必要なだけ調節可能になったからなんじゃないかな。

裏悪推察すりゃエレキ化したらそれだけで従来より音程がズレるとバレ易くなっちゃったから、フレット付けて誤魔化したのを誰でも正確な音程が得られますと換言したとも。😵
又アコースティックオンリー時代の対応策がCelloだと思ってて、それだって音程感は2次倍音依存が主体だがあれ位の弦長・音域にしてやれば倍音がそれこそ倍増って感じになるかんね。

しかし何れにしたって中域音域楽器とはダブるのが避けられず、Guitarが大き過ぎるから中域削ってやったらBassの音程感が曖昧化したなんて事が平気で起きちまうんだ。
そこでせめて存在証明は「目立つ倍音」でとなった様で、しかし相変らずほぼ中域の狭い範囲から抜け出せてはいない。

が比較的微小な相違でも判別を付け易くする方法が、無い訳じゃ無かった。
類例としてはタブで手帳等の端を突き出させて系統や分類などを記載する様に、一部だけ張り出させてアクセスし易くしてる様な方法だ。

最近は要所に付箋をはみ出させて貼っとく方が多いのかな、何れも夫々を出っ張らせた箇所以外は完全に同一形状をしてるよね。
もし全ページの形状を変えといたら判別性では良いか分からんがページをめくるのも一苦労な上、書類・書籍として鞄に入れたり書棚に保管するには不便でしかない。

音楽でもアンサンブルが1冊の本・各パートがページみたいなもん、と想像して貰ったら少しは通じるだろうか。
近年杜撰君がブチ当たった壁にエレキBassの音色案件があったが、以前より正直に中域を少し上げたらお前の音色じゃ無いと言われちまったい。

ほいで当初は悩んだがそこはいい加減なエレベAmp、BassツマミでもTrebleツマミでも弄れば中域も少しは変化する。
のを魔用して妥協点を探り当てたがきっと必要な中域に耳が行過ぎて、「不要な中域」の状況が疎かになってたんだろうな。

ので音楽や楽器関係で中域を増減したかったら、普通の3Toneのよりグライコ等帯域のもっと狭いのを優先した方が良い様だ。
んでその調整具合がアナログオンリー時代と今では真逆に近くなるケースが増えたが、これは次回送りの乞うご期待っと。

-続く-

2025年5月 9日 (金)

音楽備忘録2091 音プロの音楽の聴き方⑲

周波数の5回目は高域の補遺から中域の話しへ向かうが、前回述「中域レスの高域」に関し私的に絶好のサンプルがあるねん。
この話題に最適って事ぁ今チョイと悩みのタネになってて、それは利用中の恐ろしく古い打込み用フリー音源だ。

杜撰君ニーズには他よりマッチしてるから使い続けてるんだが、コイツに入ってるHi-Hatが音色は良いんだが指向性が鋭敏過ぎて困ってんだ。
打込みだと弾けない楽器も入れられる&生に比べりゃ1パートの存在感が弱いから、いきおい大抵は誰が使ってもリアルよりパート数が多くなりがち。

恐らくその対策で2,3パート時と10パート以上での相違を減らそうとして、わざと各楽器を最低限必要な周波数帯域にしてあるのかな。
それでなくても音源容量を節約しようとすりゃ当然の方向性だが、中域レス故聴く時少しでも有効角度領域から外れると途端にお留守になるねん。

それを補おうと音量に下駄履かせときゃ、今度は真正面で聴いた際煩くなりやがる。
っと言っても宅の狭隘室が真犯人なんだが、皮肉なもんで打込みオンリーなら広い部屋が要らないのが利点なんだよねえ。

そうなった裏にもう1つ最新のとか流行のCymbalサウンドってのがあり、又昔話になるが平成以降に生まれた人は実感する機会が多分殆ど無いんだろうなぁ。
のわCymbalサウンドがアナログ時代平均レベルじゃ再現し切れんのは想像し易いが、メディアがCD主流になって以降も実は10~20年位は天井フリーにはなって無かったんすよ。

のがデジタルのドラムマシンやサンプリングキーボードで価格・メモリ容量等の事情から、今だと眉唾かと思うか分からんがそう簡単には16bitにならなかってん。
チト専門的な話しになるがbit数と実用周波数帯域には深い関係があって、低bitでも原理的に制限は無いが実際にはそれをやっても音のザラ付きが目立つだけだったりちっとも艶を増やせねんですよ。

そんな処で当時誰もが「今迄無理だった高域」に憧れてたのと相まって、出せる楽器ではなるべく高域を出せた奴が偉いみたいな潮流が結構続いてな。
その上音色をよりリアルにしたとしても、鳴らすのが達人奏者じゃ無くアホな機械となるとさ。

奏で方でそれらしく聴こえてた部分が無くなる訳だから、現実より高域を増し盛りしたりして補ってた訳だ。
その結果が音色は好ましい・実用上は大きな欠点ってな按配になっちゃって、これは生演奏のミックス時でも大抵程度はマシになるが油断すりゃ何時でも起き得る事態なのよ。

なので中域は中域の都合だけで考える訳に行かんくて、低域や高域の事情も鑑みてやんなきゃいけねんだ。
これに関し自称リズム隊オヤジが強力に訴えたいのが、ほぼ中域だけで成り立ってるパートの皆様への注意喚起ざんす。

おまん等低音とか高音をほぼ独占出来てんだから中域はウチ等のもんだろ、とは決して思い込んで欲しく無いんすわ。
とか広帯域化したってこっちにゃロクに益がねんだから、中域位はこっちにもっと忖度しとけなんてさ。

確かに打込み音源等バーチャルでは、理論的な周波数分離は可能ですがね。
それに聴感では綺麗に分離してる感じのもそこそこあるが、それ等物理的にはそうなってねんですわ。

ではどうしてそう感じられたのかってば、久々出俺言い「目立つ倍音」が大体棲み分けが出来てるからだ。
只コイツがちょっち厄介で倍音だから皆高域と思いきや、中域にもかなり越境してんすよ。

-続く-

2025年5月 5日 (月)

音楽備忘録2087 音プロの音楽の聴き方⑱

周波数4回目は高域で前述の通りオーディオと各楽器毎にかなり異なった帯域となってて、その他に音の指向性の問題も絡んで来る。
指向性自体は超低域以外は皆持ってる性質なんだけど、周波数が高くなる程尖鋭化して狭まるから用心しなきゃなんないんだ。

PAや生楽器以外で普段あまり心配されてないのは、高域と称しつつ音響やオーディオでは中域に分類されてる領域だからだ。
又生楽器でもコントラバスみたいに音域の低いのになると、PAではスピーカの都合で高域は半ば無視する事も少なくない。

さて指向性案件でアキレス腱になってるのがスピーカの周波数毎の指向特性で、日常生活での普通の音圧なら未だしも爆音化させるととても困難が伴うん。
純粋PA用途のだと最大でせいぜい100°が限界で、スピーカの真横に近くなると殆ど聴こえなくなっちゃうん。

広大な演奏会場で余程好条件なら未だしも、観客との位置関係次第で煩くなったり全然聴こえなくなったりの不公平が生じ易いんだ。
そこで次善対策として小規模店舗用スピーカ等ではわざと「その下の帯域」が盛られてて、位置関係に依る音質差がなるべく最小になる様にされている。

宅ではスペースファクタの都合からサヴモニタにそんなのを流用してるが、意図的に盛られた分を削ってやんないとマトモな音になってくんない。
今劣化本邦ではインナーイヤーないしヘッドホンでの聴取が増えたけど、誰もが最適化されてるか疑わしいしスピーカで聴かれる事も皆無にはなってない。

ここでの最適化を補足しとくと大多数の一般人は「正規の音」を聴いた経験が先ず無く、その条件はかなり厳しいしそれで聴けた音が良いと感じられるとは限らねんですよ。
更には加齢に依る可聴帯域の低下も加わり、年寄り耳に煌びやかにしたら若者にはモスキート音地獄になってたりなんてのも。

そんでも妥協が許せんからと対象を狭隘に絞ったとして、必ず狙い通りに好かれて嫌われる保証は全く無いとな。
最悪誰にも理解されなかったらおまんまの食い上げ決定なんで、低音とは逆に「高域を感じさせる中域」と抱き合わせての妥協が強いられるんだ。

となればどんなに高域特性の優れた機器を使え様と、高域は「耳の良い人にも籠って聴こえない程度」にしか入れとけねんですわ。
だからってドンシャリ好きな杜撰君わざわざ中域だけでMicを選んだりする気にゃなれねえが、今世間が思ってるより音楽となると中低域が遥かに大事なん。

これは又人耳の音程聴き取り能力とも関係してて、Pianoの最高音以上では少なくとも常人にはもう音程感は釈然としない。
それが大凡4kHz程度なんで、口悪く云やそっから上の周波数はオマケなんだよね。

ってオマケったって雰囲気や表情では大貢献してんだけど、中低域レスではその効果も全然発揮されない。
例外になるとすりゃ音程の縛りから解放されてるCymbal等だが、これも指向性案件事情でホントに中域すら伴わないと致命的な弱点を持つ様になっちゃうんよ。

=つづく=

2025年5月 1日 (木)

音楽備忘録2083 音プロの音楽の聴き方⑰

周波数3回目は音楽的各周波数の特徴で、その中であまり世間に流通してない面に絞って進めるだす。
語学でも電子工学でもそうで弱っちゃうんだが、幾ら教科書を学んでも現場での具体的に迫られる対応について殆ど書かれてないんだよぉ。

青二才当時の杜撰君の考えが甘かったか知らんが、専門学校の専科ですら当時頻用されたOP AMPの型番とか終ぞ講師の口からは聴けんかった。
実際に作って使おうとして一番問題になるのは、当時なら4558ってので満足出来るか353ってのにしなきゃ駄目なのかとかそう云うのが真のポイントなのにさ。

設計ミスの駆逐に始まって組立ミス・半田付不良等数多の難関を克服して、やっとの思いで完成に漕ぎ着けたのにガッカリサウンドしか出せなかったら浮かばれねっての。
それと同様に各周波数毎に実用上特有の性質があるのに、そこには殆ど誰も触れてくれねえでやんの。

って事で先ずは150Hz以下の低音から参るが、そっから低くなってく程迂闊に盛り過ぎるとそれ以外の音が食われちまう現象がある。
特に60Hz以下になって来っと無倍音・残響多目環境下では、その音自体の音程も曖昧化するが他をマスクする威力が膨大化するんだ。

因みに大凡70Hzで、エレキGuitar開放6弦(E)の1音下げ(つまりD)だ。
故に↑なら盛大に盛って自滅気味になってもそんなに他パートは害さないけど、無神経にエレキBass等のローエンドを欲張り過ぎると他パートからひんしゅくを買っちまう。

悩ましい事に超低域って魅惑溢れる深い響きがするんだが、音程明瞭度と他パートに大迷惑を掛けない配慮をすると中々満足なだけ出せないもんだ。
もっと厳しいのがバスドラで、Classicオケのみたいに叩いた直後に手でミュート可能だと良かったんだけどね。

コレ直後っても欲しいローエンドが鳴り切る前に止めちゃうと駄目で、ペダル+脚では中々そこ迄精細にコントロールなんか出来ゃしない。
そこで大抵は次善策として倍音と抱き合わせにして凌いでるが、ポピュラー系用楽器ではそれでもチト苦しい。

のわ音程がオクターヴ下がってんのに、皮の直径や弦長が倍にはなってないっしょ。
そうすっとファンダメンタル(基音)量も減少するが、何よりの損失は明瞭度がそれだけでかなり低下する事なんだ。

不足気味だから盛りたいのに、盛る元が曖昧とは泣きっ面に蜂でんがな。
そんで意固地になってガンガン盛りゃ、大量のクレームを皆から頂戴するってな。

理論では大抵実過酷環境の影響を不問として書いてあるんで、専門書で知恵付けてその通りにやったのに何故に怒られるとなり易い訳ですわ。(確かに各環境を網羅しようとしたらキリが無いが)
この性質更には「低い音程になる程綺麗にハモらなくなってく」に繋がってて、オケなんかで低音パートが複数人居ても殆どユニゾンでしか演んないのはこのせいだ。

現実的には奏者にこそ大いに関係する案件なんだが、Classic時代は編曲者の仕事と考えてたのか楽器の○○教室で殆ど教えられる事が無い様で困る。
そんなこんなで150Hz以下ってぇのは、他とは別の独特な注意が要る。

-つづく-

2025年4月27日 (日)

音楽備忘録2079 音プロの音楽の聴き方⑯

だば低・中・高域等の分類の仕方だが、大枠でオーディオと楽器で異なる原因は既に綴った。
その具体的目安は主に中高域の相違にあるが、低音楽器は更にその枠とも違って来る。

してオーディオでは音楽的働きより再生装置等の都合が優先で、3Wayスピーカのウーハ・ミッドレンジ・ツィータ等の帯域分割と近似だ。
一般の音質調整にオーディオ用のグラフィックEQもあるにはあるが、非専門家が扱うにはあまり向いてないんだ。(但しスピーカ等の補正用途は除く)

のわ一般聴者の当座のニーズはもっと大雑把な方が多いからで、なるべくスキルレスで思った感じに近付けられるのが相応しいから。
で低中域の境界は凡そ300~400Hz・中高域の境界は2~4kHzとなってて、旧標準での各帯域中心周波数は低:100Hz・中:1kHz・高:10kHz程度だった。

のが近年はワイドレンジ化に呼応して夫々80Hz・1kHz・12kHz位がデフォとなってて、オーディオとしての中域の核なんで1kHzだけ不変になっている。
のわⅡでオーディオの場合あらゆる音源がある都合上、極力どんな音にも大抵は含まれてる箇所を中域の核と考えてんだ。

因みに人耳の最も高感度なのは2~4kHzなんで、それからすりゃそっちを核にしといた方が好都合な気がしないでもない。
だが目立つって事は過剰になりゃ煩いし他を侵食・マスクする欠点があるんで、全体を極端に変容させないのも配慮して↑より少し下に設定されてんすよ。

それより大事なのが比較的広範にじわ~っと効く性質で、弄れない帯域の発生防止とピンポイントで音源に含まれる何かだけを悪目立ちさせないのを兼ねてんだ。
まあ兎に角色々事情があって最大公約数としてんだが、楽器の方はその面からは全く別物と思った方が良い。

外見はオーディオAmpの3Tone仕様もGuitar Ampのも、呼称も含めほぼ同じなんでとても勘違いし易いがね。
基本的に扱う音源の性質が全く異なるから、楽器用のは各々の楽器に特化させてあるん。

そして最大の相違点はわざと弄れない帯域を設けたのも少なくない処で、Ampも楽器の半身との考えから自在な調整力より個性を重視した結果なんだ。
中にはオーディオライクな特性にしてあるのもあるが、基本的な仕事が修正より創作だからだ。

例えば伝統的Fender Ampはやたら低域の調整巾が広いが、楽器自体の低音量が乏しいのでも伴奏に使える様にそうしてある。(代用Bass)
のと比べると伝統的Marshallは歪ませと低域がやたら響く舞台(≒大ホール)に最適化したから、上記と比べたら最早低域を調節出来る気がしない程だ。

っとこんな具合だから音楽での周波数の知識は、録音やPA技師を除けば取敢えず自身の扱う楽器に必要なのだけなるべく詳しくなれりゃ良い。
唯HzとかkHzって何?でほっといては流石に苦しく(kHz=Hz×1000)、基本は感性重視も同業者との知識交換時の共通言語としてとても有益なん。

A君の言う煌びやかとBさんのそれでは各自の感性事情から、実際には異なる帯域を指すなんてケースがとても多い。
完全唯我独尊で行くなら未だしも、密かに他者からもアイデアを頂こうと思うなら周波数の最低限の理解は必要なん。

-続く-

2025年4月26日 (土)

音楽備忘録2078 爆音歌唱に纏わる色々➏

杜撰大王は爆音歌唱のニーズが生じたのは機材や環境に恵まれなかった者達からと推察してるが、その必要性は薄れても楽器の音量が下がらない限りは情勢に変化は無いと考えている。
がそれとは別に声色やシャウトの都合ってのもあり、喉負担を最小化するには意識的に喉を絞るのは極一時的以外とても薦めらんない。

に対し迫力さえ得られるなら喉潰し上等、寧ろ渋くしわがれる程好ましいと思ってる人に警告しときたい。
その悪一例として昔の関取の声を提示すると、激しい喉輪攻撃を喰らってたせいか最早常人では聴き取りが困難な力士がそこそこ居たんだ。

相撲じゃなくても声の連係不要なスポーツ選手なんかでも、昭和以前だとかなり声質の荒廃してるのが結構居った。
音域はRapならかなり狭くなっても何とかなるだろうが、言葉の聴き取りが一定以下のレベルになっちまったら一大事だ。

そこでその方面では最有名なLouis Armstrongに今日の生贄となって頂くと、味わい深いが中々凄い声色の割に随分歌詞の聴き取りは楽な方なんだよね。
そらおめえレジェンド歌手なんだから…には違いないが、喉で変な小細工してあんな声色にしてた訳じゃ無いからなんだよ。

一方個人的には好きな方だがTom Waitsは意図的演出もあってそうしてるとは言え、↑より相当後年の録音にも係らず毎回聞き耳を立てないとならない。
一応現在その筋の第一人者でそんななんだから、その方向で追随してたら当分はサッパリ聴き取れる訳ゃねんですよ。

歌手って因果な商売は時々作詞完成が間に合わなかったりど忘れした際、わざともごもご歌う羽目になったりゃするけどさ。
でもそれってキッチリ歌い切ろうと練習しといてでさえなんだから、俺みたく歌詞は2の次的志向でもそんな危ねえのは御免だわさ。

つまりはシャウトや声色演出より、喉から先の箇所は滑舌等にリソース割く必要性があるんすよ。
それでいて音程感もある程度以上にしようとすっと、体の喉より深部にそれを担わせて分担するのがベターなん。

ブースでのアナウンスや声優とニーズの違うのがココで、韻とかイントネーション止まりの音程感じゃ歌には足りない。
それで怪現象なのがRapperより、下手クソなウィスパー歌唱標榜者に音程感の曖昧なのが多い点だ。

多分生演奏での生歌唱体験不足のせいだと思うが、孤独宅練時と生本番の環境差が理解不足なんだろうね。
それ故アナウンサーや声優でも騒々しいバラエティ番組や各地での様々なイベントで揉まれるて来ると、必要値まで自ずと声量が上がる様だ。

この様な事情から一聴喉声に聴こえるシャウトでも、安定して長く継続出来てる者のは最低でも喉とそれ以外の肉体のハイブリッドに殆どがなってんすよ。
又適性的には地声が汚くワイルドな人程Rock向きで、シャウトこそすれ本人は極力「美しく歌おうとして」あんな結果になっとん。

素の声色の悪さになら杜撰大王は結構揺るがぬ自信があるが😢、どうせ歌ったって大した事ぁねえにしても喋くりだけだったらもっと低評価になるのは目に見えてるよ。
只でさえ地声の美しいのがより美しく歌い上げるのなんかが居る限り、せめて味や迫力で勝負してやろうって元はマイナス思考から出発しとん。

どんな声色を好むかは人夫々だろうけど、美しい×美しいの方がモテるのだけは確実だ。
そして喉負荷が最小になるOverdriveシャウトは、地声色の美しい人でも使えるってのを忘れん方がエエで。

-続く-

2025年4月25日 (金)

音楽備忘録2077 ’70年代Rockの浦島太郎㊺

さてマニュアル執着の問題点は他にもあるが、その嚆矢は用途外活用じゃないかな。
メーカ側としては何されるか分からんから保証対象外になるし、成功率が低い割にハイリスクなのは間違いないんだけどね。

けれど従前の枠内でどう捏ねようと、それじゃあ結果もほぼ従前の範囲内に限定されちゃうんだ。
それがもし安全面に関わるなら変な冒険なんかすべきじゃないが、音楽なんて内容が空想の産物なんだから実害は遥かに少ねんですよ。

少なくとも生命の危機に瀕する機会は極小で、そりゃなるべく機器だって壊したか無いがね。
処が形ある物何れは崩れるで、寿命は様々も絶対に一生持ってくれるとは限らんのどす。

そこから見えて来るのが寿命間際と思われるので試す方法で、これ実際に鉄道車両等では古くから実施されてる手段なんだ。
廃車解体が決定しててどうせバラすんなら、その前に衝突事故の実体シミュレーションに利用したりさ。

実はマニュアルにも「質の差」っつうのがあって、今劣化本邦の電子機器には唯の1つも回路図が付いてるのにお目に掛からなくなっちまった。
と書くからには主に真空管全盛時代の頃のには、日本でだって巻末か別添付で付けられてたんだ。

折角だから一例を紹介しとくと一体型のステレオ再生装置やTVの裏蓋に封筒が背負わされて、その中に折りたたまれて回路図が入ってたん。
そりゃ信頼性が今より格段に低かったんだから、せめてものお慰みで…なんてケチ付けるのは何処のどいつだい?。

まあ確かに頻繁に不具合は起こしてたけど、滅多に不具合が出なきゃ修理の為の重要情報を非公開にして良いって事ぁ無かんべよ。
今劣化本邦で杜撰大王がこれを問題視するのは、メーカが面倒を見てくれる期間が短目だからだ。

家電標準寿命が6年だからって、本来より長く使って貰えたら喜ぶべき事象。
中々壊れないと次を勝って貰えんからは分からんでもないが、その際消費者が必ず同じメーカを選ぶ保証なんて無いのにさ。

結局自らブランドの誇りを捨て当座の売り上げに全振りしたんだから、低迷するのは至極当然だぁ。
わ兎も角万全なアフターとは到底言い難く、その面等では昔より購入者自身で色々考えとなきゃなんなくなってんすわ。

ので長期視野に立てばどんなにマニュアル尊守したって先は分からねんだから、もうちったぁ自分自身で考える癖を普段から養っとくのがお勧めなんだ。
そうしといて大損しないのは、考えた上でその時点ではマニュアルに従うって選択肢もあるからだよ。

のが逆は無いし万一マニュアル不記載の事例に出くわしたら、そこで一巻の終りが来ちゃうで。
しやしかし昭和の頃or世代にはこれっぽっちも取説に目もくれずやらかす奴が多かったのに、今度は読むばかりなんて逆へ振り過ぎだわさ。

何時の時代だろうと熟読せずとも一応全部目は通しといて、自身でもそれなりに考えなきゃ駄目に決まってんのに。
確かにケータイショップで列をなす昭和以上世代の汚客様逹の自助努力ゼロには呆れるが、幾ら反動とは言え間に平成が30年以上もあったんだから。

今マニュアル盲信に溺れてる人も後10年か20年後には、晴れて老害入りおめでとさんでんがな。
現在の老害とその場所は真逆に近いだろうけど、現役世代にとって話が通じない相手になるのは一緒だ。

-つづく-

2025年4月23日 (水)

音楽備忘録2075 音プロの音楽の聴き方⑮

さて周波数で1つ大事なのが、各楽器のとオーディオでは低・中・高域が夫々別物である事で御座んす。
色んなのを同じ単位で扱えると覚えるには楽で良いが、電気関係のとリアル空間音波が一緒な上に更に↑とは何ともややこしい事ってすたい。

そこに惑わされずめげずに精進願いたいが、敢えてバラバラに覚えちまえばどうってもんでもないんすわ。
杜撰大王は学問としての音響も学んだからそうは行かんかったけど、技師なら未だしもミュージシャンなら他分野とリンクしなくたってへっちゃらなんだ。

それより楽器毎とオーディオでは分別が異なるのと、自担当楽器ではどんなのが低・中・高域なのか先ず知るのが大事。
性質が似てて音域が違う楽器で比較してみるのも良策で、基本的に楽器では音程や基本音色を司ってる周波数帯域が中域と扱われる。

但し楽器種次第で2次倍音の方を扱う場合もあり、その理由は聴き取り易さに依る。
どゆ事なのってば特に低音程は、余程好条件じゃないと正確な音程が把握し辛いかんね。

一定以上響いてそんなに広くない場所だとエレキBassの低い方が実際出てるのより高目に聴こえるとか、担当者以外にはバスドラにもちゃんと音程があるのに全然気にされなかったりとかするやんけ。
って一般ピーポーが気にならんのは仕方ねえが、過去の録音クウォリティでは出てた音全部を拾い切れなかったってのもあったべ。

その際の代案として倍音で実音の音程を想像させるって方策が取られてたのもあって、今でもローピッチのバスドラとか多弦Bassの普通より低い方ではルートを中域に含めない考え方が存在してんだ。
低音ヲタの杜撰君としちゃ可能な限り↑にゃ抗ってるが、アンサンブルバランスを保持する為にお邪魔になってたら降参だ。

閑話休題して高域の方も絶対的共通尺度がある訳じゃねえが、基本的には完全cutしても音程感に悪影響が無い高さと思えばよろし。
で大体は収まるし区別が付くんだが、Cymbalみたいなのになるとそのままじゃちんぷんかんぷんだ。

その手の楽器で迷わされるのは、そもそも楽器の象徴的音色に裏があるねん。
裏ったって所望音色を得ようとしたら偶然なったのが多いが、拙ブログでは毎度お馴染み「目立つ倍音」等を基本音色扱いしてるからなんだわ。

他にも楽器音と言うにはちょっち苦しいが、楽曲に必要だから意図的に入れたピンクやホワイト等のノイズも又厄介な存在だ。
このケースでは主に他楽器にマスクされない帯域が主戦場で、超低域や高域であってもその音に限って中域と同等扱いする場合がある。

こんな事情があるからにはそこそこ個人差が生じて当然で、分類の仕方が色々あっても間違いは少ない。
これも困惑させる原因になってはいるものの、下手に1つに拘ったり絞ろうとしなきゃどうって事ぁ無いんすよ。

次回参考に各帯域例を一応紹介するけど、概念的なもんの方がこの件ではずっと重要なのだ。
①聴き取り難易度と②音程支配にさえ注意してれば、未体験の楽器やサウンドに遭遇しても何とか手に負えるん。

但し経験値はそこそこ必要で、この件の場合簡単にはアナライズ出来ない音があるからだ。
そして結局は要Cut and Tryに至るが、その際目安値を知らなかったら労力が何倍にも増えるですよ。

-続く-

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