Mic

2026年1月17日 (土)

音楽備忘録2344 本物楽器の本当の音聴いた事ある?➌

個人の趣味・志向なら残響込みで設計された楽器のデッドなサウンドが好きでも一向に構わないけど、それが基準音色と勘違いしたら終わりの無い悲劇の始まり。
のを少し遠回りになるが杜撰大王が偶然気付いた、Drum Setでのプチ顛末をば。

例に依って一部過去重複しちまうが、高遮音ヘッドホンを入手して太鼓の練習に勤しんでた時の事。
21世紀以降のTAMAやGretschに比べたら、宅のLudwig 3plyはローエンドはずっと伸びてない印象を持っていた。

にも拘らず高遮音ヘを被ったら、予想外に随分と低音が下迄伸びてるやないかいな。
しかも解せなかったのが宅従来の録音方法ではやっぱりそんな音は拾えて無くて、一体どういう絡繰りになっとんのっと?。

それ以前からの知識では一口に「高遮音性」っても、たかがヘッドホン如きの大きさじゃ低周波遮断性能は大した事無いって事。
これは実際宅の防音設計をした時にも最難関だったが、木造家屋では単純に遮音材・層を幾ら奢っても先ず足りない。

最終的には木造建築物の一内部にコンクリの箱を内蔵させる手で切抜けたが、近似な真似がヘッドホンじゃ不可能だかんね。
上記裏技が適用不能で生ピの低音等を遮る手として、一般化してる鉛シートってのがある。

金属板だから隙間がとっても少ないのもあるが、それより単位面積辺りの重さが「重い」のが低音には有効成分なん。
のわ周波数がどんどん下がってくと、終いには音としてより振動として認知されるっしょ。(2秒間に1回づつ床か何かをドスっとやれば理論上は0.5Hzの超低音)

それこそ習字で半紙の位置ズレを文鎮で抑えるのと、基本原理自体は似た様なもんだ。
異なるのは習字の場合筆の摩擦力で半紙に移動力が働くが、超低音になる程ハコ(部屋)諸共揺さぶる力が働くんよ。

戻ってそんな事情から元々低音の遮断量が中高域より劣るのは想定済みだったが、生耳聴きや録音と比べると俄然ローエンドも出てるやないかい。
そこからMic種・位置共に試行錯誤を続け乍ら思ったのが、豊富な中高域の派手さにマスクされて出てるのに気付けなかったんじゃないかと。

現況バスドラの外部調査は途中だが、少なくとも内部ではローエンドの豊富な位置が発見出来た。
現用セットは残響豊富な場所へ持込めてないから今一心もとねえが、一般印象よりローエンドも創出してるのは確かだ。

只上記のせいで何処から出て何処で反響してるかが未解明なだけで、又そこ迄出てないと思ってたからMic選択も位置と共に最適じゃ無かった様だ。
この問題は設計想定通りの場所で鳴らして聴けば発生せぬ筈で、その意味ではこっちの使い方に瑕疵があったとも看做せる。

何れにしても演奏場所の広さと残響に過不足があれば音色も影響を受けてて、無配慮のままでは少し異質に聴こえちまうもんらしい。
因みに前出バスドラ「内部調査」の結果では、通常の設置方法で底部に近い位置にMicを設置すればローエンドが十二分に拾えるのが判明。

っと折角分かったもののその直前に所謂バスドラ専用Micを導入してた為、通常用途では寧ろローエンド過多になってもうた。(一般的な設置位置で所望音色に近付ける為、意図的に低域を大きく拾える様にしてある)
暫くは低音ヲタだから浸って歓喜してたもののやはり楽曲に対しミスマッチが多発するんで、今は指向軸だけは打点へ向く様に変えちまった。

=つづく=

2025年12月19日 (金)

音楽備忘録2315 テープレコーダのよもやま話⑱

オープンリール4回目はテープ入手性案件で、これはコンパクトカセットでも頼みの綱のメタルテープが製造中止になったのは痛い。
いきなりの黒思考すりゃ一部設計担当を除き低スキル且つローコストで製造可能な、デジタルの優位性を押し通したいのかね。

わたいがいにコンパクトの場合は主にテープポジション(タイプ)と長さの問題だが、オープンでは一般流通期から種類の多いが為の不便があった。
VHSメカ流用期のadatではVHSでもS-VHSを要求しはしたが、品揃え豊富なコンビニ以上であれば昔は深夜でも入手出来た。

のがオープンと来たらテープポジションの他巾にバリエーションがあるは、長さが違えばリールサイズも異なるとかなりバラけてた。
テープスピードこそ転用時に元データが消えて良きゃ変更可能も、汎用オーディオ用は末期には何とか½inch巾・速度19㎝/sが標準に近くなったけどさ。

MTRの方は最後迄まちまちバラバラで、殆ど東京23区内在住の杜撰君ですら½巾テープは秋葉原のテープ専門店に行かねばならなかった。
探せば稀にはアキバ以外でも売っては居たが、何しろ売値が結構違う。

のがコンパクトカセットの¥1,000と¥800なら未だしも、例えば¥10,000と¥8,000となれば貧には安い方一択になる。(½巾10号リール等)
となりゃ地方や遠方在住者には大きなハンデとなるが、これが皮肉なのは大型機器を設置したり保存するには郊外の方が有利な処。

処で汎用オーディオ用以外新規テープポジへの対応が殆ど無かったのは主に対応ヘッドの膨大な開発費だろうけど、元々コンパクト規格より性能が良かったのも災いしてる。
理想追及には反するが性能上乗せがコストに見合わないし、更に互換性を損ねてもとの考えからだろう。

末期になって¼・8tr等既成概念を破る規格のも出て来たから新規格テープにも意義は出て来たが、デジタル化目前で新規対応ヘッドの開発費や手間は倍以上となっちまう。
しかしテープコンプの有用性を重視しなかったのは、今からしたらプチ失策と言わざるを得ない。

録音も再生その他もほぼ全てデジタル化してれば、途中で1回位アナログを経由させたってその損失は微々たるもんだ。
だいいち生楽器や電気楽器は完全デジタル化には程遠いんだから、拙速な電気自動車推進愚策同様もっとハイブリッドに着目すべきだったんだがね。

こんな風にボヤくのもハイエンドオープンリールには足りるだけの実力を持ってるからで、ノイズ面や安定度ではデジタルに劣るが俺言い「音楽性能」では依然圧勝だからだ。
特にOn Mic収録に効能が大きく、だったらもういっその事On Mic止めちゃえば自体は正論だ。

聴く方でのノイズキャンセリング技術も応用出来んじゃねと思う人さえ居ようが、残念乍らそう簡単に行けりゃ誰も苦労しねんですよ。
再生の場合は音源以外の雑音は全部Cutすりゃ良いと単純だが、Off Mic収音ではターゲット以外の少し広範囲な音も拾えんと意味が薄れる。

ならばAI活用でと思いきや必ずしも決まった法則性がほぼ無いし、演者の気紛れであそこのノイズだけ残して欲しいなんて事もある。
っつう訳で次回は敢えて物理的には不完全なアナログテープの方が、音楽録音には却って向いてる件を綴ってみよう。

=続く=

2025年11月30日 (日)

音楽備忘録2296 音楽に於ける歪みの質➌

杜撰大王式で仮にここでは音楽に悪なのが歪み、そうじゃないのを便宜的にゆがみと呼んで話を進めてこう。
そんで上記両者には音自体以外に決定的な相違があるのを先ず行っとくと、前者は過大音圧で耳で歪む以外自然界には存在し得ないのがポイントざます。

それ故機械惑星のアンドロイドって世界観では、ホントは寧ろ前者だけで後者が無い方がリアリティがあるってもんなんですわ。
わ兎も角では自然界にあるゆがみとはってば厳密には音が音源-耳間の空気の仕業で、殆どは元々ゆがんだのしか聴けてないんすよ。

なんつうと一般人はおったまげかも知れないが、それは今ん処空気を介さずに通常方法で音を聴いくのは不可能だからだ。
危険且つあり得んから絶対実行しないで欲しいが、せめてピアノやギターの弦の片方を鼓膜から張るとか太鼓の皮と鼓膜を割り箸で連結とかしないとさ。

全く荒唐無稽だが音波の振動をダイレクトに鼓膜に伝え様としたら、ふざけた話しだがそんな手段を講じなきゃね。
因みに骨伝導って方法もあるが頭蓋骨と鼓膜は直結はしてないから、介在物が空気じゃ無くなるだけでやはり真の産地直送って訳には行ってない。

とは言えあんまり酷くゆがんだらそれも不可だが、ゆがみを含まない歪みは僅かでも音を変質させるんだから意図的以外歓迎されねんですよ。
それ故Ⅱでどんなに目立たなくしてもゆがみレスの歪みを利用しようってのが、そもそも考え方が間違ってんだ。

だが上手にゆがめられるツールが手元に無く次善策で歪ませるなら、せめて最低でも真空管を利用して貰いたいんだ。
球は内部で熱電子ってのに変換して伝えてて、真空ではあるが導体から導体へ直に電子が伝わるのとは性質が違う。

要するに音のピークを丸めたい時は、トランスや球等「電子が直に伝わる」石等を避ければ良いのだ。
或は環境に恵まれてたなら従兄の様に所謂典型的なOn Micにせず、音源とMicの間に一定以上量の空気を意図的に介在させればさ。

因みにⅡで宣伝・自慢意図皆無だが、現行の彼の設定は太鼓とMicは大して遠ざけてない。
但し指向軸は敢えて明後日の方向になってて、皮のアタック成分の中高域はダイレクトに拾わない様にしている。

のに対し低域は指向性が鈍いから拾っちまうが、これは不自然硬さ成分が含まれてないから心配無いって寸法だ。
更には無添加天然残響たる例の階段バーブも併用してるが、業務用LEXICONが彼宅に無いのとも関係している。

対して杜撰君宅では当時は良かれと思って設計した超低残響のお陰で、凡そ7畳の防音室だとMicを何処でどう向けても典型的なOff Micサウンドになってくれねんですよ。(ピークアタック成分がロクに減衰してくんない😓)
太鼓等の場合だと所謂Mic自体の近接効果は得られるがそれより近接させ辛いGrand Pianoでは、徹底的に場所探ししたもののせいぜい奏者の出す雑音が多少上下する程度で殆ど音色は変えられなかってん。

実は従兄宅での手法は大昔のの類型で、それは何もMicの耐入力最大音圧の都合だけじゃ無い。
記録メディアがレコード(ダイレクトカッティング)かテープしか無かった当時、そっちでの歪みを許したくないジャンルClassic等ではね。

盤やテープ自体の性能も然る事乍ら、Preamp・Head Ampのダイナミックレンジも理想とは掛離れてたから。
それ等の回路は球時代から楽器Ampとはほぼ正反対に、無理矢理でも歪み・ゆがみが生じ難い設計をされてたん。

ので万一やらかせば当時としては今の石やデジタルみたいに、クリッピング現象を起こしやすかったん。
そうなると恰もFuzz系を掛けたみたいになって、そんな音じゃClassicには全く向かないかんね。

-つづく-

2025年11月25日 (火)

音楽備忘録2291 テープレコーダのよもやま話⑪

テープコンプが無くなっても当初はデジタルの高音質に喜んでたものの、慣れて来るとどうにもMixでしっくり来ないのに未だ困窮している。
その筆頭がOn Mic収音のDrumであり、次に戸惑わされるのがVocalだ。

尤もデジタル普及以降に録音し出して、一定以上のテープコンプ体験が無かったらどうだか分からないんだけどね。
その結果杜撰大王的には元から好んでは居たが、お陰で録りでの球機器ニーズがほぼ必須になったでよお。

上記2つの生音源には生耳聴きでは気にならないピーク成分が実際には含まれてて、テープコンプの緩和作用が無くなるとその扱いがかなり面倒になるんだ。
その一因に楽音自体への歪み率の影響力下位っつうのがあり、それ自体は又ぞろ敢えて言おうシリーズの方に綴ろう。

のわ多少歪むかどうかより、基本的音色の性質が変容したりする方がよっぽど困るからだ。
生耳聴きでの音源ダイレクト感って人耳弁別能も込みでの感覚なんで、好条件が揃わぬ限りやはりMicは近づけた方が良い。

処が空気緩和作用の減った分をそのままで補うのが不在な為、テープコンプが使えないと対処に腐心させられるんすよ。
現状名称は別として次善策としてコンプリミッタ程度しか代役が無く、特に如何にもコンプってる感じが嫌な場合にホトホト困るんである。

ここで再確認しときたいのが生耳聴きの優先度で絶対に、生演奏しなしなら或は生での雰囲気が不要ならこんな心配はあまり要らない処だ。
新規ジャンル等でまだ典型サウンドが確立前だったら、例えば異星人が異星で録ったらこんな音なんて演出も可能だ。

がどんなに斬新さを追求してても過半はGuitarがPianoにしか聴こえない等、基本音色が全くの別物様に変貌して構わないなんてのはレアケース。
現況この点についてはデジリバが修正最有力候補で、それは最もバーチャル空気緩和の要素を内包してるからだ。

だが如何にもエコー掛かってますが嫌な際その調整は困難を極めるし、モノラル出力の楽器でも音像定位置の如何に関らずステレオトラックを用意してやる必要も出て来る。
しかも私体験からはそんな用途に堪え得るのはリアルの業務用、LEXICON PCMクラスだけしか無かった。

のの根底に現況On Mic方式で太鼓なら胴鳴り、電気楽器ならスピーカエンクロージャの箱鳴り等を上手く拾えきれぬ問題があると思われる。
して何が難関かってば似た感じはデジタルバーチャルでも作れるが、肝心の音色の艶鮮度だけはどうにもなんないんだよ。

この辺加算法か減算法かってなもんで、欠点を幾ら減らせても魅力が水準を超えないと今一インパクトに欠けるの。
スマホ普及もあってショート動画全盛の中今更音だけの魅力の立場は微妙だが、それだからこそ画無しメインなら余程音色がご馳走級じゃないとと思うのは杜撰君だけっすか?。

まさかでこうなって来っとデジタル普及期にその音質にだけ魅せられてたのが馬鹿らしくもなって来て、水面下では金物以外の太鼓だけでも何とかテープ経由に出来ないかと模索する有様だ。
次善策としてはトランスが有望なんだが、又脇道に逸れるがそれが困難化してるのを次回に綴ろう。

-続く-

2025年11月13日 (木)

音楽備忘録2279 テープレコーダのよもやま話⑧

今日のお題はアナログテープが音楽に最大独自の貢献をしてた、テープコンプレッションの話しでやんす。
これはカセットよりオープンリールで先に発見されたのと併せ、徐々にデカいヤツの方へ進めてこう。

今アナログでしかもテープったらデジタルに比しダイナミックレンジの狭さとノイジーさから、主に電気的な歪みをイメージするかも知れない。
が純粋なテープコンプはそんなのじゃ無く、歪みは歪みでも記録メディアの磁気飽和歪みってのが真の正体なんだ。

テープ以外で多少似てるのってば真空管やMic・スピーカのだが、厳密には歪みってより音波をゆがめてんの。
漢字だと読みが違うだけで全く同じ字の歪み(ひずみ)とゆがみだが、音色的に原型を大きく変えるのは前者のみ。

のわ普段耳にしてる音って、音源と耳の間にある空気の影響を必ず受けてっからだ。
固体と違い気体や流体の多くは境界域ですぐ混ざるんで、その輪郭がクッキリした線にならずボヤけんの。

これが聴感だと音を軟化させ、音源が発してるのより柔らかい感じになる。
ので近年でこそ明瞭度だけが気になる者が盛大に増殖中だが、天然界で聴ける音に一定以上親しんでたら硬過ぎ=不自然な感覚を受けるん。

ならばインナーイヤーモニタみたいに極限迄音源と鼓膜の距離を近付けたらどうかってば、間の空気量が減るから平均的距離の時よりゃ幾らか硬くなる。
だが間に介在する空気に依る緩和効果をゼロにするのは無理な相談で、何故なら空気レスではもう音が耳迄届かなくなるからだ。(人に聴こえる音=空気振動なので)

モロにスピーカ記事と重複してるのに長説明になっちまったが、それ故特定条件下に於いてはゆがみは悪処か善にもなり得るん。
ほいで↑の特定とは過去アナログオンリー時代だとOn Mic収録が筆頭で、しかし実情は生よりボケる為の補填策として始まったもんだった。

当時新参者Rock黎明期のDrum大音圧は非常識レベルだった為と、Mixer卓の入力chその他の影響でOff Mic収録が常識。
けどそのままだとテープに録ると音がボケて困るから、徐々にそれを改善する方法が模索された。

その過程でOn Micを始めるとテープの顕著な磁気飽和歪みを皆体感する事となったが、その際新たな発見があったんだ。
のがRock系等パワフルさが重要なジャンルのでは、案外↑が出てもそんなに気にならない処か却って好ましいかもなサウンドになってくれるのが。

生演奏での聴者って99%は奏者耳より聴く距離が遠いので、間の空気のピークリミッティング作用は自然と強くなってた。(通常大きな風船程弾力に富み伸縮量は増加)
その状況に最も似た性質をたまたま磁気飽和歪みが持ってたんで、歪みほぼゼロを求めない限りは生に一番近いサウンドだったんすよ。

因みに音響側だけで歪みゼロにした処で、個人差の大きい人耳での歪みを考慮に入れないと元も子も無いのだよ。
それが生で爆音・録音された物でも比較的爆音再生の機会が多いとなりゃ、その時の歪み感を下げるのこそ実用的なん。

但し杜撰君以上世代にはテープコンプの掛かってるのが当たり前だったから、当時時点では杜撰君を筆頭に大して有難いとも思わぬ者が多かった。
将来デジタルが普及したらその暁にはさぞかしなんて期待してたんだけど、実際なってみたら少なくとも杜撰君にはテープコンプが無くなったお陰で肩透かしを喰らった感じがしたよん。

=続く=

2025年11月 9日 (日)

音楽備忘録2275 テープレコーダのよもやま話⑦

カセットテープでの録音はほぼ一通りどんなシチュエーションも体験したが、2台多重は特殊にしてもその他のでも夫々にそこそこシビアなコツがあった。
のでそれを想い出して綴るとして、やはり最大の懸案はオーバーレベルに依る歪みだった。

これ今は自動調整を使えばマニュアルより格段に楽と思うかも知れないが、AIで制御なんか出来なかったからオートにもかなり欠点・弱点があったんだ。
例えば60%がー40dB程度で40%が+20dB位の音を録るのに、今デジタルでは唯絶対にオーバーしないように控え目にしときゃ済む。

デジタルではどんな編集をしても幾らも元音は劣化しないし、ヘッドホンでは微かに聴こえてもノイズは実質測定最低限界に近い。
だがアナログでは編集するのにもう一度テープに録らなきゃなんないからそこでの劣化があるし、小さく録れたのに下駄履かせれば漏れなくヒスノイズも下駄履いてノッポになっちまう。

ので欲しいのがー40dB の方だった場合控え目にしといたら、確かに破綻箇所は無くなるがヒスノイズに埋没するのが怖かったん。
ってのも1970年頃開発のカセットレコーダは、ステレオデッキでさえS/N比が48dB程度しか無かったんだ。(ノイズリダクションは未搭載:かつて所持機の取説記載値に依る)

だから当時流行った生録で電車内の走行音を録ってみたっけ、今より騒々しい車内に負けない様今比で大き目だった車掌のアナウンスは良く拾えたんだけどね。
ヲタには肝心のモータ音が生耳より遥かに小さくなっちゃって、厳しめの想像はしてたのにもっと録れなかってん。

その時杜撰君は高価な過去述デンスケなんて持って無かったからモノラルラジカセ使用で、自動録音レベル調整のお陰で歪みこそ少なかったがね。
こっちはメカヲタでもあったから失礼乍ら名調子のアナウンスなんか要らなくて、ひたすらレールの継ぎ目通過音とモータ音がターゲットだったのに。

そう云う目的では例えアナウンスがぐじゃぐじゃに歪んでも、ターゲットさえ生耳に近く録れてりゃ当時としては満足だったんだ。
又そんな裏技的な調整がある程度有効だった背景には、機器の電子回路とテープ自体のダイナミックレンジや歪み率にそこそこ差があったからだ。(大抵はテープ自体の方が桁違いに劣ってた)

電子回路はポータブルタイプなら99.9%はもう石だったから歪み方がFUZZ系統だが、テープの磁気飽和歪みはOverdrive系のマイルドなヤツ。
是又過去述エレキの「PUでの歪み」とほぼ同質なんで、後者にはそんなに神経質ならなくても平気でしてん。

まあだからってほぼ全部が盛大に歪んじゃ困るが、欠点の有無より目的音を最大限に拾えないとしゃーないやんか。
ほいで音楽録音で上記はDrum等パーカッション系に最も顕著で、原音を大きく損ねない為にはかなりシビアな調整が要求された。

又Ⅱで庶民用録音機がそんな性能だったからか、平均的汎用Micだと最大耐入力音圧不足なのが多かったのも苦しかった。
つまりどの箇所でも簡単に歪む可能性があったから、何処で一番レベルオーバーしてるのか見つけるのも一苦労と。

そんな状況から適切な取捨選択が録音の成否を握ってて、今から思えば唯録るだけでも随分色々神経を使わされてたな。
けれどほぼ唯一と言っても過言じゃないご利益もあって、しかしアナログオンリー当時は殆ど実感出来てなかったんだけどね。

-続く-

2025年11月 1日 (土)

音楽備忘録2267 テープレコーダのよもやま話⑤

カセットデッキ2台多重、続いてはMixingの過去実態だ。
ラジカセ2台であればほぼ人力になるのが必定な代わり、オーディオの知識はほぼ不要なのが少ない利点だったが。

さてデッキ2台多重のMixingでは段階ってのがあるのと、通常内蔵Micなんて非搭載だからミニマムでもMixerの必要が生じる。
では最低限どんなのが要るかったら、歌や生楽器の入る可能性の有無で大きく別れてたんだ。

入る方でLine録り独奏なら最低の1・歌付き複数演者なら最大が人数の倍となるんで、前者の場合ならMic入力すら不要になるのが特権かも知れない。
又プチ裏技として当時のデッキには殆どのにレベル調整付きMic入力が備わってたんで、ノイズ的には若干不利になるも敢えてLineレベルの信号を減衰させられりゃデッキのMic入力で一応受けられる。

となると余程低出力のMicを使わん限りMixerのMic入力は不要となり、もしハンダ付と簡単な工作が出来たならかなりのコスト抑制が可能だったんすよ。
特に最大限ジャンク活用出来たなら出費はハンダとコテの電気代迄圧縮出来っから、極論生活保護受給者ですら実施可能だ。

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回路図にすると電子回路学的にゃ若干不備はあるものの、参考掲載の上図みたいなエレキギター内部のに勝るとも劣らない簡単なので一応は実用に足りちまう。
無論既にニーズを満たしてるのを持ってたらその方が良いし、当時は購入するにしても廉価でシンプルなのが結構色々売られてたよ。

尤もどんなMixerを用いようと最大の欠点は、その都度施したMixバランスが最終決定になり後での微調整等全く無効な処。
要するに一寸Bassが小さかったかもとなったとしたら、そこで事後も逆算の上熟慮再録しない限りミスを諦めて容認しなきゃなんなかったん。

但し多ch MTRでもトラック数が全音源個別分に満たなく、1度でもピンポンをすると同じ悩みは付いて回ったん。
PC内でMTRが可能化する迄一般人は最大24tr迄しかありつけなかったし、今でもスマホ利用では最大8tr程度迄のアプリしか出てないみたいだからその意味では未だ完全寛解してはいないとも看做せる。

因みに後で綴るオープンリールの場合俺知りでMic入力付きデッキは4tr迄だったから、カセットデッキ2台多重が可能だとオープンでも8tr未満のはマスター用としてしかあまり効力が発揮されなかった。
確かに音質向上は確実にするんだが、カセット4trMTR登場後は微妙な存在に。

=つづく=

2025年10月24日 (金)

音楽備忘録2259 テープレコーダのよもやま話③

だはラジカセ2台多重録音からプチグレードアップして、ステレオカセットデッキ2台での多重録音の話しだ。
かつての杜撰大王界隈ではこれが最もポピュラーでその期間も長めだったから、身内評価での過去名作の多くはこの方法で実現してたん。

時期的には今還暦過ぎ世代の高校時代だから、凡そ35~40年前の昭和ヲタクソガキの日常だ。
実はあの世界的に有名なカセット4trMTRのTEAC Sound cookee 144の出現期とモロにダブってんだが、価格が¥175,000もしたもんだからオープンリールのMTRよりゃマシでも依然庶民には高根の花だった。(当時ランチがワンコインはおろか上手くすれば¥400でもあり付けた背景あり)

のに対しステレオカセットデッキはテープコピーやポータブルの必要性から、2台持ちもそんなには珍しく無かったんだ。
我々アマBandにとって外部スタジオでの録音はかなり重要案件で、各メンバーが宅録が出来たって先ず防音室が無いから出す方でちゃんとした録音なんか出来やしなかった。

でモノラルトラック4つ迄なら明らかに144使用が有利だが、それ以上となればどの道ピンポン(アナログだから劣化を伴うダビング)は避けらんない。
因みに今や多分死語化して久しいピンポンとはステレオ分の2トラックを残して他が録って全部埋まったら、その時点で中間Mixしてそれを残ってた2トラックに集約する作業の事。

その段階で一度録ったのを再生して再録するから物理的正体はダビングそのもので、Mixer卓等を経由させる以上にダビングに依る音質低下が大きかった。
それ故ピンポン必要最低トラックは4となるが、頻繁にピンポンを必要とするからほぼデッキが2台要らないだけ。

ピンポンは6トラック以上で始めて優位性が発揮されるんで、我々界隈では近似効果が得られるステレオカセットデッキ2台使用をそこそこ長く選択してたん。
早々にプチ余談だがピンポン撲滅って業務用オープンでも結構難しく、凝ったので16・シンプルなので8tr程度あるとやっと運が良きゃしなくて済む様な状況だったんだ。

それもDrum収録のマルチMicを諦めりゃの話しで、MTR利用初期の作品だとどんな金満プロのでさえピンポンに依るあからさまな音質劣化が聴かれた。
この方面でのレジェンドBeatlesでも大して重ねて無かった初期のより、一部中期以降の方が低音質に聴こえるのはこの為だ。

何れにしてもトラック数制限のあるアナログ多重録音で音質の鍵を握るのは「ピンポン回数」となり、オープンかカセットか・ステレオか等より影響が甚大だったのだ。
ではどうしたらなるべく回数を減らせるかだが、個人の場合は最初にリズムボックスなりドラムマシンを録る時同時に何か1つ演るので楽器の方は限界。

しかし1楽器+1コーラスパートならまだ複数足しは可能で、多重録音なのに案外普段リアルBand内に居るのと近似な状態が求められた。
だが2人以上で作業してるなら不要となる迄、毎回2人以上で何か奏で乍ら歌てって回数の節約をするのだ。

その面からは不完全多重録音とも言え、宅で完全に近付けたのはその後20歳頃8trオープンをゲットしてからだ。
そんな状況のせいで若く最も意欲的だった時期のは多くがカセット2台多重のせいで、デジタルが当たり前になって以降少々公開躊躇を余儀なくされている。

わ兎も角同じ2台でもモノラルラジカセよりゃステレオデッキの方がだいぶマシで、機器自体の性能やノイズリダクションの有無の他左右に振り分けられるのが音質向上に幾らか貢献してくれた。
全パートにはならないが左だけ右だけに入ってても良いヤツは、見掛け上の「重なる数」が減らせたんすよ。

テープ自体の再生ノイズは同じでも、やはり劣化した音×劣化した音は全体を著しく劣化させるんだ。
一定以上の歪みを含むソースを共存させると、混変調歪み等がどエライ事になったかんね。

それとデッキ2台初期には簡易Mixerでも最低限は事足りて、のわ録音入力レベル調整が大抵はデッキ側に搭載されてたからだ。
一面ではラジカセデフォの自動録音は人力レベル調整不要で楽だが、弾き語りで自身が音量バランスを絶妙に出来ないと機器・楽器・口の位置関係で終りの見えない調整が必要になる。

しかもOffで録れぬなら2音源のどちらか片方が、内蔵Micの指向軸から外れるのを容認しなきゃなんない。
とても大雑把な比較をすればデッキ2台多重はBeatles初期の状況に近く、そんな裏事情もあって彼等の初期作品の一部はVocalが片chに寄ってたんだ。

-つづく-

2025年6月 9日 (月)

音楽備忘録2122 爆音歌唱に纏わる色々⓱

だば毎度の前回補遺からでごわすが、歌だけが忖度されないジャンルでの伴奏音量を意識するのは当然且つ大切だ。
古来の王道は主役の歌に絶対服従だったが、その方法では歌手が必ず上手じゃないと全体のレベルを更に引き下げちゃうんだな。

ので今ではほぼ忘れ去られてるだろうが、かつての日本での俺言い「歌忖度時代」には裏の顔があったんだ。
大事な本番では歌唱力?さんに対しても全力でフォローする代わり、練習時には悪意に捉えりゃベテラン伴奏陣のパワハラ・モラハラが中々に苛烈だった。

中には僻み妬みと勘違いで本当に冷遇したのも居たが、そんな例外以外は若手歌手を育てる為にわざと苛め紛いの振舞いをしてたんすよ。
低パワー・低感度・低ハウリングマージンのPAしか無い際、致命的声量不足やMicワークの不作法を今みたいにゃ補填不可能だった。

その古事を割引いても折角メカレスでも歌えるのに、機器アシストに頼りっ放しにするのは勿体無いじゃん。
のを諸事情はあるにせよ常時Micを利用する位なら、練習環境でも意識の片隅に置いとかないのは変だって話しっすよ。

補遺はこの辺にしとくとして、今回のお題は声質についてだ。
成長期には変遷があるしある程度は訓練で変えられるが、加齢劣化は自然現象でもあるからそう簡単に抗えるものでは ない。

例に依って妙な話しだが杜撰君の様に長年喫煙してて、近年はあまり歌わないから喉等が汚濁してる。
とかなら却ってまだある程度改善の可能性はあるが、喉・呼吸器系に対しそこそこ健康を維持して来てての変容だったら復元は殆ど不可能に近い。

その一般傾向としてロクに歌えない位齢取りゃ細ったり擦れたりして来るが、その前段階では大まかには男女で異なっている。
女性の多数派は少し太くなる事で男性に無い訳ではないが、それより私感では男性は濁りが勝る。

アニメ声優で少年キャラを女性が演じるのが圧倒的多数なのは声域もあるが、透明度(ピュア感)でオッサン・爺さんの声じゃとっても難があるからじゃないかな。
のを歌で考察してくとウィーン少年合唱団は幻想として、主にPops系の青少年の声で歌うべき曲調がオッサン・爺さんには最も厳しい。

一部には超ストイックに暮らしてある程度維持してるのも居るが、Billy JoelやPaul McCartneyみたいにハードシャウトも使用する人では程度差はあれ残念乍らかつてのスーパークリーンボイスは完全に過去形になっている。

更にその中で普通の音域の人達が一段と過酷なんだが、それにはちゃんと理由があるんだ。
先ず低音の魅力タイプなら元から一定以下の音程で完全に近い「丸い音」を出すのが不可能で、所謂イケボの胸郭に響く感じのとかは俺言いバリバリ感等を含んでいる。

一方あからさまなテナーの方はそんなにマイルドじゃ無くても音域の高さから、元から音波の波頭を聴感的に捉えるのが困難だ。
つまりバリトンのスーパーマイルド君みたいなクリーミーな声質は終始一貫は望めず、加齢劣化すると何となく草臥れたっつうか若干やさぐれたかの様な印象に変化しちまうんよ。

若い頃は大多数がより力強い歌声に憧れを抱くもんだが、そこそこ老いてみると美しい声にこそ本当は希少価値があったんだってね。
高齢男性のベテランが普通スタンダードな童謡を歌っての大ヒットが無いのも当然で、そんな類の歌曲には一般論での歌唱力とは別の大きな価値観があるって訳だ。

-つづく-

2025年6月 5日 (木)

音楽備忘録2118 爆音歌唱に纏わる色々⓰

前回「爆音への耳のリハビリ」なんてヘンテコワードが登場したんで、それに纏わる悲喜こもごもをば。
杜撰君みたく楽器も色々演ってDrumみたいなのもあると、普段の練習時に遠慮しなくて済む環境があれば上記は自然と維持されてる。

では楽器を演ってない歌手だとどんな未記述の不利があるのったら、同じ編成のオケでもノーマルPA等の2chで再生するとモノホン若しくは俺言い「擬似Band」とは異なる伴奏音になっちまうんだ。
それプラス歌は未加工段階なのに伴奏はフルプロセス済みの相違も出て、強弱の加減を覚えるのに問題が生じるん。

して上記前者ではPA等の方だと生系に比べ、実平均音圧よりしばしば爆音に感じられちゃうんだ。
のわ大抵の完パケ音源では想定音量が生よりかなり小さく、簡単に云やLoudnessとかがある程度掛けられた状態と近似になっとん。

のわⅡで人耳はロー・ハイエンド等には一定以上の音量になると感度が上がる性質を持ってんで、そのまま日常生活アベレージ音量で再生すると小さ目にしか聴こえねんですよ。
なので仕方無く代用するならせめて周波数特性の逆補修が必須なんだけど、普通手軽に歌の練習したい時先ず一々そんな手間掛けやしないっしょ。

次に2ch再生では所謂「混変調」の劣化が影響し、感覚的には通勤時の満員電車内の環境と似た様な事が音でも起きてんの。
仮に運良く座れればそれ自体は空いてる時と一緒でも、一寸身動きするにも周囲に気を使ったりするじゃん。

両隣が空席だったら上着の脱ぎ着で一瞬横へ腕が伸びても何の心配も無いのに、両隣共寝てたりしたらモソモソするだけでも起こして機嫌を損ね舌打ちでもされないかとさ。
でそれ等を何とかクリアしても大きく差の出るのが、脱ぎ着に掛かる労力と時間だ。

音の場合でも2つ以上の逆相時にスピーカに矛盾した力が働いて、例えばA音はコーン紙を押出そうとしてるのにB音は引っ込めようとすると動作にバッティングが生じてんの。
そうすっと音毎に個別スピーカで再生するのよりどうしても濁り・歪み・硬化して、同音量で比べると聴感的に喧しくなるですよ。

本当は煩いと感じたのにも2種あって、過大音量と過喧騒とがあるんだけどねえ。
でも一々計測して音量を決定したりなんてしねえから、気持ち的に辛くなったら音量は下げるのが自然当然の行為よ。

実際どっちのせいでも耳保護(神経含む)観点からはそれで大正解だが、伴奏音圧と歌声のバランスを体感するのにはそれじゃあ足りなくなってる公算大なんだ。
かと言って無理に煩過ぎるのを我慢すると心身消耗が激しいし、ならどうすりゃ両方をクリア出来るかだ。

全体の様相や雰囲気ではフル伴奏の方が明らかに勝るが、それ等全部の音が「歌自体の伴奏」に必要な事は実は稀。
のへ活路を見出すと中型以上のGrand Pianoが最適解で、程々爆音の生楽器なのが選ばれた理由だ。

現代標準のDrumsetは電気楽器やMic常用に合わせられてるが、仕様確立世代の古いPianoは基本合奏相手は生楽器のみの想定だ。
この事自体はアコギも似た様なもんだが、オペラやカンツォーネの単独伴奏なんか考慮していない。

結果思い立って最低のプロセスで歌練したい際、唯蓋を開けて鍵盤押えりゃ後は歌うだけで良いのが最短コースなん。
Folk等もし非爆音歌唱のならアコギだって同じくお手軽だが、アベレージ声量を要するジャンルのだとそこで問題を生じちまうんだ。

鍵盤よりGuitarが得意な杜撰君が最近ではグラピ利用ばっかなのはこの為で、AmpやMicの音量調整でミスる心配が全く無い。
この利点が伴奏演奏の楽さリアルさを上回るとも感じたからで、そっちは演るとしたら歌唱が及第点に達して以降で間に合うん。

=つづく=

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