真空管

2024年5月31日 (金)

音楽備忘録1750 杜撰流不景気対策➍

今の不景気はちっとも自然現象じゃないから、知ってても最適配分が不可能になった人も居るかも知れない。
そこで今回は究極の選択を迫られた、そんなケースについて考察してみよう。

杜撰大王ってずっと貧は続いてるけど最下層とは言えず、ここ30年位は主に家庭内格差のせいで苦境にあるだけだ。
真に瀕してたら拙ブログすら毎日なんて書けない筈で、しかし心理的には↑はなまじ比較が容易いが為に実際より厳しいんだけどねえ


わ兎も角流石にここ数年は機材価格の高騰で、従前以上に充実はおろか更新も停滞を余儀なくされている。
本職がBassの癖にメインBassすら借り物ってのはいい加減でもう何とかしたいけど、得意の中古すら高騰したお陰で手をこまねいている。

万一貸主から返還要求をされたら待った無しの覚悟は出来てるが、それ迄はとある理由から厚かましくも引っ張れるだけ引っ張るつもりでいる。
のは至極単純な理由で、借用品でも1本はあって0じゃないからだ。

恐ろしくも20年以上借用継続中なんで、明らかに各所の消耗は隠せない。
が後数年で大々的なリペアを要する様な状態では無いんで、今の状況が続けば更新は見送るつもりだ。

とは言え興味と有事勃発の不安は常にあるから中古市場の監視は続けてて、しかしこっちの条件を満たす出物に遭遇しないからアクションは起こしてねんだ。
ってのからすれば理想は一旦置いといても絶対的な不足があれば買うが、そうでなけりゃ我慢出来るだけ我慢を続けるって事なんすよ。

只「不足の定義」が問題で、贅沢を言い出しゃキリが無いってか人次第で随分判断は別れそうだ。
自分のメインパートの楽器は少しでも好みの良い音をあらゆる条件下で出す為に、一般的にはあまり所持本数はケチらないよね。

けど財政逼迫の最中に年に数度しか使わないの迄となると、果たして単なるコスパの他メンテ費用はどうなんかいなっとな。
又楽器もなるべく美しくありたいとは思うが、遠慮無に弾き捲るとお飾りみたいな外観は先ず保てんですよ。

離れて晴れ舞台のを写真に撮ればボロが出なくても、直に手に取ってみると新品もものの1年も使や細かい傷位は必ず入ってる。
これ等案件は持ち主の願望としては正統なものだけど、真の必然性としては厳しいがエゴでしかないんだ。

ましてや聴くだけしか興味の無い観客には知った事かで、音楽自体への貢献度としては従と言わざるを得ないっしょ。
ので失礼を承知で言わせて貰えば音楽を演ってる「フリ」とか趣味の人はご勝手に、音自体を何とかしたい人は心を鬼にして熟慮・再考してちょ。

但し趣味でもブランド志向で持ってる自慢をしたきゃそれだけは妥協出来んが、防音室は持てなくたって構わない。
或は見た目一択なら近年は安くても美しい色・形・仕上がりのがあるから、無名の音は全然大した事無いのでも構わない。

取敢えずは自身の目的を明確化して、自分なりの優先順位を決めるのが先決じゃないかな。
非常時になって初めてその人の本質が露呈するが如く、己を知るのに限っちゃ環境・状況は厳しい程却って良いのさ。

=つづく=

2024年5月27日 (月)

音楽備忘録1746 杜撰流不景気対策➌

必要な物を買うのは当たり前しかもなるべく早く手にしたい、誰だってそう思うだろうしそれだけなら間違ってない。
でも本当に「必要に足りてるか」が問題で、惜しいのを買っちまったら早期の買い直しがやって来ちゃうんだ。

っと言いつつ毎度の杜撰ぶりから失敗も少なくねえんだが、単用途だけの想定でミスると潰しが利かんくて困るん。
既に使用体験が一定を超えてれば大巾な想定外は起こり難いが、1〜数回程度の体験じゃ中々そいつの全貌が
把握し切れないのもあるんだ。

先ずは打者の選球眼の如く選択スキルに磨きを掛けるのが一番だが、打者よりゃ遥かにマシでも打率10割になんてこっち分野でだって到底望めねんだ。
その際役立つのが複数用途想定で、寧ろ3つ以上の用途に叶いそうじゃなきゃ買うのを保留にするって手もあるんだ。

例えばMicで汎用だったら何処かに適合する可能性が残るが、専用ので外したら売って買い替えるしかない。
そうなると資産自体が僅かでも目減りするのが必定で、そのせいで次の候補の選択肢に新たな制限が生じる。

んだけど人間心理の事情でついこれ位安いなら、万一ドブに捨てる事になってもなんて思っちゃって誘惑に負けたりすんのよね。
その際助力になる発想が↑で、例えコスパは少し劣っても何かの足しになるかざます。

要するに基本は一発ドデカイのを狙う迄は一緒だが、三振はせず最悪でも犠牲フライにしようってね。
面白いもんで少し謙虚になれると、判断の確率は上がるし思考が柔軟になるんすよ。

丁度この「気分は高揚させつつも何処かに冷静さを残す」のって、元々盛り上がる音楽を演るには必須なスキルなんだよね。
手前味噌の一例として球コンデンサMic購入の経緯を晒せば、幾ら球好きでもそのコストにはかなり逡巡したんだ。

何しろ同一ブランド比で、石なら半分以下の価格で同等品が出てたからさ。
けど候補1を石にして駄目で少し高額の候補2の石に買い替えて、それでもアカンかったら結局…ってなるやんか。

しかも耐音圧では石の最高のと球のでは10dB以上の差があって、過去述の如く専用電源から高圧供給を受けられる球に対してどうしたって石のは不利なんすよ。(現在耐圧50V以上で適したFETがディスコンになって久しい)
流石に自称爆音自慢でもそこ迄必要そうじゃないんだけど、万一ヘッドマージン不足が何処かで出たらそれには使えなくなる。

因みに現代での球コンデンサのニーズって非爆音の生楽器や歌唱が多いが、¥1万を割込むなら未だしもそれでデカい音には使えないとなるとコスパ・汎用性が悪過ぎるぜよ。
例えば¥2万で歌やアコギにしか使えないのだとRockのDrumは当然無理だとしても、最悪は剛腕が弾くGrand Pianoなんかも駄目かも知んない。

尤も宅みたいに録音Studioもやってたりすると絶対数が要るんで、そっちも考えなきゃなんないから理想通りには中々行かなかったけどな。
ので先ずは必要最低限の本数を揃えるしかなかったが、取敢えず耐音圧が理由で用途制限が掛かるのだけは回避したよ。

実際には音色や周波数帯域の都合で全部汎用でも無いんだけど、一応どんな想定外な楽器を持込まれても困る心配はそれで無くなせたよ。
こんなのは元来不景気対策では無いんだが、今迄は考慮してなくて苦境迎えたんだったら誰にでも必要となって来るんだ。

=つづく=

2024年5月19日 (日)

音楽備忘録1738 杜撰流不景気対策➊

資金難は俺みたいな貧程大打撃には違いないが、世界から遅れをとって30年ともなると金満氏にだって影響が避けられてないんだよ。
ってな事って長年に蓄積された、ノウハウみたいなのを紹介する趣旨でありんす。

但し健康を害する様では医療費その他の増加を招くし、音が露骨に劣化すりゃその分上がりが減っちまう。
ので唯単にケチりゃ良いってもんじゃなく、長期トータルコストって概念が必要なんだ。

最新半導体のデジタル機器は今や完全回避等論外だが、進化・変貌の早さと短寿命若しくは少し古くなると途端に修理不可になるのは忘れちゃ駄目よ。
その上1980年代と違って海外依存率が飛躍的に高まってるから、だらしない円安是正が進まぬ内はとってもコスパが悪いんだ。

とは言え今や出来ればPC・最低でもスマホの力を借りないと、作品アップロードやSNSでの告知もままならない。
だが基本的なデジタル音響規格に原理的革新が訪れない内は、やれハイレゾだ何だと言った処で飛躍的な音質向上は期待すべきじゃない。

それに対し完全打込み以外は微量でも残存する旧来のアナログ箇所等は、より当分は大変革の見込みは薄い。
って事ぁそれだけ機器寿命(ここでは壊れなかったら使用に堪えるかの意)は長い訳で、この部分への投資は一時的なのとは違う考え方をするのが相応しいんじゃないかな。

又楽器等を使うとメンテや弦・皮等を含む消耗の問題が必ず付いて回るが、対処の仕方次第で末はかなり色々な差が生じる。
比較的入手性の良い物なら多少外しても被害が軽いが、本来なら10年以上交換不要な箇所だとダメージは快適性と費用対効果のダブルで打ちのめされる。

ので杜撰君今では弦や皮等の消耗品は殆どスピキン用ビータ以外は、最廉価品かそれに次ぐ程度のに何時の間にかなってもうた。
無論あまりに粗悪品だとGuitar系のフレットや、太鼓胴のエッジの消耗を早めたりするからご法度だけどね。

過去体験では確かに良い弦・皮のご利益は捨て難かったが、酷く劣化すると多くは最廉価の新品とどっこいどっこい位迄性能低下する。
使用頻度が低く消耗し難い使い方なら未だしも、遠慮なくガンガン演れば如何に負荷の掛らぬ奏で方をしようと相応の劣化は避けられない。

↑の奏法の件は後で纏めて綴るとして、心理的に惜しい物程状態が悪化しても使用を引き延ばす傾向があるよね。
加えて消耗品だと品質が若干劣るのが多くて、儲け率が低きゃメーカだってコストカットに邁進するのは当然だ。

ならばと最高級グレードを選択した処で、価格に見合うだけ信頼性が上がる事は滅多に無い。
無論限度のあるのは言わずもがなだが、最も困窮させられるのは予備の欠乏でんがな。

無い袖は振れぬ同様、無い弦は弾けんし無い皮は叩けないからね。
処がそんな時に限って奏力向上期だったり、新規アイデアを試す意欲が最高潮だったりすんのよ。

それを単なる巡り合わせとして済ます人も居ようが、客観分析すればある傾向のあるケースの方が多いんだ。
練習等が熱を帯びてて自身の感覚では普段通りのつもりでも、消耗品のそれこそ消耗が大抵は増加してるんだよ。

一般論としては気分より状況を優先すべきかも知れないけど、殊芸術方面の修練には気分の影響は絶大なものがある。
場合に依っちゃ気分が乗れないで無理に続けてると、思わぬ悪癖が付く事だってあるんだよ。

=つづく=

2024年5月15日 (水)

音楽備忘録1734 今時真空管の得失⓳

やっとこどっこいで結びを迎えるが、是迄書いた様に音楽や録音用途では現況だと球の方が「バスレが少ない」んだ。
とは言え石の廉価帯のと比べたら球の方が高価にはなるが、杜撰大王又の名を貧王でも薦められるのは超高額品じゃおまへん。

無論夢は金に糸目は付けず伝説級のアレやソレが欲しいけど、石のだってそのクラスのになると殆どが云十万はする。
ので一部のラッキー金満君には好きにして貰うとして、少なくとも中古なら¥10万を切るのをターゲットにして話しとん。

多分概述先日修理した従兄死蔵のBEHRINGERのMic Pre、Zoom R-24と比べたらかなりマシな音だったけどさ。
内部部品は当時レベルでも汎用品で、それだからこそカスタムICの完全互換品が手持ちにあって直せたんだ。

英語のフォーラムによるその実別名を与えられただけのだそうで、2chある内実際壊れてない方のと比べて何の僅かな差も無かったよ。
まあ今じゃ旧態化して中古市場じゃ大巾な値崩れしてっけど、そんなのじゃないと修理に窮する事が多いん。

ここ数年来従兄宅でヨレた機器の修理が延々続いてんだが、従兄の懐事情もあるにせよどれもメーカ修理は終わっちまってん。
有名無名等の差もあるにせよこれがFenderの球Ampとかだったら、何処ででも大体直してくれるのにさ。

デジタル機器であればスタンドアローンのでも進化が著しいんで刷新必須だから良いかも知れんが、唯のPre Ampやコンプ・リミッタみたいに大して進化してないのだったら継続使用が規定路線じゃん。
それが部品がディスコンだのメーカ終了だので躓いてその度買換えてたら、10年以上のスパンで俯瞰すると最善でコスパどっこいか多くの場合悪くなるんよ。

常に新しい物に挑戦ってのも勉強になるし格好良いけど、それでは習熟っつう武器が殆ど使えんくなるだよ。
微妙なさじ加減は何処の世界でも一朝一夕には得られず、一般的には経験値が上がる程有利になるじゃない。

なので音楽でも作る関係のになると、最低でもユーザーの習熟が終わってからが本当の寿命期間なんすわ。
つまり見掛けは音響機器の姿をしてても、楽器と近い考え方をしといた方が相応しいんだ。

でそう来ると次に考えとくべきは、壊れなかったら何時頃まで実用に堪え得るかで御座居。
そこで世間の様子も伺うと、デジタルが普及した後の方が手に入る球機器が増えてるんだ。

俺の場合デジタルを普段使うのは経済的理由のみだが、そうでなくてもデジタル録音機や汎用PCに球は入ってないよね。
わざわざ買うなら異質な物が優先になるのは当然で、尚且つ未だ音楽には球のみが持つ音色を必要とする場面がある証拠。

で結局前出Zoom R-24みたいなのを最初は買うしかない現況だと、その次の何処かの段階で何れ欲しくなるのは異質な存在つまり球等になるんじゃないかなぁ。
ならばなるべく早い段階から球に着目した方が、色んな面でお得になるんじゃって話しどした。

-終わり-

2024年5月11日 (土)

音楽備忘録1730 今時真空管の得失⓲

最新ローノイズ機器を使っても思った程クリアにならない場合があるのは、音源に何回も掛けたりすると起こりうる現象なのだ。
それ以前にデジタル録音がデフォになった今は、アナログ音源の収音時のノイズが最も大きくなっている。

この場合電気楽器なら楽器Ampからローノイズな程良いが、音色事情等でそう簡単に飛躍的なローノイズ化は出来ない事が少なくない。
となれば次の経由地のMic自体や、Mic Preのローノイズ化が最初の課題となる。

んだがここでも一考すべきがあって、幾らローノイズでも不要ピークを拾い過ぎる様だと後で劣化する公算が高いんだ。
何故ならそれだけハードにコンプしなきゃなんなくなると、音源と一緒にノイズも下駄を履かせられちゃうからさ。

特に今流行りの平均音圧を上げたくて掛けるんだと、モロにレベルを上げる為の叩き潰しだかんね。
デジタル処理ならリアル機みたいにそれ自体の静的雑音こそ追加されないけど、ソースに含まれてる雑音はやっぱり増幅されちゃうよ。

なので仮にローノイズ石Preで2:1のコンプの2度掛け必須だと、1回で済む球Preがあったらそれが倍以下の雑音レベルならその方が静かになるねん。
俺はミックスの最終段階で調整したい口なんで今迄は滅多にやらなかったけど、掛け録りが可能でコンプにMic Preの付いてるのだったらそれだけで賄うのが最も低雑音になる。

尤もアナログ入力回路以外は殆どデジタル化されたか可能になったから、昔と比べりゃルーティング(信号経路)の心配はかなり減った。
但し以前述のデジタル機器のアナログ部分の問題と、上記の2度掛けみたいなのはデジタルになったからって完全に解決した訳じゃ無いのよ。

お試し時等なら幾らでもどうとでも出来る、デジタルはホントに便利になったんだけどさ。
再出重複になるが95%がデジタルで5%だけアナログの機器で、その5%だけの為に最適な電源電圧を供給してるのは幾らも無いでんがな。

技術面では可能でもそれするとコスト・サイズはどっちも跳ね上がり、商業的にも購買意欲的にも微妙になっちまう。
この際だからこの件で未出の箇所を掘っとくと、昇圧だけなら今は便利なICを噛ましてやりゃそれだけで行ける。

が昇圧ICの出力電流の「質」が難ありで、微小信号を大胆に増幅するとなるとその弱点が露骨に影響するん。
この事だけでも正規電圧駆動の球が入ってるのだと楽になり、プチ以前述コンデンサMicでもヘッドアンプには現況球の方がかなり有利なのな。

今作られてる石系半導体はほぼ「オーディオ以外向け」となってて、デッドストックの古典石は音色は申し分無いが性能的には旧態依然と部品事情が癌なんだよ。
因みに現行品でオーディオにも使えますなんてメーカがうたってたりしてて嘘ではないんだが、一部のオペアンプ以外はその実飽く迄2次流用の位置付けなん。

で↑の様なので素晴らしいのになると、お値段も桁違いにすんばらしい事になっとりましてなぁ。
そこそこの球だってそれなりの値段はするけど、それ処じゃないのなんて杜撰大王は全然買えないッスよ。

-もひとつだけつづく-

2024年5月 7日 (火)

音楽備忘録1726 今時真空管の得失⓱

この項も終盤を迎えるに際し、「今だからこそ球」のメリットを綴っとこう。
その筆頭は録音のデジタル化で、音を作る必要の無い箇所で変容される心配をしなくて良くなった処。

オールアナログ録音の体験値が一定以上無いと実感が湧かないかもだが、兎に角オーアナの昔はノイズ低減に皆躍起になって腐心してたのよ。
本音では音色的にAを使いたくても、そうしちまうとノイジーになるから仕方なくBで行くなんて葛藤も含めてさ。

それから配布メディアがCD(つまりデジタル)へ移行期にも、○○サウンドみたいな絶対的定評があったの以外は皆が翻弄され迷走気味になったんだ。
きっと購買者はデジタルになったんだからと大きな期待もしてるだろうから、アナログ時代のとはなるべく明確な差を持たせようなんて思ってね。

本来デジタル化の意義は変容の縮小なので、アナログ時代より弄る必要は減る筈だったんだけどさ。
デジタル録音黎明期にオールデジタルはほぼ不可能(Mixer卓が遅れてた)だったりしたし、CD出現当時の国内販売価格がレコードより¥500高い設定でな。

現場としちゃ売行きが落ちたら敵わんから、何とか「値上がりしただけの事はある音」になる様迫られてた訳さ。
ほんで辛うじて健全だったメジャーにそっちへ振られると、ウチみたいなウルトラマイナーでカセットでのリリースでも全く前と変わらんってんじゃ厳しくなった。

でも機材はほぼオーアナ時代のまま、せいぜいデジリバを導入出来たら御の字ってな状態。
となると必然的に以前にも増してノイズ退治とか、歪み低減に躍起になるしかなかったんだ。

これでもウチは極限迄抵抗した方で、他所様の殆どでは折角持ってた球機器やヴィンテージ系石機器を惜しげもなく手放したりしてたよ。
私的に最も惜しい失敗と思ったのはリアルの鉄板Reverbで、場所塞ぎとかメンテ事情があったのは分かるけどね。

俺等は最早奇特ヲタかも知れんが、今頃になってわざわざ「階段バーブ」なんてのをやり出してるケースもあるでよ。
これの採用が可能化したのも、アナログ当時より録音音質が上がった事実は外せねんだ。

デジタル率の高くなった今だから天然より明瞭な不自然さが問題化した訳で、オーアナ時代のそれも貧じゃバネ使おうとチャンバ使おうと最終段階では違いが分かったかどうかですがな。
何しろ音源も残響音も唯の1回録るだけで、盛大に劣化・変容するんだもの。

ので今ならよっぽとノイジーな機器じゃない限り、少なくとも試してみる位の余裕がやっと出て来たん。
試て聴いてみてノイズレベルが許容範囲内だったら、今はそこから殆ど劣化しなくなったから使える様になってるんだよ。

機器選択の本道たる「好みに従って選ぶ」が漸くほぼ無条件で可能化した訳で、過去みたいな選び方をするのはもう古くなってましてん。
最新機器の方が低ノイズってのも確かに「単体ではそう」なんだが、実使用時は必ずしも維持出来ずそれを次回に。

-つづくぅ-

2024年5月 3日 (金)

音楽備忘録1722 今時真空管の得失⓰

球は石に対し実態は音色優性・雑音はどっこいどっこいなのを暴露して来たが、明らかな劣勢箇所もあるから現況はこんなになったんだ。
つう事って今回は欠点・弱点を網羅してくんで、あなたの環境でどの位引っ掛かるかみてみそ。

のっけから是又の過去述、球信教の杜撰大王ですらカーオーディオの球化の予定は今ん処無い。
幾ら魅力的でも基本条件が合わなきゃ普通は他のにするもんで、裏を返すと条件的にさして不利じゃなくても今は使ってない箇所も少なくないんだ。

この際明示しとくと①消費電力・発熱量多目、②耐震性低目、③サイズ大き目、④高温になるが故の注意点となる。
但し上記は同一回路で素子だけ変えた場合で、どんな事案でもそのまま額面通りには適用されない。

ほぼ石系一択となるのはポータブル性重視の類で、①は電池の持ちに②は雑音発生源に③は携行性に直結する。
この内②については実際振動には弱いものの過去には「電池管」なるのもあって、非稼働時の耐震性はそこそこあった。

球だって機器外箱を一寸位ぶつけた位なら直ちに壊れたりしなんかせんが、振動も音として律儀に拾っちゃうのが仇。
今はほぼ絶滅したが石系でも初期の金属筒の所謂カンタイプは、内部モールドがされてなかったから球と似たり寄ったりだったんだ。

それが石の構造的特徴を生かし隙間へ樹脂等を充填する事で、揺すられて音が出る事は無くなったん。
って事は部品の取付けてある基盤等に衝撃があると、最新構造の石系だって僅かには反応するんざます。

最近は集積度が上がったんで一部にしか見られなくなったが、それ故ポータブル用途のは各部品を外部から樹脂等を充填して固定してあるのの方が昔は多かってん。
球は温度変化が大きいので過去の材料ではそれが不可能だったが、この点は素子より組付けの方が主犯ざます。

翻って非ポータブルでも石系なら極小化出来る様なのは、特別の理由が無い限りわざわざ球を使うメリットは無い。
で又裏を返すと中規模以上で電源に電灯線を要す機器となると、過半数は球の方が本当は優勢になって来るねん。

では過半数に入らないのはってば、回路構成の複雑化必須の類のだ。
或は1つ1つは超単純でも膨大な物量を要すデジタル回路では、特にデジタル演算部については今更球はあり得ない。

石が無かった当時のコンピュータは、それ故ビル1棟丸毎要すのなんかがあった。💦
まあそもそも現代での球ニーズは音色が主軸なんだから、直接音に関わらないデジタル演算領域で使いたくなんかならんだろうがね。

それより何より重要なのは球をシミュレートするのに、例え安価で小型でも膨大な量を使う石系の存在意義だ。
ヴィンテージ認定されてる石系の多くは、今のより素材に拘り格段にシンプルに作られていた。

今でも思想さえ受け継げば良いんだが、それに必要な肝心のディスクリート石系名部品の殆どがディスコンになっちまった。
結果例え法外な高コストを許しても製造からの経年等で長持ちする保証が無いし、基幹部品が壊れたら再入手が絶望的なのよ。

これは高額機器のユーザーには大問題で、まるでテスラのEVみたいと言ったら怒られるかな。
でも資金が限られてる一般庶民には、不慮のバッテリー交換に新車本体価格並みの修理費なんか出せるかよっての。

-つづくか-

2024年4月29日 (月)

音楽備忘録1718 今時真空管の得失⓯

今回の話題も性懲りもなく逆説的だが、球プリ管(電圧増幅管)の雑音の実態を綴っとこう。
俺自身昔は石→高集積度半導体となるにつれ、後発の方がローノイズだと誤認してたが…。

音楽で爆音を常用したり録音の経験値が重なってくと、案外進歩なんかしてなかったのが露呈したん。
普通の人が普通に体験出来る雑音の多少っつうと極最近は未だしも、やはりスピーカから聴こえて来る音だろう。

ではスピーカにはどの様な変遷があったかったら、一番変わったのは嘘みたいだが低能率化なんだ。(太古の昔よりは高いが)
尤もその理由は能率を無視した訳じゃなく、より音質(ワイドレンジ)や小型化を重要視したからなんだ。

現行のスピーカ方式では周波数特性と能率は、残念乍ら未だトレードオフな関係にある。
それに対し駆動Ampの方は石系の登場・進化に及んで、比較的簡単に欲しいだけの出力が獲得可能になったん。

その結果スピーカさんに求められる仕事が、能率より広い周波数特性に変わったんだ。
でその今昔平均能率差は凡そ10dB位あるんだが、それだけ変わると駆動Ampの静的雑音の聴こえもかなり影響を受けるだよ。

具体的にはかつてギリで聴こえた程度の雑音が聴き取れなくなるんだが、最新のD級パワーAmpで古典スピーカを駆動するのなんてあっても極稀やんか。
だから恰も劇的にノイズレベルが下がった様に感じられてるが、大出力PAで無音状態のスピーカへ耳を近付けると未だ立派にサーっと言ってまんねん。

それ以外の殆どは旧式のは旧式・現代的なのは現代的同士ので組んでんで、正確な比較を曖昧化させてんのよ。
そしてここ数回ちょくちょく漏らした如く、一般流通の多い球回路は負帰還量がどれもかなり少ない。

結果的に仮に音色は好ましくても「球はノイジー」の自然自動印象操作となってて、殆どの皆が誤認されられてるのさ。
自然自動なんて現行メーカに遠慮した言い草は俺の本音じゃ無く、杜撰思考の心の底では意図的不都合隠蔽と信じてる位だ。

現に大出力Bass Ampでは大抵石の方が静的ノイズが気になってて、Guitar Ampですらハッキリ石はローノイズと感じられたことは金輪際一度たりともねえでやんすよ。
更にはコンデンサMicのノイズについてコンデンサタイプだからダイナミックタイプより静的雑音があるのはどれも一緒だが、実際球だとノイジーって事は一切無いざます。

楽器AmpやコンデンサMicのヘッドアンプは、音質や音色の都合で最新の凝った複雑な回路は用い難い。
尚且つ球でもハイエンドオーディオの音に触れる機会が、一部ヲタ以外は普段は途絶してっからねえ。(かつてはオーディオショップの試聴室で比較的誰でも耳にするのが可能だった)

真実は回路方式や使用量が無制限だったら突き詰めてくと石の方が勝れるが、残念乍らそんなにすると音楽的には実用に耐えうる音にはならんのどす。
ホントに石で意義があるのは測定機器の高精度化等と、消費電力と究極の小型化には貢献してるがね。

ので少なくとも上手に使えたなら、球だからノイジーになったなんてのは都市伝説でしか無いんで御座居。
そもそも石系は電流増幅が球は電圧増幅が得意な性質で、近年進境著しいMOS-FETの登場で電圧増幅時の雑音性能がやっとこさ比較対象の範囲に入った位なんだ。

色々なコスト・サイズ・重量に大部差があるから石をデフォとしてただけで(それも大問題ではあるが)、全てで凌駕したからって訳じゃないんだ。

-つづく-

2024年4月25日 (木)

音楽備忘録1714 今時真空管の得失⓮

前回の流れから今回は敢えて石コンプ・リミッタの進展について触れるが、何時迄も単純動作のばかりなのはコストや調整がネックになってるんだろうか。
デジタルバーチャルのも普及して早10以上は経ってるってのに、何故か必要な進歩は止まってるんだよねえ。

杜撰大王的なその理由は「向いてない」からで、ゆがみは未だしも音色歪みから完全回避されられないからなんじゃないかな。
入力ソースに特定の傾向とかあったらそれなりの対応策もあるんだが、音色タイプ別にコンプ・リミッタも別のが要るなんて受入れ難いだろうしねえ。

今迄大抵は最少数の使い回しで賄って来てるし、マルチEffectorみたいに多用途には使えないしさ。
これ等が枷になるのは各パラメータのプリセット設定を難しめてるのと、随時マニュアル設定ではそのパラメータが大量になってしまう事。

こう云う件では過去にLEXICONのデジリバPCM45で、敢えてプリセットしか無い仕様にしてたとかがあった。
Reverbの方ではデジリバ以前のって「響かせる箇所」の都合から、どれも大して音色自体は変えられなかったから功を奏したのかな。

正直言うとコンプ・リミッタの設定は下手すりゃリバーヴに負けん位素人にはハードルが高いんだけど、大昔から自由に弄れるのが出ちゃってたからねえ。
結果現況ではプリセットが容認されるのはFairchild660・670位で、実際俺も音が分からないプリセット仕様は候補から外してたな。

しかしこの業界での体験が膨大になった後の今では、適切なプリセットだったら相当使えるのが分かったよ。
エレキGuitarの歪み系でMarshallがかなり一択化してるが如く、どれでもスイートスポットはそんなに多種多様じゃないんだ。(無論例外はあるがそんなのは普段使いには縁遠い)

百戦錬磨の技師が選択・設定すれば設定の自由度より、基本的な回路構成の方が重大な意味を持つんですわ。
こんだけサチュレーションやコンプ・リミッタの需要は増えてるってのに、球のパワーコンプレッションを誰も活用してみようとしないのは残念無念やがな。

自分も含めもう少しパワーコンプがリミッタに最適なのを、早期に大勢が気が付きゃ良かったんだげどさ。
グズクズしてる内にアナログ帯域用高圧トランスが、ニーズは減りぃの生産縮小で高騰&一層入手難になっちまった。

但し云十万以上の高額機種を作るなら、アナログフォトカプラと併せ何処か一社位は作って維持して欲しい。
ある程度の台数が出回って使って何年か経たん事にゃ、エレキAmp以外でのパワーコンプレッションってのの具体像が皆に見えやしない。

今劣化本邦で若者にバブル期のゴージャスさは年寄りのノスタルジーと誤認されるのも、当時の実体の紹介をマスメディアが意図的に避けてるからだ。
杜撰大王は悲しいかなバブルとは縁遠くて、周囲の隆盛と自分の貧とのコントラストが一寸キツかったけどな。

事実を隠蔽すると進化が鈍化するのは何でも一緒、百害あって一利無しですぜ旦那。

-つづく-

2024年4月21日 (日)

音楽備忘録1710 今時真空管の得失⓭

前回は出力管を使ってるコンプ・リミッタを2つ提示したが、それだけで本当にパワーコンプレッションを利用してるとは言い切れない。
って何の事ぁ御座んせん、少々証拠を書き漏らしてまつたのスマソ。

自動録音レベル調整のだけ妙に自信ありげに書いたのは、スピーカからの音が割れる寸前で効き始めてたからなんだ。
ある意味正統派のリミッタで、それが歪まん限りは人が決めたレベルを弄らない設定というものなんざます。

今の音楽録音関係だとコンプとの相違が曖昧化してるけど日本の自動車のスピードリミッタは、例え速度違反でドライバーが捕まろうと180kmになる迄は知らんぷりだ。
近年の安全装備じゃ設定次第で、捕まらん速度迄に制限してくれるのが
あるか知らんがね。

もっと言えば電灯線のブレーカ(昔はFUSE)とか、言わば安全の為の最後の砦としてしか働かない。(漏電ブレーカを除く)
正直Fairchildの振舞いがどうなってるかは分からんが、あっちも元はラジオ送信での音割れ防護だから目的は同じだ。

但し音楽の場合レベルオーバーだけ防ぐんじゃ駄目で、音の流れを阻害せず音色もなるべく維持しなきゃなんないから面倒だ。
これを実現するのに音量を弄るだけでは役不足で、リアル楽器の音色変化の仕方が恰好のサンプルになったりするん。

生楽器でも飽和状態になると聴感歪みが少し検知されるが、そればかりか過去述フルートアンサンブルみたいに楽器単体では歪んでなくても混変調歪みを起こす事もある。
ので歪みを全て禁則事項とするのは行き過ぎなのと、論理歪みには音波波形の「ゆがみ」も含まれてる点に着目。

ゆがみだって過度になりゃ音色を改変しちゃうけど、純粋に歪み音色になるよりは遥かにマシだ。
これは一般音響理論には反してるが、それはオーディオでは音源に意図しない歪みは無い前提としてるからだ。

だが現実には制作過程では格闘が常で、そうなると歪みレスでゆがめられる方策を探る事となる。
処がこれが難題で何しろHi-Fiとは対極なんだから、現行音響装置の中から見つけるなんざ無理な注文だ。

その上これから使うとなると雨降りみたいに静的ノイズが多いとアカンし、となればある程度以上の出力のある出力管位しか候補にすらならないんだ。
では何故ある程度以上の出力のなのかってば、出力が大きい程静的雑音との落差が取れる可能性が高くなるからだ。

オペアンプICがローノイズに感じられるのは殆どの場合膨大な負帰還を掛けてるからで、裸特性だと増幅率こそ立派だが実は露骨にノイジーなのよ。
その面で低増幅率・高コスト故必要最低本数のが多い球回路は、実用上はかなり雑音面でも優れものなんだ。

負帰還量を増やそうにも増幅率が足りなくなるんで、雑音やリニアリティだけに忖度なんか出来ない。
確かに石よりゃノイジーだけど、そんな理想には遠い状況であの程度で済んでるんすよ。

音が不自然に硬くなるのを嫌って石でも低負帰還にすれば、素子単体ではチープなのが多いだけに球より劣っちゃうケースの方が多いんだ。
又人耳に対応させるには結構複雑なゆがみ変化の仕方が求められ、デジタルバーチャルではそこそこシミュレート可能な筈だが何故か誰も何処もやってない。

-つづくー-

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