真空管

2023年9月19日 (火)

音楽備忘録1495 代用出来るか否か⑰

前回の流れから今日は代用困難なのを、思い付くままに提示してってみよう。
その筆頭は真空管関係でバーチャル・シミュレートメーカ等には悪いが、目的が柔らかさの為だったら全然偽物じゃ代りにならないよ。

聴感上の僅かな歪みが許されればまだ余地もあるけど、モノホンの球って歪ませた時だけ音が軟化する訳じゃないんでね。
の続きをやるとキリが無いから今は別のを進めるとして、Hammond Organ等を除く鍵盤楽器以外バーチャルで代用可能なのは制限条件付きの場合だ。

何時にも増して私感多目と思われるだろうが、少なくとも自身で演奏してみた感想としてはそんなんなってま。
基本理由は発音動作に鍵があって、これの方法・種類が多いの程サンプルデータが網羅し辛くなってんのよ。

最も分かり易そうなので例示すると、Guitar(特にエレキ)のハンドミュートなんかがさ。
こり正に手加減だから奏者の数だけ基本パターンに違うのがあるし、気分次第で強めたり弱めたり出来ちゃうよね。

しかも厄介なのは無意識で何となく演っちゃってるのも少なくないから、自分が弾いてるのを打込む際ですら失念したり加減が違っちまったり…。(膨大な実体験アリ😢)
もっと言や杜撰君高級な音源には疎いが、Drumのでスティックの「打角違い」なんてのが色々入ってるのとかってあるのかよっと。

なぁ~んて実際には大して音色は変わらんかもだが、音量や強弱以外の要素で全く同じ音になってはいなさそうだよね。
のが現況のバーチャルでは非対応同然なんで、その手の奏法を多用するのだと代用が苦しい。

不完全でも一切シミュレート出来なか無いんだが、それに要する手間の膨大さはリアルで気分で演ったのとは比べ物にならない程大仕事になっちまう。
そうは言っても弾けない人が打込むのは否定してなくて、マルチな杜撰大王だって弾けない持ってない楽器は幾らでもあるしねえ。

けど今の私的最大懸案事項は音色も必ずしも充分じゃないが、それ以上に表現力の点で腐心し逡巡させられる日々がずっと続いてるんだ。
弾ける楽器がある者にとっちゃここで一寸ビヴラートとか、低難易度のささやかなのでも中々思い通りの感じになってくんない。

挙句打込みで手間取ってる間に最初のイメージが迷子になったりするから、真剣に違うリアルの楽器へコンバートするべえか等と…。
これの自己分析結果に依れば器楽音に半端に詳しくなったのが悪い様で、弾けない≒知らない内だったらあんまり生じない問題かも知れねんだ。

当節流に言や単なる自己責任(この場合は打込み関連スキル)だろうけど、音楽の道具として考えたら詳しくなって来たら手間取る様になるのは良い道具とは思えない。
っま要するに使える場面が段々減ってくんで、制限付きの代用品って訳っすよ。

=つづく=

2023年9月11日 (月)

音楽備忘録1487 代用出来るか否か⓯

楽器でのリアルとバーチャルも中々だが、私的本命視はダントツで録音機だ。
今回から多角的に考察してみるが現行専用MTRの少なさには、かつての賑わいを知る者にとっちゃオワコン感が…。😢

デジタル化して暫くは専用機も変わらず出てたものの、PCに続いてタブレット端末やスマホが普及したら駆逐されちまった。
関係機器未所持なら国産2ブランドのMixer一体型がまあまあリーズナブルだが、卓は持ってたりすると2重投資になって勿体無い。

尤も従兄みたいにメンテと操作の都合から、上記前者で妥協する奴も居るがね。
っと何だか話しがキナ臭くなって来るのは、普段音に拘りがあって散々色々愚痴ってるからざんすよ


んで当初はそれだけで録ってたのが、今はUSBインターフェイスとして一部利用に留まってるがね。
従兄の場合数年前迄仕事場たる地下室にネット回線が未設だったが為、立派なPC歴があるにも拘わらず周辺機器追加って方向に行けなかったらしい。

処で遅れ馳せ乍ら専用機と非専用機の相違点を挙げとくと、やはり何処かで非専用機には音楽に不都合だったり弱い箇所があるんだ。
例えばSyntheで音自体は音源をMIDI接続して何ら遜色は無いが、リアルタイム演奏時のレイテンシが俺なんかだと気になってパフォーマンスの低下を招いてしまう。

つまり音事情のみならせめて録音機部分は一体であるのが望ましく、逆にMixer部分はどちらかの不具合時に交換可能な分割型の方が現場には適してる。
とは言っても利便性やコストに抗えるのは極少数なんで、現実はこんな事になって久しいんだがね。

そこで敢えて理想を一旦横に置いといてみると、次点で考慮すべきは修理等の問題になる。
古のアナログ機器だって部品探索で困窮するのもあるが、デジタルと比べたら単体部品の集合体なので完全に行詰るのは稀。(オープンリールではメンテやコストよりテープの入手難が最大の壁よ)

デジタル機器特有!?の弱点として指摘しときたいのが、高集積半導体の存在なんすよ。
それだって長く作り続けられりゃ良かったが、専用の石(つまり非汎用で転用・流用がほぼ不可)がディスコンになって底触したら完全終了なんすわ。

と来りゃ長持ち安全策としては、極力分割しとくのがよろしいとなるんだ。
それもなるべく代替機が、簡単に見つかる様なのの集合体にしといてさ。

それからすると全く行き当たりバッタリの従兄の現況も、録音機能をPCで代用してるのは大合格かも知れねんだ。
今使用中のソフト(アプリ)はフリーのReaperってのだが、コイツは余程の低スペック機以外OSは殆ど何でも構わない。

日本語版が無かったりと操作性も大したもんじゃないが、唯まあまあのPCを持って来られりゃMTRに化けさせられるってのがポイントなんだ。
上記理由から俺内では飽く迄代用の位置付けも、貧には恐らく最も頻繁且つ何処ででもある事例かも知れない。

=つづく=

2023年8月10日 (木)

音楽備忘録1455 代用出来るか否か➐

今劣化本邦では音楽の何かを語るのに、妙にスペックの羅列が横行しとる様だ。
がそんなので本当に役立つなら、世話無いんだよなぁ。

俺が近年の日本をしつこく今劣化と呼ぶのには、感性の問題を全て理屈で解決しようとする愚かさが容認されるとかがあるからなんだ。
そしてこのテーマとの関係は、音よりブランドとか容姿を選択基準に誤認する可能性があるのだ。

これがもし絵面だけとかせめて音より視覚重視だったら多少の意味はあるが、お客さんには音だけしか届かないケースが最多なのを失念した愚なんすよ。
だから真空管の件にしても俺が推すのは実際に音に顕著な効果がある場合限定で、コスパに優れるハイブリッドを圏外にしてるのはこの為なんす。

っつう事って最終決断は各個人に委ねられるが、判断基準次第でかなり得失があるのは知っといて欲しいんだ。
前回さわりをチラ見せしたが、望み通りの楽器や機材が使えたら満足感があるのは確かだ。

但しそれが意味を持つのは他では得られない音を使用した時で、それ以外では顧客無視の自己満になってしまうんすよ。
音楽は感性と吠えてるからには奏者の気分だってかなり大事なんだけど、その気分と出て来た音が必ずしもリンクしてくれないのが辛い処で御座るな


これ等をひっくるめるとどれ位許容可能かがポイントで、今時リアルLiveでもPAは通った「後の音」になるのも考慮点だ。
生耳で幾ら良くてもある程度の変容は避けられなく、この辺がPAレスが常態のClassic系とは異なる。

基本は生耳で最良なのに違いは無いが、本物を用いても典型的或は象徴的な使い方の時しかそのリアルが中々伝わってくれないのよ。
さりとてあまりいい加減なチョイスをすればどんどんイメージから遠のいてくしで、やはり鍵になるのは「反応の仕方」ではないだろうか。

チープなサンプラーでらしくない奏で方をすると、これの典型的症状が出ますでしょ。
って今時の機材で騒々しいLiveとかだと気付けない人も多そうだが、録音とLiveを完全に同一にする方が少数派だろうしね。

ので録る際程問題視すべきだが、唯一の救いはお客さんにはその楽器の姿は見えない点だ。
例えば分かる人だけ対象に「LPのカウベル○○型」等と設定してたら未だしも、その曲に対しての最適を狙うと案外ノーブランドのとか果ては何処ぞのオッサンの演った鍋の方が合う事だってあるのだ。

ちゃんとしたのを使う利点は大外しの心配が無いだけで、確固たるニーズが無ければ最適解は他所へ変動するんよ。
なので代用可否を問う以前に、元々のが最適解か今一度疑う必要が時にあるですよ。

=つづく=

2023年8月 3日 (木)

音楽備忘録1448 音環境の変遷⑦

最近つとに政治色が濃くなるのはRockの古典スタイル、反体制だからじゃねえんだ。
かつては与党が与党である為の野党の存在、善良市民が善良である為のヤクザの存在を認めてたのを否定したからだよ。

ゲームと現実は違うからあんまり酷いのだと困るけど、ライバルの存在を大事にしないと残った方も価値が薄れるん。
世の中では定量的に判別可能な物の方が遥かに少ないんで、比較対象がゼロになると長所も欠点も良く分からなくなるんだよ。

音楽を売上額や販量で分別して駄目って事ぁ無いが、現行の単細胞分別には色々重要素が欠落してんだ。
自動車と限らずいや音楽や絵画みたいなの
こそ用途が無限だから、「その土俵でどれだけ評価されたか」に着目しないと全く実効性が無いんだわ。

これは音楽聴取目的の再生装置なら更により一層で、マイナーなオーディオメーカを一掃したのは不味かったんだ。
事の発端は大手量販メーカが身の程わきまえず寡占しようとした事で、以前は棲み分けしてたからラインナップが充実してたんだけどなぁ。

最初は棲み分け次段階では強制下請けと来て、下請けに払うの嫌ってとうとう単一化させやがった。
に関しては例の師匠社長の経営の悪さが主因も、実際その様を見せつけられたからね。

一寸ここで考えてみて欲しいのが資本主義と言い乍ら、単一化させたんじゃ独裁共産主義とやってる事が一緒になっちまってる処。
今劣化本邦じゃ中国を揶揄する人が少なくないが、そんな非民主主義の資本主義を殆ど世界初で大々的にやっちまったのは30年前位の日本なんすよ。

日本があんな馬鹿な真似しなかったら相手は基本パクリオンリーなんで、現在とは全然別の世界地図になってたかも知れねんだ。
そんな中唯一の成果の頑なに戦争を回避してた点すらいよいよ怪しくなって来たのは、結局は民度や文化程度を経済に見合うレベル迄押し上げられなかったからだろう。

教育の不備その他俺言い「与えられし物」に期待出来なくとも、色々なデザインや音色(特に柔らかさ)等は影響は受けつつも自由になる筈だ。
改めて語っとくが杜撰大王の’70年代好きは当時からの事で、現時点迄では単純に他より色・音・デザイン等が最も優れてると感じただけなんだ。

今日本のそれを顧みると色んな製作技術が向上して、それ迄作りたくても作れなかったのが可能化したからじゃないかな。
そんな状況下で相変らず民度や文化程度は低かっても、デザイナーが夢見て欲出して最大限に張り切っちゃったからだと思うんだ。

このデザイナーには音響や音楽の製作者も含まれてて、昨今はそんな自負が欠落してるんじゃないのかな。
音楽って他の仕事に比べ直接的に作用させられないからこそ、背景環境つまりムード作りが最重要だと思うんだけどな。

>完<

2023年7月30日 (日)

音楽備忘録1444 音環境の変遷⑥

今劣化本邦の「敗因」は先の大戦に負けたのもあろうが、中途半端にリッチになってそこから衰退したからかも知れない。
特に上級国民様の文化程度が上がるはおろか低下したのが最悪で、政治・経済とともに世界から見れば真に不可解な中途半端になってるよ。

今回はそれを真空管の製造中止とささやかな再開で示してくが、かつてはそこそこ世界に通用したブランドが日本にはあったんだ。
今更それを持出すのは世界の何処にでもスキルがあった訳じゃなく、要するに当座の経済と云う「甘い言葉」に負けて技術流出と伝承に失敗したんすよ。

恐らくその移転先に中国があると思われ、年寄りタイムで少し昔だと中国にはそんな技術も商売も皆無だったん。
近年では当時の川崎重工が新幹線の件でやらかしたのも酷かったが、自分が不要になったからって拙速に他人にやっちゃうのはこの国の悪癖だな。

国内では条件面で合意に至らなかったか知らんが、未来永劫不要になるか迄そんなにすぐに分かるかってんでい。
狭い日本そんなに何でもとっとけやしないが、自然と生えて来る木とは違うんだからさ。

近年では半導体メーカやLCD迄売却の嵐で、それで最も被害を被るのが表現なんすよ。
日本って世界比だと「薄味の魅力」が売りだと思うんだが、それには繊細微妙な味付けが不可避だ。

にも拘わらずそれが可能な素子の自前が無くなれば、海外の大雑把なのでなんとかしなきゃならなくなる。
すると少なくとも「やり難くなった」のは確実で、初見では目立たないが地味系の魅力発揮に困窮するん。

今振り返ると高度成長期の国産自動車に、現行GTRみたいな世界最速称号を持つのなんて全然無かったよ。
なのに販量が多かったっつうのは、No.2以降のだけどどれも売れてたって事なんだ。

あのFerrari擁するイタリアは国としての経済は四苦八苦で、量が売れなくなったからせめてブランド価値だけでもってのも分ん無かないけどさ。
実際下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる式オンリーってんじゃ一寸情けないが、それが概所持個性である以上大きくシフトするのは無理に等しかったんだよ。

結果値段の割には得なレクサス程度が関の山で、ハイエンドを猛指向した処で成果はGTRだけやんけ。
でそのイタリア経済では不評な反面、デザインやアパレルでは相変らず好調を維持してんのよね。

料理でも世界での席巻度は中華や和食に勝るとも劣らず、資本主義が主流だからってそう云う真の文化価値を見落しちゃ駄目なんだ。
そんな流れを反省したでも無かろうが、今頃になってNutubeなんてのを出す位なら球技術を手放さなきゃ良かったんじゃね。

↑は球でも蛍光表示管の派生形だが、亜流の球(かつては大本命)つまりTVのブラウン管技術とかも製造機器諸共全部売っぱらったかんね。
蛍光管表示のだけがたまたま残存してたのを魔用したのは秀逸だが、他の各1つづつだけでも残存してたら或はもう少し安く作れたんじゃないかな。

>つづく<

2023年7月29日 (土)

音楽備忘録1443 代用出来るか否か➍

続いては音楽での球機器の代用について…の前に、今シリーズ記事での代替基準を説明しときま。
って最初に言わんかいの体たらくでスマソだが、机上スペック的な話しなら知識オンリーで未体験の人でも書けるんだ。

今ではこんなな杜撰大王だって若かりし頃は、自身が無知なだけに↑みたいなのを参考にして色々酷い目に遭ってたんだ。
当時も本当に知りたかったのは「実際」なのに、理論的に可能かどうかじゃ役に立たない。

っと愚痴りつつ商売の出版物では感覚≒主観は載せ難いし、スポンサーとの関係もあるから核心には中々触れられる訳ゃ無かったんだけどさ。
けど楽器すら「音楽ツール」と捉えると所望イメージ(音の雰囲気)こそ全てなんで、そっちを軸足に展開しとりゃあす。

で球(真空管)でごんすが典型的なのが所望の際は、安易代替はハッキリ言って無理ざます。
強いて言やMarshallが欲しかったのにFenderとかならプチアリで、但し代替機はオールチューブに限りやす。

一般論だとそんなブランド違いの方が没判定だろうが、それは恐らくターゲット機種が石とのハイブリッドになってっからすよ。
M君がF君由来の発祥なのはここではスルーするとして、元々は球とスピーカユニットが米製か英製かの違いが主因で外装を除き回路その他はほぼデッドコピーだったんだから。

さてこっから一見屁理屈っぽいが他例を参考にしてくと、パッシブタイプのが欲しい時ゃ状況次第じゃ完全同一モデルでもアクティヴのは避けたりするよね。
パッシブ所望の理由が俺みたいに反応だったら、アクティヴだと言葉が全く通じない異国みたいに環境が激変しちまうからねぇ。

このシリーズで大いに考慮ポイントになるのが↑みたいな「所望の正体」で、そもそもの読みが外れてると頓珍漢な答えが導き出されたりするのよ。
何分大抵は「パーソナルな感性」で判定を下すから、状況次第では「その気になれる」なら確かにOKだ。

んが問題は本人だけ悦に入れても第3者にはサッパリが頻繁に起き得る処で、実際に音をどうにかしたい場合はそれ等は極度に弱体化するんだ。
奏者のご機嫌取れるだけで足りるなら少しは効果もあろうが、聴者にとっちゃ録音現場とかはどうでも良いんですわ。

そこで判断基準の基礎に相応しいのは、望まぬ機器で散々弄り回して駄目だったが先に要るんすよ。
幾ら球ヲタの俺でも最も資金力の無い口でっから、他で代用出来たなら一番助かる張本人なんだよね。

ので今でこそ気が遠くなる苦闘の歴史を経たんで球なら球と断言出来てるだけで、他人が訊いたら驚く様な代替手段だって試してきたんだ。
最終的な判断は個人に委ねられるが年寄りの愚痴も少しは覚えてると、期待大外ししてガッカリ位は防げるん。

兎に角球に関して杜撰大王が責任を持って通告出来るのは、音色等より「反応差」にご注意あれですな。
因みに部分限定シミュレーションなら抜きん出て秀逸なのはあの老舗VOXで、唯有難迷惑な独自テイストを何時も強烈に付加しちゃうんで世間に気付かれ難いみたいよ。

=つづく=

2023年7月26日 (水)

音楽備忘録1440 音環境の変遷➄

前回のプチ補遺から次へ進めるとして、音色に拘れっても明瞭度忖度は含みませぬ。
当然音楽にだって明瞭度は不要じゃないけど、音響的それとはかなり別物なのを再確認願いたいある。

純然音響ではターゲットの詳細な周波数(音程)とか、他の音との分別等が厳密に含まれてる。
んで時と場合に依っちゃ心地悪くなったとしても、サウンド分析可能な方が優先される。

んが音楽となるとアウトライン不明じゃ困るが、究極はただ気持ち良いとか意図した雰囲気が再現の方が大事なんだ。
一見傲慢とすら思える程物に依っては顧客に不親切なのもアリで、それで不平等にならないのは聴かない自由が顧客には与えられてるからなんだ。

っつうとかなり尖った主張と思われるだろうが、雰囲気を作れないとか足りない方がよっぽどヤバイんだよ。
これが無くては唯の音で、音楽には成り切れないのだからね。

なので音響と音楽を兼業の身からすると、明瞭度過忖度は恰もオーディオメーカにだけやたら忖度した様なもんで気持ち悪いんだ。
飽く迄不要刺激を避けた上とかでの明瞭度向上であって、優先順位が引っ繰り返るのはご法度なんざます。

だば次へとっとと参るが、高音質や高明瞭度がターゲット聴き取りに仇になるケースを知ってまっか?。
例えば肉声再生で下手に低域が豊富だと、風や息吹き掛けでボコボコになったりが電気音響にはあるざんす。

これは現時点ではMicの構造上完全回避が不可能で、確かにイケボには豊かな低域がある程度欠かせないんだけどね。
独立ブースとかで肉声収録出来ない限り、風や吹き掛けはどうしても起きてしまう。

そこで低域を温存したいならMic真正面にせず、敢えて横向きにするとか何等かの対策を要す。(見た目や使用感の違いから失念され気味だが、所謂ポップガード使用でも同じ事が起きてま)
すると当然の如く子音等の高域は弱まるが、差し詰め背に腹は代えられないって処だろう。

結局どんなに音響的にのみ高音質化しても、用途や状況次第で付属する制約は幾らも緩和しないんですよ。
その点今劣化本邦の明瞭度忖度等はリアルであったとしても、バーチャル世界のサウンドってなもんだわさ。

この点では映像の方が数段進んでて、4kから8kへ至っても意図的に被写界深度をちゃんと利用してるね。
被写体が少なきゃそうしてなくてもなんとかなるものの、そうじゃないので全部並列の存在感を与えたらウォーリーを探せとかみたいな間違い探しの絵になっちまうからね。

音楽だってほぼ同じなのに、世間がごった煮を許すのが俺には一寸不思議でならないよ。
その背景に今劣化本邦の音楽離れの進展と、特に聴いても「歌詞だけ、言葉だけ」があるんだろうな。

それが仮にでも成立するのは単一言語化が著しく、それも方言さえ衰退させた俺言い「隠れ軍国教育」の賜物なんじゃね。
因みに言語に依って明瞭度忖度するにも違いがあるんで、多言語が日常的に飛び交う所では今の日本みたいな真似は元々不可能だ。

>つづく<

2023年7月 2日 (日)

音楽備忘録1416 適切な音楽の評価方法⑯

続いては柔らかさや音圧圧縮も込みの適正音量に言及するとして、本来特定用途に絞って無い作品は加工度なんて無視して聴いちゃって良いのだ。
意識しないと真価が判断出来ないのは身近な処では着メロ、徹底が必要なのは鉄道車両のミュージックホーンとかだ。

着メロ程度なら使用条件が割と一定してるし、目立ち度や拡散性に多少の不備があってもメロ自体の選択で解決可能。
だが特急電車のなんかは近年は騒音防止条例等との絡みもあるから、かなりシビアな条件をクリアさせなきゃなんない。

そう云う類のだったら目的用途に限りなく近い状態で、聴いてみる必要がある。
だが一般の音楽作品では最高環境時に最良にしとかないと、折角環境を整えて購入したら失望ではいけないもんね。

普段聴きに合せるのは↑に本来悪影響の無い範囲に限られ、やり過ぎれば単に作品の価値を自ら卑下するも同然になっちまうんだ。
そりゃ必ずしもキチンと作られたものばかりが良くはならないけど、顧客を選ばない作品では誰かに合わなかったらそれだけで選外になるからねえ。

又明瞭ディテールへの忖度が少しブームらしいが、そもそもそれが聴こえないと魅力が足りない出来映えとも考えられるのよ。
良い曲程全貌を知りたくなるもんではあるが、過度なディテール忖度は順番が逆なんじゃない?。

最低限のアウトラインしか聴こえなくても好まれるとか、曲自体の底力はそう云うもんでしょ。
仮に曲よりサウンドの美しさを優先するコンセプトだったとして、それだったら並の演奏力じゃ足りないよね。

達人かどうかの判断基準には実際より簡単そうに聴こえるっつうのがあって、無駄な音や雑音が少ないのと音量バランスが秀逸だからそうなっててさ。
全く聴こえないor全体に一切関与しない音を、彼等はほぼ絶対使わないんだ。

それ自体は聴き取り困難な微小音も入れる入れないで全体の感じにはかなり差が出る、そう云うのが起らないなら全体の明瞭度を悪化させる不要音は一切鳴らさない。
しそんな隠し味的な真似をするのも主題を撹乱しない為で、聴く人の音楽レベルに応じて大事な処から順番に聴こえる様にしてあるんだ。

つまり例えばド素人にはメインメロのみ、少し進んで趣味の人にはあと2つ余計に音が聴こえるみたいなね。
のでそんな連中にとっちゃディテール再現度なんてほぼ無関心で、それより俺様が弾いてやったのをロクに分かっても無い奴が勝手に弄るんじゃねえって常に思ってるさ。

それは硬軟についても同様で、仮に非現実でも過去に耳にした事の無い音の方が新鮮ではあるがね。
だが過去述の如く輪郭だけ持上げりゃ他の要素、音程感やら膨らみ・拡がり等はその分引っ込むんだ。

この件に関しMix専門家の立場から吠えときたいのは、その昔は「生耳よりボケてた」から補填してただけなんだってな。
何時迄も何でも目立たせりゃ良いとは考えてなかったし、魔用して遊ぶにしても他部にほぼ無影響な確認が取れた際のみだったんだよなあ。

だから杜撰大王的には近年の過忖度ソースこそ、露骨にボケる位ので聴いてみないと真価が測れないと思うですよ。
コレがMixの可否と曲評価の分離例で、まあMixも曲の内って解釈されたら身も蓋も御座居ませんがね。

>つづく<

2023年6月28日 (水)

音楽備忘録1412 適切な音楽の評価方法⑮

今度は「低音が深い」を掘るとは益々細分化してくが、硬さ案件でもこれの失念がとても多いから重大なのだ。
中域の高い方以上で硬過ぎると露骨な過刺激を招くから誰でも分かるが、音楽的により問題となってるのは低域の過硬なんす。

それ故一部の球ヲタの間では真っ先にその可否が問われてて、例え全然うるさくなくても他部分の侵食程度に相違が出てるからなんだ。
因みにここでの過硬ってのは楽器音色のとは少々別で、生で聴いたらふにゃふにゃのが録ったり掛けたりしたら妙にカッチリする様なヤツよ。

この件でサンプルに最適なのが肉声で、どんなに硬い声色だって生で聴いたら硬い物体が衝突したみたいな程にはならないでしょ。
そんでBass等の低音楽器に硬さ成分があってもそれは「中高域で出てるだけ」で、低域迄硬くするのはほぼ不可能なんざます。

概述の如く低域≒空気の大波なんで、視覚的には巨大豪華客船の回頭を想像するがよろし。
図体がデカいんで向きを一寸変えるにも時間を要し、どんなに離れて眺めても小回りの利く乗物みたいに鋭角な動きは無理と。

それを悪く言や鈍いとかトロいとなるが、スケール比較が困難な際はその動きからある程度想像が付くんだよね。
物理的にはこれの一部がAmpやスピーカのダンピングファクターで表されてて、一般論ではこの数値が多い(大きい)程反応遅れが無くて良いとされて来た。

結果過去には3桁以上になるのが持て囃されてたが、冷静に全体俯瞰すると1かせいぜい10以下じゃ無きゃ変だったん。
過去にそれを半分誤った原因は聴取環境の劣悪さが原因で、マトモに音楽を聴けない程変に鳴り響く部屋とかも含めてたからだ。

そんなでも少しは聴き取れる様に頑張っちゃって、これがつまりは欠点消す為に長所を台無しにしてたんよ。
そもそも理論的に1以上っつうのはソースのより反応が高速になるとも取れ、3桁なんてのは巨大船が小型モーターボートのクイックターンみたいになるんだからおかしいって。

とこの辺で暴走を止めて本題に戻ると、低音1つとっても今の一般的な音響再生機器にはムード再現にこんな障害があるんだ。
と言ったって各自に様々な事情と状況があるだろうから、そうおいそれとは雰囲気に理想的には出来ないだろうけどさ。

私感では少なくとも’70年代中盤迄のは、そんなので聴かれる想定が大いに入っとん。
のでせめて近いので聴いてみる迄断定すべきでなく、劣化近年本邦の新作もスマホでインナーイヤーで極小音量で聴いてみないと真相はハッキリしないんだ。

尤も今の分の殆どは幾らそうしたって駄目なのが、俺には見えてるから安心して!?ディスってんだけどね。😵
今の日常に沿わせるったってそんな劣悪環境ばっかに忖度するのはやり過ぎで、種類にも依るが普通に音楽を聴くには「最低必要音量」ってのがあるだよ。

>つづく<

2023年6月24日 (土)

音楽備忘録1408 適切な音楽の評価方法⑭

ムードっつう事になると真空管のサウンドが外せなくなる…、って石のでも一部には独特の良さを持ってるのもあるんだけどさ。
どんな鈍感さんにでも一聴瞭然の差となると、原始的な回路方式の真空管のが分り易いん。

若い世代には大変スマナイが、’70年代以前の普及音響機器じゃないと↑の性質がハッキリしないんだ。
若い処か今に至っては還暦位の人ですら古物に無縁だと忘却の彼方となってそうで、たまたま俺は旧実家のを温存しといたから再確認が取れた位で…。

先にどの程度の差があったか記しとくと珍しく一切の誇張無しに、Guitar Ampなら現代玩具レベルのとリアルビンテージ以上でしたよ。
俺自身過去の印象に客観的自信が持ててなく、半分かそこらは憧憬かもと思ってたんだけどね。

実際何十年振りで耳にしてみたら、いや驚いた記憶を遥かに凌駕する違いがありやしたぜ。
それに比べたら近年現代はディテールの再現性とかだけで、音楽をこんなにも「非魅力的なもの」にしていたとはねえって。

具体的には実際聴いて貰うのが最善もブログじゃそうも行かないんで、言語化可能な範囲で綴らせてちょ。
全体と高域も然る事乍ら最大差は「低域の深さ」で、レンジはちっとも広くないがこれが楽曲にもたらしてる影響が絶大なんだ。

比喩るなら古典安球以外のは単なる発振音で、今回主役の座にあるヤツのは銘楽器の低音って位まるっきり違ったんだよ。
薄々はこれに気付いてたからこそ、Bassだって球じゃないととはずっと思ってたんだがね。

もう少しこの相違を掘っとくと2次元対3次元的な差があって、生耳でのリアル低音には残響成分が大抵は豊富になっちゃってるじゃん。
この残響っつな所謂エコーの類に非ず、スピーカは眼前にしかないのにそれ以外の方向からも少しは聴こえて来た様な感じがするってのだ。

深みの一部を立体感とすれば近年でも5.1chとかサラウンド等のがあるが、それ等とは根本的な質が違うのだ。
物理面からは意図的な位相操作の少ないのが原因で、これにはオーディオの進化にプチ間違いがあったからなんだけどね。

数学的解析では何でもかんでもリニアが至高となるが、実は実際の楽音の位相なんてちっともリニアじゃないのを失念してんだな。(電気・電子は見えないんで分からんでもないが…)
一寸ひねた表現をすればボタンが一列ズレて掛ってても、それが音楽さんって人のだったら弄っちゃ駄目なんだ。

もし修正するんなら製作側で世に出す前にすべきで、再生側でそれをすれば極端な話し厳密には改作に当るかも知れねんだから。
この際だから電気的専門領域になるも一応触れとくと、負帰還回路ってのが諸悪の根源なんだ。

今の盛り画像じゃ無いけど欠点を減らすにゃ避けて通れず、だけどそれしちまうと目立たずとも長所も道ずれになってんよ。
100人中99人がブスと言いたった1人だけ美人と思う顔があったとして、その1人が良いと思った部分が消えて無くなる…。

んでも被害が1人だけならまだ良いが、99人の方にも1人が良いと言った理由の片鱗迄が完全消失するってなもんで。
って凄く難解で済まねえが、実際にはあった何かの要素が完全に失われてる訳っすよ。

>つづく<

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