ベース

2023年9月29日 (金)

音楽備忘録1505 跳ねるの薦め➑

今回は適性について考察してくが、やはり各ノリに対しての体質的一致・不一致の影響はかなり大きい。
のでそのノリの典型を標榜するなら、適性は決して無視出来ない。

運悪く体質と好みが合わなかったら諦めるのが近道だが、限度はあれど全く体質改善が不能って訳じゃないんざます。
例えばReggaeしか無い国で海外へ行けない事情があってそれでも音楽したいとしたら、非効率でもそんな方法を追及してくしかない。

そんな境遇に追い詰められたら凄く大変だとは思うけど、持病の都合で体質改善が必要になるケースとかあるからね。
既にここ迄で「非効率」「凄く大変」等ネガティブワードが連発してる様に、どんなに頑張ったってkingやAceには到底及べない。

だがそんな人達と問題無く合奏出来る程度になら、必ず誰でも何れは到達出来るのが疾患関係のより遥かに救いがある処なのだ。
跳ねを動的に可視化して最も身近なのは足でやるスキップ等で、これが苦手な人もそこそこ居るが慌てない慌てない。

杜撰大王ですから成果の程は知れぬが、きっと1回に限定したら全く出来る様にならない奴は居ないよ。
それをキッカケにして物凄くゆっくりとなら恐らく続けられる様になり、ってとてもそれだけじゃ跳ねてる実感は得られないだろうけど。

んがDrumでは定番練習法の「加減速」を使って行くと、少しは打開出来るんじゃないかな。
俺の場合太鼓では連続フィンガーリバウンドストロークが超昔から大の苦手で、両手シングルの連続が未だ覚束ない。

とは言えこないだたったの1回だけだったけど、もしかしてこの感触かってのがあって今はそれの再現に苦心してる。
先行き不透明も「指主導」の感覚らしきものは、以前よりはそれで体感出来たんだ。

Drum以外でも楽器の演奏って結局は体操等と近似の肉体労働なんで、なるべく体で感覚を掴めた方が早期に実用化に繋がるみたいだ。
ので跳ねに関しても一寸アホらしいかも知んないが、ホントにウキウキ浮れて奏でてみるのが杜撰大王的には第1推奨なんだ。

そもそも音楽って感性芸術なんでわざわざこんな事書く方が変なんだが、インスタント上達を狙い過ぎて表面的な技術だけ会得するのが悪流行りしてるんだよねえ。(マニュアル過依存の一種か)
私的にそれで最も犠牲となってるのがノリや音色で、フレーズのみ模倣してもノリや音色が足りないと殆ど無効化しちまってんだ。

音楽はノリや音色が一定水準を越すと興味を抱かれ、その先も聴こうとして貰えるって「構造」は変わってないし未来永劫変えられそうにないのにな。
結局そこに手を付けずに仮上達って、商業目的のみのコンテストや音楽教室に皆騙されてるだけなんじゃね?。

敢えてそこ迄言わず性善説を盲信しても、効率が悪くなるのだけは確かだ。
人次第じゃノリや音色の獲得の方が大変だったりもするだろうが、基本的なノリや音色はフレーズより格段に応用範囲っつうかほぼ何時も使うもんだからねえ。

=つづく=

2023年9月28日 (木)

音楽備忘録1504 低知名度アーティスト⑭

再び米に戻って今回は随時出のThe Isley Brothersへ行くが、日本ではDJやR&B関係以外の人には初期のTwist & Shout(純粋コーラスグループ時代)のイメージだろうか。
それ自体は間違っちゃいないんだが前出Neil Sedakaと同様、実際の全盛期は自前Rock Bandスタイルになってからだったんすよ。

初期ヒットのShoutとTwist & Shout、曲としては名作だしその頃だって中々良かったけどね。
しかし何分かなり若かったから独自性の追及がまだ本格化しておらず、所詮はドゥーワップを下敷きにしたコーラスグループの域を出てなかった。

のが変化し出したのは下の兄弟と従兄の参加で、彼等が楽器やサウンドにも強い興味を持ってたのが飛躍のキッカケになったんだ。
因みにJackson 5だって自前演奏のも増えてったし、こっちでも後年フィンガー5なんかが続いては居たけどさ。

雇用側もあらかたのファンもコーラスグループの位置付けのままだったし、本人達の編曲面等では目立った成果は出てなかった。
とある意味区別するからには明確な違いがIsleysにはあり、金管類不使用のグルーヴミュージックってのが独自新規開拓だったのよ。

しかも全盛初期にはBassのMarvinはスラップも抜きで、当時形から入る人だとさぞかし面食らった事でしょうな。
Funkって味的にはJazzと近くなさそうだけど、実際にはPop Jazzと呼んでも構わない位近かったんだ。

それが証拠ってんでもねえし親びんの趣味もあったろうが、あのBuddy Richなんかが随分積極的に取り入れてた位にさ。
それを最も体現してたのがTower of Power等で、要するに殆ど編成の規模が違うだけだから演り易いし似ても来るわな。

普通はそうなる処Isleysは従前は居た主役級の管を廃すわ、他のそっち系で使われてた奏法も殆ど不使用でご機嫌なグルーヴを実現しちゃったんだよ。
それに加え全盛中期からのChris Jasperに依るシンセ多用が当時としては異例で、多分今色んなジャンルでの使われ方の多くの源泉になってるよ。

そしてそれは歌物ポピュラー系での電子音楽のその後の発展の源でもあり、この点については本当に評価っつうか知ってる奴が少なくなって嘆かわしいわい。
オッサンがこれを敢えて力説するのは、1例を上げれば所謂シンセストリングスの音色をほぼ使って無い処等だ。

’74に当時超有名だったSolina String Ensembleが出る迄、電子鍵盤には今みたいなポリフォニックのはまだ殆ど無かったんだ。
それへBandじゃ鍵盤奏者は独りな方が圧倒的に多いんで、猫も杓子もSolinaに飛び付いたんすよ。

結果ソロやメロ時のモノシンセ(2,3音に増えるのはあったが)以外、入れるなら先ずはストリングスって状況を来してたんだ。
結果Ⅱでそんなに誰もが一斉にやったもんだからブームが去るのも比較的早く、サンプリングシンセが出る迄シンセを使用停止にする連中も少なくなかったん。

今ではノスタルジー以外でも少しは復活してるけど、白玉用だからストリングス系の音色って呪縛に嵌ると使える曲が限られて来る。
本当はそんな縛りは無用だったんだけど、俺もIsleysをちゃんと聴くのがだいぶ後年になったせいで色々と…。

-つづく-

2023年9月25日 (月)

音楽備忘録1501 跳ねるの薦め➐

前回迄に個別に跳ねても平気の根拠を綴ったが、俺言い「跳ね恐怖症」(あるのか居るのか分からんが💧)の最大原因にリアルドラムのリズムは数学的リニアじゃ無かったが恐らく鍵になるんじゃないかな。
それと不適切タイミングになりゃ確かにアウトだが、注意すべきが跳ねて無くても合って無きゃ駄目って処なのだ。

機械はリニアだからの過信は過去に俺もやらかし掛かったが、それ以上に聴感上のリニアと理論的リニアの差を知らないのが恐らく敗因なのだ。
これが分り辛いのは真っ直ぐに聴こえてるのが実際は真っ直ぐじゃないなんて、譜面にも何処にも書いて無いからねえ。

しかもその箇所・状況次第ではほぼ直線な場合もあるんで、尚更事をややこしくしてるんだろう。
又ノリ不問にすれば譜面通りリニアに打込んどいて、特に問題にならない事すらある。

因みに杜撰大王はその様なスピリットレスな代物へはファッション○○(○はジャンル名等)の称号をくれてやってるが、聴いて楽しめるならそんな存在も必ずしも罪では無いでしょうな。
だが容姿・演奏内容スタイルetc共々元は何かの必然性からそうなって、受け手も概知か途中からでもそれを知って本来の説得力が有効化してるんすよ。

八方塞がりでヤケになってだからこの曲はPunkにしてやると絶叫したのと、リア充が表面だけ模倣したのには永遠の隔たりがあるんだ。
例えば歌詞一語の語尾等にそれは露呈したりするもんで、幾ら研究だけして似せても元の「そうしといた理由」が把握し切れんから何処かに及ばない箇所が残るんだ。

これはリズムの特に
ノリ等には更に露骨に現れ、時にそこが表現の根幹だったりするのだよ。
スペック的はどっちも4拍子だからハイ一緒ってんなら、JazzのSwingとRock・Popsの4拍子は全く違いの無い事になる。

のが本格的に演られたのだったら、とても同じ拍子だとは思えない程全然別個のになってるやん?。
要するに無礼な物言いをすりゃ感性レスか理解力に乏しい人が、仕方無くサルでも分かるスペック部分に頼って誤判断してるだけなんだわさ。

つまり実は拍子なんて何でも良くて、思ってたよりノリが物凄く重要だったってな。
だからって凄く不幸な境遇とかになりゃ良いってもんでもなく、スケール矮小化は避けられないが皆からリア充認定されてる人にだってそれなりの苦悩や困窮が大抵は何か1つ位ある筈でしょ。

それを元手にして叫べば、共感を体現するのにも繋がるんだよね。
この手の適性は典型例になるには全て揃ってる必要があるが、各自の持ちネタで適合部分を取り出し拡大してやりゃ全く出来ないって事はないんすよ。

だからリズム面で本来はスピリット主導で生まれたノリをそれにあまり依存せず寄せられるとしたら、跳ねる等タイミングを模倣する方法しかないんだ。
ノリっつうのは大抵元は天然発祥だが、それ故歴の浅い内は解析等進んじゃいない。

のがⅡでその筋の専門家は今なら解析が終了してるから、何時何処でどんな心境でも一定以上に再現が可能になってるのさ。
これを大いに活用しない限り、始祖には絶対並べもしないのが最初から明白なんざます。

=つづく=

2023年9月24日 (日)

音楽備忘録1500 低知名度アーティスト⑬

だばSweetの2回戦だが、表向き彼等のラインナップはThe Who等と同じLead Vocal+Guitarの3ピースだった。
がGuitarが鍵盤と兼任なのと、必要に応じてVocalがGuitarや鍵盤も奏でていた。

のはThe Who等
だって同じだがその頻度に大きな差があったし、Introや間奏部だけGuitarをぶら下げたままシンセをなんてのがかなりあったんよ。
鍵盤の腕前自体は恐らくVan Halenの方が一寸上っぽいけど、色んな曲の色んな場所で自在に入れてたのが他とは一味違うん。

Rock Band Drummerで唯一と言っても良いのがチューブベル(昔ののど自慢とかでお馴染みのアレ)の使用で、生Liveでも鳴らしてたからねえ。
BassistはBandでは違う楽器は殆どやってないが、女形と云う色物担当だったんだからこりゃ凄い。

尤もやり過ぎとも取れなくないから、そんな箇所で大減点になってたかも知れんがね。💦
けれど出自はアイドルコーラスグループにして、今のMetal系の原型を演ったりしてた程だから本当に多彩だったんだ。(そう云や日本にも昔レイジーなんてのがあったっけ…尤も時系列的にはそこそこ後年)

普通Metal系ったら所謂Hard系のグループが始祖と思うだろうが、その頃のHard系のはもっとJazz寄りな処があって整然とはしてなかった。
加えて彼等だってClassicからの引用は皆無じゃ無かったが、BluesやClassic以外からのインスピレーション(多分映画音楽)が当時で既に入ってたのは彼等以外に思い当らない。

典型的なテクの点ではPurple等に一歩譲ってたが、Popな聴き味とは裏腹に音楽的には他より高度な事をやってたんすよ。
ポピュラー系で許される為には曲に必須な要素以外複雑化は避けるべきで、この点でPurpleやZEPは一寸アウトだ。(歌は兎も角、伴奏が1番聴いたら2番から即鼻歌でなんてのが厳し)

それが最も実感出来るのが雑音の多い場所で小音量で聴いた時で、曲の骨格部分が全部は聴き取れなくなってしまう。
のは比較的シンプルな骨組みだが装飾も重視してた為で、これは作編曲をしてみると良く分かるだよ。

Sweetの場合装飾より遥かに骨格で味な真似をしてるので、聴くは容易いが作るのは至難な部分だけ高度な事をしてるんすよ。
曲だって時代と共に変化や流行り廃りはあるけれど、そんな風にも行けたのかってな参考例は多い程良いからね。

Southern Rockにも似た面があったんだが、ローカリティとか強個性で少しでも万人ウケを狙うにはこんな技術が大切なんだな。
言うなれば難解音楽の翻訳ってなもんで、この部分では過去のEasy Listeningや映画音楽は頭1つ以上抜け出してましたで。

近年は他ジャンルからの導入・引用はせいぜい定番のみになりつつあるが、ホントは音自体じゃなくて発想をパクんなきゃ駄目なんだなぁ。
定番を流用する都合で曲を改変したりしてたら本末転倒だし、誰かと似たり寄ったりのしか生み出せないじゃん。

-つづく-

2023年9月20日 (水)

音楽備忘録1496 低知名度アーティスト⑫

ってな事って今日も一般評をガン無視して、Glamの枠に入れないでのThe Sweetざます。
彼等の特徴は当時考えられるのの全部盛りで、それを具現化出来たのはあまり目立ってなかったが確固たる音の独自個性があったからだろう。

そこへのっけから気付かされたのはGlam系と一緒に、小学生時代にヲタ仲間からの紹介で入ったのでリアルタイムだったのも大きかったな。
’70年代初頭の日本って海外以上に’60年代の痕跡が何処にでも残ってたから、その様な新時代の扉を開けた斬新さが良く分かったんだ。

この点は次回以降述のAl Green等にも共通で、俺内では未だそれを超えるルネッサンスは起きていない。
だからオッサンしがみ付いてるのは事実だが、飛躍的にワープして且つ完成度も充足してた事例は他に無いんですよ。

恐らくBeatles登場当時がリアルタイムだったら同等かそれ以上だったんだろうが、それ位飛躍させないと世の中をひっくり返すにはインパクトが足りないだろう。
でSweetは初期には唯のアイドル系コーラスグループで、曲も他人からの供給だった。

のがそのままではジリ貧なので徐々にセルフ化してって、残存スタッフもその意向に沿う様に変身してったんだ。
これは米黒人のIsleysでも近似経路を辿ってて、その根底にはオールセルフで大成功したBeatlesがあっての事だろう。

更には白人でも例えばNeil SedakaがロカビリーからPop Rockへ大シフトする等、類例も少なくなかった。
がそれで成功はおろか躍進出来たのは一握りで、だからこそ少なくとも本国ではNeil Sedakaは’70年代が全盛期と思ってる人が多いんだ。

さてそんなSweetだから歌唱力の他に作曲を除いて何が加味されたかってば演奏力で、唯単にテクニカルだったとは一味違ったのだ。
他のGlamと遜色ないムード・ノリやPopさを維持し乍ら、PurpleやZepに迫るテクを持ち合わせてたのよ。

今でこそ誰でも知ってるPurple・Zepだが、登場時は俺みたいなヲタを除きゃノーマルなガキには全くウケてなかったんだ。
この親和性と云う箇所にGlam系の最大優位があり、ヨチヨチからヨボヨボ歩きの人迄一様同様に堪能出来る良さがあったのよ。

だから時同じくしてPurpleもリアル体験して気に入っちゃいたが、興味がもっと大きくなったのは後年だったんだ。
そんな風に何も分かって無かった当時でも印象に残ったのが、DrummerのMick Tuckerだ。

殆どPaiceやBONZO並のテクを高頻度で歌い乍ら叩くからか、そのハイテクをサルでも分かる用い方をしてたんだろう。
特に実際より低評価或は評価レスされてるののチャンピオンと言っても良く、あれだけ色々演ってたのを大勢が聴き逃したり忘れてるのは絶句ものだ。

-つづく-

2023年9月19日 (火)

音楽備忘録1495 代用出来るか否か⑰

前回の流れから今日は代用困難なのを、思い付くままに提示してってみよう。
その筆頭は真空管関係でバーチャル・シミュレートメーカ等には悪いが、目的が柔らかさの為だったら全然偽物じゃ代りにならないよ。

聴感上の僅かな歪みが許されればまだ余地もあるけど、モノホンの球って歪ませた時だけ音が軟化する訳じゃないんでね。
の続きをやるとキリが無いから今は別のを進めるとして、Hammond Organ等を除く鍵盤楽器以外バーチャルで代用可能なのは制限条件付きの場合だ。

何時にも増して私感多目と思われるだろうが、少なくとも自身で演奏してみた感想としてはそんなんなってま。
基本理由は発音動作に鍵があって、これの方法・種類が多いの程サンプルデータが網羅し辛くなってんのよ。

最も分かり易そうなので例示すると、Guitar(特にエレキ)のハンドミュートなんかがさ。
こり正に手加減だから奏者の数だけ基本パターンに違うのがあるし、気分次第で強めたり弱めたり出来ちゃうよね。

しかも厄介なのは無意識で何となく演っちゃってるのも少なくないから、自分が弾いてるのを打込む際ですら失念したり加減が違っちまったり…。(膨大な実体験アリ😢)
もっと言や杜撰君高級な音源には疎いが、Drumのでスティックの「打角違い」なんてのが色々入ってるのとかってあるのかよっと。

なぁ~んて実際には大して音色は変わらんかもだが、音量や強弱以外の要素で全く同じ音になってはいなさそうだよね。
のが現況のバーチャルでは非対応同然なんで、その手の奏法を多用するのだと代用が苦しい。

不完全でも一切シミュレート出来なか無いんだが、それに要する手間の膨大さはリアルで気分で演ったのとは比べ物にならない程大仕事になっちまう。
そうは言っても弾けない人が打込むのは否定してなくて、マルチな杜撰大王だって弾けない持ってない楽器は幾らでもあるしねえ。

けど今の私的最大懸案事項は音色も必ずしも充分じゃないが、それ以上に表現力の点で腐心し逡巡させられる日々がずっと続いてるんだ。
弾ける楽器がある者にとっちゃここで一寸ビヴラートとか、低難易度のささやかなのでも中々思い通りの感じになってくんない。

挙句打込みで手間取ってる間に最初のイメージが迷子になったりするから、真剣に違うリアルの楽器へコンバートするべえか等と…。
これの自己分析結果に依れば器楽音に半端に詳しくなったのが悪い様で、弾けない≒知らない内だったらあんまり生じない問題かも知れねんだ。

当節流に言や単なる自己責任(この場合は打込み関連スキル)だろうけど、音楽の道具として考えたら詳しくなって来たら手間取る様になるのは良い道具とは思えない。
っま要するに使える場面が段々減ってくんで、制限付きの代用品って訳っすよ。

=つづく=

2023年9月17日 (日)

音楽備忘録1493 跳ねるの薦め➎

さて跳ねさせてそれも個別にそうした際の第1懸念は、そんなでバラけたりしないかだ。
特に打込み併用時に人力群と機械群の分離が心配になるが、実はジャストを標榜した処で元々そこ迄完全一致なんてしてねんだ。

過去述の如くそもそも楽器種等毎に鳴り方が千差万別で、単純に波形の頭を揃えたってちっとも一体感は出てくれんのどす。
又ジャンルや求める表現次第で「聴感ジャスト」になるタイミングもまちまちで、最終的には感性依存の微調整が欠かせないんよ。

ので明らかに1つだけ浮いてる様なのは駄目だが、その原因が意図的に跳ねさせたせいになるのはとっても稀なのだ。
寧ろ物理的リニアに依存するのが音楽的には最も危険で、ってのもそのリニアは音波的にはちっともリニアになってないからなんすよ。

では音波的リニア追及だけで解決するかってぇと、「聴く場所を完全固定は出来ない」んでそれも今一。
この聴く場所とはどんな空間かも含みはするが、主にスピーカ等再生発音源との位置関係の事ね。

勿論ヘッドホン向きとかその程度の設定は不可じゃないが、あらゆる状況下でこれ位かベストにしとくしかねえんですよ。
その意味では録ったのをモニタするのに全員が同じ位置でってよりゃ、各自バラバラな方が却って良いんだわ。(但し独りだけ極端に条件が違うと悪結果を招く恐れあり)

第2は同じ楽器が音程等に依っても出音が大きく変容したりする件で事前設定で完全補正は夢のまた夢、リアルタイムで微調整してやらんととてもじゃないが箸にも棒にも掛からないのよ。
頭だけで考えるとこれはとてつも無く至難なもんだが感性に頼れば大した事でも無く、一定以上慣れると誰でも殆ど無意識にそれを演ってんの。

第3はそもそもⅡで「ジャストの定義」が感性に依る曖昧なもんで、実際には一口にジャストと言っても凄く色んなタイミングのが存在してるんだ。
そしてトドメ!?の第4が組合せで、周囲のタイミングの取り方が変われば従前の自分のタイミングがキャンセルされちゃう事な。

結局○曲の□箇所は△の組合せ(機械音源含む)だとこの位が良いみたいに、そもそもⅢで一々逐一それ独特のベストタイミングを探してくしか無いんすよ。
杜撰大王体験では機械導入初期(リズムマシン~ドラムマシン)に、これでも一応迷いはしたんだ。

因みにリズムマシン~ドラムマシンなんて書いたのは、生音のサンプリングしたのになって一層疑念が深まったからでね。
そうなる前はボロい発振音だからズレて聴こえるのかと思ってたんで、音がリアルに近付いたのにってプチ青天の霹靂でしたがな。

当該機はYAMAHA RX-5っつうのなんだが、各音の音程その他を弄れるヤツだから好みに弄って。
ってちょと考えりゃサンプリング音源は、音程と共にタイミングその他も一緒に変わるから当然だったんだけどね。

けど当時最も不安定な杜撰大王ドラムよりゃ機械だったらと、○○真理教の盲信者みたいな状態に陥り掛けてたんだろうなぁ。
自信を持ってこれは機械の方が間違ってると思える様になるのに、そこそこ掛かりましてん。

=つづく=

2023年9月16日 (土)

音楽備忘録1492 低知名度アーティスト⑪

続いては前回出Glam Rockの中から、T-REXとDavid Bowieを取上げよう。
って順番が逆と思う人が多そうだが、杜撰大王としてはこれで良いのだ。

今迄だってグループばっかでソロの人が少ないのは、伴奏を中心に共演者次第でかなり変わっちまってるのが多いからだす。
バックの入替えがあっても○○サウンドを比較的堅持してたのって、James Brownとか全盛期のAl Green位じゃないすか?。

でDavid Bowieについては活躍がGlamに留まってないのもあるし、容姿や衣装を不問にしちゃうと案外オーソドックスなのが多いんだ。
にも拘わらずここに出したのは、編曲面で随分攻めてると感じた曲があったからだ。

’70初頭頃ってアナログシンセとテルミンみたいなの以外本当に新しい音の楽器って未登場で、録音音質にしてもどんどん向上はしてたけど今と比べりゃやっぱりチープ。
多分そのせいで編曲面で何か斬新な事をしないと、抜け出せなかったと思うんだ。

それが如実に現われてたのがStonesのカバー曲、Let’s Spend the Night Togetherだ。
本家のも名作には違いないが歌詞や題名からしたら一寸のったりし過ぎだし、何だか田舎臭さがあった。

のを今夜は六本木でオールみたいな風へ見事に変身させてて、少なくとも当時は斬新でとってもカッコ良かったんだ。
一方本命のT-REXはったら独自の世界観が先ず語れるだろうが、シンプル且つ比較的オーソドックスなリズムだけどそのノリの良さが他を圧倒的に凌いでたんだよ。

日本の一般評ではMarc Bolanのギターのローテクぶりが揶揄されてたが、何処から彼等のノリが生れてるのかを軽視した結果だろう。
と両者俺評価に共通なのはリズムのノリが至高だった点で、大多数に最も印象的であった筈の容姿や衣装が全く入って無い。😵

彼等だって当時はアイドル性もあったから売れたのは間違い無いが、実際には音的な面でも拮抗いや寧ろ上回る事を実際はやってたんですよ。
何せその頃にはレーザーカクテル光線を使ったド派手舞台とか、果てはインスタ画像での盛り加工とかそう云うのは一切無かったんでね。

幾ら今で言うビジュアル系の始祖みたいなのでも、絵面だけじゃどうにもならなかったんだよ。
そして純粋な編曲でも頑張ってるがノリが最良になるテンポ設定とか、奇抜な外見とは裏腹にもっと根源部分から考え抜かれてたんだ。

考えるったって頭より体で考えたんだろうが、そこ迄フィーリングを重視したのは珍しかったかな。
その結果実はそんなに速くはしてないのに、スピード感とか勢いの面でかなり秀でてたんだよ。

次回述のThe Sweetは実際に高速化させてもいたが、万人に聴き易いのはスピード感だけを調整してたこちらの方だろう。
Glamを当時のポップカルチャーと位置付けるなら、Sweetは一寸範囲が広過ぎる。

-つづく-

2023年9月13日 (水)

音楽備忘録1489 跳ねるの薦め➍

跳ねて無いBeatで適宣跳ねさす趣旨で進めて来てるが、今劣化本邦J-POPにはそもそも3拍子系(シャッフル等、古くはワルツ)の曲が過去比では極端に減った気がする。
こうなって来ると意地悪爺さんとしては、若い皆が3拍子系をちゃんと演れるか一寸テストさせてみたくなるってか…。

等とつい良からぬハラスメント願望が湧いちまう位、結構事態は深刻化してるかも知れないね。
楽観視すりゃ唯の流行なのか分からんが、少なくとも4より3拍子系の方が体質に合っててノレる人には不幸な時代だ。

そうしてリズム案件を考察してくとこちらもご多聞に漏れず、2極化が進んじゃってるのかな。
今でも演る人は変拍子も全く辞さずで、けど一番美味しいとかオモロい領域はその中間にあるんだよん。

ってこう云うのは年寄りしかあまり感じないかもだが、そんな状況にこそJazz以外でのSwing要素は強力な武器になるんよ。
糸口を掴めないと導入から習得迄はかなり険しいが、一度モノにしちまえばどんな在り来りなBeatでも独自性が出せるんだ。

さてここで跳ねの性質に改めて触れとくと、リニア刻みとは逆になってる部分があるのにご注目。
純粋なノリ要素をガン無視すると、3でも4拍子系でもテンポが速い程勢いってぇか調子は良くなる。

のが拍子非依存の跳ねを用いると、テンポが遅い程躍動感等の付加にご利益があるんだ。
跳ねなんてリズム的には見方次第じゃ姑息な手段でもあるから、一寸考えりゃ当然の現象だがね。

だがそれに依ってテンポ自体が持つスピード感を大巾増量可能な点が、躍動感必須のジャンルには非常に重要なんすよ。
この点普通の打込みしかして無い人はとっても不遇で、単純にテンポを速めるしか対処法が無いんだ。

曲の屋台骨部の半分以上が人力だったら、余程リニアリズムに特化した人以外は何らかの天然ノリが発動するからね。
この天然ノリって癖と言った方が分り易そうで、投げた本人は直球意識しか無いのにナチュラルシュート回転するとかの部類ね。

健全な趣味と神経が勝ってれば、人って聴いて心地良くなる方へ進でくもんでさ。
それが一種の必然条件反射みたいに働くから、ノリの概念が全く無い人でも標榜しない限りは機械的リニアリズムとは別方向に行くんすわ。

ので感性を理性より信じたり重んじたりした時ゃ、その中に跳ね要素も大抵は既に含まれてるんよ。
跳ねるは恥等と勘違いするのこそ本当の恥を知れってなもんで、どうしても譲れないってんなら未来永劫3拍子系は演るなよ…ったら大袈裟だけどさ。

跳ねない魅力っつうのも跳ねてるのがあってこそ、その真の価値が生まれるんでっせ。
そんでも今劣化本邦の状況下では跳ねるなんて怖いなアナタへ、次回は全然平気なんだをお伝えしまひょ。

=つづく=

2023年9月12日 (火)

音楽備忘録1488 低知名度アーティスト⑩

私感で最重要と感じてるからの一発目Southern Rockだったが、今度は海を渡って英のを紹介しよう。
欧州では米みたいに広大では無いせいか、Live遠征の頻度に低目傾向が拭えない様だ。

その為グループ平均寿命が短めに、その関係から総作品数も少な目なのが多い感じがする。
っつうかそもそも人口からして少ないんだから、Southern Rockみたいなムーブメント形成にも至り難い。

のでGlam Rock等の大枠位でしか明確な分類が出来ないが、それを差し置いて提示しときたいのがPilotってBandだ。
本体はアルバムで4枚の活動且つ期間も短めだし、俺言い「女子供ウケ」のPopな作品が主体だったからか一般の評価もかなり低い。

んが彼等こそが本格派と商業派で袂を別った旧Bay City Rollersの片割れで、本体以外でも若干地味乍ら英音楽界ではかなり重要な仕事が多かったんだ。
その中で最も分かり易いのは、DrummerのStuart Toshがあの10CCへ行ったのかな。

けど俺が重視してるのはLead VocalとBassのDavid Patonで、まあ元はと言やFlat張りリッケンのピック弾きサウンドが発端なんだけどね。
リッケンって少なくともFender系程ポピュラーじゃないし個性も強めなんで、Band系以外ではアルバム単位で使われる事の少ない楽器。

にも拘わらずKate Bushのファーストアルバムでは全部になってるし、時期的にはかなり末期のFlat張りなのも凄く印象的だったん。
音色の良さもだがフレージングが実に秀逸で、これはリアルタイム体験でずっと記憶に残ってたんだ。

等と言うからにはPilotの方は露骨に後追いなのがバレてるが、シングル曲単位では1曲だけ出た当時に耳にしてたんだ。
でこの2つのの楽器と人が全く同一だったんだが、リッケンベース(Flat張り)使い本家McCartny師匠以外では恐らく最も上手な使い方をした1人だったんじゃないかな。

この「メロディアスなBass」には日本じゃ少々賛否があるみたいだが、久々出「本名はBass Guitar」なのからしたら寧ろ特権なんですわ。
Bassパートの古い伝統だけからしたら異色だけど、ウッドBassやTubaじゃ中々メロを扱うのは困難だからな。

のとそれ等を主用したアンサンブルでは、他に近い音域でメロれる楽器も大抵は入ってたんだよねえ。
のを格段に小規模編成で賄うのなら本来はエレキBassは1本で、状況に応じて↑2つを弾き分ける必要がある筈だったんすよ。

近年じゃ「それじゃあGuitar弾(び)きで邪道だ」なんて老害発言はだいぶ鳴りを潜めた様だが、Jazz系Big Band等「オケの常識」に捉われた他この手を幾らも聴かないのが悪かったんじゃないかな。
わさて置きBassがメロディアスだと曲に貢献するのが、Popな曲程カラフルになる事だと思うんだ。

その典型を具現化してると思しきが、杜撰大王にとっちゃこのPilotなんだす。
加えてBassでは音域の低さから和音を担当させるには著しい制約があるんで、せめて裏メロ程度は演ってくれんと編曲家には負担になるんだ。

-つづく-

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