電気

2024年4月21日 (日)

音楽備忘録1710 今時真空管の得失⓭

前回は出力管を使ってるコンプ・リミッタを2つ提示したが、それだけで本当にパワーコンプレッションを利用してるとは言い切れない。
って何の事ぁ御座んせん、少々証拠を書き漏らしてまつたのスマソ。

自動録音レベル調整のだけ妙に自信ありげに書いたのは、スピーカからの音が割れる寸前で効き始めてたからなんだ。
ある意味正統派のリミッタで、それが歪まん限りは人が決めたレベルを弄らない設定というものなんざます。

今の音楽録音関係だとコンプとの相違が曖昧化してるけど日本の自動車のスピードリミッタは、例え速度違反でドライバーが捕まろうと180kmになる迄は知らんぷりだ。
近年の安全装備じゃ設定次第で、捕まらん速度迄に制限してくれるのが
あるか知らんがね。

もっと言えば電灯線のブレーカ(昔はFUSE)とか、言わば安全の為の最後の砦としてしか働かない。(漏電ブレーカを除く)
正直Fairchildの振舞いがどうなってるかは分からんが、あっちも元はラジオ送信での音割れ防護だから目的は同じだ。

但し音楽の場合レベルオーバーだけ防ぐんじゃ駄目で、音の流れを阻害せず音色もなるべく維持しなきゃなんないから面倒だ。
これを実現するのに音量を弄るだけでは役不足で、リアル楽器の音色変化の仕方が恰好のサンプルになったりするん。

生楽器でも飽和状態になると聴感歪みが少し検知されるが、そればかりか過去述フルートアンサンブルみたいに楽器単体では歪んでなくても混変調歪みを起こす事もある。
ので歪みを全て禁則事項とするのは行き過ぎなのと、論理歪みには音波波形の「ゆがみ」も含まれてる点に着目。

ゆがみだって過度になりゃ音色を改変しちゃうけど、純粋に歪み音色になるよりは遥かにマシだ。
これは一般音響理論には反してるが、それはオーディオでは音源に意図しない歪みは無い前提としてるからだ。

だが現実には制作過程では格闘が常で、そうなると歪みレスでゆがめられる方策を探る事となる。
処がこれが難題で何しろHi-Fiとは対極なんだから、現行音響装置の中から見つけるなんざ無理な注文だ。

その上これから使うとなると雨降りみたいに静的ノイズが多いとアカンし、となればある程度以上の出力のある出力管位しか候補にすらならないんだ。
では何故ある程度以上の出力のなのかってば、出力が大きい程静的雑音との落差が取れる可能性が高くなるからだ。

オペアンプICがローノイズに感じられるのは殆どの場合膨大な負帰還を掛けてるからで、裸特性だと増幅率こそ立派だが実は露骨にノイジーなのよ。
その面で低増幅率・高コスト故必要最低本数のが多い球回路は、実用上はかなり雑音面でも優れものなんだ。

負帰還量を増やそうにも増幅率が足りなくなるんで、雑音やリニアリティだけに忖度なんか出来ない。
確かに石よりゃノイジーだけど、そんな理想には遠い状況であの程度で済んでるんすよ。

音が不自然に硬くなるのを嫌って石でも低負帰還にすれば、素子単体ではチープなのが多いだけに球より劣っちゃうケースの方が多いんだ。
又人耳に対応させるには結構複雑なゆがみ変化の仕方が求められ、デジタルバーチャルではそこそこシミュレート可能な筈だが何故か誰も何処もやってない。

-つづくー-

2024年4月17日 (水)

音楽備忘録1706 今時真空管の得失⓬

更なる余談の嵐で暴走しちまうが、意図的にパワーコンプを得る方法で1つ温めてる知遇があるんだ。
それが前回末筆の自動録音レベル調整(メーカ称ソニオマチック)で、良く考えてみたらFairchildのコンプ・リミッタと原理がほぼ同じだったんだ。

そこ迄分かってて何故まだ実現出来てないかってば、諸事情から部品が不揃いなんだよ。
取敢えずここ迄の顛末をまんまに綴ってみたいが、件の機種は1965年頃SONYから出てたTC-357だ。

後年電子回路部だけトランジスタ化され番号の後にAが付いたが、そっちは
強いて言やUrei 1176(Universal Audio)に似てるかな。
わ兎も角当時のカタログではご家庭用の上から2番目の位置付けで、世相を反映して所謂専用のリミッタ回路なんて採用されてねんだ。

高度成長期真っ只中の日本だと言っても、実際庶民はまだまだ貧しかったん。
って皆がそうだから当時全く実感は無かったが、家庭で冷房があるのは金持ちの応接間だけだったからね。(親父がまだ3等重役になる前なので当然我が家には未設)

って何か死語連発になってるが、専用回路を使わないでリミッタ動作させようと思うとそんな方法しか無かったんだ。
それは普通のテレコだからスピーカもその駆動Ampも内臓してて、出力トランスの2次側(出力側)で規定値を超えたら入力段の増幅率を下げるって仕組みでねえ。

因みに殆どどんなコンプ・リミッタでも音声出力は交流で増幅率制御には直流が要るが、当時コンデンサやダイオードが今とは比較にならない程高価だったから交直流変換が問題になってん。
結果どちらさんでも初期にはトランス次にアナログフォトカプラなんかを利用してて、専用のトランスなんぞコスト的に到底奢れんから元から付いてた出力トランスを利用してやんの。

因みにⅡで本家はスピーカを駆動しないのにトランスを使ってたのは、球の出力がハイインピーダンスでそれだけじゃ録音業界デフォのローインピ(600Ω平衡)に整合させられなかったから。
これ等には何れもキーワードとして球とトランスが遡上に上るが、世間の大半は出力管の事を忘れてるんだよ。

コレに着目したほぼ唯一の存在としてVOXのマルチEffectorがあったが、他社に波及しないのをみると球がパワー管じゃ無くて今一効果が弱かったのかな。(回路自体は電力増幅だがパワー不要だからと電圧増幅管で代用、当然コスト都合も)
何れにしてももっとこの部分に着目せん事にゃ、今以上の進展はリアルだろうとバーチャルだろうと難しいと思うな。

わ兎も角宅には1台しか無いからステレオ(2ch)で使えないが、伯母が偶然同一機を持ってて貰える事になった時はシメタと思ったんだ。
が製造ロットが違い出力トランスの仕様が違ってて、無残にも儚き夢と散っただよ。

未だ決して諦めちゃいねんだが、ある程度以上の性能と機能のトランスを買う予算が無くてさ。
ある程度以上の周波数特性と別巻き線が必須になるんだが、仕様は違えど提示2機にはどっちにもそれがあったんだ。

スピーカって当時もインピーダンスはもう8Ωが標準になってたから、そこからそのまま失敬すると電流は大量に余るが電圧がどうにも足りない。
電力=電圧×電流だから同じパワーなら、片方が増えりゃもう一方が減る。

そこで出力インピーダンス600Ωの別巻き線が追加されてて、そこから制御電圧を得てたんだ。
具体的な相違はその出力に倍の差があり、小さい方のリミッタの深さも半減してましてん。😢

-づづぐ-

2024年4月14日 (日)

音楽備忘録1703 日常生活と音楽活動⑪

今回は慢性疾患や中毒に言及するが、かつては杜撰大王を筆頭に貧マイナーには殆ど無縁だと思ってた。
のがいざ40年後になってみると、判明してる範囲で今ん処無事なのは俺だけらしくて動揺が隠せない。

っつうのも気は最強でも肉体的には仲間内で、体力やスタミナ面ではずっと最弱と感じてたからなんだ。
普段は殆ど意識してないけど、何しろ小学校低学年迄は虚弱・病弱で散々だったからねえ。

なのでヤバさが到来するとしたら俺が先頭と予測してたのに、それとは真逆に近い現実が何ともやるせない。
病弱な奴程意外と長生きなんて囁かれてるのも知らなかないが、カウント開始時のHPは弱者程少ないんだから何か裏がありそうだ。

そんな思考で振り返ってみると、どうも危機感知に差があったのではと推測出来るん。
こっちは常時最低限の燃料しか入ってない車で、ガス欠に怯え乍らちょくちょく残量と燃費計算をしてる。

と例えれば満タンで出発してると問題になる事が少ない代わり、燃料残量が殆ど無視になっちゃってるのかな。
勿論不意の不具合が起こらなきゃそれで平気なんだけど、何処かに穴が開いて漏れてたりしたら発見が遅れる可能性がある。

しかも不測の事態が起きる迄何の心配も無かったから、多少の異変にも必要より軽く対応しちまうかも。
それプラス非赤貧だと余裕から加減が効くんで、悪状況を覆せる術は多くなる。

要するに過信してた訳じゃなくてもまだ大丈夫と先送りしてる内に、気付いたら手遅れになってたんじゃないかな。
これは癌等でありがちだが、初期症状の軽いの程陥り易いのは確かだ。

今身近な者に自覚があって手遅れのアル中も居るが、問題なのは本人は無自覚で他人目線で客観視すると疑惑濃厚な人がとっても心配だ。
今劣化本邦では麻薬には神経質でもアルコールには世間は驚く程鈍感で、昔から酒に溺れて自滅する奴は絶えなかったにしても一寸尋常じゃない。

明確に人生を捨てた者ならいざ知らず、いじけつつも明日を見据えてて簡単に嵌ったんじゃ堪ったもんじゃおまへんで。
全数統計を出せたならリスクが周知する程、○○中毒に陥る人は減ってく筈なんだ。

中には該当しない者も居るだろうが無理に路上喫煙するよか、今なら過去に存在しなかった何か新種のお菓子でも口にする手が増えてるじゃん。
喫煙者の俺がもしそんな気持ちになったとしたら、即座にタバコ辞めますよ。

只恐ろしいのは好みを変容させるだけじゃなく、「神経を歪曲させる」麻薬や酒の場合はそれだけじゃ済まない。
客観的判断力を段々と喪失してくんで、そもそもヤバいかもと思わなくなっちゃうんだよ。

この面からは常に嗜好が一致してる人だけで集うのは危険で、酒好きでも全く呑めない友人1人位は作っといて定期的に合うと良いんだ。
但し何時もそいつに車の運転を任せてる様じゃ駄目で、変わりばんこにハンドルを握らんとね。

-つづく-

2024年4月13日 (土)

音楽備忘録1702 今時真空管の得失⓫

今日はかなり大回りになっちまうが、音楽での人間の感覚について触れとこう。
オーディオがリニアに拘った源泉は、演奏されたままを再現しようとしたからだったよねえ。

それがかつては色々とあまりに足りなかったから、先ず物理的な損失を減らせば良くなるんじゃと考えたと。
実際途中迄はそれで行けてたんだが、一寸「機械だけの立場」に引き籠っちまったかな。

一定段階を超えたら従前より実在空間での音の振舞いとか、人耳の性質や感覚にももっと目を向けなきゃ意味無かったんだわさ。
処が人体や人間の感覚の研究がオーディオより遅れたか商魂に走った結果か、一体であるべきものが分離独立して勝手な進化をし出しちまった。

結果杜撰流論法では巷の人々が爆音御免で難聴も恐れないか、所謂○○警察ばりに昼間の幼稚園の子供の声さえやたら迷惑がる様なのに2極化しとる様だ。
この現象言わば爆音カルトに毒されたのと神経カルトに毒されたのの不毛の争いみたいなもんで、現イスラエル政権のパレスチナ侵略案件と同じで理由を誤認したままにしてるから何時迄も解決しねんだよ。

世界情勢の方はこないだ注文付けたばかりだからここでは割愛するが、私的には音の感覚的リニアと物理的リニアがかなりかけ離れてるのの周知が足りないからなんじゃねっと。
そこで肉声と電子音等の大体中間層として、生楽器の実態を挙げとこう。

人が操作はするが生楽器には機械的部分もあるから、人感覚とは少し違う反応をしてしまう。
なるべく近付けようとはしたものの、楽器種毎にどうにもならない部分ってのが残ってる。

けれどその不完全さが却って人間に似てもいるので、我儘な美人さんとどうにか仲良くなろうとする様な状況となる。
その際最もネックとなるのが、アベレージで奏でてる時の反応だ。

相手がリアルの人間なら懇意になれた後には、些細な失態はスルーしてくれたりもあるだろう。
この観点からするとあまりにバカ正直なのは扱い辛く、さりとてどう奏でても同じ音しか出て来ない程一点安定ってのも又同じ位困る。

つまり人だったら普段は大目にみてくれていざって時は叱ってくれるとか、楽器でもそんな程度が実用上は最もバディとして相応しいん。
基本そんなので音楽は構築されてるとなるとそれを再生する側も、過敏でも鈍感でも不都合が生じるんすよ。

人耳って可聴限界近くでは小さい方も大きい方も程度が分かり難くなってて、個人差こそあれどんなに訓練してもその性質を完全に克服するのは不可能だ。
のでそんな領域で物理リニアにした処で殆どご利益が無く、特に大きい方で過大になっても認識し辛いのが耳破壊の危惧に繋がってんだ。

極マゾ君だと危険に晒され乍らこのアタックは凄いなんて、悦に入る悪趣味な人も居るかも知れんがね。
個人の自己満としてはアリだとしても感覚が鈍ってるから、耐え忍んだ処で実際の程度をちゃんとは判別出来ねんだ。

これに対し球のパワーコンプレッションが何故最有効かったら、俺に言わせりゃハイパーインテリジェントリミッタ的役割をしてくれるからだ。
動作だけなら今や少しはシミュレートも可能だろうが、リアルだろうとバーチャルのだろうと殆どのコンプ・リミッタには球の電力増幅回路が実装されてない。

実はあのFairchildのコンプ・リミッタにはスピーカを駆動する意図も必要も無いのに電力増幅回路があって、殆ど語られてないが俺はそこがものを言うのではと睨んでんだ。
これには細やか乍ら一応根拠があって、かつて球オープンリールレコーダに搭載されてた自動録音レベル調整の音がこれ迄の人生で耳にした中じゃ一番似てたんだよ。

-つぅづぅくぅ-

2024年4月 9日 (火)

音楽備忘録1698 今時真空管の得失➓

球のパワーコンプレッション第3段は、実際の具合でごんす。
これがかなり弱いのも強いのもあるんで、理解周知の妨げになってるかも知れない。

一般傾向としてはオーディオ用のハイエンドのになる程出難くしてあり、楽器用でフルドライヴを売りにしてるの程強い傾向がある。
為に聴感上の歪みを伴わずコンプってるのが分かり難く、体験機種が適切じゃないと都市伝説と誤解されたりするんだわ。

この問題の一助となりそうなのが球の基本動作実態で、端的には石リニア・球非リニアだが実際はもうちょい複雑なのだ。
最初に指摘しときたいのは球にだって実用上は、全く問題にならないほぼリニアな領域を持ってる点だ。

確かに物理的基本特性は球を曲線とすれば石は直線的で、ほぼリニアな領域は石と比べりゃ球は半分以下だ。
但し石でもアナログで歪み率等全ての要素を含めると、完全にリニアな領域なんて未だ存在しない。

ヨタ余談として今ではとってもレアになっちまったが、貰い物Guitar石Ampの中に出力段が歪んで良いなら強烈なパワーコンプの掛かるのが1つだけあってん。
ほれ大昔述でとっても「みみっちい音」がして、3分と持たず疲労で堪えられなくなると綴ったアレだ。

これが典型的石のスッピンの性質で、実は石も少しはパワーコンプの掛かる領域を持ってんだ。
しかしその境界域がコンプ・リミッタで言えば超ハードニー特性で、突然掛かり始めたら後はずっとほぼ一定に強烈に叩き潰してくれる。

普段球の100Wフルドライヴでへっちゃらな杜撰君が、たかだか30Wしか出てないのにそうなるんだから尋常じゃないのよ。
石のこれは程度の酷さもあるが一番辛いのは、人耳の性質と全然合ってないからなん。

個人差もかなりありそうだがウルサイと感じ始める位から、徐々にパワーコンプが増えてくと人間様にはとっても好都合なのだ。
日常爆音家の感覚的に耳感度が全開になると、その先は僅かなピークでも「ウっ」っとなって来る。

そんな場合だけ少し前よりお手柔らかになってくれるのが、疲労を軽減して有難いし極端に感じが変わらないから冷静さも維持出来るんだ。
すると奏者や調整技師の立場にあると、より良い微調整が可能になるだよ。

と言うからには球のだと知らん間に何時の間にか掛かり出すのと、掛かり始めより音量を出せばもっと強く掛かるん。
そして石と球のこの件での最大差はパワコと聴感歪みの関係で、石はほぼ同時だが球は聴感歪みが最終段階近くになる迄来ない処。

それじゃあ歪み率の話しと一見矛盾してる様だが、電気物理的歪み率には相対的に音楽には比較的無害な「ゆがみ」も含まれてるんだ。
拍手が揉み手みたいな音(実際にはあまり音が出ないけど💧)になったらアウトだが、他音にマスクされる程じゃなかったら多少マイルドになったって実用上は問題にならない。

が音色的な歪みは、元音がクリアなのだったらご法度だよね。
これ等からアナログ回路の石で求めるのが非実用的となり、球のそれも電力増幅管(パワー管)固有のメリットなんざます。

今の技術水準を持ってすればデジタルバーチャルでも行けそうと考えがちだが、そもそもパワーコンプレッションの徹底分析があまりされてないしデータ不足のままなんだ。
或は密かにやってはみたものの石の悪癖が邪魔して挫折ったか、リアルより高価になって頓挫したのかも分からんがね。

-つづくで-

2024年4月 7日 (日)

音楽備忘録1696 音楽に於けるテクニックの意味④

Effectorとの複合映えテクの続きで、Effectorの進化と共に色んなのが続々生まれた。
Reverbの次がDelayの魔用って現代感覚だと逆と思うだろうが、そうなったのは当時の機器事情があったん。

前者は固定設置型で良きゃとっくにチャンバはあったが、移動可能のだとスプリングのしか無かった。
今では却ってその独特な響きも少しは尊重されるけど、アタックの目立つ音源にはバネがボヨンボヨン言っちゃって不向きだったんだよ。😢

The Venturesのだって欠点を意図的利用したもので…わ兎も角、Delayの方でもハイエンドテープエコー以外は低性能過ぎて魔用の余地が少なかったよ。
Echoの音色としては好ましい部分もあったが、Effect音は確実に劣化・変容してたからねえ。

結果Delay魔用で恐らく大多数が最初に考える、分身の術が庶民に実用レベルになったのはデジタル登場以降だ。
だからEdward Van Halenの色んなのやU2のThe Edgeのみたいなのを良いなと思う人は多くたって、一部ヲタを除くとアマチュアレベル迄普及したのは’90年代以降だったよ。

ので敢えて再現性を無視して進めれば、私的にはEdward Van Halenの「トリプル複合技」のが印象深い。
これの恐ろしいのは時系列の混濁で、’50年代には既にあったAmp内臓のVibrato(実際の効果は音量トレモロ)とデジタルDelayを共存使用しやがった処。

Delayは割とありふれた使い方だが、Vibratoは「アタック音を消す」為に使っててな。
要するに音量ゼロの瞬間にピッキングすれば、速め細か目の擬似バイオリン奏法になる訳。

今ならそんな真似しなくてもピッキングアタックを消すEffectorがあるし、テクノ並に正確なリズムで弾かなきゃなんないから酷く大変なんだがね。
尤も弾くのは楽な専用Effectorだと最大音量にムラが出たり、これの速度だと安定して音量減衰ゼロにするのが難しい。

って稚説明のせいで良く分かんないかも知れんが、同じニュアンスにするにはこの変態コンビで演るより多分難しいと思うよ。
何れにしろEdward Van Halenは他にも当時考え得る様々な奏法を使ってて、それ等は例えこけおどしでも音楽的に僅かでもプラスになる様な按配になってたさね。

かと言ってここでは奉ろうってんじゃなく、非ヲタには気付かれ難い工夫が満載なのだけ知ってくれゃ良い。
彼は自認師匠を問われると何時もEric Claptonと答えてたが、傍目表面的には共通項なんて見当たらない感じだろう。

だが曲最優先・歌があれば歌優先で、その際Guitarは飽く迄脇役アプローチって面ではクリソツかも知れない。
独自の変態アイデアをてんこ盛りしたせいでまさかになっちゃってたが、寧ろそれだからこそあんなにアイデアが湧いた可能性が濃厚なんすよ。

必ずしも技術的に合理的なのばっかじゃなかったし、音は面白くても一見地味で大した事無さそうなのの方が多かったからねえ。
尤もⅡで全貌を感知出来てない人の方が、未だに多いから分かんないんだろうけどさ。

≣続≣

2024年4月 5日 (金)

音楽備忘録1694 今時真空管の得失➒

前回触れた真空管の俗称「パワーコンプレッション」について、他所ではあまり多く語られて無い様なので今更だが綴っとこう。
今杜撰君が別の呼び名を考えるとしたら、勝手に掛かってしまうリミッタとでも言えば良いのかな。

実はそれ故大昔にオーディオ界ではこれがなるべく出ない様腐心してて、リニアな石(半導体)の無かった頃は害でしかないと考えられてたんだ。
当時の高級オーディオもご多聞に洩れず、高級なの程複雑な回路とそれに依って増加する球の本数なんかがプチ自慢だったりしたよ。

1960年代の広告では「5球スーパー」等と「○球△
」の文言が並んでて、前の○に球の本数が後ろの△に回路方式なんかが誇らしげに踊ってたんだ。
因みに前半は唯の本数だから分かるとして、後半は主にラジオ受信に用いられた高感度のスーパーヘテロダイン回路の事ね。

そんなの一般人にあまり分かりそうにないが、スーパーは凄そうだからそうしちまえ…と思ったかどうかはワシャ知らんけど。💦
でそんな風に何段も球を通せば球の癖は強まるもんだから、癖退治に躍起になったとな。

これには他にも事情があって音源は物理的に今より格段にショボいし、スピーカのリニアリティだって劣ってたからねえ。
つまり現代の機材にどれか1つだけを混ぜたって、音波波形のピークを勝手に潰しちゃう位の有様で。

ので何処でも良いから出来る箇所はひたすら物理的モアリニアを追求してて、今みたいに自然音を超過する心配なんて全く不要だったん。
処がトランジスタが開発されICからLSIへと発展してってみたら、何時の間にか音楽耳にはやり過ぎになってたって顛末で御座居。

ってのも自然環境の性質と人間の耳の性質を失念してたからで、空気の緩和効果や人耳のf特や感度はちっとも物理的にはリニアじゃねえんすよ。
「聴いた感じに真っ直ぐ」にするには、音響機器の方にその逆の性質を持たせとかなアカンかったと。

小音量側の限界近傍領域ではディテールが拾い難く、大音量側のそれはホントに僅かでもう感知出来ると。
その意味では現代石系は小音量側に、伝統的球系は大音量側に恰も忖度してると看做せる。

つまりⅡで「自然かどうか」で聴けば球は素直に聴こえて、物理的検査耳で聴いて初めてパワーコンプは掛かってるのが分かるって寸法なんざます。
又中音量位迄は石のリニアさには負けるものの大して劣りはしないので、一般的な試聴環境ではこの性質は現れ難い。

そのせいかMetal系爆音奏者ならそこそこ皆が知ってるが、非変態なオーディオヲタにはロクに知られてないor実態が掴めて無い様だ。
更に掘っとくと音圧自体は大した事無くても、インナーイヤーは言わずもがなスピーカでも耳迄の距離が1m未満となると過刺激は考えないと危ない。

音量では距離減衰が・過刺激に対しては空気の緩和効果が激減して来るから、現況では「実際より大袈裟で刺激が強過ぎる」音を聴いてる公算がとっても高いんだ。
耳に突っ込んでも部屋で遠慮して鳴らすのと同程度の聴こえにしときゃあまり心配無いが、他人から怒られない(迷惑掛からない)となりゃついグワッと音量を上げたりするやろ。

-つづいた-

2024年4月 3日 (水)

音楽備忘録1692 音楽に於けるテクニックの意味③

ここ迄の記述で派手にするなら正攻法は不向きなのが少しは伝わっただろうか、それと同時にこけおどしにしても音的に面白いのを諸君は幾つ即答出来るかな?。
等と言うのも杜撰大王はヲタ性も込みで、こけおどし奏法には一寸詳しい自信があるんだ。

何せ未だに正攻奏法には大した自信が無いんだから、邪道だろうと変態だろうとこけおどしに必死になんなきゃヤベエのよ。😓
尤もレジェンド達を見渡すと本道と同じ位邪道系にも長けてる人が多く、その原動力は恐らくエレキGuitar音色の限界を広げたかったんじゃないかな。

こけおどしっても上記を基準に要約してくと主に2つに分類出来、片方は純粋に奏法と称せるか怪しいがEffector等との複合技だ。
こちらの方が多岐に渡るんで基本弾くだけで可能なのから行っとくと、普通の空ピックを除けばピックスクラッチ等がある。

これは大昔に概述なので最低限に留めるが、技術的には擦り付ける速度・相手・手の摩擦音を含めるかどうか等がある。
↑で公言した如く掘り捲った中で最も印象的だったのは、Pete Townshendの弦と一緒にフレット毎擦り付けるヤツかな。

普通弦楽器って例えフレットがあっても高速スライドすると音程の階段感は薄れるが、鍵盤のグリッサンドをシミュレートしたのかねえ。
これで特筆すべきは非巻弦でも多少の効果がある処で、表面ツルツルのを擦って鳴らすにゃトーキングドラムみたいに湿り気が最低必要だからね


まさかその為その度に指に唾付けるのも面倒だし、なんかバッチイ感じも…いや誰か挑戦しても批難はしないけどさ。
っと威勢良く始めたがヲタはヲタでもストレートの限定でSE利用には関心が低いんで、きっと他にもあると思うけどパッとは思い付かないや。(無責任だなぁ)

しれっと後者複合技へ強引に進めると、多分The Venturesが開発した巻弦擦り+Reverb辺りが初めですかね。
今更感満々だけどこれで忘れず語るべきは、状況次第で水滴の落ちる音(俺は最初そう思った)みたいに凡そエレキGuitarっぽく無かった点だ。

当時は全く今とは比較にならない程Effectorは僅少で、その中から苦心して編み出した頭の柔軟性は今でも見習う価値があるんじゃないかな。
その次ったら多分フィードバックの意図的利用で、次々はここに含めるべきか微妙だがジミヘンのGuitarに向かって怒鳴るヤツ。

Fuzzで感度がやたら上がってると肉声での弦共鳴振幅如きでも聴き取れる音量になるのを発見し、後年のボコーダ紛いの音を一応出せてたね。
但しそんな御大層なのじゃなくても過去述The Peggies北澤ゆうほがかつて頻発してた、休符時わざと変な所を押えて「ブギィ」みたいな音を出す程度でも行けちゃうケースもある。

奏者本人の感性に合致してトレードマークになる迄ゴリ押せば、決して高級では無いがもう没個性とは言われなくなるんだ。
この手の優れた点はゆくゆくは「手癖を隠さなかっただけ」みたいなもんだから、一度嵌ってしまえば普通に弾くより簡単な位でんがな。

≅続≅

2024年4月 1日 (月)

音楽備忘録1690 今時真空管の得失➑

続いては最も効果が分かり難く、それでいて本当はご利益の大きい球の出力段(パワーアンプ)の事をば。
その理由は聴感上の歪み以外の恩恵が大きいからで、特に再生音量が大きくなる程大差が現れるのだ。

楽器Ampでも石の方が歪ませないなら勝るとも思われてるが、宅実例では微小音量時にパワートランジスタのミスマッチング歪みの酷いのがあったりする。
概述楽器用ではオーディオ用みたいな歪み率を気にするより他が大切だが、だからって原音に変な歪みが付帯して来る様なのは食えたもんじゃない。

これの何が変ちくりんかったら、楽音と歪み成分が分離してるからなんだ。
何せ微小音量時だから楽音自体は歪みとは無縁なのに、まるで楽器と一緒に小っちゃくカズーでも吹いてるみたいなのが加わるん。

この一例はAmpが大昔の貰い物なんで多分経年劣化のせいだろうが、何かの事情で過大入力以外で歪んだ際に比較的歪み成分が分離して悪目立ちするのは石ならどれでも一緒の現象なんざます。
この現象自体は逆に最大限界音量に近付いた際も同様で、更に爆音時には硬過ぎや過刺激に石はなりがちなんだ。

つまり石って小音量から中音量に掛けてはディテール再現性が素晴らしくても、それより小さくしたり大きくしたりすると性格がガラッと変わり易い性質を内包してるん。
コレ電気・電子物理的はこっちが正直(リニア)なんだけど、天然空間での音の伝播の性質には反してんだ。

随時頻吠えの如く実空間には空気の介在があるんで、距離を始めとした空気の干渉が必ずあるんだよ。
ので机上理論より実在空間での自然現象を基準にすると、優れてる筈の電気的なリニアには実はそんなに価値は無いん。

とは言え録音時のモニタ等には上記ディテールがとても気になるが、Rock系で割と世間的には不謹慎な爆音でずっと浴びてると石の疲労度はハンパ無くてな。
聴いて調整するのがAIロボだったら常に正確な音を供給してくれれば良いが、人がやるには蓄積疲労が度を越すと判断力にダメージがあるからねえ。

長い体験からすると正確性と言っても、過労にならない範囲に収まってないと無効化する事がしばしばあったんだ。
だから一般人で常に隣から叱られない程度の音量で再生してるなら未だしも、欠かせない趣味であったり仕事で爆音環境が続く者にとっちゃ石の欠点は大問題なのよ。

ってのも長く周囲の様子を伺ってたら忍耐力に優れた人でも、積年ダメージに依って偏頭痛や果ては難聴に至るケースもあった様だからなんだ。
野球で投げ過ぎると肩肘がやられたり、ボクサーが打たれ過ぎるとパンチドランカーになるのは周知の通り。

音だってエネルギー量が過剰なら何かしらの不具合を起こすが、現況世間では過剰音量だけだと思い込んでる奴があまりにも多過ぎでんがな。
小音量時に丁度良いディテール再現具合だったとしても、そのまま音量と共に増加する様では体に毒なんすわ。

今ん処球の出力段以外に人間様に都合の良い性質の物は無く、コンプ・リミッタ等で調整可能と言っても音量に依って適正値は随時変動する。
のに音量変化毎に微調整して聴いてる奴なんか居らず、まあ将来賢いAIが登場して調整を任せたらどうか分からんがね。

-つづいた-

2024年3月28日 (木)

音楽備忘録1686 今時真空管の得失➐

Micから球が良いとは言ったものの、それが選べない音源もそこそこある。
そんな際は球プリが最初の球化可能箇所になるんで、今日はそこへスポットを当ててみよう。

先ず考慮すべきが音の種類で、ここでの種類とはオーディオ的か否かだ。
デジタル音源のは殆どのが利便性を筆頭に諸状況から、平時はデジタルマルチトラッカーの音と同列に扱うのが相応しい。

ここで単純にオーディオとしないのは、マスタリング未実施のもあるからだ。
プロのマスタリングを経てるのって仮にハイレゾとか広ダイナミックレンジで取れてても、標準的記録メディアの規格に大体収まる様に処理してある。

が今では少数派だろうが好きに弄れる様未処理のだと、一般オーディオよりマージンが広く取られてないと整合しないん。
尤も今劣化本邦の主流系ではどうせガッツリ叩き潰すし、歪み容認しか頭にねえから余計なお世話かも知れんがね。😵

仮にそれを認めたとしても巧く歪んだり潰れたりしてくれりゃ良いが、そうとは限らんからそれ向きの機種なんかを予め知ってるんじゃなきゃ止した方がエエ。
基礎知識として球は石と比べると「歪んでも使える領域」はかなり広いが、限界はあるし用途次第でその範囲は随分狭くなるんだ。

電気楽器なら物理的には概歪み聴感上無歪みの、所謂リッチクリーン状態は歓迎される場合が多い。
だがオーディオでは例え好ましい傾向でも変容はご法度で、わざと細くしといた音が太っちゃったりするん。

ので許されるのはせいぜい必要なだけの軟化とか不要ピークの抑制迄で、それ以上に変化させると目的から外れるん。
翻って楽器等で意図して積極的に作りたい際は、好ましくなるのであればガラッと変わったって構わない。

この2つを統合すると録音時等の適正が明らかになって、作る段階では大胆にそれ以降は大きな改変が無い方が良いのが分かる。
故に楽器プリは大胆でも・な程良いが、それ以降例えばコンプ・リミッタ等は良さげでも大きな変容を伴うのだと用途が限られて来るん。

巷ではBeatlesサウンドの秘訣は真っ先にFairchildがよく挙げるが、あれは球コンデンサMicや球のMixer卓等もあって初めて成立するもんなんじゃないかな。
しかもPaulなんか全部では無いにせよ、「球テープ録音機」を未だ使ってもいる様だからねえ。

って杜撰君なんで数年前Youtubeで、Abbey Road Studioでの有観客公開多重録音のを見てたらそんなの使ってたって…。💦
ゴホンっまっ兎に角本当に知ってる奴等はくまなく目が行届いてて、我々浅はか模倣者みたいにピンポイント視点になんかなってねえだわさ。

何れにしても本当はほぼ全部球を先ず体験出来りゃ良かったんだが、今時ゃ特に庶民にゃほぼ無理なのが苦しい処だ。
そのお陰で中々理解が進まんのは仕方無いけど、逆張りすりゃ殆ど誰も駄目かどうかも分かっちゃいねんだから拙速な駄目判定はしないどくんなはれ。

-つづけ-

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