趣味

2023年11月 7日 (火)

音楽備忘録1544 低知名度アーティスト㉔

The Whoの続き今回はサウンドや奏法と、曲との関係を語らせて頂こう。
杜撰大王だって若き日にはもっと激しくなんてマイブームが来たんだが、その時「やり過ぎると却って不自由になる」のを学んだんだ。

この不自由とは演れる曲の範囲で、これはウチの休養君がどうやら極めようとしてたハードボイルド一択なんかでも近似状況が起きてる。
尤も俺や従兄の書いた曲には不出来以外は文句を付けず、グループを組んでいるのでBand単位では縛られていない。

加えて杜撰にも未だ本人に確認してないんで、作るのはハードボイルドが得意なだけかも知れない。
とは言え出自がゴリゴリMetal系なんで、エレキを歪ませる時は割と常時深目だ。

今の処それがフィットしない曲は出てないっつうか出してないが、極軽い歪みじゃないと合わない曲もあるのは確かなんだよなぁ。
この事と不毛競争や無限ループに陥らん為には、各自の音楽スタイルに応じた自己規制が有効だと思うのよね。(例外は許容した上でだけど)

歪み深さが一定を越えてハッキリ差が出るのは殆どサスティンだけで、音色の著しい変容を許せば末は懐かしのFuzzに近くなるだけなんすよ。
ここでのサスティンとは一般論のじゃなく、余韻部でも歪み深さが維持されてるかってのだ。

少し又遠回りになるが歪み深さで過去私的に印象的だったのが、Larry Carltonと柳ジョージだ。
夫々のメインはGibson ES-335とFender Stratで、Van Halenなんかのよりゃ深歪みに向いてないししてなかった。

のに割と深目な印象を与えた原因はコンプレッサの使用で、最大歪みはそんなでも無いが深さがそれ迄耳にしてたのより遥かに減らなかったからだろう。
つまり鳴った瞬間はそんなに深くないが、余韻部だけに耳を傾けると当時としては未曾有の深さになってたんだ。

特に後者のは減衰の早目なGuitarだから、コンプ掛けなきゃあんな感じには縁が無い。
に加え全盛時のCharやジミヘンを模倣すると、限定時以外は思ったより随分「浅い歪み」で奏でられてたよ。

彼等ショータイムのソロ時はハウる程Gainを上げてるが、曲のリフ等ソロ以外では和音の潰れない必要があったからか今称Crunch領域だったんだわさ。
ほんでWhoの場合はアンサンブルが1人多かったものの、GuitarはPete Townshendだけしか居らん。

やはり2人以上居るBandよりゃコードを鳴らす機会が多くなるのもあって、特定時以外は「足りる最低限の歪ませ」にしてた様だ。
でアベレージの歪みが極軽いと、歪ませないエレキの似合う曲にもスムーズに入れる利点があるんだ。

近頃は割とクリーンと歪みでも2極化傾向が強い様だが、一聴クリーンに聴こえる’70年代以前に沢山あった過去作のは今のLine収音みたいな完全クリーンじゃないんだよ。
所謂リッチクリーン等と称される、電気的には既に逝っちゃってるが聴感上はほぼ歪んでないってヤツな。

ノリ跳ねの件と同じ様にエレキが音色で一番表情豊かになる領域は、クリーンから歪み或はその逆の中間領域なんすよ。
そしてトドメが浅い歪みっつうのは、純粋に「Guitarが上手」じゃないと聴けたもんじゃないんだ。

-つづく-

2023年6月30日 (金)

音楽備忘録1414 歌のコーラス⑦

コーラスには歌部の充実以外にも色んな役割があるのを指摘して来たが、インストや諸事情でそれで出来ない場合も記しとこう。
それにはやはり楽器のコードやフォームに精通するしか無いが、比較的数を増やせる時は「Onコード」の発想に頼ると簡単になるんだ。

そもそも「数を増やせる」って歌声だって一緒で、但しコーラスと云う一塊にする事で数が増えた印象をあんまり与えてないだけだ。
その前に我々の情けない現状を参考に暴露しちまうと、歌唱力の顕著な衰えで俺は今は歌物を敬遠しててね。

ってのも歌物好きの従兄主導の自作曲、楽器はとっくに録り終ってるのにちっとも先進みしてなくてさ。
従兄は決してインスト嫌いでも無いんで、当座はインストメインで行こうと提案してんだがね。

わ兎も角体当たりコーラスでハモりのラインを策定する際って、大抵は自然と逆Onコード発想!?になってるんだ。
何せ1人あたり追加可能なのは1音きりなのと、
もし普通じゃない音(移動ドでドミソの和音基本構成音)にしようとすればその音はセヴンスとかテンションノートになるざんしょ。

↑で逆なんて付けたのは普通のOnコードはルート音が単音で、乗せる方が平均3音以上だからだ。
概述の如くOnコードって例えばルート音がAの時、上へCの3和音を乗せるとAm⁷になる。

これ実際かなり便利であちこちで多用されてるけど、普通のフォームで出来る物には限りがあるんだわ。
俺はコードについてもプチヲタってか独自性に拘ってるんで、実用になる範囲で奇特フォームになっても全然気にして無いがね。

それでも困るのが他人に弾いて貰う時で独自の変態フォームだと、ClassicやJazzのバカテク所持者ですら少し不安定になったりしちまう。
のでGuitarはコード弾きが自称神レベルであっても、賄い切れないのが出て来たら鍵盤と分担して再現してるん。

それでも出来ないよりゃマシだが、コーラスを使えたらつられたり惑わされたりしない限りは断然楽チンなんすわ。
無論同じ和声だって肉声で構築するのと楽器じゃ多少印象差もあるんだけど、俺は何であろうと先ず「そう云う響き」が得られるかどうかの方を重視してま。

小編成になってく程楽器で出来る事は減少してって、特にGuitarトリオではGuitaristのコードの腕ほぼ一択になってまう。
それですら上記の様に限界があり、俺でもそれを痛感させられたのがStevie Wonderの使ってたコードだ。

そいつには隣接音が入っててそうしないとその響きが得られないんだが、これはGuitar1本では先ず不可能だ。
なので鍵盤レスのGuitarバンドでコーラスを放棄したら、単細胞な曲しか演りませんと宣言してるも同然ったら言い過ぎだろうか。

それで近年の日本のGuitaristを蔑視してて(ホントは良くないですが😓)、仮に光る技があっても演れる曲が限定され過ぎるんじゃなぁ。
雨の日は絶対負ける剛速球投手ってなもんで、それでは名投手とは言えないじゃん。

-つづく-

2023年4月20日 (木)

音楽備忘録1343 なのに色味の話し④

続いては昔の京王が臙脂帯にした訳を行くが、恐らく安っぽさ回避と炎天下対応でそうしたんだろう。
昔だと前述京急の赤とか京阪特急車の赤黄とか類例が他にも多数で、一般認識される赤は赤より濃くしといた方がそう思って貰えたらしい。

今日陰状態の写真で見るとこんなに暗かったっけって程で、是又前述の如くフィルム感度の都合でどうせかなり明るい時じゃないとちゃんとは撮れなかったし。
ので恐らく当時は没になって死蔵してたのを、敢えて違ってた証拠も兼ねて後出ししたんだろう。

車内も照明は何時頃からか常時点灯になったけど、かつて昼間は地下鉄以外当たり前の様に消灯してたんだ。
それでは晴れの日でも手元が状況次第じゃ少し暗くなるが、今と違って日陰の方が貴重な存在だったのよ。

樹木とかは今より沿線にあったものの、何しろ高い建物が林立してないから完全な日陰は短いトンネル位しかない。
そんな環境だから窓さえ多くしとけば日中はかなり明るく、今でも陽当りの良い部屋だと電灯点けても殆ど明るさが変わらない事ってあるでしょ。

駅のホームだって今より屋根無し部が断然多くて車内ですらそんな調子だから、車体外部は圧倒的に日なた時が多かった訳よ。
強烈な日差しを浴びると発色が良くなって、まるで暗くて肝心な所が良く見えないエロビデオを意図的に明るくして見る様な状態で…ゴホンおっと失礼。

だから元が臙脂色位にしといて快晴下では赤になるんだが、アイボリーの方はそれより多分退色が原因でせう。
これが音楽界なら私的には明瞭度に値すると思ってるが、流行はあるにせよ明るい方に必ずシフトするってな考えものなんでごわす。(最近これを打破したのが相鉄の横浜ネイビーブルーか)

現実世界と違って環境を自由設定出来るのが強みなのに、標準値を上げ過ぎるのは損失の方が少なくないんすよ。
その典型は主役を目立たせ難くなってるってので、特に必要以上の刺激が癌。

それで特に愚なのがコントラストを弱めてるだけのヤツで、相対的には混んでない車内で次駅の階段付近だけ激混みになってる様な状態ね。
分散してれば誰が何処に居るか、少し暗くったって判別出来るのにさ。

幾重にも重なった影になると一瞬の隙間チャンスを逃せば、ド派手な金ピカラメスーツを着てたって見えやしない。
最初は安易に先頭を目指すのもアリだけど、それが無理と分かったら敢えてしんがりに下がるのもちゃっかり目立つ手なんだな。

Bandみたいな小編成ではバラけるだけで被りは殆ど解消するし、どっかの隅っこに寄ってたら他がお淋し空白地帯の出来上がりになっちゃうよ。
視覚に比べるとステレオでは2次元の音になっちゃうけど、左右と中心のその間つまり最低でも5ポジション位はハッキリ分離してくれっからね。

特にインナーイヤータイプで聴かれる頻度が高くなると、意図的に拡げとく位しないと余計閉塞感が酷くなるしさ。
纏まり感も捨て難いけど意図的にモノラルにするとか以外、やはり普段は小編成ならハードルも低いんだから分散配置がお勧めだす。

>サッサと閉店<

2023年4月12日 (水)

音楽備忘録1335 なのに色味の話し②

筆者はこの件先ずは元の色味を知るのが基本と考えてるが、周囲との比較だって決して無視は出来ない。
周りは全替えしてるのにポツンと残しても、記憶にある印象とは程遠いもんね。

けれど何でも現代に合せりゃ良いってもんじゃなく、実はターゲットの色味より背景の色味の方が大事だったとしてもそれに気づけ難くなったりするからだ。
例えば昭和の今よりくすんだ背景に白はコントラストが大きいが、カラフルな令和にクリーム色では遥かに小さくなる。

だから私的には京急の暗かった赤が明るくなったのはセーフで、小田急の濃くなったケープアイボリーはアウトなんだ。
京王のアイボリーは多分殆ど変わってないけど、昭和の頃みたいに色白美人にハッとするみたいなの随分薄れた。

まあそんでも各社の意向とかあるから勝手に可否判定してもしゃーないが、イメージを保つのならハッキリ成否が分かれてるんじゃないかな。
しかも生贄にするつもりは無いが小田急はもう1つ失敗してて、専門家に言われたからって独特の青線を比較的ありきたりな色に変えちまいやがった。

この白系に青系帯って後から真似した(かどうかは知らんが)のが主に2つあって、東武とJRでもやってたけど本家より安っぽかった。
のは地色の白だって影響はあったが、帯の色味に絶妙かどうかの違いがあったからなんだ。

かつての小田急のロイヤルブルーってかなり珍しい色味だったのに対し、後発2社のは割と何処にでもある青だったん。
単体で見比べると今じゃ大して鮮やかじゃないんで専門家はケチ付けたんだが、周りにどんな色が来ようと印象変化は独特なだけに僅少だったのよ。

ので例えばトイザらスのチープなプラ製オモチャと被ったりせず(後発2社のはある!)、阪急マルーン同様似ている様で差別化が図れてたんよ。
因みに唯のマルーンは紫がもっと弱く茶色はもっと暗く、昔の人は殆ど焦げ茶色と思ってた人も居ただろう。

ついででディスっちゃえば近鉄のレッドマルーンってな、名前は格好良いしそんなに悪い色でもないけどさ。
長年自分で自宅鉄部なんかのペンキ塗りをして来た身からすると、どうしても唯のサビ止め塗料に見えちゃって。

かつて電車は鉄製だったから多少サビが出ても汚くならないのは良いんだけど、合理的な様でいて早期発見・修理には向いてないからねえ。
尤も最近は俺もコロナ以降すっかり塗り替え無精してるんで、他人の事ばっか言ってらんないんだけど…。

わ兎も角音の記憶でも象徴的なのは主役が多いけど、世界観を重視すると脇役全体が醸し出す音色の方が本当は重要だったりするんすよ。
主役の音色が真に独特だったら↑例の色味みたいに周りがどうあろうと無事で済むが、それ以外の場合は印象に薄かろうと所詮は多勢に無勢なんだわ。

例えば’60年代後期を目指すなら、私的に一番のサウンドアイテムは「セミアコ・エレキBass」でんがな。
それとDrumサウンドもかなり重要な位置を占めてて、主に録り方ではあるんだけどさ。

是又私的にはミュートの有無が大きくて、Off Micのほぼノーミュートと直後期のOn Micミュート有は結構紛らわしいんだけどね。
これ等は些細っちゃ夫々についてはそうなんだけど、束になって掛かって来られると世界観は別物になるんだ。

>つづく<

2023年4月 8日 (土)

音楽備忘録1331 なのに色味の話し①

人の感覚は鋭い様でいて曖昧だったりするが、今日はその中から趣味の電車の色を取上げよう。
こんなの非ヲタにはどうでも良さげっぽいけど、景色の中の電車の色は印象に大きな影響があるですよ。

ほぼ無限にある建物や服の色を特定するのに、例えば阪急みたいにほぼ不変なのと比べると一発で想像が付くから便利だったりするざます。
古株さんならご存知なかつてメーカ次第でカラーフィルムでも色傾向っつうのがあって、フジカラーなら青が強くサクラカラーなら赤が強いなんてのがさ。(超ベタまんまだけどホントの話し)

半分は都市伝説だったろうが、実際際どい色味のを撮るとそれが露呈してたんだ。
↑の阪急は阪急マルーンってのを採用してて、少し独特だけど古い表現ではえび茶色だとかの一種だ。

こいつがフィルム写真には曲者で、全く唯の茶色っぽく映ったり濃紫になったりしやがってね。
肉眼で実見すれば紫と茶色を濃い目にしたブレンドなんだけど、光の加減や↑なんかで片方が飛んじゃってさあ。

そこで鉄っちゃんは雑誌の過去カラー写真を真逆の方法で想像してたんだが、最近それが通用しないのがあったのに気付いたん。
その1群はコッソリ色の変更されてたので、杜撰大王な俺は京急の赤はずっと同じと思い込んでた。😓

尤も大勢に無影響だったんで大々的に宣伝しなかったって言い訳も一応あり、世の中全体の色がくすんでた昔と鮮やかになった今の景色比では距離感は変わらないってか印象を維持する為もあって「時代に合せた」のかも。
小田急の青い線等はしっかりインフォメーションがあったから把握してたが、今日問題にするのは無変更な筈の「白」の方なんだ。

アイボリーとか薄い色って紫外線で退色し易いらしいんだけど、兎に角小田急のケープアイボリーも京王のももっと白かった記憶があってね。
この内特に前者の疑惑が深くって、例え名前や規格は不変でもあんなに今みたいに黄色っぽか無かったんだ。

京王のは塗りたてだとかなりピンクっぽくって、それが割とすぐ抜けちゃってたのは知ってたんだけど。
疑惑の真相を自分なりに考察すると、昔はフィルム感度の都合で今より「明るい日」に撮られてたからっつうのがある。

この影響は他でも沢山あって国鉄の特急の赤なんかが典型で、写真だと赤なのが室内で模型に塗装してたりすると死人の血!?かって位暗い。
所詮はオッサンの大昔のアテにならない記憶に過ぎないが、小田急の白だけはどうにも同じとは思えないんだ。

等とゴネたって殆ど無益かも知れないが、散々実物を見てたからこれは譲れない。
のが洋楽の音色となると生聴きしたのが少ないし、その時期の音となると機会皆無だからチト困るであるぞなもし。

けれども敢えて「人間力」を抜きにすると、楽器は大体本物に何処かで触れる機会があるんだ。
種類の少ない原始的な生楽器だとかなり苦しいが、個性豊かな楽器なら幾ら人間力の絶大な達人でも出音の人の分は半分程度には多分なってくれる。

電車の過去写真では舗装道路や屋根瓦が色が安定してるからそれから逆算するが、過去達人の音はほぼそのもの楽器から逆算推定するんだ。
それを抜きに現代的楽器で近似な音を求めるのも悪かないが、限り無く本物に近付いて体験するには一度位やってみた方が良いんじゃないかな。

<つづく>

2022年12月25日 (日)

音楽備忘録1227 Gibsonの貢献度➌

今回は非ソリッドボディのへ焦点を当ててくが、近年本邦ではJazz系や懐古趣味目的ででもないとあまり用いられなくなって久しい。
でもエレキの音源部がアナログなのの利点を活かすには、ソリッドより複雑な共鳴の得られるのは大きな武器なんす。

価格・サイズ・取り回し等の都合もあって絶対必要では無い際マイナー化するのは分かるが、だったらもっとボディが小さいとか無いに等しいのが流行っても良さそうなもんだ。
まあ現実には操作性の点で小さ過ぎると必ずしも便利じゃなくなったりするからだろうが、アコギのサイズに文句言う者がそんなに多くないのからすると単に慣習が主因だろう。

わ兎も角エレキ以前は無理だったソリッドにも大いに意味はあるが、エレキはソリッドボディにした処で所詮は半生楽器なのには違いないのよ。
今ではメンテ費と所持してたのが偽物だったから手放してそれっきりになってっけど、俺自身楽器の選択肢としては今でもセミアコ・フルアコは結構な位置に残存してたりする。

実際問題として歪ませる方が多くなるとボディ空洞の有無差は、その分縮小するのも確かだ。
けれどStratoハーフトーン以外の生音が使われなさ過ぎになってるのは、流行だけじゃ無く楽器の生音の魅力が薄まったのが増えたからと俺は考えてんだ。

Guitarって一部のを除くと音源がPianoとかと違って「単弦」なんで、筐体共鳴で化粧してやらんとそらみすぼらしいもんでんがな。
っても大元は音量増大だけが目的だったんだけど、大昔の天然素材の弦は不安定な代わりそれなりに複雑な音が出たからねえ。

要するにエレキ楽器本体の音色構成要素の電気の方ばかりで、本来半分を司ってる筐体共鳴を無視しては50%しか弄れないから勿体無いんだ。
俺がセミアコ・フルアコで一定以上の期間実体験したのは偽物は3つ本物は4つと大した数量では無いが、Violin Bassとリッケン330は真偽の両方をってのが強いて言や特徴か。

その中で最も時間数が少ないのに印象に深いのがGibson ES-175Dで、ボディサイズ以外極一般的な弾き味でいて音色の深みが凄かった。
俺みたいなRock屋にはリッケンのがソリッド共々弾き心地が良いが、標準的ソリッドから持ち替えて違和感の無いのはG君オンリーかもしれない。

ってそもそもG君の弦周りの仕様、元はエレキ以前に構築されて全方面へ普及してたからでもあるんだろうけどね。
楽器自体の出来栄えとしてはGretsch Tennessean・Rickenbacker 330も同等に良く出来てたが、この2つは現行主流系ソリッドのに慣れ過ぎてるとブランド固有の独自性が災いする可能性がある。

もし現物に触れる機会が持てればすぐ分かるんだが、余程G君系の感触が苦手でない限り見た目に反して弾き易いんだ。
又これが今劣化本邦で浸透して無いorどんどん忘れられた一因として、張られてる弦の違いが大いに考えられる。

実はかのLes Paulモデルだって当初は今よりずっと太い弦がデフォで、そんなのがほぼ体験不可になってっから楽器のせいだと勘違いしてんのよ。
ジャンル毎に最適なゲージが無くなった訳では無いが、Rock黎明期でもチョーキングを多用する人の多くは当時なりになるべく細いのを張ってたんだ。

ついででサービスしとくと巻弦がフラットなのも今では稀で、自ら試したのはたった1回だが借り物330は新品時はメーカの出荷時仕様からフラットが張ってあった。
只どちらも言うなればロカビリー系仕様の細さだったのと、普段Bassで頻繁にチョーキングしてるから全然気にならなかったけど音色のみならず感触も同じじゃ無かったのは確かよん。

<つづく>

2022年12月22日 (木)

音楽備忘録1224 Gibsonの貢献度➋

一般視点ではGibsonったら先ずはハムバッキングPUだろうし、それで間違ってはいませんよ。
けど部品製造業者じゃ無く楽器ビルダー目線だと、初回述の如く木部を軽視しちゃアカンのどす。

実際特許も市販も最初でその価値が揺らぎはしないが、位相活用に依るアイデア自体は当時でもその筋の技師の間ではオンリーワンでは無かっただろう。
この手の新規物の最大の峠は実用化で、敢えてR君のHorse Shoeを生贄にビルダーとしての底力がものを言ったであろう点へ進めよう。

音色的には馬蹄君の方が汎用だし、馬蹄形磁石を向かい合わせにして磁気的にある程度シールドされてたのも中々だ。
だが磁石が弦の上に被さった部分は弾けないし、磁石とコイル・ポールピースは固定なんで弦振幅を自由に変えられなかった。

のがSpanish Guitar系で様々な奏法をするのにお邪魔になったが、元はラップスティールやViolin族を想定して開発された面もあったからだろう。(今のエレキみたいに何処ででも掻き鳴らしたりは殆ど無かった)
この奏法の自由度についてはF君でも古典のには、ブリッジカバーやPUカバー(※除くPU本体の)の付けられてるのが少なくなかった。

雑音低減や汚損・破壊防止にはあった方が良かったが、それじゃあハンドミュートとか弾く場所の自由選択が出来ない。
今風映え的には付いてる方がオサレな感じもしなくないが、かつてプチブームになっても一切余計なのを付けなかったのは大手ではGretschとGibson位だった。

この差はメーカにどれ位音楽若しくは奏者達人が関与してたか近かったかに依るんだろうが、これ等カバー有無の初期設定次第でデザインも部品もと実はかなり広範に色々影響が出るのよ。
と言いつつ実は俺初心な頃はあった方がカッケ―と感じてて、不要カバーレスの容姿に慣れるのにそこそこ掛かっちった。😅

その過程には色んなのを弾こうとする内障害になるので育ってって、今では後付け選択仕様にしとくのが音楽を奏でる道具としては親切と感じる様になったんだけどさ。
この辺そこそこ経験が無いと実感出来ないもんで、価格等以外の面で上記2つのG群団に高級感を覚える一因なのかも知れない。

いや邪魔なら取りゃ要るなら又付けりゃエエやんってそりゃそうなんだけど、素手だけじゃ取れなかったり取ったら独立してて紛失したりとかさ。
ストンプのフットSWとかSnare SW並にワンタッチになってないから、大抵は付けっぱか外しっぱのどっちかになっちゃうじゃん。

そんな見た目以上に差のあるのがブリッジ汚損で、F君系のは弦高調節6角ボルトが簡単に錆びついたりするのがG君では発症しない。
その原因はネジの位置とそれへのメッキの有無差で、昔は今よりも非専門家の手が触れる箇所にはメッキしとくのが定番だった。

なまじ非メッキで錆び易いF君式に限って、タイプや調整次第じゃブリッジ駒で最も突出したりするんだから堪らんよ。
調整自由度ではかなりF君系式の方が有利だが、ナット側は随時調整が不可なままなので見方に依っちゃ過剰かも。

この差はF君は工具寄り・G君はより楽器寄りとも看做せ、職人の仕事が主に舞台裏なのに対しパフォーマ―は舞台上なのへ呼応させた感じなのかな。
一概に簡単に優劣を付ける様な話しじゃ無いが、メカ音痴さんや不精者に優しいのは明らかにG君の方だ。

<つづく>

2022年12月20日 (火)

音楽備忘録1222 Rickenbackerの真の姿⓮

この項も終盤に差し掛かり、より具体的に出来る事と出来ない事等を提示してみよう。
先ずはGuitarでハード面から参るが、より考えとくべきは改造の対応範囲だ。

個人的な過去体験で色はA・音色はB・機能はCのが好みなんだが、それが揃ってるのが出て無いなんてのがあった。
今では魔改界にすらドップリな杜撰大王も、当初は改造スキルなんて皆無に等しかったからそれなりに逡巡させられてね。

そんなのが楽器っつう趣味性の高いアイテムだと、割と頻繁に起きるもんだと思うんだ。
そこで自前か外注かは別として、もしやりたくなっても構造上不可能な部分が結構重要だと思ったん。

リッケンで注意を要すのはソリッドタイプではボディの薄さで、一部例外を除きそれが為にSynchronizedタイプのアーム追設がどんな不格好を許した処で先ず無理。
最近はGibson系用の近似タイプが出現してんで、弦間隔等の問題をクリアすりゃピッチ変化の大きいのが載せられる可能性は出て来たけどさ。

ロックナットについてもナット巾とその弦間隔狭さの他、ネックの形状とトラスロッド調整ネジのザグリが大きい点で難易度が高そうだ。
しかし特殊タイプは選択肢も少な目だが何よりお高いのが難で、アームを重視すると少なくとも別のと併用OKじゃ無いと買わない方が良いかもね。

只この辺が気にならないなら2大主流派じゃ無いからポン付けは無理でも、魔改アリならかなり幾らでもカスタマイズ出来まっせ。
決して無理強いはせんけどそもそも独自性を追及すると、Van Halenみたいに従前は誰もしてなかった組合せになる方が多いんじゃないのかな。

続いてBassの方へ移るが、基本的にはFender系のタッチ感の一部を除けば音色シミュレートは万全に近い。
無理なのはスラップのサムピング時の打撃感で、原因は構造的にフロントPUをF君程弦に近付けられないからだ。

これを除けばフロントだけでそれらしく指弾きするとかなりウッドBassっぽく出来るとか、フロントオンリーはその他Gibson系やHöfner等の代用にはなる。
リアだけでコンデンサをバイパスさせるとかなりF君系に近い感じに出来るが、リッケンは前後ミックスサウンドがあまりにも有名で浸透したせいか意外とこれが知られていない様だ。

因みに4003のリアPUは一々全てがジャズベのと違っちゃいるが、ジャズベでもBartoliniのパッシブタイプでスープアップさせたとの電磁気的には同等だかんね。
ここで大雑把な杜撰大王ならではかも知れんが私的には珍現象と考えてるのが、聴こえた感じと実際が結構色々違ってたケースだ。

その生贄に今日は大胆にもSir Paul McCartney様に犠牲になって頂くが、Wings時代のの方が聴いた印象ではリアPUオンリーっぽかったんだけどなぁ。
記録された画像に依れば寧ろBeatlesお籠り時代の方がそれがあって、しかもB時代のにはHöfnerに聴こえたのがリッケンでその逆もってのがかなりあっただよ。

Billy Joelでも全盛期は中盤迄Bassはリッケンだったんだが、後にF君テレも使われ出したんでその過渡期のがとっても紛らわしい事になっとるがね。
そもそもプロモVでどっちが映ってようと、どっちで録ってたか確実な情報が無い曲の方が多かったしさ。

だがこれ等は裏を返せば独自サウンドの印象が強過ぎただけで、それ以外のポジションを選べばかなり普通に広範囲なサウンドが得られる証拠になってんよ。
だからってF君サウンド命の人がわざわざリッケンだけで押通す意味は無いけど、ヤンキーギャルちゃん嫁に貰ったから極普通の夫婦は無理みたいな事ぁ全くねえんでやんす。

<つづく>

2022年12月17日 (土)

音楽備忘録1219 Rickenbackerの真の姿⓭

今回は主題に対してかなり広範な話しになっちゃうけど、前回後部でそれ用の道具をそっちで用意してで思い出したのがあってね。
過去述従兄がJazz Bassのサウンドが好きで、でもロクに弾けないからって中途半端なのに浪費した話し。

本人も含め言い過ぎではと思われ兼ねない断言ぶりだが、それ位本物と亜流では拘りポイント次第じゃ全く別物な差があるからなんだ。
Fenderファンの皆には半分無礼になっちまうが、年々不具合が駆逐された代わり独自個性の部分がとっても弱まってっててねえ。

もし現行品のを聴いて恋に芽生えたなら未だしも、’70年代以前に作られたのの音に惚れてるなら生身の人間とロボット位大差な部分があるですよ。
しかも厄介なのが感触にも相当な違いのある処で、それがパフォーマンス自体に少なからず必ず影響するんでさ。

故にモノホンでの一定以上の経験値を持って無いと気付け難く、知ってる者にとっては違うの二乗になるから無理な注文勘弁してちょになっちゃうんだ。
実はリッケンでも4001より4003ではネックグリップがマッチョ化してて、偽物でも寸法は忠実だったのから借り物モノホンへの移行期にはそこそこ慣れるのに時間を要したんだ。

尤も強度向上の他スラップへの適化での変更だったんで、スラップの特にプルは改良後のの方が楽になったけどね。
些細っちゃ些細な差だが俺だってチビだから大した余裕なんて無いけど、もっと手の大きさが旧型のでギリギリだった人には悲報でしかなくなるじゃん。

より明白な例えを出すと乗用車の最大巾が、宅みたいな無余裕車庫だと死活問題になるんざます。
たまたま隣家が塀の改築をする際お願いしてあちらの境界線内に収めてくれたんで、5ナンバーサイズなら限界一杯のでも何とか押込める様にはなったがね。

で楽器でも演奏の何処かにギリギリ成立させてる様なのが含まれてたりするんで、そう云う部分を変えられて代替品が用意されてなかったらそんな都合なんかで封印されちゃうんだ。
まあ諸事情で例えばその時知らなくても、スリムで良いとしか思ってなかったのが運悪く1ヶ月分位の強度しか無いヤツだったりすると次の手を考えるしか無いんだけどさ。

そこら辺りがリッケンだって深掘りすりゃ微妙な音色差なんかは、年式次第であるにはあるんだけどね。
単体聴きでは分かっても、アンサンブルに入って感知可能な程の音色変化は無いんだ。

弾き味については特定奏法に限定すれば今のじゃ厳しくなったのもあるが、旧型を持ってたって奏法ニーズ等で不都合が大きくなったらモディファイとかするっしょ。
冒頭の方で半ば生贄にしたFenderでも、Stratoの5点切替えSWだけは普通は昔の3点のより有難がったりさ。

ので操縦性と音色で許容範囲的に判断してくと、他社の多くのは年式にも細心の注意を払わんと払ったお金の元が取れない状況があるざんす。
その一端として最も簡単に分かるのが重さ等で、F君やG君では1.3倍位の違いがあったりするよ。

リッケンではソリッドタイプはF,G君が軽かった頃には重い口だったろうが、今や良くて拮抗・下手すりゃリッケンの方が軽い位だ。(因みに近年F,G君ので軽いのは材が原型とちゃうで😓)
そんな感じなんで常に最新のを追い求めこっちが幾らでもアジャストする気なら別だけど、音楽の道具として用いるだけで音楽の内容の方へ注力したい場合は基本の無変更はかなり助かるですよ。

見た目は結構変化があるからコスヲタ系だとキツイけど、知ってる何時も通りに弾けて何時も通りの音が出りゃ良いならね。
他にも少数の候補はあるけどなるべく1本だけで色々演ろうとすると、最早一択に近い位に俺には感じられるよ。

<つづく>

2022年12月16日 (金)

音楽備忘録1218 新興ブランドの正体③

前2回に渡り惜しむらくも劣化今本邦ではその社会構造から、普通の楽器屋の店頭に陳列される様な新ブランドには期待薄と悲報した。
では俺は単なる日本嫌いかってばそうじゃなく、こんな環境下では探すのが少し手間だが個人製作家へもっと期待すべきと考えている。

ほぼ看板のみ更新の新ブランドを低く見るのは、販量を気にして大胆な改革を幾らもしてくれないからなのだ。
元来趣味性の高い分野なので多少欠点が多かろうと、今迄に無かった特徴を持たせる事に新規の価値があるんだけどね。(秀才タイプのは大手に適わない)

仕事で使うにも冗長性が最重要に違いないが、さりとて差が少ないならわざわざ珍しいので冒険する意味が無い。
当初から一定以上の売上げを狙えば無難なのしか出せなくなるが、本質的には他の商品と比べれば大して売れないもんなのにね。

それからすると木工部分は別として、それ以外の部分は組立ての妙を売りとするの等が相応しい。
んだけどどうも日本ではこれの理解が中々深まらんらしく、松下工房等一定以上の知名度があって継続させられるのが育ち難い様だ。

只そうなるのも本業で人を雇ってればで、副業で個人でだったらもっと可能性は高くなる。
一部では既に実行してる人が居るだろうが、独自性の不足が定着を阻んでる。

又近年の日本固有の問題点として林業の衰退も障害になっていて、副業でやるにしても接点があったり本業が近い業種である程ハードルが下げられるんだけどさ。
本当は次善策だったっぽいが、リッケン(元金属加工業)が出した世界初の量産エレキはアルミダイキャストだったやろ。

その昔怪しさ100%の山梨発祥の「宝石画」ってのも、実際は大した石は使ってないが色はとても綺麗な欠片の応用だった。
なので出来れば町工場や小規模材木屋なんかには、是非目を付けて欲しいんだけどねえ。

それと海外に比べて小規模地方都市でLivehouse等の展開が進まない為、作る方の環境が整ってると今度は音楽的な環境が無いのが仇になってんのかな。
片や町場では俺自身今も自分のニーズからもいい加減である程度工具を揃えるべきとは思ってんだが、現時点では作業空間が確保出来ないんで二の足を踏んだままだ。

現代は世界的に資本主義の悪い面から規模拡大ばかりなので昔話じゃチト厳しかろうが、この手のはお家芸化した「形から入る」は全く通用しないのだ。
因みに手前味噌ばっかで何だが作業空間で腐心してるのは、塗装や接着剤の乾燥を待つのが特に難点でね。

自分のだったら誤って触れても納期も無きゃ、被害僅少だったら杜撰大王のだからそれでヨシとも出来るんだ。
過去に休養君のを請負ったのも彼が不具合ツールのままでも、俺が多忙でもどっちでもバンド活動が停滞するのは一緒だったんで。

ので如何に杜撰野郎と言えども修理・調整みたいに、ケースに収めとけないとなると苦しいのよ。
のでⅡで今の日本の状況下では素材と考えるなら新興ブランドも有力候補になり得るが、自分で世話するのが苦手な方は慎重になった方が良いんじゃないかな。

何れにしても手始めは万一駄目にしても惜しくない程度の中古を弄るのがお勧めで、そうしとくと大胆な実験もやり易くなる。
一方で演奏に集中したいならアフターケアが最重要で、新しいのにすぐに消える様なのだと一番始末に困るんじゃないかな。

<しまい>

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