文化・芸術

2025年5月12日 (月)

音楽備忘録2094 爆音歌唱に纏わる色々➓

続いては俺言い「Overdriveシャウト」時の子音の明瞭さについてで、オペラ唱法で分かり易いが体の共鳴をフル活用するとこの面ではかなり不利になる件ざます。
又英語等と違って強弱のとても少ない日本語だと、ベテランの杜撰大王でさえ未だに悩みのタネなんだ。

最も簡単な方法は矢沢永吉みたいに強調するのだが、彼は元が不良風イメージを売りにしてただけにあまり違和感無く使えてる。
んが不良は不良でも’50’s派生俺言い「短髪族」なら未だしも、容姿的には風前の灯となったにしても’60’s以降をルーツの中心とした是又俺言い「長髪族」で同じ様にやっては何か違う感があるんだよね。

所詮はRockだから何系何族だろうと大人しFolk等と比べりゃ、何で何時も怒鳴ってんの怒ってんの吠えてんのな感じは拭えんけどさ。
改めてこの問題を再検討してみると、やはり対話平均距離の相違が鍵っぽい。

加えてコミュニケーション方法での言葉の比重にも差がある様で、近年はそんなでも無くなって来たけど昔はオーバーなゼスチャーをしてたら外人かなの認識があったん。
それを今劣化本邦では声量をセーブする事で代替手段としてるみたいだけど、それではグローバルスタンダード環境下では確実に困窮するん。

のが端的に表出してると思しきが狭隘舞台でのコロガシ(個別モニタ)の常用で、変な習慣或は舞台の定形に囚われてる日本人以外こんなに近きゃ聴こえるから良いやと全然必要性を感じてない処。
本来狭隘舞台で必須じゃないコロガシは場所塞ぎの方が損失が大きいのに、すっかりPAに飼い慣らされた生楽器や声量不足のせいで元に戻れなく(不要PAレス)なっちまったとは情けないったらありゃしない。

そんなじゃ万一折角グローバルウケしてもそのままの体制で海外展開が出来ず、って最もその可能性の低い杜撰大王が言ったってあまりにも説得力に欠けるだろうけどさ。
そんな私境遇でも最高でここ迄しか到達出来ませんとなるのと、運が向きさえすりゃ無限の可能性がありますでは夢の見られる次元が違うってんでぃ。

究極的にはこんな箇所に迄影響がある訳で、さりとて杜撰君まだ解決策の決定打は掴めてねんだけどな。😓
取敢えずの策としてはアナウンス等放送界の発音で、本来声と言葉で伝えるにはどんな用途のでもある程度必要なものだ。

永ちゃんの強調策にしても標準をロクに知らなかったら適確には出来ない訳で、先ず無知と演出が全く別物なのを理解しませう。
標準語圏で育ってそこそこ何時も気に掛けてでさえ、かつて杜撰君は動物の熊のイントネーションが↓↑では無く逆にしていた。

私感ではずっと正規の方にどうにも違和感があったからでもあるんだが、単語だけで熊(Bear)が誰にでも認識されるのは正規の方なんだよね。
たまたま今迄は自作詞等に出て来んかったから大怪我はしてないが、どんな理由であれ下手に定着しちまって修正するのが結構大変だっただよ。

言語って単純な発音だけで伝わるもんじゃ無く、全くそんな感じはしなくても一流の歌手は知らずに歌っちゃいねんですよ。
それを個人的には英語圏の歌手で認知したが訛りの強い昔の黒人でさえ、単語自体が違わん限りは予想外にちゃんとした発音・イントネーションに良く聴いてみたらなってたんよ。

感触は飽く迄癖最強でベタな話しなんだが、実際本気で物真似でもしようとしないと案外そんな処迄聴けちゃいねんですわ。
注意力って不明瞭な時は上昇するけど何不自由無く楽に聴けちゃうと、油断したつもりは更々無いのに何処か脇が甘くなっとん。(まさか杜撰君だけなのけ?)

=つづく=

2025年5月10日 (土)

音楽備忘録2092 今更米ポピュラー音楽から学べる事⑪

このお題10回経過した処でここでの米の定義を再確認しとくと、過去日本での典型的Yankee的風俗とはかなり別物だ。
今劣化本邦でヤンキーっつったら死語称:不良・今ならワルの事だが、改めてググってみたら元はもっと狭義の別称だとさ。

語源自体はキリスト教の有名人Jan(原語でヨハネ)から来てるそうだが、今に近い使われ方は米南北戦争当時の南軍なんだとよ。
北軍の白人を揶揄する目的だったそうで、南部人や黒人は含まないんだって。

その後一部白人が半自虐ネタとして自称したのが広まって今に至ってるが、チャラく派手なイメージばかりが真の米の姿では無い。
この事実…と言っても日本が大正から昭和の時代のだが、杜撰大王は母方の祖父が留学してた際の様々な逸話を直接色々訊いたんだ。

それに依れば独程では無いにしても一般庶民はかなり実直且つ質実剛健で、真面目且つストイックな者が多かったそうだ。
にも拘らずその頃以降人気・観光政策もあったのか、安易な楽しさだけを強力にアピールしたもんだからねえ。

杜撰君も含め清原世代の野球選手(国際試合経験もあるのに)位迄、かなり実像では無く虚像の方をイメージしてたみたいなんだよ。
音楽面でのその影響はってばスタータレントばかり有名で、実際には黒人系Jazz Bigbandとか作編曲家の貢献の方が何倍も大きかったのにさ。

それ故昭和当時の日本でSammy Davis Jr.はTVCMでもお馴染みだったのに、古くから来日公演もしてたDuke Ellingtonはその筋の者でしか顔も分かりゃしねえ。(悔しいがMe Too😓)
だから俺等世代の旧常識からしたらさながら裏歴史と云った体で、この件でもレコードヲタの親友と出逢わなかったらきっと是正が遅々として進まなかっただろうな。

そんなだから実効性はグンバツでも至って情報自体は地味なのが多く、自ら少し深掘りに乗り出さないと今ですら向うからはやって来ねんですよ。
こういうのは他国・地域の情報にだって、少しは近似傾向にあるんだろうけどね。

更に思ったのが今劣化本邦の情報採取の認識で、何時からかは分からんが長らく受け身傾向の強い処。
欧米由来の生粋な資本主義では、儲からん情報は一々親切に流したりしない。

って事ぁ99%嘘だろうとボロ儲け出来そうな情報だけが、世間に満ち溢れてる公算が高い。
そんなのをこっち独自の解釈で捉えてちゃ、そりゃバカにもされるし真実に到達出来なくても当たり前なんだよ。

と云う裏事情から拙ブログで例示するアーティストは、こっちではどマイナーだが本国ではそこそこ知られてるのが多くなる。
差し詰め今向こうでなら大谷翔平は誰もが分かるが、地域が異なったりすると今永昇太等はまだ知らなくても当たり前といった感じだ。

しかしプロ投手志望の者には後者の方が勉強になる点が遥かに多く、又唯の追っかけと目標ではターゲットが違って来るのも本来は当然なんすよ。
更に杜撰君みたいなチビには後者でも178㎝あるから圏外で、辛うじて俺より4.5㎝大きい167㎝のホセ・アルトゥーベでどうにかってな感じでやんなっちゃう。

幸いミュージシャンなら西欧圏でもPrinceの158㎝等俺以下(但し誠に残念乍ら身長のみ)も居て助かってるが、そう云う個人特有の必須情報は端っから巷に溢れちゃ居ない。
個性・独創性の観点に立つと一々集め深掘りせんでも情報が間に合ってるって、裏を返せばあなたが没個性で凡庸を意味してるかも知れんから安穏としてられまへんでぇ。

=つづく=

2025年5月 9日 (金)

音楽備忘録2091 音プロの音楽の聴き方⑲

周波数の5回目は高域の補遺から中域の話しへ向かうが、前回述「中域レスの高域」に関し私的に絶好のサンプルがあるねん。
この話題に最適って事ぁ今チョイと悩みのタネになってて、それは利用中の恐ろしく古い打込み用フリー音源だ。

杜撰君ニーズには他よりマッチしてるから使い続けてるんだが、コイツに入ってるHi-Hatが音色は良いんだが指向性が鋭敏過ぎて困ってんだ。
打込みだと弾けない楽器も入れられる&生に比べりゃ1パートの存在感が弱いから、いきおい大抵は誰が使ってもリアルよりパート数が多くなりがち。

恐らくその対策で2,3パート時と10パート以上での相違を減らそうとして、わざと各楽器を最低限必要な周波数帯域にしてあるのかな。
それでなくても音源容量を節約しようとすりゃ当然の方向性だが、中域レス故聴く時少しでも有効角度領域から外れると途端にお留守になるねん。

それを補おうと音量に下駄履かせときゃ、今度は真正面で聴いた際煩くなりやがる。
っと言っても宅の狭隘室が真犯人なんだが、皮肉なもんで打込みオンリーなら広い部屋が要らないのが利点なんだよねえ。

そうなった裏にもう1つ最新のとか流行のCymbalサウンドってのがあり、又昔話になるが平成以降に生まれた人は実感する機会が多分殆ど無いんだろうなぁ。
のわCymbalサウンドがアナログ時代平均レベルじゃ再現し切れんのは想像し易いが、メディアがCD主流になって以降も実は10~20年位は天井フリーにはなって無かったんすよ。

のがデジタルのドラムマシンやサンプリングキーボードで価格・メモリ容量等の事情から、今だと眉唾かと思うか分からんがそう簡単には16bitにならなかってん。
チト専門的な話しになるがbit数と実用周波数帯域には深い関係があって、低bitでも原理的に制限は無いが実際にはそれをやっても音のザラ付きが目立つだけだったりちっとも艶を増やせねんですよ。

そんな処で当時誰もが「今迄無理だった高域」に憧れてたのと相まって、出せる楽器ではなるべく高域を出せた奴が偉いみたいな潮流が結構続いてな。
その上音色をよりリアルにしたとしても、鳴らすのが達人奏者じゃ無くアホな機械となるとさ。

奏で方でそれらしく聴こえてた部分が無くなる訳だから、現実より高域を増し盛りしたりして補ってた訳だ。
その結果が音色は好ましい・実用上は大きな欠点ってな按配になっちゃって、これは生演奏のミックス時でも大抵程度はマシになるが油断すりゃ何時でも起き得る事態なのよ。

なので中域は中域の都合だけで考える訳に行かんくて、低域や高域の事情も鑑みてやんなきゃいけねんだ。
これに関し自称リズム隊オヤジが強力に訴えたいのが、ほぼ中域だけで成り立ってるパートの皆様への注意喚起ざんす。

おまん等低音とか高音をほぼ独占出来てんだから中域はウチ等のもんだろ、とは決して思い込んで欲しく無いんすわ。
とか広帯域化したってこっちにゃロクに益がねんだから、中域位はこっちにもっと忖度しとけなんてさ。

確かに打込み音源等バーチャルでは、理論的な周波数分離は可能ですがね。
それに聴感では綺麗に分離してる感じのもそこそこあるが、それ等物理的にはそうなってねんですわ。

ではどうしてそう感じられたのかってば、久々出俺言い「目立つ倍音」が大体棲み分けが出来てるからだ。
只コイツがちょっち厄介で倍音だから皆高域と思いきや、中域にもかなり越境してんすよ。

-続く-

2025年5月 8日 (木)

音楽備忘録2090 爆音歌唱に纏わる色々➒

続いて今日は非シャウトでどうすれば歌声を強く出来るかだが、シャウトするにしても殆どはその延長線上にあるのだ。
杜撰君当時は寝ても覚めても先ずRockだったんでピークの強さだけって失敗談を以前したが、Rockだのシャウトだの激し目を目指すのにピークが弱かったらそれも落第だ。

自身の失敗の伏線にクソガキ当時「怒りんぼ」なる異名を与えられてたのも影響してたらしく、全く怒ってなくても某元野球選手の「喝」なんかが妙に穏やかだったら一寸変だよね。
或は軍の隊長の号令が妙に弱々しかったらもうコントで、隊員は皆少なくとも心中ではズッコケるやろ。

逆に就寝時のおやすみが勇ましくては目が冴えちまって敵わんしで、元々言葉には夫々に相応しい強弱ってのがあるんだな。
これに際し1つ思い浮かぶのが日本での初期の英語発音とか表記の仕方で、英語と比べてアクセント強弱が極度に弱い日本語では敢えてアクセント部以外は略したなんてのが御座居まつた。(鼻濁音等の例外はあるんだが…)

今は外国語は外国語の発音を心掛ける様に変わったが、日本語にある発音だけで苦しい乍らも再現するには↑は利口な手段だった。
例えば一時期Coffeeをコーヒなんて言ってて実際にはカとコのほぼ中間の音+フィーなんだが、イントネーションとしては仏語のカフェに近く2つだ。

処が厳密には1つ目のアクセントはコには付いて無く「その後」だし、フィーも日本語感覚だと伸ばす「ー」を付けるべきか付けないべきかの中間位だ。
そこで一計を案じてコ自体の頭が強くなり過ぎるのを防ぐべく「ー」を付け、しかし考えるべきはその先でありんす。

日本語での「ー」自体には固有の発音は与えられてなく、音だけでコーヒーを発音したら「コオヒイ」なんすよ。(母音が倍増してまう)
しかも音程が又鬼門で英語のは高い低いなのに、今普段大多数はほぼ同じ音程になっとるやろ。

発音か音程(イントネーション)のどっちかがピッタシカンカンだったら未だしも、どっちも違うんじゃ全く日本語が不慣れな外人にゃ先ず通じる筈が無い。
っとだいぶ寄り道しちまったがそう云う言語で元は構築された音楽だと、歌と伴奏のバランスや強弱の程度が純日本由来のとは異なる箇所が色々生じて当然なんすよ。

そう云や遥か大昔Rockに興味を持ち始めた頃、最初に発見した当時の歌謡曲との最大差は歌と伴奏のバランスだったっけか。
それが当時時点ではジャンル的に紛らわしいのの判別には一役買って、例えば激しいFolkと大人し目自然派Rockなんかとは大体↑で判別出来たんだよ。

っと云う事があるんで例え純粋な日本物でも、Rockの歌と思って貰うには他のよりピークの強さが必須なんどす。
無論誰かさんみたくアベレージが弱くなると伴奏に埋もれてNGだが、シャウトするしない・声色が派手地味以前にこの要求を満たさないと使い物にならんのですわ。

ほんで怒りの曲なら強部が全部シャウトでも良いかも知らんが、恋愛ソングでそうなるとまるでこっ酷くフラれた後の負け犬の遠吠えみたいで変になる。
強くても許されるとしたら興奮してつい声が大きくなった体で、そんなのには非シャウトで力強い歌声がどうせ必須なのさ。

=続く=

2025年5月 7日 (水)

音楽備忘録2089 ’70年代Rockの浦島太郎㊽

前回末尾に「デジタルの原理は2択(1か0か)」と書いたが、もしや今劣化本邦の極端な2極化傾向は←に大衆が踊らされてる結果なのかとの仮説が浮かんだ。
仮に当たってるとすると未だデジタルを上手に利用出来て無い事となり、前代未聞の近年駄目政府と言えどどうりで拙速なデジタル化に一々失敗する訳だ。

音に関する上記観点では雰囲気や艶の逸失があるが、かなり妥協したものの各種デジタルフォーマットでそれなりに対策は施されてんだ。
厳密に云や欠落があると分かってるデータでぼったくろうってんだから微妙だが、大昔のソノシート並みの安売値だったら誰からも文句は出ないだろう。

しかし現実の程遠さからするとちゃんとは理解してねえみたいで、或は儲けの為にシラを切ってるか知らんがね。
CDが売れなくなった理由は1にスペースファクタなのには違いないだろうが、利便性を別とすれば究極環境で保存してもせいぜい100年しか持たなさそうとか勝手に妥協された音ってのも決して無関係じゃないんじゃね?。

要は向き不向きやコスパ次第でグレードをもっと選べるべきだし、更にはデジタルかアナログかの選択肢も現況如きじゃまだまだ精査すべき状況なんすよ。
その一例として電車運転士の携行「懐中時計」は、未だにどの会社でも完全デジタルのをワシャ見た事がないよ。

まあ一番の理由は恐らく「指針表示」で、運転中にチラ見で把握するには3本の針の角度の方が適してる。
最新車両ではグラスコックピットと言って表示部はLCD画面オンリーのも多いが、スピードメータ等は擬似指針表示のがデフォ化しとる。

これ自家用車でもデジタル表示黎明期は数字だったのに、今では殆どのが瞬間視認性の都合で擬似指針表示へ言わば逆戻りだ。
つまり元来は幾らデジタルを利用しようと適材適所で構わなく、こっち迄俺言い「デジタルメソッド頭」なんかになるのは全く不要なんだよ。

そこで再参考に絶好なのが一時期少し流行ったエロ本自販機や俗称オートレストランで、前者は購入時の恥じらいがほぼ不要になる利点を突いた商売だ。
尤も対象年齢未達の者が購入出来てしまう欠点とか、設置場所周囲の風紀等の問題もあって愛好研究家に依ると最早風前の灯だそうだ。

後者にしても美味しさの難から似た様な状況だが、近年登場の無人レジ等を考えれば衰退は妙な感じでもある。
日本の構造的人材難が一層苛烈化し長編成電車でもワンマン化から自動運転へと向かってるのからすれば、食事処だけ時代に逆らってる感じだ。

だが水面下(厨房内)での機械化併用率なら劇的に上昇してて、この功名な共存にこそ大きなヒントがあるんじゃないかな。
私的に鉄道で危惧してるのは経営環境の顕著な悪化があるにせよJRの様な闇雲な人減らしで、車掌レスにするなら無人駅や保線員を減らすのは危険なんだよね。

多分そんな配慮不足の失態が携帯ショップの年配者行列に顕在化してて、凡人用日常道具としては操作性を煩雑化し過ぎてんだ。
実用上ではデジタルかアナログかなんてほぼ無関係なのに、「洗練度を伴わない拙速なデジタル化」で大多数は盲目のまま何とかCPU君の命に従おうとしてるとはいとおかしに他ならんですわ。

-つづく-

2025年5月 6日 (火)

音楽備忘録2088 今更米ポピュラー音楽から学べる事⑩

米はかつてDrummerの平均レベルが高かった反動か、メロディアスなフレーズ(ここでは主旋律は除く)では欧に分があった感じだ。
北米移民集団としての音楽歴も欧と比べると桁違いに浅かったせいか、フレーズや音色だけで魅了するものの登場はかなり遅れを取ってた感じだ。

だが準俺言い「リズムリフ」となると別で、私感としてDrumだけのIntro等では建国直後からかなり勝っている。
改めて今劣化本邦では低認知度のリズムリフを簡単に説明しとくと、極端なケースではリズムとか刻みだけで固有のリフとして成立してる物を指す。

そもそもポピュラー系のリズムパターンの多くが主に白人と黒人の融合から編み出されたが、一面でそのワングレード上とも言える。
毎度古くてスマンが典型例の1つにGrand Funk RailroadのWe’re An American Bandがあり、杜撰君はリアルタイムで初聴の瞬間1発で気に入りノックアウトされましてん。

もしあの時の出逢いと衝撃を受けてなったらDrum自体は大して上手くもないのに、足脚だけ連続Slide奏法の実用化に迄は到底至らなかった事間違いのうごんす。
わ兎も角Rock系の場合メロだけで最善を追求するのに一寸無理があって、それはRockよりPops等に自然と近寄り過ぎちまうからだ。

例えば暫く前迄再流行したパワーコード(ルートと5度か4度とかだけを鳴らす)、弾くのが簡単だからとへらず口を利くのは何処の何方さんでっか?。
いやまあ確かに楽なんだけど本来の目的はそこじゃ無く、長短の3度を敢えて省く事で聴き手の解釈に自由を与えたり不要に長短感を感じさせない効能がある(あった)んすよ。

そんな雰囲気が必要な際メロのオンパレードじゃそのメロが著しく限られ、長調でも短調でもそのまま使えるのとなると独自個性迄載せてやるのは至難だ。
その点リズムには基本的に調の長短なんてねえから、飛躍的に色んなのが作ろうと思えば作れるん。

因みに今では調の長短ってほぼ万国で統一認識されてっけど、民族音楽なんかじゃ全く異なる解釈のだって幾らかは残存してんだ。
その他Bluesで有名な音程としてのブルーノート今劣化本邦では長調で短3度なんて勘違いも散見されるが、正確では無いにしても大凡¼音上か下にズラし長と短の中間位になるからそんな呼称になったん。

そんなのですら⅕とか⅜とかとは限らん訳だし、万人に馴染みが無いスケールとなったらもうポピュラー系やRock系とは認識されない。
のに対しリズムの特にタイミングではノリの軽重等があるが如く、もうちょい判別限界が広いんだ。

歴が一定を超えたジャンルならメロの傾向で多少は区別も付くが、純粋に○○ジャンルでしかあり得ないメロってのは存在しない。(但しニュアンスや聴かせ方は夫々かなり違う)
その意味でリズムに新境地を求めるのは革命的とも言え、メロ主導では困難だったリフ等も作れる様になったんよ。

ほいでBo Diddleyみたいにワンパターンで押して流行ればリズムパターンとして認知されるが、そこ迄行かんでも後年彼等は英だがT.RexのGet It Onみたいなのへの発展性があったん。
リズムパターンとしてのDiscoもSnareとバスドラが逆順のなんかは黒人系ので’60年代には既に登場してて、その点寧ろリズムリフの方がパターンの親と言え様。

-続く-

2025年5月 5日 (月)

音楽備忘録2087 音プロの音楽の聴き方⑱

周波数4回目は高域で前述の通りオーディオと各楽器毎にかなり異なった帯域となってて、その他に音の指向性の問題も絡んで来る。
指向性自体は超低域以外は皆持ってる性質なんだけど、周波数が高くなる程尖鋭化して狭まるから用心しなきゃなんないんだ。

PAや生楽器以外で普段あまり心配されてないのは、高域と称しつつ音響やオーディオでは中域に分類されてる領域だからだ。
又生楽器でもコントラバスみたいに音域の低いのになると、PAではスピーカの都合で高域は半ば無視する事も少なくない。

さて指向性案件でアキレス腱になってるのがスピーカの周波数毎の指向特性で、日常生活での普通の音圧なら未だしも爆音化させるととても困難が伴うん。
純粋PA用途のだと最大でせいぜい100°が限界で、スピーカの真横に近くなると殆ど聴こえなくなっちゃうん。

広大な演奏会場で余程好条件なら未だしも、観客との位置関係次第で煩くなったり全然聴こえなくなったりの不公平が生じ易いんだ。
そこで次善対策として小規模店舗用スピーカ等ではわざと「その下の帯域」が盛られてて、位置関係に依る音質差がなるべく最小になる様にされている。

宅ではスペースファクタの都合からサヴモニタにそんなのを流用してるが、意図的に盛られた分を削ってやんないとマトモな音になってくんない。
今劣化本邦ではインナーイヤーないしヘッドホンでの聴取が増えたけど、誰もが最適化されてるか疑わしいしスピーカで聴かれる事も皆無にはなってない。

ここでの最適化を補足しとくと大多数の一般人は「正規の音」を聴いた経験が先ず無く、その条件はかなり厳しいしそれで聴けた音が良いと感じられるとは限らねんですよ。
更には加齢に依る可聴帯域の低下も加わり、年寄り耳に煌びやかにしたら若者にはモスキート音地獄になってたりなんてのも。

そんでも妥協が許せんからと対象を狭隘に絞ったとして、必ず狙い通りに好かれて嫌われる保証は全く無いとな。
最悪誰にも理解されなかったらおまんまの食い上げ決定なんで、低音とは逆に「高域を感じさせる中域」と抱き合わせての妥協が強いられるんだ。

となればどんなに高域特性の優れた機器を使え様と、高域は「耳の良い人にも籠って聴こえない程度」にしか入れとけねんですわ。
だからってドンシャリ好きな杜撰君わざわざ中域だけでMicを選んだりする気にゃなれねえが、今世間が思ってるより音楽となると中低域が遥かに大事なん。

これは又人耳の音程聴き取り能力とも関係してて、Pianoの最高音以上では少なくとも常人にはもう音程感は釈然としない。
それが大凡4kHz程度なんで、口悪く云やそっから上の周波数はオマケなんだよね。

ってオマケったって雰囲気や表情では大貢献してんだけど、中低域レスではその効果も全然発揮されない。
例外になるとすりゃ音程の縛りから解放されてるCymbal等だが、これも指向性案件事情でホントに中域すら伴わないと致命的な弱点を持つ様になっちゃうんよ。

=つづく=

2025年5月 4日 (日)

音楽備忘録2086 爆音歌唱に纏わる色々➑

「それなりに綺麗な声色」は一応分かって貰えた前提で、今回はその次のフェーズへ進めよう。
まだ未達の方も決して見捨てる訳じゃないが、その事情が中盤以降で出て来るからお見逃し無く。

さてそれなり綺麗が出せる様になった処で俺言いOverdriveシャウトに至る迄の道程はかなり厳しく、ワイルドな歌声を求めてたら中途段階では苦痛にすら感じられるかも知んない。
杜撰君自身幾つかの幸運のお陰でセーフになっただけで、当初はどんな手を使っても構わんから早くワイルドにしようとしてたんだ。

それが完全アウトになる前に覆ったのは最悪の声色で、少なくとも自身の希みとは正反対だったのに由来しとん。
悪戦苦闘して何とかシャウト擬きが出せる迄は漕ぎ着けたものの、1回やる毎に声域が狭まるし擬きらない時の声も細くなっちまう。

窮して再検証してみたのが曲中のシャウト率で、稀には全編ってのも無くは無かったんだけどさ。
シャウトが最も効果的になってる曲って、シャウトの前にシャウトはしてなくてそこそこ力強い歌声ってのがあったんだ。

加えてその頃個人的に一番力を入れてたのがBeatlesで、Hard系も好きだったけどそれ等は身近な仲間との合奏ニーズだったん。
是又個人嗜好的にPunkの唱法は嫌いで、少し聴くにはオモロくても継続して聴くと苦痛だったんよ。

なのに無理シャウトをするとまるでそんな声しか出せなくなるんで、一旦はシャウトのマスターは先送りにしたんだ。
根性の過不足は分からないが、体力の乏しいのがこのケースでは味方した。

喉を壊す前に不適切な挑戦に諦めが付かなかったら、多分その先は無かったんだよ。
体力も喉の耐久力も高いに越した事無いけど、後者にはタフネスさんでも高くない限界がすぐに到来する。

人体には弁慶の泣き所みたいに、急所以外にもそんなに丈夫じゃない部位があるのさ。
それとどうせシャウトに拘るなら質ってのも重要で、例えば同じ怒鳴られるのでもインパクトには差があるっしょ。

腹の底から出た声には何か圧がより感じられるが、声のアタック音成分が高速な上ピーク声量が大きくなってっからだ。
人を驚かすのに急に「わっ」とかする場合、立ち上がりが緩慢でピークが小さかったらそれ以前の時と落差が小さくなる。

し~んとした処へ突如発せられる声量との落差が肝要で、如何に凄い声質だろうと並の声量では質問されたのかと勘違いされるやも。
ほいで又Rockで更に英語の歌詞だと、日本語よりかアクセントの強弱がモノを言って来るから余計に無視出来ねんだ。

どうやら平均会話距離の差からこうなったらしく、英より米の方がアクセントの明快さが求められるのは国が広大なせいなんじゃないかな。
要するに「マトモに歌える」の中にアクセント案件等も含まれてんで、シャウトの可否以前にそれ等の要素がどうせ必要なんすよ。

一流シャウター逹がシャウトしない時意外と綺麗に聴こえるのはこの為で、Punk以外は予想より遥かに丁寧に歌わなきゃなんなかったん。
そのPunkですら粗野は演出で、良く聴いてみっと大御所は結構しっかり歌ってんだよねえ。

-つづく-

2025年5月 3日 (土)

音楽備忘録2085 ’70年代Rockの浦島太郎㊼

時代の趨勢は裏に様々事情があっての事だが、カラフルからモノトーン一辺倒だとデザイン・美術・音楽等には少々逆風だ。
何故ならカラフル→何色でもOKって事ぁモノトーンだって含まれてるのに、↑は白黒とその中間色しか含まないからだ。

写真・印刷等が珍しかった頃なら白黒だって映ってただけで喜ばれたが、散々カラフルなのを浴びてて淡泊なのだけを強要されるのは堪らんよ。
流行にサイクルが生じるのは暫く経つと飽きられるからだが、それが成立するには少数派になっても常に対極のがあっての事じゃね。

バブル期の浮かれぽんちは色彩にも及んで、ビビッドカラーなる刺激的な蛍光色なんかも席捲し捲ってた。
それが崩壊して不景気まっしぐらだっつうのにケバい色のままじゃ不似合いで、超シンプル回帰に至った訳だよね。

けど不似合いなケバケバの中でのモノトーンだったら映えるが、度が過ぎて皆一様に白黒になったんじゃ白黒TV時代に逆戻りしたのかってぇの。
それならそれでコピー機・プリンタ・LCDモニタも、白黒主流にすりゃ安上がりで助かるぞっと。

わ皮肉が過ぎるとしても拙ブログでは随時吠え「音楽は比較芸術」なばかりか、流行が本当に価値を得る為には非流行の存在が絶対必要なん。
誰かが何かに直感で心酔するにはピンポイントでの琴線に触れなきゃなんないが、感性が完全に一致する人なんて居やしない。

そればかりか世の中の半分は平均より感性の鈍い人達なんで、彼等には単体で示されたってそれこそピンとは来ねんですよ。
のが対極に近い別物を1つでも同時に示し、どっちが好みかと問えばその過半数はあっちとここっちと即答出来る。

又戦後カラフル路線がそこそこ長続きしたのにも理由があり、単に平和になって良かったとか景気が良いのに合ってる以外に重要素があったと思える。
その一端に大昔述「電車の色」があり、一見派手目な様でいて今からすれば随分と濃い目だったりくすんだ色だったりしたってのがね。

日向の明るい場所での発色とかペンキの色抜けや汚損対策もあった様だが、他に比べ比較的長期間変更が無いってのが最大の理由だ。
孤立した路線ならコロコロ変色しても利用者に実害は無いが、常時同じホームに発着したりするヤツは赤がA線ので青がB線のなんて識別任務がある。

中には地味過ぎくすませ過ぎて冴えないのもあったけど、刺激が強すぎたら皆を3日程度でお腹一杯にしてまう。
そんなじゃとても5年10年とは持たせられず、更には独自性の付与も難しくなる。
これとは別に切磋琢磨するライバルの存在は大切で、スポーツ等では「あの凄い奴に勝った」なんてのが素人に対して王者の価値を明確化してるっしょ。

だからって普通わざわざ次点になりたいとは誰も思わんが、王座に君臨出来るのは唯1人だけ。
だいいち彗星の如く現れた別次元の天才以外は、2位にもなれんのが1位なんか先ず獲れる訳ゃ無い。

少なくとも現在ランキング圏外だったらそこへ入れるのが先決で、優勝出来なきゃ負けなんて吹聴する奴等に惑わされてちゃ駄目。
本人の意識は実際そうだったんだろうけど、そんなの他人は本来知ったこっちゃねんですよ。

理性的に考えるとそれなら何故表彰されるのがたった1人じゃないのかが変ってもんで、そう云う極端な考え方が適合するのはデジタル回路だけなんよ。
デジタルフォーマットならその原点は「あるか無いか」(1か0か)で働いてんで、ぴったり中間の1.5なんて言われたらどっちに編入させるか困っちゃうけどさ。

-続く-

2025年5月 2日 (金)

音楽備忘録2084 今更米ポピュラー音楽から学べる事⑨

現在世界各地のプロDrummer平均レベルは、自虐的な感じと誤認されるか分からんが今劣化本邦を除けば大差は無くなっている。
が私感だと’73年位迄は米が独り勝ちな感じで、その具体面を掘ってこう。

毎度の冒頭但し書きとして録音自体のムード面では英等米以外の平均の方が勝ってたんで、聴いたヤツを自分で叩いてみようとしないと中々気付けねんですよ。
今こんな風に言ってる杜撰君も長らくDrummer目線ならぬ耳線で聴いて無かったんで、リアルタイム体験から数十年経過しなきゃ全然そう感じて無かったんだ。

↑で’73年位迄としたのは米のマイナーサイドの録音が向上したのと重なってて、若干単細胞的安易さは残ってたにしても演奏内容では劣る処か寧ろずっと前から凌駕してたん。
この傾向は全般に渡るものの他ではGuitarレベルに顕著で、しかし今一米は音色の関心が薄かったか録音と音色でだいぶ損してたって訳だ。

っつう段階で今日はFleetwood Mac時代のPeter Greenに生贄になって頂くが、楽曲や雰囲気は中々だったが正直Blues Guitaristとしての腕前は俺には?ざんす。
’60年代後半の英演奏家は総じて好みのタイプなんだけど、当時のAbbey Roadスタジオ(専属スタッフ含む)みたいな環境が無きゃあんな風な魅惑の音世界にするのはとってもキビシー。

つまり憧れ続けちゃ居るんだが演奏やその内容だけでは到底再現不可で、対して米のマイナー目な連中のは実際普段出してたであろう音よりだいぶショボく録れてたらしいんすわ。
んでどう違ったかったらリズムの安定度にかなり差があり、テク面でもJazz屋なら出来て当然だがRock屋なら出来なくても良いみたいなのが殆ど無い処。

前者はタイミングの他不要に強くなったり弱くなったりが極めて少なく、恐らく要求されるアベレージのパワーが異なってたんだろう。
この件並行執筆中の別稿と同様最大音圧が一定値を超えると、それ以上の爆音を出すのは無理になって来る。

そんな状況で少しでもパワフルに聴かすには、不要に弱く小さくなってる箇所を許せる限り大きくするしかない。
その様に叩かれてるとアンサンブル内で他パートにマスクされる率が減り、結果的にどの音でも常に楽に聴こえる様になる。(単細胞に唯力任せに爆音にするのとは違いまっせ)

ほんでもってこの差は真似するフォロワーにとっちゃ甚大で、叩いた音の有効率を高く取れるんすよ。
つまり好みと違う録り方をされても苦労が水の泡になり難く、自分達で音響調整が不可なコンテスト出場時等に大差が出る可能性があるんだ。

要は仮に魅力度で欧に劣ってても逞しい音と言え、逆境に対する耐性にかなり差があるって事なんすよ。
それ故運良く大型新人としてスカウトされ最初から好環境が約束されてるなら未だしも、他人から認めて貰う迄の時期にどっちをより参考にしたかの影響が必ず出るん。

無論折角良いムードになってるのを真似ない手は無いが、魅力の裏に潜む弱点迄わざわざ真似したら損だと言いたいのよ。
そんな状況があったせいか米欧夫々の成功者に目を向けると、米の割には欧っぽい奴等や欧の割に米っぽい連中が少なくともかつては台頭してた傾向があるだすよ。

-続く-

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