音楽備忘録1963 楽器音色一般のイメージと実際の違い➓
続けてDrumsetの今度は太鼓に進ぬが、杜撰大王の着眼点は胴鳴りざんす。
近年は漸く最先端の杜撰君!?に世間が追い付いて来た様で、バスドラとSnareに関してはそれ用のMicが構えられつつある。
実際Snareについては俺も過去作に含まれてた中域を欲しがってるが、本来最も必要なのは両面張りのTom類の筈なんだよ。
単純に考えてそうしなきゃ片面張り(メロタムやロートタム等)との区別が曖昧化して、わざわざ選択した意味が薄れるやんか。(裏皮があると表皮の反応にも幾ばくか相違は現れるが)
確かに明瞭度だけを最優先させたら分離度は高い程良いんだが、直で生耳で聴いてる時ゃホントは必ず「共鳴音」が含まれてんの。
では何故録音で同等のバランスにすると音像がぼやけるかったら、2次元で収音してるからだ。
そもそも胴鳴りは皮の方向へはあまり出てない上、皮の爆音にマスキングされている。
多数派状況では一旦壁へ向かって跳ね返って来たのを耳にしてるケースが多く、前回迄述Cymbalと同様空間合成後のをTomの音色として認識しとん。
勿論他のだって音色形成メカニズムは一緒だが、Snareはピッチの高さが・バスドラだけ裏皮にしても観客の方を一応向いている。
尤もSnareでもスナッピー(響線)に関してはTomと近似で、特にハードヒッターの場合打面皮の音が通常より大きくなるんで上からだけの収音だとしばしば不足する事がある。
の対策過去例でRingoは裏にもMicを追設、BONZOは生でも不足気味だから盛大にスネアワイアの本数を増量してたよね。
但しそんなのは彼等みたいな非常識ハードヒッターしか適用せず、そうなり易い原因に日本とは床と演奏会場の残響特性の違いがあるん。
打楽器もDrumsetみたいになると多少は響かない場所も考慮されてるものの、基本的には響いて反響がある前提で作られている。
これは生楽器の宿命で、それ故諸事情からデッドな場所で録るとその時点で生とは違っちまってるんだ。
真のマルチ収音を目指すには太鼓やCymbal夫々個別に、必要なだけMicの本数を奢るべきなんだけどね。
実際生ピやDrumsetではせめてものお情けで、アンビエントを追加してるのがあるわな。
けれど根本的には所望最適音色になる場所をその都度選ぶしかなく、従って絶妙なOff Mic収録された名演作品以外厳密には嘘の音でしかないん。
音色に一定以上の腕がある奏者って、だから大抵は録音作品より最低ワンランクは上の垂涎な音色を現場では出してんすよ。
とは言え現実は厳しく大抵は理想と程遠いんだが、だからこそせめて生耳聴き時の印象だけはなるべく堅持する様にせんとね。
面白きゃ何でも良いっつうのも分かりはするが、本当にそうなら今時はリアルタイムライトさえしといたらバーチャル音源とかでも同じっすよ。
飽く迄「○○さんが叩いた音」の範囲で捏ね繰り回すのが必要で、そうしてこそ「風変りなサウンドの○○さんのドラム」となる訳さね。
今劣化本邦では未だ唯体裁を整えるのにばかり躍起になってるが、その操作をしてる連中は恐らく真の達人の生演奏を聴いた事がないんじゃないか…とつい疑っちまう。
=つづく=
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