音楽備忘録1908 映画・TV等への専門家が作った音楽⑳
この手の作曲家は相手が映像なだけに音だけの程量産出来ず、大抵は何か別分野との兼業状態にある。
米の先頭で提示したBarry WhiteはMoodsoulやイージーリスニングだったが、本日の生贄は更にこっち寄りなPopsざんす。
しかもその人’63年から’73年に掛けてPopsで大ヒット作を連発してたもんだから、この方面から眺めてると意外と選から洩れ易いんだ。
時の流れって残酷なもんで間違い無く巨匠なBurt Bacharach(バート・バカラック)が、近年では殆ど語られなくなったのは誠に遺憾で御座居ますぅだ。
彼ので最も有名なのは恐らく映画「明日に向って撃て!」(原題:Butch Cassidy and the Sundance Kid)の主題歌、「雨にぬれても」(原題:Raindrops Keep Fallin' on My Head)だろう。
流石に令和の若者ともなれば未聴な人も居そうだが、元来はBeatlesの有名曲と同等な位のスタンダードでっせ。
古い方では’61年SoulのThe ShirellesはBaby It’s Youなんてのを作曲してて、杜撰君世代ではBeatlesのカバーで親しんだもんだ。
彼の真骨頂はその流麗なムードにあったが決して甘ったるいのばかりじゃなく、仏等の欧州系より更にシンプルなのが特徴かな。
同じレジェンドメロディメーカーでも失礼乍らNeil Sedakaなんかが甘口オンリーで、私的には敬愛こそしてるんだけどさ。
Rock屋にとっちゃ取り入れ可能な範囲が一寸狭く、そんな観点からも誰でも一度は触れておくべき存在なんじゃないかな。
ってのも上記シンプルっつうのがコードや進行その他で、前衛みたいな奇抜な事を殆どしてないんだよ。
如何にレアコード(進行・展開含む)好きの杜撰大王だって、Rockの枠内に収めようとしたら俺言い「攻めたJazz」程小細工は出来ませぬ。
聴者側では理解困難でダイレクトに感性に訴え難くなるし、何より小編成Guitar Bandだと鍵盤とかオケみたいに凝った和声を奏でる限界が低いかんね。
その点彼のって程度に個人差があれど即座に共感出来るのが多く、それでいてもし作れと命じられたら七転八倒する様なののオンパレードなんよ。
ので一般リスナーなら心地良い名曲で片付けて無問題だが、多少なりとも創作に携わってたらそこを見逃しちゃアカンがな。
まあ確かに唯のPopsとは一味異なるジャンルのを演ってると、自然に聴けるのより何か尖ってたり引掛りのある方へつい興味が偏るのは仕方無いんだけどさ。
けど仮に偏狭を目指したとしても少しは「普通の箇所」を残しとかんと、何処がどんだけ風変りなのかが分かり難くなっちまうだよ。
のでⅡで結局は普通の箇所(に聴こえる)へどんだけ独自性を付与出来るかが腕の見せ所で、そんな点で恐らく彼こそがキングなんじゃないかな。
=つづく=
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