音楽備忘録1932 過小評価で忘れられつつある人々Ⅱ③
今回は例のBaker Gurvitz Armyで、語り残したそこでのGinger Bakerについてざんす。
このBandもしGinger Bakerが居なかったらもっと埋もれてた可能性は拭えないが、純粋に好みに合致する人にはもっとウケてたかも知れない。
残りの2人兄Paul弟AdrianのGurvitzの内、ヒット曲にしても後の弟の成功と比べたら売れたのは無い。
けれど音楽的冒険は中々にして意外にPopな歌曲が多かったり、全員腕達者でメンバーのバランスは絶妙だったりする。
まあ一般的にはそれより「Rockの」Ginger Baker、が堪能出来る割と数少ないのだったりの方が興味の対象になるだろうけど。
のでこっちの具体面に言及すると、先ず言えるのは今劣化本邦での一般想像よりかなりタイトで正確な演奏をしてる処だ。
彼自身はアフターCreamで多分そんなに腕前を上げたりゃしてないんだろうが、あっちは概述の通りJazz Bandだそうだからね。
Claptonが何時も通りで全員ラウドに演ったからHard Rockの先祖的扱いをされてて、そのお陰でRockへJazzのまんまの人が入ってる様に勘違いされがちらしいね。
って杜撰君自身もこの件では長らく怪しい口だったが、欧米での評価からしたら少し変だとは前々から察してたん。
特に大損したのがCreamの録音音質で、あんなじゃ実際のパワー感がちゃんとは伝わる訳が無いよ。
リマスター等されたのではどうなってるか知らないけど、元のではたったのアルバム1枚以外はRock系の普通の音じゃなかったからさぁ。
又フレージングにしても曲やコンセプトに合わなかったから古臭いのばっかだっただけで、こっちを聴けば全然時代に遅れてなんかなかったのが良く分かる。
ってかご自慢のアフリカンテイストはこっちでも健在だがその比率がかなり違ってて、普通にやたら上手い上にあの独自性を兼ね備えてたのが良く分かる。
のからすると彼の欧米評にはどうやらアフターCreamのも入ってる感じで、その後のも耳にしてたかどうかで日本とは評が割れた気がするねえ。
それ以上に興味深かったのが曲調で、これを聴く以前はてっきりJack Bruceの趣味だと思ってた幾つかがGingerか共通のだった事。
のがBGAでは作曲者としてのクレジットが明記されてる処からも伺え、売れるかどうかは別として世間が思ってるより「Drumを叩くのが上手いだけの人」じゃ無かったのもね。
演奏だけ上手な人が悪い訳じゃ無いけど、作れる位曲に明るくないと本当の名演をするのは難しいんすよ。
この辺大編成が常態のと違って、小編成ポピュラー系アンサンブルでは独立した編曲者は不在の方が多いからね。
中にはそんな能力を隠すか表に出す機会の無いのが居るだけで、名演は音楽力に含まれるもんだからすよ。
野球の打者で守備時は捕手や投手の方が読みでは有利なのと同様で、更にポピュラー音楽では超絶技巧より適切なフレージングの比重が増えるから尚更なんだ。
この側面でも国内外では認識差があるみたいで、向こうの人からしたらこんなのが極当たり前になってるのかな。
決して万人ウケしたり売れそうな感じでは無いけど特別ニッチなんかじゃ無く、そんなのも再認識させられる様な全3アルバムですわ。
-続く-
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