音楽備忘録1879 人力生演奏のススメ➊
以前から打込みの方法が進化しないならで述べて来たが、今回はある曲を聴いてまざまざと感じたのの件だ。
思っていたより遥かに躍動感に溢れてて、思っていたより遥かにRock色が強く時代の先端を行ってたんだ。
のは訊いてズッコケないでおくんなまし、科学忍者隊ガッチャマンのOPだ。
歌はFunkyな子門真人だからまだ分かるとして、作曲が小林亜星なのにどうしてああなったかは今の感覚だと一寸不思議。
日本でも’70年代の子供向けは斬新さや当時の最先端流行がふんだんに取り入れられてたんだが、その頃普段はAl Green等の黒系やGlam・Hard系等を愛聴してたもんだから取り立てて気にはならなかった。
大人向け王道作品だとそこ迄じゃなかったのは、もしコケたら困るから大胆な冒険がし辛かったのかな。
ってのも事後検証で炙り出されただけで、リアルタイムでは単に好き嫌いやカッコ良い悪いだのだけだったんだけどね。
そもそもたまたまその頃子供だったから身近だっただけで、今のアニソンヲタみたいなのは俺には欠片も無かったん。
何れにせよ上記の様な傾向・背景があった様なんで、当時のアニソンや子供向けは比較すれば元気なのとか挑戦的なのが多くはあった。
が録音やアンサンブルの編成等欧米比では明らかに古臭かったし、サウンドの個性・独自性でも劣るっつうか時代遅れな部分があったのは確かだった。
私的なその嚆矢はDrumサウンドで、例えばローピッチやハードミュートされたSnare等が用いられるのはもっとずっと後になってからだ。
Guitarにしてもワウペダルのチャカポコなんかは大流行で入ってるが、肝心の歪みは殆どがFuzz系依存で明確にAmpをOverdriveさせてたのはこの系統だと記憶に無い。
のに久々で耳にして一体何処にノックアウトを喰らったかったら、リズム・スピード感・躍動感でかなり秀でてたんすよ。
サウンドだって時代性を無視したらそんなに悪かねえんだが、アンサンブルの熱気(それは主にノリにハッキリ現れてる)が現代作品だと到底比肩するのが見つからなかったんだよ。
正味な話し演奏の緻密さや精度では明らかに今に劣ってるけど、それだけが音楽・曲の優劣を付けるもんじゃないしトータルで魅力的か否かってったらさ。
繊細なBallade等なら未だしも、この手のは幾ら緻密・正確でもついつられる様な勢いが無かったら駄目じゃんか。
要するに少なくとも杜撰君内では欠点を魅力が遥かに上回ってて、それが曲や作品の好評価に直結してたんだよ。
今時分だとバーチャルゲーム等の方が身近な人も増えたんで、ニーズとしては生の躍動感はそんなに求められてないかも知れないけどねえ。
だが同じ編曲同じフレーズだったら、この曲程度になると打込みじゃどう頑張ってもここ迄には出来ないんだよ。
処がそもそも生躍動感の典型的実演に触れた経験が無いと、「何処迄盛り上がれるか」の限界点も分からない。
かく語る杜撰君でさえちゃんと聴くのは久々にして、あれこんなにイケイケだったかなあと思った始末で。
奏者の立場にある者が欠点極小化方向へだけ耳を傾けてると、偶然でもここ迄は多分演れない。
流石に普段の録音技師やプロデューサはそうは行けないが、彼等は彼等で魅力の創出は作者・奏者程には実行出来ない。
今劣化本邦の現況って差し詰め遅球投手と剛速球捕手のコンビみたいなもんで、やるべき仕事があべこべになっちゃってんじゃない?。
-続く-
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