音楽備忘録1867 メカニクス的に低難度だが感覚的に高難度な奏法への不等蔑視問題➐
続いては鍵盤でのメカ低感高奏法だが、これは鍵盤自体の種類で大別2分して考えなきゃなんない。
近年は無駄にピアノタッチのばかりが横行してる様だけど、恐らくモノフォニックSynthe等で考案された技を使えないか失念されてるからだ。
そこへ至る途中経過では杜撰君等世代でペコ鍵から始めて、生ピになると途端に下手になる奴が居たからなのかな。
因みに「ペコ鍵」とは40年前に仲間だった当時現役の音大生が、その頃の廉価版エレクトーンや電子鍵盤楽器等の手応えの無いのをそう呼んでたん。
そんな状況からピアノ鍵盤でちゃんと弾けてこそなんて考えが生じ、実家にも当時借りてた部屋にも生ピの無かった自分に内心は少々劣等感なんか持ってたっけ。
のが所詮パートタイムでも鍵盤奏者歴が深くなってくと、↑は全く同じ技しか使わないならの限定的なもんだったんだ。
最初にその片鱗が見えたのがアナログ古典モノSyntheで、単音しか発音出来ないが故の独特な反応が持たせてあってね。
わ何かの事情で偶発的に2鍵が押された際、設計や設定次第で優先権を与えてあったんだ。
これを過去の達人は魔用して、片方を押鍵したままにしてもう片方をチョンチョン突くと…。
真面目に2本の指を交互動作させた時より、大部速いトレモロ表現が可能だとね。
今Syntheったら主流がポリフォニックなんで、付加表現手段としてはホイールやジョイスティック・アフタータッチ等にしか気が行かなくなってけどよぉ。
それだって巧く活用すれば有効ではあるけど、デジタルEffectの大発展した今では録った後の加工でもまあまあ賄える。
がほぼ忘れ去られた↑は実楽器でしかほぼ不可能だし、その知見と一定以上の訓練を経てないと演れないんだよ。
元ネタは恐らくアコーディオン等、タッチが軽く動作が迅速な楽器で開発された技なんだろうけどね。
過去述Hammondのパーカッシブ奏法と共に、近年はピアノ系ばかりでもう一方の雄オルガン系由来の技がほぼ死滅してるんだ。
何時迄もそんなじゃ鍵盤の人だけ、自らテクを半減させてるんだから勿体無いし損じゃねっと。
Synthe系等では杜撰君も含めつい新音色ばかりに気を取られるが、他のじゃ演れない技を捨てたり忘れたりしてちゃそりゃ王様の生ピに一矢を報いるのすら無理だよな。
実用上のニーズはそんなに多くないかも知れんが、安易に固有の特権を放棄したってしゃーないんとちゃうか。
それともう1つ考えとくべきが「両手で弾けない場合」で、ブレスコントローラがほぼ絶滅した今ホイ・ジョイを扱える手が空いてない時は何も小細工が出来なくなってるぞ。
片手だけで両方操作しようにもエレキGuitarのアームみたいに、常時弾く手の場所近くにホイ・ジョイ君があるでも着いて来る訳でもないからねえ。
以前にも吠えたと思うけどこう云う固有の奏法をマスターしてて自在に操れる人が、一定数を超えないからその楽器専門の奏者と呼ばれなかったり認識して貰えないんだよ。
新規奏法開発の余地がほぼ無くなってる生ピ由来の技にだけ頼ってちゃ、図抜けて上手な人以外もう打込みでいいやと他パートから思われても仕方無いんじゃない。
-続く-
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