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2024年9月14日 (土)

音楽備忘録1855 メカニクス的に低難度だが感覚的に高難度な奏法への不等蔑視問題➍

お次は話の流れから既にチラホラと出てた、Drum系でのこの奏法についてざんす。
私感ではポピュラー系のこれが最も衰退が著しく、こんなならホントもう機械で良いやとつい思わされるだよ。

さてこの件論じるにあたり先ずは一般認識の誤解を正すべく、細やかなポピュラー系でのDrum系の音・フレーズの効果をおさらいしてくべ。
杜撰流端的表現をするなら「未だJazzの亡霊に憑りつかれてる」ってなもんで、Jazz全盛時にやたらと使用されたもんだからーだ。

実際にはJazzでも超売れ線の歌物ではそこそこ控え目だったりしてたんだけど、過去述「難解だったらJazz」なんて印象を植え付け過ぎたのが不味かったか。
これには主に2つの原因が考えられ1つはエゴ、2つ目は基本リズムパターンに関する当時の認識だ。

前者は常に出没るもんなんで割愛するとして、後者実は今より大抵は簡単なのしか基本パターンとは思ってなかったんだ。
それ故他楽器やアンサンブルの事情もあって、基本パターンだけ演ってたんじゃどうにも間が持たなくて困ったらしい。

持続音系の楽器以外は’70に入る位迄は、今みたいに自由になんか伸ばせなかったし。
でも基本パターンはシンプルじゃなきゃ…となれば、隠し味→ゴーストノート的存在のフル活用となったと。

してこれにも明確な理由がかつては存在してて、ハッキリ聴き取れる音が今より格段に少なかったからなんよ。
そんな状況を散々苦労の挙句折角解消したのに、今劣化本邦じゃ平均高音圧化だのでフォルテもピアノも音色がほんの少し違うだけにしか録れなくなりやがってけつからに。(実際は録った後の超加工だが)

そんなじゃゴーストも実像化しちまうから、鳴らす鳴らさないを兎に角ハッキリしろとなって何の為に生身の職人が叩いてるのか分からん末期状態に…。
抑えて抑えてっとあのですなぁ上記にある様に、実は単純なパターンでこそこの手の小技はとっても重要な役割が出て来るんすよ。

当然そんなに頻繁に使うとは限らんのだが、比喩るなら軍服の階級章みたいなもんなんだよ。
旧日本軍なら階級が上がるにつれ、段々と☆や線の数が増えて行く。

流石に元帥・上級将校クラスになると軍服自体が異なったりもするけど、敵に対して誰が親分で何処に居るか分かり易過ぎたら防諜上ヤベーやん。
そこで音楽でも主役の邪魔を一切せずに微妙に雰囲気を変えるとか、元々は色々するのに編み出された技だったん。

突飛な例えだが「咲いた咲いたチューリップの花が」と演るとして、メロから何から基本パターンは極単純でそこへ下手に何か追加したらもう駄目だ。
仮に許容されるとしたらド演歌の大御所に歌わせたら、ついコブシが付いちゃった程度でしょうよ。

しかもそうなっちゃってたら子供や若者には、古臭と笑われて今一ウケねえなんてさ。
すべからくポピュラー系では複雑化する様なのはご法度で、弄れるのは伴奏とか主旋律等に影響しない箇所に絞られるの。

それ故聴き味がシンプルなものに程量こそ多くなくても、ホントは小技って欠かせない要素になるんだけどねえ。
特に日本の同調好きと今の猛烈な承認欲求を同時に満たすには、それこそお誂え向きだしこんなのしか無いと思うんだけどなぁ。

-続く-

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