音楽備忘録1841 J-POPでの無駄な苛烈サウンドに異議あり⓮
何でもやり過ぎなのを指摘するのがクドい杜撰大王とは皮肉でしかないが、未だに俺言い「これで足りてるか不安症候群」は自身も完全寛解には程遠い。
だからこんな老害でも気持ちだけは誰より知ってる自負があって、しかしどうやら主に2つの原因があるらしい。
その1は古い世代だとリアル人力音源の音が基準になってるせいで、Line録り以降デジタル音源も含め音の存在感に脆弱性を感じる処から始まっている。
旧来の録音ではほぼ必ずMicを使用してたんで、どんなにOnセッティングにしようと背景雑音を完全に無くす事は出来なかった。
その頃は他の録音関連機器も低性能だったから、もっと欲しい音だけクッキリ録れんもんかと何時も思ってた。
のがいざ可能になってみればクリアになったは良いが、どうもアッサリし過ぎてて何か物足りなく感じられたんよ。
のは意識外にあっても空間の残響音等も含めたのを「○○のサウンド」と認識してるからで、それは今でも楽器に疎い人だと姿で視認出来ないと何の音だか分からない時も少なくないだしょ。
私感では1980年頃がこの新懸案の発生境界で、レジェンドの模倣をしようにも金満プロじゃないと例えばデジリバを使えなかったのも一因してんのよ。
Line録りでもトランス入りダイレクトボックス等が同様で、昔からのスタンダードなAmpでは最低1回はトランスを経由してからの音だかんね。
確かに純音響的には省けた方が何かと有利なんだけど、あまりに経路が異なると楽器の音色形成を構成してる要素迄道連れでレスになるだよ。
かと言って何でもノイズ迄拾っといたんじゃ曇って濁ってでアカンしで、実は背景音の最適含有量は物凄くシビアで微妙なバランスを要求されるもんだったんだ。
録り場所が自由に選べない+あってもポンコツなデジリバで、尚且つ大抵は当然Mixで匠の技も持ってねえと来りゃそりゃあんまり上手く行く訳ゃねえっての。
ので却ってローテクで旧式な録音方法にした方がまだマシになる確率が高いんだが、自分達だけ望んでもないのに古臭い音じゃやだもんねえ。
ほいでアイテムやツールは兎に角揃えてみるんだが、昭和のサラリーマン父ちゃんの無駄に多いゴルフ用品みたいな事に。
母ちゃんにはほぼ例外なく叱られるが、それでも趣味だったら家庭内案件で収まるからまだ良いんだ。
素人相手でこれといった実績の無い録音屋がお客にアピールするには、一通り揃ってる方が安心感はあるでしょ。
けど同傾向になれば「高級な素人」は凌駕出来ても、「低級なプロ」にすらなれなくなるコースなんすよ。
一応頭じゃ分かっててもお客に来て貰わん事には商売が成り立たないからか、段々このウイルスみたいな奴が高級なプロの方まで感染してっちゃったのかな。
要するに木乃伊取りが木乃伊になるみたいなもんで、段々無垢な素人の時の感性を忘れてっちゃうんだ。
更に良くないのがそんな連中普段は仕事上で、ホントのズブの素人とは接点がねえべ。
そうしてる内にトウシロウは余計な口出すんじゃねえとなって、自分達の方がイカレてるのがもう分かんなくなる。
でその傾向が今劣化本邦でだけ強く出るのも、赤信号皆で渡れば怖くないなんて言葉が出る国だからなぁ。
=つづく=
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