音楽備忘録1816 楽器業界の行く末⑭
更なる大回りで大企業の劣化について語るが、一般庶民は「無くなったら困りそう」ロジックで騙されてんだ。
実際アフターサービスやメンテ等で「居なくなる恐怖」は確かだが、それが猛威を振るうのは「居る限りは面倒を見てくれる」って前提があったらずら。
この件で杜撰大王が悲哀を感じたのが家庭用ガスエアコンで、発売元の東京ガスが勝手に家庭用から撤退した件だ。
先方としては思った程売れなかったからだろうが、補修部品を強制的に途絶させたのは顧客切り捨てだ。
エネルギー源がガスの特殊性から安全認証を与えられる処が限られ、それを破棄すると挑戦したい者が現れても不可になる。
歴史や発展途上国の様子を俯瞰すると好景気なら廉価な新品に集中するが、不景気或は貧困時は本来「修理業」や「中古ディーラー」が活性化してるんだ。
修理業は半専門だからその内実を晒しとけば何処かを新品部品に交換すると、手間賃の他に部品レベルではプチ新品販売をしてるんすよ。
現代では部品交換を伴わない修理っつうのは稀なんで世間が修理を選択肢に含めれば、交換部品の新製と販売だけでも活性化するんすよ。
新品(価額100%)が誰も買えない→中古(価額50%)でも無理な人が多くなれば、それ以下の出費になる部品単位や修理等の選択肢を設定しなきゃお終いだ。
現在は大企業であってもほぼ例外無く草創期には超零細で、大きくなって潰れ難くなる(本人達だけのつもり)より前迄は↑もしっかり用意されてたんだよ。
それこそが全顧客を相手に出来た大企業の誇りってなもんで、弱小の内は購買対象を絞らざるを得なかったんだから。
尚且つ自社の名声をくまなく行き渡らせるには、大富豪でも乞食でも買った経験がある位にすると万人から等距離の存在感が初めて獲得可能になる。
その為には性善説の有無強弱に拘らず、システム的に大手の悪さには厳しくしとかなきゃ駄目なんだ。
自社にはニーズの無くなった儲からない部品でも赤字にさえならなかったら、それで取引相手に多大な貢献があるなら安易に廃盤なんかにしたらド阿呆や。
直接は儲からんったって皆が潤えば、タイムラグこそあっても将来自社の高額商品の顧客増に繋がるんだよ。(信頼の一部)
そして一番重要なのは何等かの社会情勢急変でピンチに陥った時で、例えば非スポーティーな軽自動車で¥200万〜なんて言ったら誰が買うかっての。(恐ろしい事にそれが今の現実!!!)
オイラの車の価格感覚なんて今は確かに形骸化してるだろうけど、60年一寸の人生で50年間はそれがずっと通用してたのは紛れもない事実だ。
それでもせめて段違いに便利になったとか高性能になったならまだ一考の余地もあろうが、実用上の実質価値が大して変わらずこんなじゃ誰が納得するかっての。
ほいでこれ等の現象でダメージが多大なのは弱小・零細で、楽器は産業界の中では世界一のYAMAHAですら超零細なんすよ。
量産車が月1,000台だったら何処からどう見ても販売不振だが、Pianoだからって100台で売れたなんてのは工業的量産の原理からは逸脱してるん。
-続く-
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