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2024年7月29日 (月)

音楽備忘録1809 J-POPでの無駄な苛烈サウンドに異議あり➏

続きの前にマメ知識として前回プチ補遺から行っとくが、メディア自体の持ってる音質を大体誰もが享受可能になったのは大凡2000年代以降ざんす。
こればかりはデジタル普及の恩恵で、必ずしも最高じゃないがかつての様な不味いのが無くなったコンビニスイーツ普及みたいなもんだ。

さてそうなったらもう事前盛りは不要化した筈なんだが、今劣化本邦固有の弱点がコイツをほぼ全否定しちゃったんだよ。
を紐解くには日本固有の音響技師史があって、折角漕ぎ着けたグローバル化寸前で前より酷いガラパゴスへ。(´Д`)ハァ…

前回迄に1980年頃に一部で完全に海外に追いついたアーティストが居たのを綴ったが、それ等の多くが録音は海外で日本人音響技師で追付けた者は更に少数だったんだ。
しかもそんな人達は「プロ中のヲタ」と云った立場に居て、メジャー大手系に所属してるのなんか皆無どしたわ。

そうなると日本の悪習慣「出る杭は打たれる」が効果発揮しちまって、音クウォリティ的には全く馬鹿な話しだがレベルの低い方をスタンダードにしやがった。
でそんな本来ならプロレベルに不足のある連中が中心になると、数少ない自身の成功体験だけにしがみ付いてのぉ。

不要となった高域事前盛りを存置しちゃって、そうこうする内メジャー所属技師の大多数は軽度の難聴になってんじゃね。
正常でニュートラルな感覚では絶対おかしいのが、幾ら金儲けのタネでも何時も平気で許せるにはさ。

差し詰め熱湯風呂を言い湯加減だって感じてる様なもんで、もう少し規模の大きい業界だったら絶対誰かが異議を唱える処だよ。
がデジタル普及では最先進国だったもんだから、寧ろ相対的な規模は大巾に縮小してんだ。

今正規のプロ録音現場では2人居れば手に負えるが、かつてはもっと人が大勢じゃなきゃ全然現場は機能しなかったんだ。
それ故ウチみたいなほぼワンオペじゃ大変なばかりか、仕事の絶対数をちっとも増やせなかったんだから。

アナログオンリー時代との決定的な差は、日常のメンテや調整で御座居ましてね。
それ処か超重要な録音では新品のテープすら、品質が信用し切れんからお試しが必要でさ。

結果録音の全貌は概念だけに留まってても、何かに特化したアシスタントが多量に必要だったんだ。
結果Ⅱで各自の所持スキルは限定的でも、ゴール地点を間違える様な奴は先ず居なかったん。

のに対し今劣化本邦じゃスキルは大体全部持ってんのに、まあ何と枠外へシュートするアホの多い事か。
と同時に過去の個別スキル持ちが多かった頃は、担当分野以外は理屈より感性(聴こえた感じ)を優先するしか無かったんだ。

が却ってそれこそが適切で、聴者の大多数は理屈なんか知ったこっちゃないんだからね。
そこへ持って来て過去を知らない
聴き専の弱点が、与えられた物に対しての判定しか出来ない処だからねぇ。

=つづく=

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