音楽備忘録1805 J-POPでの無駄な苛烈サウンドに異議あり➎
失敗は成功の基じゃないが今は劣化本邦と化し歩調を共にしたJ-POPだって、先祖のニューミュージックと呼ばれてた頃はこんなに酷くは無かったんだ。
尤も私感では既に凋落の予感はあったんだが、その頃から徐々に音楽には馴染まない経済理論が侵入して来たんだよ。
取敢えずサウンド面の変遷から参るが、中低域を犠牲にしても高音忖度が始まったん。
当時音響的にはアナログオンリー末期だったのと相まって、再生機器の性能が一寸足りないとすぐに音が籠っちゃっててね。
その程度が今のデジタルと比べたら極端で、漸次高音質化してても実際の庶民聴取環境ではまだその恩恵に浴せてないケースが多かったんよ。
オーディオヲタ等で高級機を持ってる人と、大型ラジカセかそれに毛の生えた位のミニコンポを持ってる人じゃね。
実はラジカセでも少し良いのだと廉価盤ミニコンポよりスピーカが良かったんだが、カセットでは高価なハイグレードテープを使わんとそのせいでもう俺言いお籠りさん。(FMではお好みが何時掛かるか掛かんないか分からない)
片や廉価ミニコは折角レコードが掛けられても↑の通りスピーカをケチったせいで、是又結局お籠りさん。
具体的な割合はよくは分かんないけど、多分7:3位で多数派はメディア自体の持ってた真の音質では聴けてなかったんだ。
ほいでココからが重要なんだがその頃以前の録音では職人気質が強烈っつうか、実聴取環境より現場でのクウォリティ一択でさ。
技術レベル等の障害で中々理想の音には出来なかったんで、そっちに全振りされてたんすよ。
ので今聴けばその頃の方が高音質なんだが、当時はそれじゃ庶民は数年前の作品から音的進歩に全くあやかれない。
のでⅡで当時の実聴取「平均環境」に事前補填するのを企図し出し、「後で削れる前提」で高域の増し盛りが始まったん。
厳密には違うが当時の機器やメディア毎の差は主に高域だけで、中低域はどれでもそんなに酷くは劣化してなかったから。
故に最大公約数的に皆に同じ様に聴こえるのを狙うと、好環境にある人には聴く際削って貰うとして事前盛りしとく方を選んだんだ。
がこの時点で専門家の無知ってか特有感覚が災いして、メディアに「余計だったら削ってね」の但し書きを知る限りでは誰一人しなかったんだよ。
専門家にとっちゃ至極当然の環境適化調整も、素人は良く分からんから下手に弄って悪化させてもと思ってあんま積極的にはなれないのにさ。
又一方で一旦出した高域を控えるのはとても勇気の要るもんで、前の作品より籠った≒音質的に逆行と誤解されちゃ敵わんからね。
そんな処から勝てる可能性より絶対負けはしない方に気持ちが偏って、何時しか高音過多に皆が鈍感化してっちゃったんだよ。
極一部定評の揺ぎ無いレジェンド以外、誰もが間違った偏った方向へ歩み出しちゃったんだ。
=つづく=
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