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2024年7月28日 (日)

音楽備忘録1808 楽器業界の行く末⑫

前回の流れを引き継ぎつつ今回は全体に纏わる話しで、過去には数度少し流行ったキットや組立式の件ざんす。
その都度直接のキッカケは違えど、共通するのは新品完成品が少し買い辛い状況があった気がする。

手前味噌体験ではRoland(BOSS)が立ち上げたキット専門ブランド、AMEDEKのお世話になった事がある。
電気屋観点では大したカスタマイズが出来た訳じゃ無かったけど、組立工賃分位低目の価格設定だったのと少しは選択の余地があった。

当時は今みたいな取敢えず全てが賄えるオールインワンタイプのEffectorはほぼ未登場なのもあり、貧には救いの選択肢のひとつだったよ。
って何で唐突にオール君なんて持出したかってば、実は量販品なら究極的には全部盛りの完成品の方が低廉に作れるのよ。

ユーザーにとっちゃ不要部分が付いて来るからその点コスパに無駄があるが、売る方にしてみりゃどれが欲しい人でも皆同じのを買ってくれる。
例えばPheserだけで月販1万台とかになるなら良いが、そこ迄売れないと作り手側は量産効果のご利益に幾らもあやかれないんだ。

そこで屁理屈で1台¥5,000で5台より1台¥2万するが、前者全部より-¥5,000だからお得でっせなんてね。
嘘じゃないけど購入者の個別ニーズや懐具合は半ば無視した発想で、自身に都合の良い方に持って行ってる訳だ。

まあ商売の原理としちゃもし欲しい奴が居りゃ、どんな法外価格も一応正当化されるんで罪にはならないんだけどさ。
けどこんなに皆が貧しくなって来っと、単価が購入判断の全てになるんだよねえ。

安全対策・公害対策等があるから高額になっても仕方無いとは言え、自動車メーカはこの不景気にあんな高いのばっか出しといて売行きがもへったくれもあったもんじゃねえ。
それと比べりゃ音楽産業は安全性の枷も少ないんだから、ホントはやろうと思えば小物を出すのは困難じゃないんだがねえ。

杜撰大王的見地としては楽器・音楽ツールとしてのデジタルの扱いに未だ慣れられず、ニーズが違う他分野の模倣に終始してる気がするな。
デジタル機器で最も身近なスマホ等は、過去比では飛躍的な低価格化が達成された。(最高値も更新してるが…)

極度にニーズが多くて↑が加われば爆発的量販も夢じゃないが、こっちはどんなにバズったって桁が全然小さくしかならんのよ。
かつて人件費が安かった頃は数千台程度でも量産効果が得られたか知らんが、量産効果の出る数量自体の桁が今は変容してるんだ。

つまりもっと多くないと当て嵌まらなくなって来てて、多くの製造業で高度成長期の量産→ボロ儲けの夢がとっくに覚めちまった事実を認めるしかないんだな。
とは言え社会構造が変化してたり、悪政もあって町工場・中小企業を世間が舐め切ってるから弊害が増えちまってる。

が個人でのネット販売等は昔には無かった方法だし、そっちはこれからが多分全盛期。
中国の経済的台頭で特に国の息が掛かってない連中は、評判は微妙だが殆どは↑の手で業績を伸ばしてる
んだから。

-続く-

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