音楽備忘録1811 過小評価で忘れられつつある人々㉖
本日紹介する人はかなりニッチなのをお断りした上で、米のSongwriter・Guitarist・SingerのLes Dudekだ。
杜撰大王が興味を持ったキッカケは、Duane没直後The Allman Brothers BandのアルバムでイカシたSlide Guitarを弾いてたからだった。
但しこの段階では特に注目して居らず、後にAOR路線へ移行して大当たりしたBoz Scaggsのアルバムでもその名を見掛けちょっち驚かされたんだ。
オールマンからボズのアルバムには3年が経過してるとは言え、田舎根性丸出しのからいきなりスマートで都会的なのへだからねえ。
そこから米南部スタイルを基本とし乍らももしやオールマイティタイプなのかと思って、次はソロ名義のアルバムを聴いてみたんだ。
したっけ予想通り柔軟なスタイルとなってたのに加え声質の癖は強目だがかなり歌えるし、何よりも自作曲のレベルが結構高かったんだ。
ソロ1作目(’76)のBassが全部あのChuck Raineyなのも当時は白人の若造にしては珍しかったが、1年後の2作目には何とあのTony WilliamsとJeff PorcaroのTwin Drumsの曲も入ってるじゃあ~りませんか!!。
外野の感覚からするとあまりにも想定外な突飛な組合せなんで、暫くは目も耳も相当疑心暗鬼だったさね。
そりゃ確かに彼は既にオールマンズで経験はあったけどで、たまたま知人の付き合いでTonyの太鼓の音は今は無き新宿厚生年金会館で半分生のを聴いてたから間違いなさそうだし…。
後年はかなりメタルチックな要素が強まってるものの、相変らず結構Popで良質な歌物自作曲が入っててね。
Guitar自体の腕前は今の水準からすれば超絶って程じゃ無いが、Jeff Beck的な方向で色々斬新で挑戦的な事を演り続けてるよ。
又中々のテクニシャンなのに飽く迄曲ニーズ最優先な演奏で、Guitaristのソロアルバムの常識からすると緩急と抑制では一番かも知れないな。
そんな処から私感に過ぎないけど一般的には先ずGuitaristと書かれるのを、冒頭でSongwriterの方を先に記述する事にしたんだ。
令和の日本じゃほぼ無名に等しくなってるだろうし、元々こっちじゃ殆ど売れても無かったけどさ。
因みにオールマンズが一回こっきりになったのは何やら性格に難がとの噂も訊かれるが、その割に他のビッグネームとのコラボや参加が多かったのは恐らくこれが原因なんじゃないかな。
その意味で対極に位置したと思しきがJay Graydonで、確かに売り捲ったけど俺々主義の悪評も中々ですわ。
今となっては日本語Wikiには未記載なままだが、皆で分隔て無く作り上げたいチームではかつては共同作業者からは散々に愚痴られてたんだぜ。
わ兎も角若き頃から台頭した人ってどうしたって力が入るから、俺も含め大抵幾らかはそうなっちまう方が普通なんだ。
Les君だって何かしらはあったんだろうけど、その影響が最も「音には出てない人」として価値が高いと思ったんよ。
=つづく=
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