音楽備忘録1810 Rock時代の松田優作⑤
全く個人の想像でしかないんで異論あって当然と思って綴ってるが、彼のアクション映画や探偵物語で印象的だったHorn Sectionにも触れとこう。
西部劇とかチャンバラ時代劇なら兎も角、ダイナミックなアクションシーンには派手で豪勢なBrassは良く似合う。
だからアクションスターとしての松田優作で音楽ったら真っ先に思い浮かんでも納得で、それだけなら何処から眺めても王道だ。
が彼独自のとなると、特定する要素がとっても少ないんざます。
アクションシーンでのBrass常用の最初は、杜撰大王の記憶では米を中心としたスパイものじゃなかったかな。
小規模だとかガキ専用だったらもう他でもあったけど、充分な高級感とか大人味も求めたら当時の最適解は編成としてはJazz Big Bandの独壇場だ。
セリフが随時で出て来る劇伴に歌は邪魔になり勝ちなんで、可能ならインストで退屈せず様々な要素を込められるのが良いからね。
ほんでその手のは既にClassicのオケがあるにはあったが、米人にとっちゃそれにしちゃうと欧の時代劇臭がしちまう。(敢えて国際救助隊≒軍隊でサンダーバードでは伝統的軍楽隊っぽくしてた例外も…)
奇想天外なメカ(殆どは想像の産物だったが)も次々出て来る様な現代劇では、聴き馴染み過ぎたサウンドじゃ不似合いだしね。
実際宇宙ものの黎明期に今のSyntheは登場前だったからか、祖先のテルミンを使うのが常套手段だったりしたよ。(尤もかなり後年迄その変な音の正体を俺は知らなかったが💧)
Brassの使用の件に戻すと確かに良く使ってたんだけど、本命は楽器種じゃなく斬新で奇怪な編曲とか未登場の変態コード進行の方にあったんだ。
只そんなのを演り易いとなると単音楽器の集合体の方が断然有利で、尚且つ耳障りにならないフォルテを出せるのがBrassだっただけなんだ。
木管だって幾らでも強い音が出せるのもあるけど、そうするとヒステリックにもなっちゃうじゃん。
と持論の屁理屈を並べたが、それ故松田優作か例えばジャッキー・チェンかの区別はそこだけだったら殆どつけられねんですよ。
カンフーものったら音にも大抵は中華だしが入れられてるもんで、ブルース・リーの段階でビヴラートやベンドの掛かった4度和音が頻繁に付加されてたよね。
でSE(カンフー独特の奇声)とか以外は、主にノージャンルのフルオケ(Jazz Big Bandの延長系)やんか。
ってな事って一般の印象は全く否定なんかしないけど、意外な箇所に固有性を特定するのが潜んでたりするんすよ。
そしてこれは偶然かも知れないけど、Brassが近似でもBassが違うと時代が違って来る感じてね。(こう云うケースでBassがアコースティックかエレキかの影響はかなり大きい…んじゃないかな)
彼以前から多くあったのはBassがスマートで大人味、結果的に革ジャンとかよりピシっと決まったスーツの方がお似合いだ。
その辺りが主人公の年齢や立場にも繋がってて、音だけでも何か他のとは当時は一味違った新しさを感じたんだ。
-続く-
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