音楽備忘録1757 肉体的グルーヴ考➑
一説に依れば日本人は1拍子が得意とか拍子が無くても平気だそうだが、グルーヴを出したきゃそれでは苦しい。
グルーヴには「周期」が必要で、間に拍が入ってないと多様な表現はし辛くなるん。
頭拍については米黒人の間で有名な「One」ってのがあって、小節の頭拍がハッキリしてないと合奏するのが気楽じゃなくなっちゃうんだ。
気楽じゃないと乗るよりか、合わせる方に神経を取られるからねえ。
因みにこのOneは主に8Beatや16Beatでの事だから、他の表拍が3つとか7つあるんだ。
ので頭拍との差別化が可能で、2拍子以下だとこの技は使えない。
でそれをHi-Hatで演る時ロキュモーション(ダブルストローク)を使うと、一々意識しなくても勝手に強弱が付いてくれるんだ。
弦の場合はアップダウンとか使う指を指定して、例えば表は親指で裏は人差し指でなんて按配でさ。
前者は片手だが一種の往復動作・後者は二足歩行と近似で、人体には割と都合の良いやり方だ。
もしムカデみたいに足が沢山あったら数小節程度なら、次々に送り出す事も出来たんだけどね。
そしたら打込み並に安定して滑らかだろうけど、ある意味2つしかない弱点を長所に変換したのがグルーヴなんだよ。
でⅡで裏拍の存在しない1拍子やOneと表拍が被る2拍子では、こう云う芸当自体が不可になる。
因みにⅡで2拍子以下でもそれを仮想4以上と捉えれば可能になるが、それをすると今度は2拍子以下固有の特徴が薄まる。
わ兎も角これ等からグルーヴには往復動作が大きな鍵を握ってるんだが、かと言って必ずしもシングルストロークで演ったら駄目って訳でもない。
尤もその多くにはそれこそ裏があって、16Beatなのに殆どは表しか鳴らさないなんてのなんだ。
杜撰君に印象的だった例がAl Jackson Jr.のHi-Hatで、ダブルの時とシングルの時があったん。
最初は単に曲調やテンポの都合かと思ってたんだけど、自分でも叩いてみようとしたら真の理由が分かったんだ。
表面上はどっちも唯の8分音符のなんだが、シングルで演ってた方が実は曲が16Beatだったのよ。
杜撰大王ですから間抜けな話しかも知れんけど、全部表拍になるから余計な強弱等は付かない方が良いって訳。
勿論わざと曲のBeatより細かくとか大きくするケースもあるが、↑曲ではそうしといた方が他の箇所が断然叩き易かったよ。(っつうかダブルにしちゃぅと上手く叩けなかった)
そう云うのを除けば往復動作させてるのが多く、単に楽に奏でる他に強弱やグルーブの事情があったんだよ。
この件で分かり易いのが片手16Hi-Hatで、先ずシングルじゃ厳しいから打込んでみると良い。
元のにあったアダルトな雰囲気が消し飛んで、唯うるさいだけになるし大きなうねりみたいなのも無くなっちゃう。
のでかつてドラムマシンに打ち込む際は、面倒だけど裏拍の箇所を一々弱めたり音色を変えたりしてただよ。
尤もⅡで俺はグルーヴがあっても美味しいノリが出なきゃ満足しないが、それもグルーヴを得るのに大して苦労してない前提があっての事。
グルーヴ無くして良好なノリは得られず、グルーヴ獲得には往復動作がほぼ必須らしい。
=続く=
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