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2024年6月11日 (火)

音楽備忘録1761 肉体的グルーヴ考➒

人が醸し出すグルーヴでは往復動作が最初の鍵だが、それだけだと全タイプの網羅には一寸遠い。
第2の鍵があってそれは往復動作から回転への変換なんだが、元が往復由来なのがミソなんだ。

SLに乗ってて脈動を感じる事なんて先ず無いが、電車のモータみたいに牽引力が安定してはいないんだ。
幾ら回転に最高効率で変換してもムラが残り、視覚化するなら真円じゃなく楕円って感じでね。

けどその楕円が音楽では却って好都合で、前回述のOneの位置が容易に分かるんだ。
もしずっと真円だったら、どのタイミングが小節頭なのか見当も付けられへんやろ。

視覚を伴ってたら一番手前に来た時とかで判別出来っけど、純粋な音じゃそんなの見えんからねえ。
それはもし打込みのチャートに縦線が無かったらってな感じで、頭から一々数えなきゃなんなくなるからえらいこっちゃで。

しかも休符の処は空欄になったりもするから、数えるの自体がこんがらがって又大変。
それ故楽譜では音の無い処も休符で記譜しとく訳で、音で言えば空ピックとかがそれに価する。

が何時も空ピックを入れられるとは限らんから、脈動感とかOneが無いと困るんだ。
わざと意図した場合はこの限りじゃないけど、奏者の合奏都合の他に聴者の都合だってあるですよ。

やはり普通は区切り等が明解な方が、純粋に楽しむだけの聴き方をするには欠かせないでしょ。
グルーヴって一般聴者にとっちゃ原理は分からなくても心地良いものであって、どんなアホにでも理屈抜きで感じだけで察知出来るべきもの。

それには誰が見ても(聴いても)同じ様に認知されなくては駄目で、あの一等ノッポな奴が先頭ってな按配が要求されんねんな。
その目的の為なら多少臭かろうとダサかろうと厭わずってなもんで、なるべくスマートな方が良いかも知れんがハッキリしなかったら一巻の終りなんすよ。

その点Click同期や打込みの安定感に慣れ過ぎてると、当初は癖が強過ぎて閉口するやも知れないね。
けれど何某か普通の機械では得られないタイミングの癖を、先ず許容する処から始めないと永遠に近付けないのさ。

となれば完成前には当然ギクシャク感があったり、妙ちくりんな癖が出て皆に疎まれたりするかも知れない。
でもそんな欠点を隠蔽せず素直に認めて、それを少しでも良い方向へ持ってく様じゃないと獲得出来ないんだ。

それ故これは完全な個人の自説だが、恥じらいや体裁を気にする者程苦労するみたいだね。
幾ら厚顔無恥っぽい杜撰大王にだって恥じらいが無かった訳じゃねえんだが、どうにも隠し切れない程酷かったから次なる手段を徹底追及するしかなかったんよ。

だから未だにフィットしない癖が顔を出した時ゃ、それなりに結構凹むんだぜ。
けど上述の如く他に方法が無いから、ジャストにならない邪道を無視してフィットさせる様にしてるんだ。

それからしたら自称グルーヴマスターだなんてのも、実際は苦肉の産物でしかないのかも知れない。
けど自分だけカッコ良いを少し諦めりゃ、皆で楽しめるからそれで良いのだ。

-続く-

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