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2024年6月30日 (日)

音楽備忘録1780 楽器業界の行く末⑤

当時の続いては主に2ブランドで、FERNANDESとAria Pro IIだ。
これ等も前回の第1勢力と似たり寄ったりで、結局従来のと一線を画す様な音色・使い勝手の得られるのは出なかった。

私感ではまるで近年主流の一般電車みたいで、どれもステンレス画一的な車体に顔と貼られたシールの帯色が若干異なる程度な感じ。
何故そんなに大手が保守的だったかったら、一応それ迄の国内メーカ事情があったのは分からなくもない。

エレキメインのメーカに従前は世間で大手と呼べる程の規模のなんか無く、その頃は少々完成度等色々難があっても結構意欲的に個性的なのも作ってたんだ。
それが後年ヲタ間ではビザールギターに認定されたが、会社として名称変更をせず残れたのは殆どGuyatoneだけって有様だ。

1960年代には対抗馬としてTeiscoってのが結構巾を利かせてたが、どんどん売行きが悪化してって’80年代初頭にはフェードアウトしちまった。
後者はGSに忖度し過ぎてたせいか、その後のRock Bandブームに応え切れなかったんだ。

なので当時の国内の情勢に合わせた点で経営的には正解だったんだろうが、「その先」への配慮は足りなかったし国特有の利点で活用したのは価格だけ。
まあ大元が西洋音楽用の楽器な訳だから、そう簡単に追従オンリーから脱却出来る訳ゃ無いがね。

でも野球界のイチローや大谷翔平みたく、せめて単体レベルでは世界で勝負可能なのを産めないと存続の危機やんか。
現に野球でも選手はMLBでやれるのがそこそこ増えたけど、殆どの国内チームやリーグ自体は人気凋落まっしぐらだ。

結局今考察すると当時としては今一一般商業性に欠けた大相撲以外、ライバル皆無だったから流行っただけなんだ。
その点に限っちゃプロ野球人気があった中でスタートした、サッカーJリーグの方がまだマシだ。

この様に屈強なライバルのある中でのシェア拡大が、楽器業界だって中長期的には必須なんすよ。
では何故そんな不始末をやらかしたかってば、その筋の達人は大手を嫌って個人ビルダーの道を選ばざるを得なかったからだ。

杜撰大王が実際楽器やオーディオの大手に入れたらどうなったかは不明だが、専門学校卒業時にAKAIとTEACの推薦を惜しげも無く蹴ったのは俺様で御座居。
勿論社畜を忌避したのもあったし音楽家志望なのもあったが、最大の敵は面白そうな事をロクにやらせて貰えなさそうだったからだ。

尤も当時時点で国産大手のは金属部品等では信頼性が万全だったし、製品ムラの点でも安心出来たけどさ。
でもねえ楽器って世間一般からしたら飽く迄嗜好品で、代えがたい魅力的な音を持ってなきゃ幾ら扱い易くたってしょうがねえんだ。

それとこの時期の国産のって木部はそこそこ質が高かったが、金属部も10年以上経ったら案外脆かったよ。
この件については折角だから拙ブログでは初言及、次回もう少し掘ってみようかな。

-続く-

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