音楽備忘録1748 音楽に於けるテクニックの意味⑰
ここ迄続けたBassパートの話しは一応今回で締め次へと進めるが、歌物ポピュラー系では一番曲に対する影響が大きいと考えてるからなんだ。
Guitar・Drum・Keyboardだってちっともどうでもよかないが、歌のバックで演れる事に違いがあるのさ。
それが伺える例示曲としてWingsのSilly Love Songで説明すると、歌バックで特徴的な仕事をしてるのはBassリフ(パターン)だけだ。
だからBassが偉い…ってんじゃなく、気持ち良いリズムを維持するには太鼓は余計な真似はしない方が良い。
GuitarやKeyboardはコード(和声)の確定がプチフレーズより優先されるし、下手をすると歌から聴者の集中を奪ってしまう。
そして複数の音を鳴らすのが要求され続ける中で、単音でも構わないのはBassだけ。
寧ろBassが無神経に和音なんか鳴らしたら、爽やかな曲がむさ苦しくなっちまうかも知れない。
その代わり単音であるならどうするかは割と自由で、だからこそお暇な伴奏でもBassだけは居眠りなんかしてらんないんだ。
傍目には難しい事をしてるでも無いし、これと云って特別な事をしてる様にも見えないんだけどさ。
だから作曲法としてのBass・Vocalも薦めたんだが、アコギの弾き語りでも作れるならそれでも良いんだよ。
けど過半数の曲では歌より伴奏の方が先に始まるんで、Bassパート(リフやパターン)を先に作る位の方が上手く行くんじゃないのかな。
その意味でVocalistがメロを作る場合でも、鼻歌とかでも良いから↑にしないとその手の曲は生まれ難いかも知れないよ。
長補遺を終えて続いてはDrumの問題だが、概述の如く歌バックの普通の箇所で手に許されるのはゴーストノート程度が限度ですよ。
Bassが自由に振舞っても事故り難いのは、単音の他に音域が歌から離れ気味なのも大きい。
同じ様に太鼓でも通常手で扱うのは音域が歌と被ったりするから、気兼ねなく弄れるのはバスドラなんだ。
一方Keyboardの最大の武器は所謂「白玉」で、一々弾き直す事無く望んだだけ音を伸ばせる。
これの利点はBand系アンサンブルでは他のでは不可能な芸当なのと、リズムに影響を与えないで済む処。
Guitar等で余韻不足で弾き加えるとなると、その刻みを曲リズムに合わせなくてはならない。
押えさえすればOKで楽な白玉、でも侮れない部分があるのだ。
多くの奏者は割と安易に演っちゃってるけど、長く鳴り続けるって事ぁそのハーモニーを聴者に良く知られちゃう。
ので曲やその場面に最適な和声を選ぶのは、決して簡単じゃないし甘く見ちゃイカンのよ。
調が目立って芳しくない様なら3度を抜くべきだったり、逆にBassがルート以外を沢山辿る様なのだったらルートをしっかりフォローしとくとかさ。
上出Silly Love Songで控え目にコードを司ってるのがPianoなのは、ルート音とコードを常時同時に鳴らせるのもあったんじゃないかな。
Guitarだと「出せるルートの最低音」が、コードフォーム等の都合で鳴らしたいのが鳴らせない時があるからねえ。
=続=
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