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2024年5月11日 (土)

音楽備忘録1730 今時真空管の得失⓲

最新ローノイズ機器を使っても思った程クリアにならない場合があるのは、音源に何回も掛けたりすると起こりうる現象なのだ。
それ以前にデジタル録音がデフォになった今は、アナログ音源の収音時のノイズが最も大きくなっている。

この場合電気楽器なら楽器Ampからローノイズな程良いが、音色事情等でそう簡単に飛躍的なローノイズ化は出来ない事が少なくない。
となれば次の経由地のMic自体や、Mic Preのローノイズ化が最初の課題となる。

んだがここでも一考すべきがあって、幾らローノイズでも不要ピークを拾い過ぎる様だと後で劣化する公算が高いんだ。
何故ならそれだけハードにコンプしなきゃなんなくなると、音源と一緒にノイズも下駄を履かせられちゃうからさ。

特に今流行りの平均音圧を上げたくて掛けるんだと、モロにレベルを上げる為の叩き潰しだかんね。
デジタル処理ならリアル機みたいにそれ自体の静的雑音こそ追加されないけど、ソースに含まれてる雑音はやっぱり増幅されちゃうよ。

なので仮にローノイズ石Preで2:1のコンプの2度掛け必須だと、1回で済む球Preがあったらそれが倍以下の雑音レベルならその方が静かになるねん。
俺はミックスの最終段階で調整したい口なんで今迄は滅多にやらなかったけど、掛け録りが可能でコンプにMic Preの付いてるのだったらそれだけで賄うのが最も低雑音になる。

尤もアナログ入力回路以外は殆どデジタル化されたか可能になったから、昔と比べりゃルーティング(信号経路)の心配はかなり減った。
但し以前述のデジタル機器のアナログ部分の問題と、上記の2度掛けみたいなのはデジタルになったからって完全に解決した訳じゃ無いのよ。

お試し時等なら幾らでもどうとでも出来る、デジタルはホントに便利になったんだけどさ。
再出重複になるが95%がデジタルで5%だけアナログの機器で、その5%だけの為に最適な電源電圧を供給してるのは幾らも無いでんがな。

技術面では可能でもそれするとコスト・サイズはどっちも跳ね上がり、商業的にも購買意欲的にも微妙になっちまう。
この際だからこの件で未出の箇所を掘っとくと、昇圧だけなら今は便利なICを噛ましてやりゃそれだけで行ける。

が昇圧ICの出力電流の「質」が難ありで、微小信号を大胆に増幅するとなるとその弱点が露骨に影響するん。
この事だけでも正規電圧駆動の球が入ってるのだと楽になり、プチ以前述コンデンサMicでもヘッドアンプには現況球の方がかなり有利なのな。

今作られてる石系半導体はほぼ「オーディオ以外向け」となってて、デッドストックの古典石は音色は申し分無いが性能的には旧態依然と部品事情が癌なんだよ。
因みに現行品でオーディオにも使えますなんてメーカがうたってたりしてて嘘ではないんだが、一部のオペアンプ以外はその実飽く迄2次流用の位置付けなん。

で↑の様なので素晴らしいのになると、お値段も桁違いにすんばらしい事になっとりましてなぁ。
そこそこの球だってそれなりの値段はするけど、それ処じゃないのなんて杜撰大王は全然買えないッスよ。

-もひとつだけつづく-

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