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2024年5月16日 (木)

音楽備忘録1735 過小評価で忘れられつつある人々⑦

続いてはAl Greenの勃興期にAl Jackson Jr.が作曲に迄携わってた繋がりで、Booker T. & The MG’sを取上げよう。
但し今回の狙いは、多重録音等が恐らく最少だった例としてね。

ハッキリ言って多分今時の厚みのあるアンサンブルを聴き慣れた耳には、少なくとも暫くはスカスカでお寂しやと感じる人が後を絶たないだろう。
尚且つ昔の隙間のあるのに慣れてる人でさえ歌物曲から歌を省いただけにも近いから、悪くないのは分かっても物足りなさを覚えるかも知れない。

実際ウチの従兄にその現象が一時期出てて、同じ曲の歌入りバージョン(つまり彼等がバックを務めてた
)を大抵は先に聴いちゃってたからね。
処でミニマム編曲と言えば弾き語りとか独奏が思い浮かぶだろうが、競合する存在の無い点では難度最高では無いんだ。

3〜4パート以上あって各々が自由な際の方が案外熟考しないとユニゾンが多くなってたり、逆に夫々が何時も違ってるせいでグループの色が曖昧になったりさ。
でそんな時普通は前者だったら異質な何かをオーバーダブしたり、後者の場合はユニゾン若しくはそれに準ずるのを加えて調整する。

音色の脆弱性や基本パターンの増強でもオーバーダブを使えると、録音時の編曲は飛躍的に楽になる。
んがそんなのに悪慣れするとLive時に困ったり、最悪は重ねないと存在感の希薄な音色とか演奏の悪癖が付いたりもするんだ。

そんな面で最も変化・変容の少ないのが彼等で、注目すべきは曲調の巾の広大さだ。
初期BeatlesやAl Greenでは歌のコーラスだけは少し贅沢に奢ってたから、伴奏は必要最低限に近くてもまだ間が持った。

そのVocalパートを根こそぎ削いでシンプルってのは、確かに奏でるだけなら簡単だけどさ。(実際には1音の比重が重くなるから究極的には最難関)
又殆どがインストなのにソロパートも少な目で、飽きさせないとなると尋常じゃねんですよ。

これを実現するには映えテクは排除して音楽的に意味の深い、独自のとか小技は目立たぬ様にしかししれっと要所には効かさなくてはならない。
それを一番多く演ってるのがDrumのAl Jackson Jr.で、Ringo同様聴いた感じではちっとも難しそうじゃないんだけどさ。

実際に挑戦してみると寧ろ必要最低限にシンプル化してるが為に、却ってタイミングを取り辛くて高難度なんだ。
わ兎も角ほぼ失念されてるのが唯聴くには「一寸お寂し」で、これは用途目的もあって意図的にそんな調合にしてたんだ。

それはダンスミュージックっても他のと違って、全くダンススキルの無いズブの素人を躍らそうとしてたんよ。
現にYoutubeに当時のゴーゴーのハコバン状況で盛り上がってるのがあって、ソロになってからのMichael Jacksonみたいに特定の振りをすべきみたいな決め事は一切不問のヤツでね。

って実際はMichaelも必ずしも指定なんてして無かったんだけど、Thrillerだとやっぱ皆でゾンビダンスした方が共有感に勝るじゃん。
けどその振りを知らんとか出来ない人は参加し辛くなる面があって、夫々が思いのままに体を揺らす自由は減ってるんだよなぁ。

わ兎も角Ⅱでつまりはオカズの提供だけに留めて、主食は自由に選べる余白をわざと残した音楽なのさ。
なので最低でも心の中では踊り乍ら聴いてるつもりで居ないと、そりゃ物足りなく感じるだろうよ。

-つづく-

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