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2024年5月 3日 (金)

音楽備忘録1722 今時真空管の得失⓰

球は石に対し実態は音色優性・雑音はどっこいどっこいなのを暴露して来たが、明らかな劣勢箇所もあるから現況はこんなになったんだ。
つう事って今回は欠点・弱点を網羅してくんで、あなたの環境でどの位引っ掛かるかみてみそ。

のっけから是又の過去述、球信教の杜撰大王ですらカーオーディオの球化の予定は今ん処無い。
幾ら魅力的でも基本条件が合わなきゃ普通は他のにするもんで、裏を返すと条件的にさして不利じゃなくても今は使ってない箇所も少なくないんだ。

この際明示しとくと①消費電力・発熱量多目、②耐震性低目、③サイズ大き目、④高温になるが故の注意点となる。
但し上記は同一回路で素子だけ変えた場合で、どんな事案でもそのまま額面通りには適用されない。

ほぼ石系一択となるのはポータブル性重視の類で、①は電池の持ちに②は雑音発生源に③は携行性に直結する。
この内②については実際振動には弱いものの過去には「電池管」なるのもあって、非稼働時の耐震性はそこそこあった。

球だって機器外箱を一寸位ぶつけた位なら直ちに壊れたりしなんかせんが、振動も音として律儀に拾っちゃうのが仇。
今はほぼ絶滅したが石系でも初期の金属筒の所謂カンタイプは、内部モールドがされてなかったから球と似たり寄ったりだったんだ。

それが石の構造的特徴を生かし隙間へ樹脂等を充填する事で、揺すられて音が出る事は無くなったん。
って事は部品の取付けてある基盤等に衝撃があると、最新構造の石系だって僅かには反応するんざます。

最近は集積度が上がったんで一部にしか見られなくなったが、それ故ポータブル用途のは各部品を外部から樹脂等を充填して固定してあるのの方が昔は多かってん。
球は温度変化が大きいので過去の材料ではそれが不可能だったが、この点は素子より組付けの方が主犯ざます。

翻って非ポータブルでも石系なら極小化出来る様なのは、特別の理由が無い限りわざわざ球を使うメリットは無い。
で又裏を返すと中規模以上で電源に電灯線を要す機器となると、過半数は球の方が本当は優勢になって来るねん。

では過半数に入らないのはってば、回路構成の複雑化必須の類のだ。
或は1つ1つは超単純でも膨大な物量を要すデジタル回路では、特にデジタル演算部については今更球はあり得ない。

石が無かった当時のコンピュータは、それ故ビル1棟丸毎要すのなんかがあった。💦
まあそもそも現代での球ニーズは音色が主軸なんだから、直接音に関わらないデジタル演算領域で使いたくなんかならんだろうがね。

それより何より重要なのは球をシミュレートするのに、例え安価で小型でも膨大な量を使う石系の存在意義だ。
ヴィンテージ認定されてる石系の多くは、今のより素材に拘り格段にシンプルに作られていた。

今でも思想さえ受け継げば良いんだが、それに必要な肝心のディスクリート石系名部品の殆どがディスコンになっちまった。
結果例え法外な高コストを許しても製造からの経年等で長持ちする保証が無いし、基幹部品が壊れたら再入手が絶望的なのよ。

これは高額機器のユーザーには大問題で、まるでテスラのEVみたいと言ったら怒られるかな。
でも資金が限られてる一般庶民には、不慮のバッテリー交換に新車本体価格並みの修理費なんか出せるかよっての。

-つづくか-

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