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2024年4月11日 (木)

音楽備忘録1700 音楽に於けるテクニックの意味⑤

今回はウケ度合と表面的凄さをガン無視して、Kieth Moonの特にツーバスを取上げよう。
正直聴き出してからかなり年月を経る迄は、杜撰大王には彼の真骨頂なんて分からなかったよ。

他にもそんな人が多そうで、何せ現役バリバリの当時でもちっとも速くなかったもん。
その上乱れ打ちの手や演奏以外のパフォーマンスもあんなド派手と来りゃ、遅く目立たない部分はそもそも印象に薄くなっても仕方無いよ。

尚且つ彼のフレージングってハチャメチャな様でいて、よくよく聴き込むとClassicオーケストラ的アプローチでさ。
結果バスドラに関しては人を食った様なフレーズも登場し難かったから、余計に印象が薄く感じられるんだ。

のがDrummerとしてちゃんと勉強しようとしてみたっけ、バスドラフレーズの柔軟性できっと2つの方が好都合だったんだ。
上述クラオケを土台に思案してくと、本家は独立した人が手で叩いてるよね。

殆ど片手だから速さは大した事ないにしても、セットDrummerみたく肉体コンビネーションには縛られない分随分自由になる。
それでか分からんがThe Whoでのバスドラには、任意タイミングの3連打がそこそこ多くあったんよ。

但し前述の如く飽く迄曲に添わせるアプローチだったから、全く目立たないし例えばRLRと踏んでるとさえ殆ど気付かれなかったんだ。
それでもかなり後年になって、手と足が完全に「シンクロしない」ドラムソロの音源が見つかってねえ。

これ比喩るなら歩き乍ら話してる状態に近く、普通話してると一々足を左右左右とやってる意識なんてしないっしょ。
のがリズム楽器となると元々合わせるのが使命なだけに、中々そう簡単にはいかねんですわ。

で実現可能性の高さでは、片足より両足の方が歩いてるつもりに自分を騙し切れれば光明が射して来るとな。
こんなの一般的音楽性には殆ど貢献してないけど、恐らく最も単純な疑問に対して答えられた唯一の存在なんじゃないかな。

前衛的な意味で2人居て夫々が勝手に叩いたのを、たった独りで実現可能にした価値は褪せないからさ。
それもこれも速さとか奏者ナルシズムじゃない理由で、ツーバスを選択してたからこそ湧いたアイデアだと思うんだ。

そんな価値観は一部黒人系で手で32分音符が叩けるより先に、片足バスドラで16分音符を制覇した人達と一寸似てる気がするん。
手の32は俺言い奏者ナルシズムには絶好の獲物だが、曲に対してのご利益はポピュラー系では皆無と言って良い。

しかし足なら16の方がフィットする箇所は幾らでも出て来ると、言うなれば曲盛り上げにはとっても実用性の高いテクなんじゃないかな。
所詮は後追い推察に過ぎないけど、こんな部分に俺様ありきなのか曲ありきと考えてるのかの差が漏洩してんじゃねっと。

-続-

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