音楽備忘録1709 心理的グルーヴ考➌
前回のは現代特有の事案とも看做せるが、体裁を気にするとグルーヴに大抵は悪影響しか及ぼさないのは不変。
そんで気にしてなくても体裁が崩れないのが打込みなんで、この点無加工だと最もグルーヴを出すのに向いてない。
にも拘らず今劣化本邦が唯の一定安定に走ったもう1つの原因として、昭和末期の若者が嫌うグルーヴなら沢山あったのが考えられる。
当時の俺自身民謡や演歌系とか大嫌いで、例え簡単に出せてもそんなグルーヴはお呼びじゃなかった。
だが今良く考察してみると癖が強過ぎたっつうか、リズムフェイクの登場頻度・箇所等がきっと気に入らないだけだったんだろう。(それ以外の音楽性や好みは別として)
こちとらノリはノリでも持続性のあるのを求めてたから、途中がダムだらけの川みたいなのは合わなかったんだ。
但し当時の新人類が求めてたのは物理的正確さじゃなくて、音楽的最適リズムでしたん。
何故って同じ符割やフレーズでも、そうなってると断然格好良く聴こえたからなんだよ。
言うなれば1960年代中頃から流行り出したBellbottom Jeansみたいなもんで、後年一時期に至っては恥ずかしさの象徴と化したけどな。😓
けど杜撰君昔から足太だったんでその方がまだ良くて、Slimとか履くと完全に岡っ引きの股引みたいで似合わないんだよん。😢
わ兎も角裾が広がってるかどうかだけの違いで、随分斬新で異なる印象を受けたもんだったん。
切り貼り修正でリニアに揃えるのを厚化粧とするならグルーヴはドヤ顔みたいなもんで、表情の工夫で映えUPをする様な作戦だ。
それ故単に良いグルーヴと言っても、中には癖強や下手すりゃ臭いのだってかなりあるんだよ。
上出民謡・演歌系の一部なんて正にこれで、通好みのクサヤ的存在だったんだ。
そう云った好み次第では合わん物も、自身では演らなくても全否定しちまうとグルーヴは半分死んじまうだよ。
何故なら大嫌いの対極に好きがある訳だから、望んでなくとも片方だけでもハッキリ分かる方がまだマシ。
最も致命的なのは不感症或は好き嫌いゼロの場合で、それは一種のリズム音痴なんじゃないかな。
けれど万一該当したからって、慌てて悲観する事なかれ。
その内の大多数は未体験が齎す無知って感じで、タイミング次第でどう違って聴こえるかに神経を向けりゃエエ。
今劣化本邦の昨今みたいに人力演奏でもClick強制矯正してっと、露骨に差の分かるのは僅少だ。
こればっかりは現時点では過去スタンダード名作のお世話にならざるを得ず、それがどうしても嫌ならグルーヴなんて概念から捨てちまえ。
少々投げ槍暴論だが、リズム無演出な打込みみたいなのがきっと体質に合ってるんだよ。
極論すりゃ「無いグルーヴ」もグルーヴの内で、色んなのがあるからどれもが活かされてるんよ。
杜撰君には有り難いBellbottomだって、腰に対して棒脚細さんにはそれしか無かったら不格好で地獄でんがな。
=つづく=
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