音楽備忘録1704 音楽に於けるテクニックの意味⑥
前5回は分かり易さ観点から目視可能な奏法上のテクを綴ったが、実はあんなの氷山の一角にも満たないもんなんだ。
音楽(音)が目に見えないものの如く、それに有効なテクの主役は透明人間みたいな存在なんすよ。
じゃあ何なのよったら、和声・リズム等を始めとしたコンビネーション(編曲含む)こそ主軸なんだ。
秀逸なメロとか作曲にも源泉としての威力はあるし、それが足りなきゃどうしようもないのは確かなんだけどね。
例えばタッタタターのぉスッタッタとかテーテテテー・テテ・テテテテテーじゃ先ず分かる訳ないか、前者はズッコケシーンでよく使われるアレで後者はChopin葬送行進曲の主旋律ね。
みたいな世界認知度Maxのフレーズ自体は素晴らしいが、切り取り借用なだけにそれだけじゃ更なる発展性等は殆ど見込めない。
それは素材として秀逸なだけだし、刺身で食べるなら余計な調理は要らない。
ので最重要とは思ってても未知との遭遇みたいなもんで、そうゆうのに寧ろテクニックはお邪魔虫な方が多い。
強いて強弁するなら「惜しいメロ」にこそテクは必要で、単教科じゃなく3教科とかで受験を突破する様なもんさ。
ってのも全部が最高メロなら名曲になるかったら99%は否で、それじゃあ緩急が付けられなくなるんだよ。
杜撰大王の長文が分かり辛い(猛省)様に、一度にあれもこれもと来られちゃ処理し切れなくなるじゃん。
のでⅡでメロでもメイン以外は敢えて最良の脇役とする為に、良い所を極限迄限定したりする方が断然トータルでは好結果を招いたりするん。
なんて語っといて大抵は何か1つだけイケそうなのが出来たら、それを基に繋いで繋いで引っ張ってみたいな事の方が殆どだけどな。😵
わ兎も角最初から和声付きのメロが浮かばない限り、肉付けは必ず後からになるのだ。
入手した食材が鮮度都合で刺身不可な場合、煮るか焼くかどう料理するか考えなきゃなんなくなるのと一緒。
弾ける編曲家が弾き乍ら思案するケースはあるだろうが、どっちへ振るか方向性位は先に設定しないと進めない。
その場面でものを言うのが進行や和声のテク(知識)で、知識っても理屈じゃなくて感性でも構わない。
けどアイデアゼロでは迷走に陥る事が多く、そのアイデアも実現性ゼロのだったら役立たないんだ。
アイデアを具現化する才能を完璧に持ってたらあまり要らんが、滅多にそんなケースは無いから技術に依るアシストが欠かせないのよ。
これこそが杜撰君が思う音楽で最大のテクで、それと比べたら単なる演奏技術なんて足元にも及びませんって。
なんて言うと少々高度で難解だが、要は「面白いをなるべく早く見つける」手段なんすわ。
その点Classicや特にJazzの人は本来ライブラリが豊富なんだが、↑意識が希薄だと折角のスキルも宝の持ち腐れになってるのが残念乍ら結構少なくないな。
かつてはあんなに名作だらけだったそれ等が、後発ジャンル誕生以降に生み出し辛くなったのは恐らくこれが原因だろう。
わ兎も角Ⅱで次回は、徐々に具体内容に潜入してくべ。
-続-
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