音楽備忘録1719 過小評価で忘れられつつある人々③
今回紹介するのは今劣化本邦では思いっきりニッチな、1965年〜1974年に活躍したカナダのThe Guess Whoざます。
杜撰君自身最初に名前だけ訊いた時ゃ、あのThe Whoの偽物かなんてどんでもなイメージしか湧かなかってん。
それと昔はカナダってこっちじゃ何となく米と一緒の扱いだったから、特徴っつうか明確な違いも良く分からなかって。
実際大雑把な思考だとそんなに相違は無く、強いて言や米より若干地味程度の印象しか…。
けれども長く色々聴き続けて来ると、米の単純明快さや安易さは時に鼻に付く事もあるんだよねえ。
エンタテイメントの王道としちゃ今だって不動の存在なんだけど、近年のハリウッド映画と同じで普及品金太郎飴的「ネタバレ感」にはもう食傷気味なんだ。
ほんじゃ米なら全部そんなかってばそうでもなくて、少しだけマイナーだとかヲタ向けのにだったら中々良いのがあったんだ。
カナダの一部アーティストとThe Guess Whoは↑の部類で、メガヒットやそれに値する曲では一歩譲るものの捨て曲が無いって感じなんすわ。
貧な杜撰君の過去の供給元遍歴はFEN→FM→ネットラジオで、これの3つ目でアーティスト名や曲名を逃したのの探索をしてたんだ。
非効率極まり無いんだけど初心に帰って、ずっと録り続けて良さげなのだけ残して保存するって段取りでさ。
そしたら何故かThe Guess Whoのが幾つか貯まってて、後継のBachman–Turner Overdrive(BTO)には懐かしい聴き覚えのあるのなんかもね。
ってメンツ的にダブってるのはRandy Bachmanだけだが、連中に共通なのがパワフルだけどそれだけに走ってない処が一寸珍しいんだ。
実は何時もかなり柔軟な姿勢でおセンチなのもありゃメロウなのも、曲がそう云うのが出来ちゃったら平気でそのまま演っちまうとな。
尚且つ欧州調で真面目なThese Eyesもあれば、Bus Riderなんて変わった視点のひょうきんなのも。
そんな具合に内容的にはかなりイケてるのに評判が今一なのは、録音を中心としたサウンド外装が当時としても少し古かったせいなのかな。
聴き専には関係無いけど自分でも演った経験のある者にとって、近代的な過剰演出のサウンドって魅力的だが嘘臭いのが頂けねんだ。
今劣化本邦のJ-POPなんぞカワイイ系ガールズBandのDrumでも、かつてのAerosmithを凌ぐ様な音色に加工されてるなんて…。
Rock系だし若くて活きが良いにしたって、ゴリマッチョの兄ちゃんみたいな音にしちまったら折角の可愛さが目減りするだろがい。
わ兎も角現代標準からしたらThe Guess Whoのは、今では逆に行き過ぎになってもうてる。
尤もそれが大きく影響するのは初対面から10回程度迄で、源音がしっかりしてると気にならなくなったり忘れてたりするんすよ。
素人にはとても分かり難いだろうが例えばBONZOのフォルテシモだと、どんなにチープや逆に綺麗に録ろうと絶望的な破裂音みたいなのが何処かしらに残ってまう。
寧ろサウンドが残念で内容が良いのって、カバーするには絶好の獲物なんだよね。
-つづく-
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