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2024年4月 1日 (月)

音楽備忘録1690 今時真空管の得失➑

続いては最も効果が分かり難く、それでいて本当はご利益の大きい球の出力段(パワーアンプ)の事をば。
その理由は聴感上の歪み以外の恩恵が大きいからで、特に再生音量が大きくなる程大差が現れるのだ。

楽器Ampでも石の方が歪ませないなら勝るとも思われてるが、宅実例では微小音量時にパワートランジスタのミスマッチング歪みの酷いのがあったりする。
概述楽器用ではオーディオ用みたいな歪み率を気にするより他が大切だが、だからって原音に変な歪みが付帯して来る様なのは食えたもんじゃない。

これの何が変ちくりんかったら、楽音と歪み成分が分離してるからなんだ。
何せ微小音量時だから楽音自体は歪みとは無縁なのに、まるで楽器と一緒に小っちゃくカズーでも吹いてるみたいなのが加わるん。

この一例はAmpが大昔の貰い物なんで多分経年劣化のせいだろうが、何かの事情で過大入力以外で歪んだ際に比較的歪み成分が分離して悪目立ちするのは石ならどれでも一緒の現象なんざます。
この現象自体は逆に最大限界音量に近付いた際も同様で、更に爆音時には硬過ぎや過刺激に石はなりがちなんだ。

つまり石って小音量から中音量に掛けてはディテール再現性が素晴らしくても、それより小さくしたり大きくしたりすると性格がガラッと変わり易い性質を内包してるん。
コレ電気・電子物理的はこっちが正直(リニア)なんだけど、天然空間での音の伝播の性質には反してんだ。

随時頻吠えの如く実空間には空気の介在があるんで、距離を始めとした空気の干渉が必ずあるんだよ。
ので机上理論より実在空間での自然現象を基準にすると、優れてる筈の電気的なリニアには実はそんなに価値は無いん。

とは言え録音時のモニタ等には上記ディテールがとても気になるが、Rock系で割と世間的には不謹慎な爆音でずっと浴びてると石の疲労度はハンパ無くてな。
聴いて調整するのがAIロボだったら常に正確な音を供給してくれれば良いが、人がやるには蓄積疲労が度を越すと判断力にダメージがあるからねえ。

長い体験からすると正確性と言っても、過労にならない範囲に収まってないと無効化する事がしばしばあったんだ。
だから一般人で常に隣から叱られない程度の音量で再生してるなら未だしも、欠かせない趣味であったり仕事で爆音環境が続く者にとっちゃ石の欠点は大問題なのよ。

ってのも長く周囲の様子を伺ってたら忍耐力に優れた人でも、積年ダメージに依って偏頭痛や果ては難聴に至るケースもあった様だからなんだ。
野球で投げ過ぎると肩肘がやられたり、ボクサーが打たれ過ぎるとパンチドランカーになるのは周知の通り。

音だってエネルギー量が過剰なら何かしらの不具合を起こすが、現況世間では過剰音量だけだと思い込んでる奴があまりにも多過ぎでんがな。
小音量時に丁度良いディテール再現具合だったとしても、そのまま音量と共に増加する様では体に毒なんすわ。

今ん処球の出力段以外に人間様に都合の良い性質の物は無く、コンプ・リミッタ等で調整可能と言っても音量に依って適正値は随時変動する。
のに音量変化毎に微調整して聴いてる奴なんか居らず、まあ将来賢いAIが登場して調整を任せたらどうか分からんがね。

-つづいた-

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