音楽備忘録1685 Guitarカッティングの重要性Ⅱ➍
このテーマ大昔に扱った気がするので、今回はより具体例を盛沢山で行ってみよう。
杜撰大王が惹かれたのは当時一般的テク習得が面倒だったのもあるが、カッティングが魅力的な作品が豊富に身近にあったのも大きいのだ。
幾ら怠けたくても手っ取り早く済ませたくたって、速弾きメロの美しいのしか無かったらきっとそうは行かなかったんだ。
或は全盛期のフュージョンが好きじゃなかったからか知らんが、バカテクの登場するのでさえカッティングの出来栄えが問題となる様なのが多かった。
上記の典型がThe YardbirdsのJeff’s Boogieで、曲自体の骨格がカッティングで成り立ってるん。
但しJeff Beck初期の代表作だが後のBBAバージョンではカッティングのキレが重視されてないんで、この目的の参考にするなら古臭くても原版推奨だす。
当時の俺の魂胆は弦移動を伴う速いオルタネイトピッキングが苦手だったんで、別の方法で速く聴こえるのの参考が欲しかった。
そんなのにお誂え向きだったのがこの曲で、早速飛び付いて夢中になったよ。(無論唯ご機嫌な曲で気に入ったのも)
流石に今では当時としてはバカテクな箇所も全網羅してるが、カッティングがノリノリにならないと曲の魅力が半減するのが良く分かったさね。
過去称ギター小僧の大半はカッティングを軽視してたが、ノリが悪いとバカテクを完遂したつもりでも魅力半減に聴こえちまってたで。
その原因はリズム(ノリ)の精度で成り立ってる曲だからで、一寸でも跳ねが悪いとバカテクの意味も半減するからなんだ。
この曲でBeckが真に凄かったのは、ノリを崩さずあそこ迄演れてたからなん。
同じ16分音符でもシャッフルだと裏拍はもっと短くなり、それを弾き通すのは跳ねないのより実は難易度がかなり高いんだ。
故に理論上からもカッティングすら完遂出来なきゃ、変態技の箇所ではより完遂出来る訳ゃなかったんだ。
恐らくこんなのも原因であんなに流行ったのに、日本ではBeckみたいになれた者がほんの一握りとなったんじゃないかな。
毎度の傲慢節を噛ますなら俺様以外でハッキリ確認が取れてるのは、国内ではChar位だわさ。
そのChar氏については次回掘るとして、ここで注目すべきがBeckは殆ど歌わない点だ。
Lead Vocalを取ってれば歌のノリを良くするとかフィットさせる都合で、カッティングのリズムにも自然と注意が向くんだがね。
よく「Guitarを歌わせる」なんて誰もが語るが、彼はカッティングでさえ鼻歌と完全に同格と考えてたからなんだろうな。
DrummerやBassistだったらリズム精度は常に気にするだろうが、これ等と比べりゃ音程や表現にリソースを割かれるGuitarはリズムが疎かになり易い。
そんな中でカッティングは、「自然とリズムに気が行く」そんなに多くはない状況なんだ。
ので例えカッティング自体には興味が無くても、本当に無視しちゃうと大損の危惧があるん。
=続く=
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