音楽備忘録1628 適切な帯域制限の苦悩⑫
さて数多くの記事で杜撰大王が「生耳聴き」に拘るのは、何処迄行けるかの指標として重要だからだ。
帯域制限についても関係性がとっても深く、硬さを許さなきゃ明瞭度が確保出来ない等と云う重大な誤解を招くのと同じなのだ。
是迄再三吠えて来た如くオーディオ的にだけ高音質なのは、アンサンブル内で同じ振舞いをするのが僅少なんだ。
けれどパート別で録る最初のは、その時点でアンサンブル内で鳴らす事が出来ない。
結果単体聴き評価をすると、高音質な感じがしたの程どうしたって良さそうに思えちまう。
この意識を圧倒的に覆せるとしたら、名人が眼前で奏でる「生耳聴き」が最有力なんだ。
理想は既にメディア等で沢山聴いた事のある人のだが、そうでなくても何処かで録音に使ってたっぽい音色なら構わない。
最初は唯々おースゲエと来て、次に過半は帯域制限が掛ってるなんて感じられない音だろう。
特殊音色以外では達人はバランスにも充分配慮してるから、殆どのに実際は掛っててもそれが気に留まらないんだ。
のわそうしとかんとアンサンブル内での明瞭度や立ち位置がフラフラ変動したりして、不都合が生じちまうからだ。
でそんなのが記憶にしっかり刻み込まれてると、高域過多になってたら「あの時のと違う」と即座に判断が付くんすよ。
ってもその段階じゃ何が異質にした犯人かはまだ釈然としないかも知れんが、何かを変えなきゃ近付けないのだけはもう分かるって寸法さ。
ド下手な人の生音でも音色に偏りがあんま無きゃ生耳と録ったのの比較は可能だが、どうすれば好みの音色がなるべく色んなアンサンブル内で通用するのかはあまり知らないケースが多い。
その一方で確実な指標が自分内でたった1度でも得られてたら、仮にその後は全く機会に恵まれなくてもそこそこ行けちゃうんだ。
これが俺言い「音色に於ける三つ子の魂百まで」で、親だと双子の区別が何時でも付けられる様なもんだわさ。
基準の原典になる訳だからなるべく至高なの程向いてるが、それより重要なのは最低限の機材で出されてたかどうかだ。
真の一流ならある程度の楽器と球Ampさえあれば、業務の実用に堪え得る音色が出せるんだ。
又老害臭が漂っちまうが古老程アテになるのは、今みたいな高性能なマルチEffector・Preamp・ストンプが無かった時代を生き抜いて来たからだ。
昭和の内プロも扱う録音スタジオなら、1台はFender Twin Reverbかそれに相当するAmpが必ず用意されていた。
だが令和の今では多種・多様な機材がある代わり、立地条件等のせいで球Ampの無い所もある。
そんな所でばかり仕事をしてる人では、なかりの売れっ子でも楽器本体とAmpのみの音創りに精通してない可能性があるんよ。
この先は新項を設けてそっちで続けるが、ツールやアイテムだけで音色の全てが作られてる訳じゃないんだ。
=Fin=
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