音楽備忘録1603 古典楽器の恐るべき隠れた実力➄
ニーズから考えりゃデジタルはおろか録音もPAも無かった時代のは、音が今より良かったとしても驚くには値しない。
とは言えその後の様々な技術の進展の恩恵には浴せてないから、まさかここ迄とはのショックは半端無かった。
引き続き100君のサウンドだが、思いの外中低域も芳醇だったのの内容が又大きい。
深さたかだか5inch程度では普通チューニングは高目になり易く、そうしとかないと鳴り自体が悪くなりがち。
のが2回目の訪問時従兄がローピッチに変えてて、そしたら今で殆どお目に掛った事が無い程ローがガッツリ出てたんすよ。
例えるならHi-RecordsのCongaをバックビートで同時に鳴らして、TomみたいなSnareに聴こえる風にしたみたいにね。
実は過去に個人趣味から↑を、Snareだけで何とかならんかと色々試してみててさ。
口径は14なら13inch Tomより大きいから、ピッチは近似な処迄下げられる筈。
で確かに下げようと思えば無理じゃなかったものの、当り前だが設計意図に反するから殆ど鳴りゃしなくなった。
要するに「共鳴ポイント」から逸脱したらしく、そのせいかスナッピーの反応迄極端に悪化した。
その様は恰も「胴を無くした感じ」で、その結果からやはり普通のSnare単体では無理と思ってたんだ。
したっけ長年腐心して追い求めてたフィーリングを、こんな処でアッサリクリアしてる奴が居たじゃありませんか。
因みにSnareの「中低域の重要性・必要性」を訴えとくが、近年は表面的な高音質化の煽りを受けて高域ばかりに耳が行っとる様ですな。
確かに響線はSnareだけの特徴だが、アンサンブル内でそれが際立つのはバズロール等の時だけなんよ。
ほいで私的にはディキシーランド等で印象深い高域の余韻って、混み合ったアンサンブルや歌物では邪魔なだけの存在になったりすんねん。
例に依ってパート単体聴きではそれが心地良くても、その時は主役が他に居ないからなんだな。
少なくとも俺好みのアンサンブルでは折角て出ても、邪魔&ほぼ無効化しててさ。
それで長年「足りるだけの中低域」が拾える様に腐心を続けてるんだが、元の出音が致命的に不足してるとどうにもこうにも…。
因みにⅡで一般的に良いSnareの音をタン・パン等と称すが、高域が目立っても中低域レスではそう云う音にはならないよ。
ほれCymbalだったらシャン・チン・ツとかって呼称になるべ、世間の皆さん忘れ過ぎでんがな。
更にはこの面でバスドラとSnareには、ピッチを大して下げなくても下がちゃんと付いて来るのが望ましいん。
現行のポピュラー系では↑2点がリズムの要を握ってるんで、周囲にどんな音がどんなバランスで来ても存在感を損なわない為にはさ。
因みにⅢで音量バランスのみで目立たせるってな無粋で、それだとかつての歌物みたいに歌対伴奏が2:1なんてのが無理になる。
今ではドラムが大きくて困る場面はかなり少なくなったが、そんでも太鼓の音色不備のせいで他のパートが割を食うのは勘弁でんがな。
=つづく=
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