音楽備忘録1606 サチュレーションの話し⓭
この段階でサチュレーション案件の要点を纏めといてみると、結局はどのステップでも不要なPeakを出さぬのが最善なのだ。
のは1度でドカンと処理しようっつうのが不向きだからで、一括に拘るならサチュレーションでは無く色が付いてもコンプ・リミッタの方が向いてるとな。
それで時に足枷になるとしたら俺言いサウンドの「現代的な躍動感」で、反応の素早さの魅力は確かに捨て難い処だ。
そこで敢えてこの方面の究極を考察してくと、過去述のレイテンシ案件や負帰還増幅回路のデメリットが決して見過ごせないんよ。
今の多数派は屁理屈洗脳でここを勘違いさせられてて、放って置いたら今より先には進めねんですよ。
その訳は
①空気中に存在してる音の速度と電子回路の速度
②多重録音時のタイミング
③楽器自体の現況への対応
等があるんで御座居。
①は空気中での音波の速度が、光や電子の最高速と比べたら全然遅いっつうのが根底にある。
遅延は積算されてくので全く遅れないのが理想ではあるが、多重録音時以外は音波が原型を保持出来てるかの方が問題なんだ。
この面で最悪なのが負帰還増幅回路の音に対する振舞で、総合物理性能としては利用した方が明かに有利だ。
んが如何に電子部品が高速化しようと「1度回路を通った終端」から入口へ再び戻んで、構造原理的な遅延は必ず伴ってまう。
この回路方式は波形を出口で入口のと違ってたら修正する仕組みなんだが、無遅延のと遅延加味されたのを比較して修正を与えるしかない。
すると出口と修正用信号にだけ遅延があるせいで、かなり僅かとは言えズレが生じてんですよ。
負帰還アリの方が全体像は原音に近くなっても、アタック音等のマクロ箇所は立派に改変を加えちゃってんの。
聴感的には↑が不要に硬くしたりキツくする作用があって、それはサチュレーション概念にとってもマイナスなんざます。(Peak成分の増加は硬化・刺激増加となって現れるケースあり)
ほいで球でだってオーディオ用途では古くから頻用されてるものの、石の方が大抵は複雑な回路となってるからその経路が遠大化しとん。
音色的に球の方が柔らかいんで誤解が多いが、素子速度としてはそんなに遅くは無いんすよ。
確かに方形波のオシロ映像では石の方が角は切り立ってるけど、音楽では素の方形波がそのまま使われるなんて極レア。
その差異よりか経路長大化の影響の方が大きくて、主に「雰囲気」を改変してくれちゃうねん。
②に関しては言わずもがなここでは長さ防止で語らんが、タイミングの取り辛さ→緊張→リラックス時より力んだり慌てる箇所が増加する公算が高い。
すると望んでも無かった「痛い音色」を出す頻度が上がり、サチュレーションに対して仕事量を増やしちまうんだ。
③については前回述100年物Snareショックみたいに、サチュレーションが少しでも意識にあるなら「臭いにおいは源から絶たなきゃ駄目」ってのがあったのを思い出しとくれよ。
ったって若い世代ににそんな記憶は無いだろうが、言い得て妙なそんなTV CMが昔あったんだ。
-つづく-
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