音楽備忘録1575 オーディオ等のスペック偏重に潜む罠⑬
この項締め括りは体験からだと、最も数値と実音のリンクしないMicに絞って行ってみよう。
それは周波数特性で顕著で数値よりグラフがアテになりはするものの、スピーカ以上に聴いたら随分「数値の印象」とは違った音になってい易かったんだわ。
俺がこれを痛切に実感させられたのがバスドラの収音で、具体的にはAUDIX D-4ってので全然足りず妙な増し盛りも施されたD-6では妥協出来たって顛末だ。
比較的親切で当時は新興ブランドだったAUDIXのカタログには、正直に向いてる用途の記述はあったんだけどね。
何分赤貧には全てに専用とか最適なのを奢るのも厳しいんで、転用・流用を狙い過ぎたのが不味かった。
とは言えFloor TomがTomばりに高音程のとか、実際は必ずしも明確に音域が分離してる訳じゃないぞ。
そこで周波数特性数値とグラフの両睨みで先ずはD-4を選定してみたんだが、個人的にはガッカリな結果しか得られなかったんだ。
因みにそれ迄は同シリーズのD-2とかで苦代用してて、これはTom用のでそっちでは継続使用中だ。
こっちとしゃD-4には↑とはローの明らかな違いを期待したんだが、肝心な部分は脆くも儚い夢と散った。😢
しかしこれには杜撰な安易思考の他にも理由があって、録音がデジタル化して以降の所謂バスドラ用Micに少々疑念があったからなんだ。
イメージとしちゃ中低域を増し盛りしただけで、折角デジタルになったのにローエンドは旧態依然のままなんてのが当時はそこそこ出回っててな。
盛りたい時ゃこっちでやるから勝手にやっるなよで、こっちで後からじゃ無理なローエンドの方が断然欲しかったんだよ。
で数値的にはD-4のf特は38Hz~19kHz・D-6は30Hz~15kHzとなっていて、グラフは下に添付した通りで御座居。
ほいでブランド側の説明では前者はほぼオールラウンド+バスドラ・後者はバスドラ/低音用となっていて、Bassは重複してる様な状況だ。
さてご覧の通りD-4は小型ダイナミックにしては中々フラットで、コンデンサとの方式由来の音質差以外はそのまま拾えそうなもんだ。
D-6は解説では下を増し盛りと書いてるが、グラフからは中域に意図的に凹みを作った様な感じだ。
なので後者には唯独特な癖が付加されるだけな筈なんだが、多少の誇張はあるが後者じゃないと典型的なバスドラらしい音になってくんなかったんだ。
メーカ側は使えなくないからそう書いたんだろうが、後者は他のにあまり使えないのに着目しないとならないんだからとっても難読だっての。
-つづく-
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