音楽備忘録1589 何はともあれ本物に触れる必然性Ⅰ➋
本来なら誰にでも本物に触れる機会はあるべきなんだが、この国の体たらくな教育機関じゃ期待は出来ない。
そうでなくても社会的マイノリティ分野では何かと行き届かない事もあるんで、自ら機会の獲得に奔走する必要があるだろう。
音楽でその全体の様子を知るのに先ず必要なのは、スタンダードの網羅だ。
サウンド面では1人でも多くに理解されたかろうとその逆に誰も出してないのを出したかろうと、どんなのが普通で一般的なのか分からなきゃ調合のしようが無い。
それ以上に作詞・作曲でプロ活動を目論めば盗作(疑惑も含む)を避ける為に、誰かが既に出してないか調べなきゃなんない。
これ等は視点を変えれば「自由の為の手間」とも考えられ、サラリーマン教育主体の画一な世界ではほぼ不要なもの。(尤も商標登録や特許取得に際しては最重要になるが…)
ので杜撰大王が思うにこの国じゃ、自由の為の手間に慣れてる人が少ないんすよ。
まあ幾ら調べたって盗作対策は個人だけの力じゃ限界があるし、今は有料で調べてくれる処もある様だ。
けど何か一寸思い付く度に出費可能な人は極僅かだろうし、その先が上手く作れないかも知れない。
結果程度差はかなりあるだろうけど、自分での可否判定は欠かせないんじゃないかな。
黒思想では内部盗用を避けるのに、白思想では仲間に盗用疑惑が掛るのを避けるのにも必要だ。
サウンドの方ではそこ迄シビアじゃないが、その代り技術限界の誤認ってのが浮上して来る。
実はエレキなら楽器本体とAmpだけで作れるのを、ハイパーEffectorが無きゃ無理だと思い込むとかさ。
その例として格好なのが、かつてBeatlesが始めて大っぴらに使った様々な効果だ。
今は格安ストンプでもお手軽に手に入る、コーラス・フェイジング・フランジング効果等がそれだ。
最初期は主にテープレコーダ2台を用いて、位相や速度をランダムに変化させる等して得ていたんだ。
尤も実用性では録ってからじゃなきゃ出来なかったし、その手加減調節はかなり熟練を要すと大変だ。
歪みにしてもOverdrive程度迄ならAmpだけで行けるが、深いDistortionやFuzzは無理。
では何処からそんな変態ニーズが生れたかってば、John Lennonが破損を厭わずMixer卓へ過大入力させた辺りが始まりなんだ。
発想だけなら当時でも「壊れたラジオ」等から得られるが、エレキを繋げられるそう云うのが都合良く見つかるとは限らない。
だいいち既に壊れてる訳だから、演奏終了迄同じ状態が保てる保証なんてほぼ無いし。
そんな中当初から「過大入力される想定で作られた」Marshallが人気になり、少々プアなクリーンからそこそこ歪み迄それなら1台で賄えたからね。
って事は歪ませないなら最適選択からは漏れるんだが、それもAmpで歪ませられるのを知らなきゃ無効化する。
まあ見掛けだけで選んじゃいけなくはないが、クリーン音色を最優先としてないから奏者に依っちゃその分は損すらぁね。
-続々-
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