音楽備忘録1592 適切な帯域制限の苦悩③
お馴染み前回補遺を交え乍らの、エレキBass編パートⅡだす。
帯域(特に高域)無制限では厳しいと綴ったものの、過去のLine録り過渡期には全く削ってないのも実際そこそこありまつた。
それ等の多くでは一応特に問題となってなかったら、新鮮さを優先してそうしたんでせう。
但し問題無しっつってもアンサンブルやその聴き取りがセーフだっただけで、音楽的な有効度が極めて低い正体不明な音は追加されてたよ。
俺的にはLine収音してる時点でエレキのリアルからは一寸離れてるが、強引な解釈をすればリアルの臨場感に多少は貢献してたかもね。
尤も他パートにマスクされなかった箇所だけで、無効高域は聴き取れ無い箇所の方が多かったがね。
えで太さ滑らかさにはガンなのは、大胆カットしてないと金属弦(特にRound弦)が演じてるのが見え見えになるからなんだ。
モコモコとかウォ―ンってな、恰もナイロンかゴムみたいなので演ってるイメージがあるやんか。
だから金属をはじいてる象徴的な周波数(3k~12kHz位か)はカットしとかんと、それらしいムードを出すには妨げになっちまうんすよ。
で現状ではそれより上を野放しにしといても、フレット接触雑音以外は殆ど明瞭度にも存在感にも貢献してくれねんだ。
何せ原設計の周波数が頑張ってせいぜい8k~10kHz止まり、その上当時はHi-Fiオーディオでも16kHzも出せりゃ表彰もんだったからねえ。
まさか今頃になってフレット接触雑音×弦に指等が触れる瞬間のタッチ音だったら○になるなんて想像不可だったから、これ等が現れる周波数帯域が他のと被っちゃってんのよ。
それとは別に過去作は現代のより確実に帯域ナローだったが、それだけでBassは籠った音色が許容されてた訳じゃねえんだなこれが。
とても僅かなもんだけどスピーカ収音しか選択肢が無いと、邪道では背景雑音が脆弱な正論ではエンクロージャ等の箱鳴りやウーハコーンからの動作雑音等は決して中低域だけじゃないんだ。
そんなのを賢く意図的に利用したのが毎度お馴染みBeatlesのCome Togetherで、わざとベーアンとDrumsetを割と近傍に設置して同時録りしてあるんだ。
バラ録り等とそれでどう違って来るかったら、双方が共鳴し合ってその音が比較的漏れなく拾えてるんだ。
打込みやバラ録りではそんなの全然入らんので低雑音の点では良いんだが、「一緒に合奏してる」リアル感はレスになり人工的になるんすよ。(実際は合奏してても音的に完全に分離してあるとね)
因みに小音量では大して共鳴しないかしてるのが殆ど分からないので、如何にも爆音で演ってる感の演出効果も出てまんねん。
これ等は純粋にエレキBassシステムが出した音ではないんだけど、実在空間で鳴らすと普通の環境なら必然的に加わってしまう成分。
99%の聴者はどっかのオッサンみたいにほぼ無響室には暮らしてないから、案外そんなのの方が眼前リアル感が出るんすわ。(無響室でも楽器同士の共鳴は起きてるよん)
=つづく=
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