音楽備忘録1571 オーディオ等のスペック偏重に潜む罠⑫
失敗談から戻ってそろそろ纏めへ進めるが、キーワードは「数値よりグラフ」で御在居。
少なくともMicやスピーカに関しちゃ、ある物は見なきゃ損だ。
ではグラフの公表が無い物はどうしたらってば、極論すれば買うな・借りるな・使うなだ。
って明らかに膨大なマージンがあったらんな事ぁねえが、常に大きな余裕を持たせるにゃ金の他に空間余裕も要る。
海外比で日本だと後者が絶対的不利を拭えず、昔のアメ車みたいに排気量で安心を買うのは困難なのだ。
っつう事ってグラフの読み方をもう少し掘っとくと、一見能率・感度とは無関係の周波数特性グラフにそれはちゃんと反映されてんですよ。
能率も感度も特定入出力時の「音の大きさ」なんで、通常その単位はdBになる。
測定グラフの縦軸が正にそのdBになってるのがデフォで、グラフの縦軸平均を取ったのが能率・感度のスペック表記なんすよ。
こんなチョイめんどい事してる目的は、用途不問で他と比較するのに目安になるからだ。
さてオーディオ用ではフラット最優先の周波数特性も、PA用→楽器用となるに従ってかなり大胆な凹凸の生じるのが普通だ。
技術的ハードルを除いても未だそんなにしてるのはらしい音にする為で、オーディオ用ので電気楽器を鳴らすと大抵は例の目立つ倍音がかなり引込んじまうで。
かと言って大口径で数値的周波数特性では余裕と思えても、Guitar用のでBassを鳴らすと4弦だけ小さ目になる等の現象が起こり得る。
各用途の最適景色を示せたら良かったんだけど、音の好みは千差万別なんで難しく断念。
そこで代替手段を提示しとくなら、各自の好みだったスピーカの内周波数特性グラフの公表されてるのを雛形にするって作戦な。
この方法はオーディオ用でもPA用でもある程度有効で、嫌いなののグラフとの違いが各自のキーポイントになってる訳だ。
究極はなるべく沢山のグラフの景色を覚える事で、この辺は沢山書いて文章力を養うのなんかと同じだ。
尤も音響屋でも無い奴にそんな途方も無いのを課すのは酷なんで、1に一番好きなの・2に一番嫌いなのを入口にするのが良いんじゃないかな。
この段階での発見として例えば数値的にワイドレンジなのより、多少ナローなのが聴感上はワイドなんてのが出て来る処だ。
その訳は特定周波数での能率・感度にあり、欲しい箇所が凹んでるとそれより上下が出てても実効性が低いからだ。
勿論能率平均値の時点で全然足りなかったりしたら選外になるが、用途別所望周波数での能率・感度の実態も同等かそれ以上に実用上は影響するんすよ。
因みに○○Hz~○○kHz(-10dB)って、-9.99…dB迄範囲に含まれてるんだ。
電圧で-6dB・電力で-3dBで半減するんだから、-10dBなんて過激補填しなきゃほぼ聴こえないって事なのよ実際はね。
しかも平均値ってな上に大きいのも含まれるんで、最大と最小が更に倍近くなってる可能性があるんだ。
±3dBとか+1,-3dB等の表記なら大体額面通りに受け取って差し支えないが、-側のみ表記のには「軽度の例外の+」も含まれる事がある。
=つづく=
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