音楽備忘録1543 オーディオ等のスペック偏重に潜む罠➄
過去述重複&遠回りになるも、具体例の必要性から前回の続きを綴ろう。
俺の場合眼前にあるCymbalからじゃ無く、Mic選択からPaisteの基本サウンド学んだのは何とも杜撰大王らしいか…。
尤も希少な楽器だと昔より格段に生音に接し難くなってるし、崇拝する師匠の模倣から入った当初では他との比較も難しいやね。
その師と崇める者がアブノーマルな使い方・録り方をしてると厄介だが、好み上他との差が大きけりゃそれで追及した方がまだ近道の事が多いだろう。
さて私感ではあるがPaisteってな高域量とその艶が他より勝ってるのが特徴だが、実際は印象よりだいぶ出音の範囲はナローなんだ。
言うなれば「目立つ倍音1点豪華主義」ってなもんで、意外とハイエンドもZildjianより伸びていなかった。
のは帯域制限がほぼ掛らん球コンMicになってから思い知ったんだが、高域が豊富ってよりゃ低域が比較的大胆にカットされてたんですわ。
それが証拠にZ君でも工夫すると艶やかにも録れたり、凡そ不向きな低性能Micで拾ってもCymbalらしき物なのは分かり易い。
なので好みと違うMicでもZ君は全滅にはなり難く、しかし究極のサウンドを追及すれば却ってP君より難しい可能性がある。
これのスペック面からの適合性としては、P君には2k~8kHzに不要な凹凸が無く良く拾えるのが向いている。
そうは言っても個人的には音響屋兼業なのもあって、心情としちゃなるべくハイエンド迄拾っときたいけどさ。
実効性を優先すると↑が肝で、アンサンブル内に入るとオマケで拾えたハイエンドは殆ど効能が失せるんだ。
単体聴きでは天井知らずな程、閉塞感が無くて良さげなんだけどね。
そんな風にMicの方ではある程度用途が限られる事もあるんで、一般的には相性等と呼ばれてるこの性質を寄せとくのも良い。
がスピーカでは限定される事はもっと僅少になるのと、既に作られたのを再生させるので癖は歓迎しない。
強いて例外があるとすりゃ、非音楽関係者の個人お楽しみ用だね。
元がどうだろうとより好みに寄せて楽しんでも、作らない人だったら実害は少ない。
尤も硬い柔らかい以外は杜撰大王的には非推奨で、大して合致してない作品を好みと勘違いする恐れがある。
何れにしても重視する帯域に凹みがあると、その上下端が伸びてても物足りなく感じられるケースが多くなる。
ので闇雲に広帯域を狙うよりバランスを重視するには、なるべくグラフの公表されてる中から読み取れる力がものを言うのだ。
次回はグラフの弱点チラ見せの可能性を綴るが、それを生かすも殺すも音楽的知識量に大いに左右される。
のでⅡで予め抑えとくと良いんだが、必要に迫られてから聴きに行ってみても間に合う場合があるんだ。
見込みの無いのは聴いたって分からなさそうだから…って、如何にスペック信奉だろうと自分で壁を作ってしまってはね。
スペックは定量的に比較が出来る点では揺るがぬ信頼性があるが、それ以上でもそれ以下でもないんざます。
=つづく=
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