音楽備忘録1554 サチュレーションの話し➊
サチュレーションって単語、元の意味は科学分野に用いられる時は飽和だそうだ。
昨今はコロナのせいで動脈血酸素飽和度として一部一般には認知されてる様だが、親戚に医療関係者が多目でも杜撰大王は音響のしか語らん。💦
何だか妙に威勢の良い割切りが怪しげだが、医学の方のより音響のの方がもっと複雑怪奇なんすよ。
ってのも出発点に捉え方の相違ってのがあって、工学的見地では飽和・音的見地では歪みに先ず別れてるんだ。
その理由は歪みが目的では無い回路っつうのがそこそこあるからで、意図的に飽和領域に持ってく事で出力をほぼ一定に保てたりするからなんだ。
デジタルの論理回路では常套手段で、デジタルでは電圧の有無が基本動作原理になってるからだ。
と語っとき乍らここではしれっと詳説は割愛しちまうが、1つだけ言えるのは壊れん限り殆ど歪み率は不問となってる処だ。
例えば10V食わして5V出て来るのが6V食わしても同じ5Vが出るなら、デジタル回路君的には完全同一視するって寸法だ。
処が音の方となると↑ではかなり歪み率が異なって、音色が別物になるからそうは行かない。
しかも最も厄介なのが「同一歪み率でも音色が全然違う」場合が山程あって、その典型は聴感上の歪み認知だ。
要するに電気的には結構逝っちゃってるのに殆ど歪んで無い様に聴こえるのと、時々僅かにしか歪んで無いのに如何にもずっと歪んでらぁと聴こえたりすんのがあるのよ。
そこへ持って来て様々なアナログの撤退のお陰で、電気的に逝ってて音的に逝って無いのは今や真空管回路の一部でしか殆ど得られなくなってもうた。
ここで諸悪の根源となるのがグレー商売で今時球持ってる知ってる奴なんて稀そうだからって、唯歪ませてるだけなのに「これサチュレーション」でディストーションとかとはちゃいますって大嘘つく輩が…。
確かに電気物理的にはどっちも飽和なんで、それを傘に今ん処は言い訳にしてる様だがね。
等と又々攻撃的に吠えるのは、皆が求めてるサチュレーションとは真逆のもんだからなんすよ。
何時頃から誰がサチュレーションと呼び出したかオラ知らねえが、明らかにOverdriveとかDistortionとかとは本来は全く別物だからなんだ。
大昔一部の録音現場でMixer卓のVUメータが、振り切れる位の方が音が好ましくなる場合があるなんて常識がありましてな。
現在残存してるのだとエレキGuitarのリッチクリーン等がそうで、微に入り細に入り聴き込めば僅かな歪みを感知出来るんだけどさ。
アンサンブル内で小さ目に鳴ってると歪みが分からなくなって、それより「歪んで無い部分(と聴こえる)の音色」が格段に芳醇になるからなんだ。
近年音響でのサチュレーションが詐称となるのは、①非アナログなのと②意図的に歪ませてるのがアウトなんだよ。
真空管回路やテープレコーダ等で実際に起きてたのは、アナログ非線形な上気紛れ。
しかも最も肝要なのが極力歪まない様にしててしかしリニアにし切れず、少しゆがんでしまったと云う代物だったからなんだ。
日本語だとゆがみも「歪み」と同じ字になるから勘違いしたか知らんが、ある程度迄のゆがみだと聴感上では全くひずんでるとは聴こえない。
エレキGuitar・Bass位迄やれば前述の如く少しは分かるが、音響や録音機器で起きてたのはそこ迄行ってねえんだよ。
-つづく-
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