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2023年11月14日 (火)

音楽備忘録1551 オーディオ等のスペック偏重に潜む罠⑦

PAスピーカのスペックの続きざますが、爆音系ではマージンを取り難い・取れない場合が多いので汎用とは打って変わって要注意なのだ。
かつてはオーディオや楽器Ampでも余裕が無かったり、組合せがご勝手にだったから常に最低限だけは誰だって気を付けてたんだけどさ。

加えてPAの方では高価希少な高性能リミッタを使うのなんて贅沢の極みだったから、火薬並に慎重に扱わざるを得なかったのよ。
更にはAmp出力の「内容」が是又曲者で、僅かな歪みが聴感上許せても機器の方は1mmたりとも許さずなんてケースもあってな。

それが近年実感し辛いのは、本当は既にアウトでも数多の保護回路なんかが人知れず働いてくれてるからだ。
自動車のABS(アンチロック・ブレーキ・システム)等がその嚆矢で、本来は作動させたらいけないものなんだで。

エアバッグと違って何度でも使えるからついそっちに気を取られるけど、車がもう限界超えましたと訴えてる訳だからね。
あっでも僅かでもヤバそうな雰囲気がしたら、無遠慮にドンっと踏み付けなきゃ駄目よ。

自転車でも徒歩でも同じで、唯でさえ感知出来なくて突っ込む事だってあるんだから。
無事な際は大袈裟になって悪目立ちするかもだが、痛くない恥ならどんどんかく位で良いのさ。

って位古のPAには扱い辛い面があって、だからこそなるべくスペックから読み取れる弱点は事前に抑えとく必要があったんだ。
ここで厄介なのが但し書きレスor不足のヤツで、単に100Wと言ったって条件はかなり色々あるんすわ。

それが所謂rmsとかPeakとかで、和意訳すりゃ前者は平均・実効・連続等で後者は最大出力等だ。
この時点でもう一々「
等」等と付け足してるのは、それすらメーカ独自基準のもあったりするからなんだ。

尤も近似表記のが倍以上違う事は稀なんで、歪みを除くと受け側が出すのの倍以上あれば先ず安全だ。
処で「PAで歪み」だなんて太古の昔のボロいのじゃあるまいし、普通はわざわざ楽器みたいに歪ませようとは全く思って無いよね。

処が余程出力に余裕が無いと、実運用では結構知らん間に歪ませちゃってんだ。
それも昔みたいにまあまあ素の音だったら未だしも、Line収音したり大胆EQとか今は大抵色々加工してるからねえ。

思いの外Peak成分が増えてたりするんで、昔より保護回路等が充実したっても相殺する位かも知れねんだ。
実際Peakより連続の方が過大入力には強いが、ぼーっと安心迄はして居られんのどす。

楽器用やPAのでも今昔不問で一流のは、オーディオとは違ってPeak耐入力がrmsの倍より大きく取ってあるのはそんな事情からなんざます。
rmsで十二分に余裕があればそんなに心配しなくてもいいけど、キッチリ倍と公表されてるのだったら公称値100Wrmsとあっても実用上は割り引いて算定しといた方が安全ね。

=つづく=

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