音楽備忘録1520 低知名度アーティスト⑱
さあ堅い屁理屈はたいがいにして、何時もの緩い感じて次を紹介しよう。
本日はホントはHi-Recordsと言いたい処だが、敢えて代表格のAl Greenで進めよう。
でその訳はレーベル自体に独自性と革新性はあったんだが、それが過半数活きてたのがAl Greenだけだったのよ。
次点のSyl Johnson俺は絶対的お気に入り曲があったんで好きだが、大きなヒットは無いしこの人でなければって曲が他にあんまり…。
他の所属アーティストは強いて言っても、もっとヲタ向けって位が忖度限界だった。
のにレーベル自体を言いたかったのは、専属のHi Rhythm Sectionが秀逸だったからなんだ。
当時にして或は初の本格的Lo-Fi(尤も当時にそんな概念は欠片も無い)でいて、感覚的にはとっても先進的且つHi-Fiだったからなんだ。
ここまでサウンドの個性が強いとなると、それに負けないだけの強力な曲が要る。
この時代の音環境だと、今よりも遥かにコード進行とか構成でしかそれが賄えなかったんだ。
一部Beatlesみたいな神環境以外、録れば必ず欠損があるし音が悪くなってたんだもの。
その度合いっつうのが実に大胆!?で今では信じ難いだろうが、運が悪いとStratoがLes Paulにしか聴こえなくなる位の事もね。
最も顕著な例としては、ごく軽い歪みが全くの生音に聴こえてましたよ。(何の事は無い録音全部が少し歪んでて…😅)
なしてそれが判明したかってば後年下手なデジタルリマスタリングされたのを聴いたら、こんなに汚い音で演ってたのかって…。
真相を明かせば不要歪みが悪目立ちする、リマスタリングの失策なんだがね。
まあ兎に角そんなだから曲自体から弄らないと、サウンドだけで一寸斬新なんて真似は全く不可能だったん。
で当のAl Green曲水準も高かったが独自性としては、当時の米黒人では例外的な程お洒落で幸せな感じの曲が多かった。
それを実現するには↑の様な状況下だから、余計に他人が想い付かないコード進行とかも必要だったん。
普通ならマイナーに行く処とメジャーに行く処が逆になってたりとか、意表を突いた処へ飛んでるのに全体の流れは極自然とか。
のと歌手としては例の裏声シャウトに大きな特徴があり、普通シャウトったら張り上げるもんだよねえ。
のを小さく弱くも出せるのを見つけて、それを最大限に有効活用したんすよ。
普通に歌うより遥かに弱く小さくでも少し歪ませといて、それを段々絶叫に持って行くとかさ。
或は小さく弱くなる箇所だけ裏声で歪ませといて、大きく強くなる箇所では地声で朗々ととかね。
強いて欠点を挙げるとしたらピークは過ぎても人気はあったのに、本人の個人事情で突如引っ込んじまった処かな。
ずっと後年になって戻っては来たものの、その時もうHi-Recordsは完全に消滅してた。
名前や過去の作品は今も健在ではあるが、当時の様な作業は遂行不可能だからね。
これって聴くのは簡単でも作るのが難しかったのもあり、50年超のフォロワーたる俺でも幾らも模倣すら出来やしない。
けれどホピュラリティを堅持し乍ら誰かさんみたいにプロにあるまじき無理なコード進行にしたり、何処かの衰退国みたいに歌詞だけ聴いて式にしないには彼みたいなアイデアが絶対的に必要なんざます。
聴き専にしてもこんなの耳にしたら、多分今の愚作なんて聴いてらんなくなるんじゃないかな…って位に。
-つづく-
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