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2023年10月24日 (火)

音楽備忘録1530 デジタル音楽録音でのレイテンシ謎:補遺➋

前回綴った奏者モニタは「録る寸前の音」の件は確かにしても、デジタルでそうしなかったらどんなリスクがあるのかだ。
こっちも概述の如くレアケースを除くとデジタルのレイテンシの方がアナログのより小さいんだから、許容出来るのではって疑問が浮かびそうだ。

これを1つづつ順に駆逐してこうと思うが、先ずはPC系のサウンドカードやソフトにある「バッファサイズ」なる物の存在意義だ。
ハッキリ言って多重録音(同時録再)には、不要っつうかあっては困る存在なのを知って頂きたい。

だって多重録音的には「タイミングのズレ具合を調整」だなんて、そもそもズレがあっちゃ駄目なんだから。
これ結局は様々なマシンリソースに対応させるだけの為で、嫌味に言や録音より機械の都合に忖度してんのよ。

何でそんな要らない子が大手を振ってまかり通ってるかってば、恐らく打込みや非多重録音の方から来ちゃってんだ。
世間全体での録音ニーズとしては多重なんてのはれいわ新選組並の少数派で、既存技術を不採用にすると手間もコストもド偉い事になっちゃうからだろう。

しかもそこ迄手を掛けといたって、PCでは音の優先度が低目だからどう勝手に弄られるか分からない。
その意味でそもそも多重録音には、汎用PCではシステム的に不向きなんだ。

だったら独立一体型録音機でバッファサイズ調整の付いてるのがあるのは不可解だが、コスト抑制の為にサウンドカードやPCソフトの一部をそのまま流用したからだろう。
現に一寸旧聞に過ぎるやもだがadatやadat HD24にはそんなのは無く、これ等の頃の方が時期的には性能的には厳しかった筈なんだけどな。

では何故そんな昔のでレイテンシ調整が不要だったかったら、予め一番遅れる分だけマージンを取ってたからだ。
つまり遅れる以上に、全ての音をわざと遅らせて出してた訳。

その証拠に足りるか分からんがアナログ録音機から移行直後には、「反応の緩慢さ」が感じられたんだ。
緩慢ったって実際の録りには一切影響は無かったが、音だけで判断してると一瞬ボタンを押し損ねたかと疑う位にさ。

実際は押した瞬間から内部では動作が始まってんだが、レイテンシ分音の出るのが遅れるんだよ。
因みにそんなじゃパンチイン・アウトに支障しないか心配になる向きもあろうが、上述の通り実際にはほぼロスタイムレスで稼働してるから何の問題も無かった。

尤も現実的には一切合切がアナログとは比較にならない正確さになったんで、人力でタイミングを取るのは止め数値(時間)を聴きながら絞り込んで設定するのがデフォになったけどね。
但しこの方法では「今録れた音」のリアルタイムモニタは不可で、もしどうしてもって人が居てもガン無視になる。

んがどんな僅かになってもレイテンシの存在する事自体が、厳密に考えるとリアルタイムモニタからは条件的に外れてるんすよ。
例えば電機・電子楽器で誤って爆音になりそうな際、即座にボリウムを下げて誤魔化すなんてのには一寸でもタイムラグが付加されたらもう駄目だ。

ってそんなの誤魔化し切れてるかって話しだが、ピーク成分並の短時間に出来れば電気的にアウトでも聴感的には許容範囲に収めるのも不可能じゃないでしょ。
何とも怪しげな方向からの追及ではあるが、そんな真似さえ出来てこそのリアルタイムモニタなんじゃないかな。

+つづく+

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