音楽備忘録1526 デジタル音楽録音でのレイテンシ謎:補遺➊
こないだので一応纏め切ったと思ってたら、失念っつうか考えから漏れてるのが1つあった。
っと相変らずの杜撰大王ぶりで痛み入るが、従来からの習慣を踏襲して問題を感じなかったのも又事実なのであ~る。
って何ったら録音時の奏者モニタで、俺は未だMixer卓を常用してて特に不具合を感じて無かったんだ。
一寸再検証してみるとこれにはアナログ時代の録音機事情が発端になってるんで、向学も兼ねて少々昔語りおば訊いてくんろ。
それはアナログオープンリールテープレコーダの構造に起因してて、磁気ヘッドって原理的に簡単に言えば「特殊電磁石」でしかない。
だから一度に同じトラックの録音と再生は不可で、どっちかにしか使えない。
けどそれじゃあ多重録音に必須な同期は不可能なので色々頑張って、隣のトラックは再生して当該トラックは録音って処迄は何とか漕ぎ付けたんだ。
これ自体は素晴らしかったが録ってるトラックのリアルタイムモニタニーズと、記録方式が双方向性リニアじゃなかったせいでヘッドが後ろに1つ増えちゃったんだ。(録音専業・再生副業+再生専用)
このリニアじゃないってな性能を気にしたら共用不可を意味し、録音に最適化すれば再生音質には非最適になっちまってさ。
仕方無いから同時録再時の再生音質は諦めて、ミックスダウン時等だけ再生専用ヘッドを使う事に。
のでもし録れた音のリアルタイムモニタに固執すれば原理的にはテープエコーとほぼ同じで、ヘッドの距離分のレイテンシが。
或は鶏玉子話しでマルチトラックや3ヘッドデッキが先で、そこからテープエコーの方がアイデアを頂いたのかも知れない。
んでその遅延時間が業界標準のテープ速度38cm程度では、門外漢にすら明らかにエコー(Delay)が掛ってると分かる程にしかレイテンシを短く出来なかったんだ。
それもあって奏者リアルタイムモニタは「録音機に送る音」が精一杯で、音質劣化・変質面からも今録れてる音のモニタリングは技師等他者任せとせざるを得なかったんよ。
そんな状況から多重録音時奏者は録れた音では無く言わば「録られる音」をモニタするのが常識化してて、俺もスッカリそれが習慣として根付いちゃってたんすわ。
ここで録音時の考えられる機械的リスクとしては、録る方も勿論だが折角録れてても再生時にエラーが出る可能性も同等以上にあってね。
何しろ記録媒体がテープなんで巻き戻しに瑕疵があると、もうそれでも僅かには劣化の可能性があったんだ。
加えて低品質のだと再生中にヘッドが汚れ限界を越えたりして、ってこれはボロいカセットテープじゃないと誰でも実感するのは難しいかも知れないけどね。(聴き進めてく内にどんどん音が籠ってく)
尤も程度が違うだけで起きてる事は同じなんで、デジタルみたいに録る時大丈夫だったら必ずOKになるとは限らなかったのよ。
加えてオールアナログだと録再同時再生にはAmpやMixer卓が別個に必要になるし、そこでも劣化があるから追及してくとキリが無いんだわ。
デジタル録音の特に所謂DAWではレイテンシは癌そのものだが、それだってAD/DAとDA/AD変換の各1回分のレイテンシだけで実質無劣化の録れてる音が漸く聴けるには聴ける様になったのさ。
だがしくわぁしぃ、無劣化録音が可能化したんなら録れてる音と録りに送る音は寸分違わない筈だよねえ。
ので滅多にちゃんと解説はされてないみたいだが、奏者モニタには録音機に入る寸前の音さえ聴ければほぼ無問題なんだ。
確かに実際「録れた音」の方が、より信用度があるだろうけどね。
+つづく+
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