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2023年10月28日 (土)

音楽備忘録1534 デジタル音楽録音でのレイテンシ謎:補遺➌

前2回からリアルタイムモニタをAD/DA変換前のにすりゃ、レイテンシは恐れるに値しない…筈が現実にはあまりそうなってない。
のについて今回は掘ってくが、それには幾つかの原因があった。

先ずハード面ではレイテンシの変動・不統一が癌で、それではマージンを取ろうにも中々その値が定められない。
しかもリソースの余裕が小さい汎用PC等では、最大遅延時間がどんだけ遅くなるか分からん体たらくである。

ディスるだけじゃ不公平なんで一応擁護もしとくなら、最大トラック数の決まって無いのが多いとかって事情はあるんだ。
要するに使い方次第で重さが如何様にも変動するんで、リソース安全領域自体からして全く未定なんすよ。

かと言ってこのインタフェイスは○○ソフト専用ですなんてすると、多方面からの汎用性が全部反故になっちまうしねえ。
なのでデジタル領域で退治するのは早々に諦めたとして、今時大問題になるのがMixer卓だ。

アナログ時代は前2回述の如くリアルタイムモニタの取出し先は、録音機に入る寸前の一択しか存在しなかった。
だから余程の廉価版以外は用途に多重録音の入ってるのだったら、簡易でもサヴミックス機能の搭載されてる卓が多かったんだ。

ってかミキサの方だってその頃はアナログのしか無かったから、ch数の多いのだったらどうせ家の食卓より大きくせざるを得なかった。
録音機もオープンリールでは大きさは未だしも重さが30kg以上になってたりしたんで、一体化なんてさせたら不便極まりなくしかならなかったんだ。

結果現実的には分割しとくしかなくなって、ずっと録音にMixer卓は必須の存在となってたんよ。
のが今は電気出力が可能な楽器が増えMic同時収録ch数も減少傾向にあるとなると、アナログ段は8~多くて16ch分のPreampさえあれば大体録るだけなら足りる様になった。

Mixingはデジタル領域でやる方がハード的にも音質的にも有利で、全て録った後にすればレイテンシがあろうと無かろうと関係無いしさ。
けれど多重録音奏者のリアルタイムモニタの件だけ、一寸置き去りにされちゃってるんよ。

レイテンシを最重視すると未だアナログの方が有利で、しかしサヴミックス如きの為にアナログ回路を搭載するとコスト・サイズ・重量のどれもが途端に嵩張りやがる。
これは廉価一体機には過酷な選択で、その意味ではデジタルミキサのレイテンシこそが元凶と言えるかも知れないな。

録音のレイテンシ問題っつうと誰しも録音機にばかり意識がつい行っちゃってるが、こっちは録らなくても聴者ダイレクトのとデジタルミキサ経由の音を共存させる際に大問題になったりするからねえ。
つまり多重録音には現状のデジタルミキサも、録音機に勝るとも劣らぬ程多重奏者リアルタイムモニタに実は不向きだったのよ。

何しろサヴミックスをデジタル領域でさせると、信号変換が必ず2回分必要だからねえ。
それだけ遅れちまうとどんなトロいアナログ骨董ミキサより、段違いに遅いですから。

+つづく+

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