音楽備忘録1536 低知名度アーティスト㉒
今日取上げるJohnny Winterは低知名度と言うには多少苦しいが、歌唱力への認知は乏しく見逃されてる。
ドBluesでありながらかなりHard Rock臭が強い等、組合せが奇異なのも災いしての事か。
実は俺耳にした途端気に入ってはいたものの、痛快だけど本当にBluesしてたのに気付いたのはかなり後になってからだったんだ。
体質的にBluesが自分には最も合うらしいのは早期に分かってたが、たまになら良いがしょっちゅう暗いのや後ろ向きなのはちっとも好きじゃない。
昔日本で○○ブルースと名の付いた曲の殆どが、悲しさや渋さ中心なのには閉口させられててね。
単なる悲しさならFolkの方が渋さなら浪曲等の方が一段上で、又フラれて苦笑い等顔で笑って心で泣いてる様なのこそBluesじゃないと難しいと思うんだがね。
まあ解釈は人次第で色々あって然るべきなんでアレとして、当時の少したるいHard Rockなんかを彼は完全に凌駕してたんでさ。
って実はアルバム単位で聴けばモロに伝統的なのが、大抵1曲は入ってたんだけどね。
それに何しろ1970年頃の時点ではハイパー速弾きが目立ってたし、それに対し少し独特な歌唱法だったが伝統的なシャウトの仕方だったりしたんでね。
素晴らしいし凄いけど、強烈な容姿と速弾きだけの印象が強かったんだ。
のが’70年代末に知ってから20年過ぎた辺りで他の人の曲と比べると、実はべらぼうに歌が上手いのではと思い出してさ。
ちゃんと真面目に歌をコピーし出してみれば(それ迄してなかったのかよってな😓)、聴き味は普通ぽかったがアドリブで入る一言とかのタイミングや表現が絶妙にしてかなり難しかって。
又彼のお家芸「強調したい箇所でサッチモばりにシャウトさせる」っつうのも理屈は至って簡単なんだが、過去述の如く喉のキーに対し高目の音程で実施するのは非常に厳しい。
にも拘わらず主に音程が高目になる処で駆使してて、聴こえた感じと実際演ってみた難易度が最も掛離れてる類いの1つなんじゃないかな。
そんな真似をしれっとサラっと熟せてるのは、結局基本歌唱力がかなり高かったからだと悟らされたんすよ。
この点肌の色こそ違えどジミヘンもご同様で、かなり彼も歌唱力があったのに未だ限られた一部の人にしか気付かれてない。(本人は当時周囲の主に黒人のが超絶だったからか全く自信を持って無かった)
更に追打ちを掛けるならDuane Allmanもで、The Allman Brothers Bandでメジャーになる以前はかなり歌ってたし充分歌えてたんだ。
それに対し今は歌手としても存分に確立してるEric Clapton、色々聴き比べりゃ彼の歌唱力が完成したのは1980年以降なんすよ。
ディスろうってんじゃなくて、それ位他も本業で演ってると歌唱を確立するのって大変なんざます。
Guitarで超絶テクを早期にマスターするだけでも大変なのに、中々同時並行とは凡才には無理な相談なので御在居。
結局時期は色々でも複数を獲得出来た人って、つまりは「音楽が上手な人」だったからなんじゃないかねえ。
そしてそれは時が経ってバカテクが凄く無くなっても、過去に感じた思ってたよりGuitarも深良いフレーズだったりするんだ。
-つづく-
« 音楽備忘録1535 オーディオ等のスペック偏重に潜む罠③ | トップページ | 音楽備忘録1537 音楽に必要な高音質➎ »
「文化・芸術」カテゴリの記事
「音楽」カテゴリの記事
「ギター」カテゴリの記事
「奏法」カテゴリの記事
« 音楽備忘録1535 オーディオ等のスペック偏重に潜む罠③ | トップページ | 音楽備忘録1537 音楽に必要な高音質➎ »
コメント