音楽備忘録1497 跳ねるの薦め➏
今日は機械リズムの一実例として回り道して、前回出YAMAHA RX-5の実使用に纏わる悲喜こもごもから綴ってみやう。
当時の状況だと腕前・録音のMicやトラック数の貧状から、生Bandスタイルでもメンバーが足りなきゃそれがベストチョイスだったんだ。
所詮は代用でも素人耳には意識しなきゃドラムが露骨に機械にはならなくなったんで、色々とっても助かったんだ。
何しろ誰がどう聴いたってそれ迄のリズムボックスだと、少なくともドラムだけテクノみたいにしか出来なかったからねえ。(こっちの主戦場はオーソドックスなBandスタイル)
この状況は録音音質が飛躍的に向上した今でも近似で、人力素材でもループ等加工度が高きゃ実質「サンプリングの容量が増えた」のと同じだからね。
我々偏屈爺さんの処では今は掛けてもリミッタ止まりとするとか、そう云う風にしてると差は歴然だがね。
但し従兄のドラム録音レイテンシ禍程じゃ無かったけど、ドラムマシンのタイミングの不自然さにはそれなりに翻弄されたのよ。
音色・音質は悪くないのに、どうも譜面通りに打込んどいても今一格好良くならないってかキレがどうにも足りない。
でも相手は機械で正確無比なんだからと、まさかタイミング案件が原因になってたとは中々思えなかったんだ。
突破口となったのは窮鼠猫を噛むじゃねえが、ある楽曲内でそのままじゃどうにも始末に困って試しにタイミング修正してみた時だった。
それでも当初はドラム演奏スキルが低かったんで、遅れてるのか突っ込んでるのかが中々分からず暗中模索しただよ。
加えて混乱させられるのが強弱との組合せで、それに依っても大部違った感じに聴こえちゃうからねえ。
結果的にそれがドラム演奏の座学みたいになって強制勉強になったが、無造作に演ってる様に見えてた一寸したフレーズ1つでもかなり奥が深かったんだと思い知りましたわ。
尤も「普通のドラム」(人の叩くのの方がデフォと思ってる)に拘んなきゃ、こんな修正プロセスはしなくても済むんだろうけどね。
但しⅡでそれで楽曲にフィットさせるには、既存のオーソドックスなドラムフレーズを一旦白紙にしないと厳しい。
のと実際に試合奏させてみてイメージに合致しなかったら、何か別のを新たに探さなくちゃいけない。
だが幾らドラムフレーズが理論上は自由っつっても普通の音楽を演るつもりだと、聴者の既成概念をあまり阻害しても不味いのよ。
ズツタツとなるべき箇所がタズドツとかになると、それだけで「ドラムっぽく無い」と感じられちゃうからねえ。
事程左様に実例の多くは折角機械を用いても、それに依る新鮮味を付加した程度で全く新しいフレーズやパターンは幾らも生まれなかったんだ。
若しくはHerbie HancockのRockitみたいに斬新に演ってヒットしても、それのドラムフレーズが他へ大きく普及はしなかったよね。
何せその頃はまだ踏める奴は皆無だったしドラムマシンの機種が僅少で、フレーズを同じくするとたちまち2番煎じとしか思われなさそうだったしさ。
ツーバスでドカドカ連続させるのにしてもエンディング等限定的で、今よりチープだった音質面からもそれ以上入れるのは難しかったさね。
結局人力演奏のを雛形とするなら、タイミングだってそれへ近付けなきゃ仕方無いん。
つまり聴感上はリニアに聴こえた太鼓でも、実際は物理的リニアリズムにはなって無かったんだわさ。
=つづく=
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