音楽備忘録1430 歌のコーラス⑪
さてハモりも突き詰めれば底無し同然だが、それには環境や果ては聴き手の耳精度迄問題になって来よう。
ので我々一般ポピュラー音楽ではそこ迄拘る必要は極稀で、許容範囲に収められてたら大丈夫なのだ。
それを紐解くには一般歌手の音程安定度が無視出来ず、安定してるに越した事ぁねえが極端に行き過ぎると人の声らしく無くなるからそれも又駄目だったりする。
これは踊りと体操の差と似てて、正確無比だけを尊重すると大抵は表現面がプアになっちまうんだ。
一寸前の従兄の意味も無く音程が震え続ける声だと、何だか寒いか恐がってるみたいで気持ち悪かったがね。(失礼)
さりとて完全に一定になったら発振器のピーみたくなって、凡そ人のっぽく無いし完全無機質になって表現もヘッタクレも逸失しちまうだろう。
尤もそんな声を出せる奇特な人が居るか知らんが、まっ要するに音程だけだとある程度不安定なのが肉声なんだ。
それでハモろうすりゃずっと絶え間無しに完全にハモる筈も無く、そこからある程度「ハモりの相性」とかが出て来るん。
手前味噌では従兄のかつては音程がズレる時は上傾向があり、俺は下がる傾向があった。
ここ暫くはちっともハモって無いんでどうなってるか不明も、多分基本傾向はほぼ体質みたいなもんだからあまり変わってないだろう。
でこの点だけで評価すると相性は良くないが、従兄が下・俺が上パートを担当するのが殆どではこっちとしては合せ易い方だ。
一見キツイ状況も各自の弱点が出ぬ様自然と注意力が上がるんで、物凄く楽ではないが全体の結果としては比較的良好だ。
一方同傾向を持った相手だと楽になる筈も歌だけ勝手にハモったって、伴奏から逸脱したりが起きるんで気分は良くても結果が中々ついて来ない。
差し詰め合唱版良薬は口に苦しってなもんで、そんなだからひたすら美和声を追及する様なジャンル以外ではそんなに精度にだけかまけてなんていられない。
プチ脱線して美和声追及の世界に触れとくと、その様な代物では美和声を犠牲にする様な伴奏は寸分たりとも許されない。
そこ迄してるから本当に美しいのは美しいが、世の中美しいだけでは生きて行けぬ様に音楽だってそれしか無かったら飽きちゃうのよ。
その手のだと美しいは表現可能も汚いが完全レスで、つまり実社会の最高で半分しか表現出来ないからね。
っつう関係からポピュラーでは平均律になってる楽器の伴奏とも酷くズレたら困るしで、完璧な純正律に届いて無くても平均律のよりハモってりゃ合格って感じになってんだ。
それも第一段階は発声してるのの過半がハモってりゃ取敢えずOKで、その状態で加点はあまり多くないが失点はゼロと考えといて大きな問題は無い。
加点が多くないってのは歌唱力等は無評価で、曲ハーモニーの充実のみ評価対象になるって事ね。
無論そこからハモりが向上してけばどんどん加点されてくが、あまり上手じゃなくてもハモれてさえいれば損しないのが着目点ざます。
因みにユニゾンも一部ヲタ等に評価される可能性はあるが、全般の扱いはハモりとは雲泥の差で御座居。
-おしまい-
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